とある病院の病室
そこには一人の少年が横になっており、今まさにその命を終えた。
少年の周りには担当医師以外おらず、少年の親族は誰もいなかった。
少年に家族はいない。
少年が高校に入学した年に他界してしまい少年だけが残った。しかも両親は駆け落ちしていたようでそれぞれの親元から勘当されていた。
その後、両親が残した遺産をやりくりしながら生活していたが、彼は不治の病をその身に抱えていた。
そして、病が悪化するが満足な治療を受けることができず今まさにその命を閉じた。
その傍らには二つのデッキケースと大きめのカードケースが置いてあった。
そこに描かれていたカードの名前は
遊戯王 デュエルモンスターズ
そのカードたちが一瞬、輝いたのを見た者はいなかった。
俺は目を開けた。
おかしい。
俺は死んだはずじゃないのか?
ここは天国か?
起き上がって周りを見てみると、ここはどうやら寝室のようだった。しかもかなり豪華だ。
そうしていると自分の体の状態に気が付いた。
とても気分がいい。病気による体の不快感が全くなくなっている。
だが、もっと重要なことに気が付いた。
「・・・体が縮んでいる?」
俺はもともと高校三年生だ。
しかし、今の俺の体は中学生ほどまで縮んでしまっている。
混乱しながらも周りを見回していると机の上に置いてあったカードケースが目についた。
すぐにベッドから出て取り出す。
そこにあったのは俺の遊戯王カードのデッキと持っているカードすべてだった。
親が死んだあと、体を鍛えるために刑事の父さんに教えてもらったCQC(近接格闘)をする傍ら、夢中になって遊んだ俺の宝物だ。
俺がそうしていると部屋の扉があいて一人の男が入ってきた。
俺はその男を見て開いた口がふさがらなかった。
「目が覚めましたか。よかったデース」
「・・・ペガサス・J・クロフォード」
昔よく見ていたアニメ、遊戯王デュエルモンスターズに出てくるデュエルモンスターズの創造者ペガサスが入ってきたのだ。
「気分は大丈夫デスカ。とても驚きマシタ。あなたが私の家の庭に倒れていたのデスカラ。見たこともないカードたちとともに」
そういってペガサスは俺に鋭い視線を向けてくる。
「まずはあなたの名前を教えてくだサーイ」
「・・・火渡カイだ」
ペガサスさんとの話し合いで分かったこと。
俺はペガサスさんの住居の庭に倒れていたのをペガサスさんに保護されたらしい。
俺の周りには俺が所持していたカードが散乱しており、その見たこともないカードがペガサスさんは気になり、俺を保護したそうだ。
俺は自分の知っていることを全て話した。
この世界と俺が生きていた世界は別世界だということ。
この世界をアニメとして見ていたこと。
故にこの世界の未来がある程度分かること。
カードたちは俺の世界で発売されたものでこの世界では未来に生まれるカードだということ。
他にもシンクロ召喚やエクシーズ召喚といった未来の召喚方法も教え、終始ペガサスさんは興味津々で聞いていた。ちなみに持ってきたカードの中で数枚無くなっているものもあったが主力デッキのカードじゃなかったから気にしなかった。
その後、ペガサスさんの紹介でデュエルキング武藤遊戯や海馬コーポレーション社長海馬瀬人とも会った。
二人とも俺の話に興味を示してくれたが、ブルーアイズが百円以下で買えると言った時の社長の反応には結構驚いた。親の仇のような目で俺をにらみながら掴みかかってきた。
俺の持っていたカードを数枚渡してなだめた。
二人とデュエルしたのはいい思い出だな。もっともデュエルディスクの使い方は分からなかったし、シンクロやエクシーズに反応するかわからなかったのでテーブルデュエルだったけど。
即席で作ったシンクロンデッキでジャンクウォーリアーにブルーアイズを殴り飛ばされた、海馬ボーイ(いった瞬間に殴り掛かられそうになった)の顔は傑作だった。
で、ペガサスさんは俺たちがデュエルしている間に俺の戸籍の用意をしてくれた。
俺の体についてだがどうにも俺が病気になる前の年齢くらいに戻っていた。
それで一応検査してもらったら病気のもとがあることが判明。
悪化する前なのですぐに手術で治療すれば助かるらしくペガサスさんがすぐに手術を受けれるようにしてくれた。
ホント、ペガサスさんには感謝しきれない。
なぜ俺がここにいるのかはわからない。
だが、折角助かった命だ。
元の世界に戻れるのかわからない以上、俺はこの世界で生きていこうと思う。
いろいろ、おかしな文章になっているかもしれませんがご容赦ください