闇龍
手術が成功し、退院した俺、火渡カイは堂実野町を歩いていた。
俺が入院していた病院は海馬コーポレーション直轄の病院だった。で、折角だから退院した記念にこの町の観光をしている。
「ちょっと!放しなさいよ!」
人がせっかく気持ちよく観光しているのに全く、はぁ
俺はその声のほうに歩いていくと同い年くらいの蒼い髪の女を押さえて、おそらく彼女のデッキを奪っている不良たちの姿が目に入った。
「お前ら何をしている」
Side蒼髪の少女
私は、家の稽古を終えて趣味の一つのデュエルモンスターズを妹とやろうと待ち合わせのカードショップに向かっていた。
でも、その途中でデュエルを申し込まれたから、受けたら相手のデッキは禁止制限無視の卑怯デッキで、すぐに負けた。そして、デッキを奪おうとしてきた。
それに対して私は習っている格闘術で対抗したけど、後ろから不意を突かれて捕まってデッキを盗まれてしまった。
「ちょっと!放しなさいよ!」
「ふん。女のくせに生意気なんだよ」
そう言って不良の一人は私のデッキを奪ってしまった。
「お前ら何をしている」
すると、一人の同い年くらいの私より少し薄い水色の髪をした男の子が割って入ってきた。
Side out
さて、見たところこの不良たちがこの女からデッキを奪ったみたいだな。
ならやるべきことは
「なんだテメェ」
とりあえず、言ってみたかったセリフを言ってみるか。
「おい、デュエルしろよ」
「なに?」
「俺が勝ったら、そいつのデッキを返せ。俺が負けたらこいつをやる」
俺はなんとなく持っていたカードを出す。
「ダ、ダイヤモンドドラゴンだと!?」
ダイヤモンドドラゴン
光属性/ドラゴン族/☆7/攻2100/守2800
この世界のカードの価値はいろいろおかしいからな。
このカードも売ったら数万はいく。元の世界だと十円くらいだったけど。
このカードを見て不良たちも目の色を変えた。
「へへっいいぜ」
そう言って不良のリーダーと思われる奴はデュエルディスクを起動させる。
俺も腕にデュエルディスクを付ける。
「「デュエル」」
カイ LP4000
不良 LP4000
この世界の先攻後攻はディスクが判定する。先攻は俺か
「ドロー!」
「モンスターをセット。カードを二枚セットしターンエンド」
カイLP4000
手札三枚/場 セット1魔法・罠2枚
不良LP4000
手札六枚
「俺のターンだ。ドロー」
「俺は手札から魔法カード手札抹殺発動」
手札抹殺の効果で俺と不良は手札を捨て同じ枚数デッキから引く。
「さらに魔法カード強欲な壺を二枚発動」
やはり禁止制限無視のデッキか。
「さらに死者蘇生を二枚発動するぜ!甦れデーモンの召喚、トライホーンドラゴン」
デーモンの召喚
闇属性/悪魔族/☆6/攻2500/守1200
トライホーンドラゴン
闇属性/ドラゴン族/☆8/攻2850/守2350
「くらえ!デーモンの召喚でセットモンスターに攻撃!」
破壊される俺のモンスター
ハウンド・ドラゴン
闇属性/ドラゴン族/☆3/攻1700/守100
「そのままトライホーン・ドラゴンでダイレクトアタックだ」
カイLP1150
「リバースカードオープン、ダメージ・コンデンサー。このカードの効果により手札を一枚捨て発動。受けたダメージ以下の攻撃力を持つモンスターをデッキから攻撃表示で特殊召喚する。来い、マテリアル・ドラゴン」
マテリアル・ドラゴン
光属性/ドラゴン族/☆6/攻2400/守2000
「へ、何を出すのかと思ったら攻撃力が俺のモンスター以下じゃないか。カードを1枚セットしてターンエンド」
カイLP1150
手札2枚
場 マテリアル・ドラゴン
魔法・罠1枚
不良LP4000
手札3枚
場 デーモンの召喚 トライホーン・ドラゴン
魔法・罠1枚
「俺のターン。ドロー」
さてさっさと終わらせるか。もう必要なカードはそろった。
「魔法カードサイバーダーク・インパクト!発動。手札、場、墓地にあるサイバーダーク・キール、ホーン、エッジをデッキに戻しエクスtおっと、融合デッキから鎧黒龍-サイバーダーク・ドラゴンを特殊召喚」
俺の墓地からキールとエッジ、手札のホーンがデッキに戻り黒い骸骨の様な龍が現れ咆哮をあげる。
鎧黒龍-サイバーダーク・ドラゴン
闇属性/機械族/☆8/攻1000守1000
「な、なんだこのモンスター」
不良は見たこともないモンスターにビビっているようだ。
「サイバーダーク・ドラゴンのモンスター効果発動。このカードが特殊召喚に成功したとき自分の墓地に存在するドラゴン族モンスター一体をこのカードに装備カード扱いとし装備。そして、装備したモンスターの攻撃力分このカードの攻撃力をアップさせる。俺は墓地のダーク・ホルス・ドラゴンを装備」
墓地から現れた闇のドラゴンがサイバーダーク・ドラゴンに装備される。
鎧黒龍-サイバーダーク・ドラゴン
攻4000
「こ、攻撃力4000!そ、そんなカードいつ墓地に」
「ダメージ・コンデンサーの時だ。ちなみにキールとエッジはお前の手札抹殺の時だ。さらにサイバーダークの効果は続く。墓地に存在するモンスター1体につき攻撃力を100ポイント上昇する。俺の墓地にはモンスターが一体。さらに100攻撃力上昇」
鎧黒龍-サイバーダーク・ドラゴン
攻4100
「サイバーダーク・ドラゴンでトライホーン・ドラゴンに攻撃。この瞬間、リバースカードオープン。リミッター解除!この効果でサイバーダーク・ドラゴンの攻撃力は二倍になる」
鎧黒龍-サイバーダーク・ドラゴン
攻8200
「消えろ、ダークネス・デストラクション・バースト!」
「へへ、甘いぜトラップ発動!聖なるバリア―ミラーフォース。このカードの効果でテメェのモンスターは全滅だ!」
「甘いのはお前だ。マテリアルドラゴンの効果発動。フィールド上のモンスターを破壊する効果を持つ魔法・トラップ・モンスター効果が発動したとき、手札を1枚墓地へ送る事でその発動を無効にし破壊する」
俺は最後の手札を墓地に捨てる。
不良は何も言えなくなっているな。
そのまま、サイバーダーク・ドラゴンの攻撃にモンスターごとのみこまれた。
不良
LP0
その後のことを簡単に言うと、あいつらはすぐに逃げようとした。
だが、逃げる時にあろうことか女の子のデッキをばらまき踏みつけて行った。
ブチ切れた俺はそいつらを血祭りにあげ、警察に通報した。
しばらくしてから警官が来て不良たちを連れて行ってくれた。
「あ、ありがとうね。助けてくれて」
「助けてない。結果的にお前のデッキをダメにしちまった」
彼女のデッキは主力カードが折れ曲がったりして、とてもデッキとして使える状態じゃなかった。
それにしてもこのデッキ、水属性主体のデッキか。
俺はサイバーダークデッキが入っているケースとは違うケースからカードの束を取り出す。
それは生前に友人から譲ってもらった二つのカードの束の一つで、俺はもう一つのカードシリーズでデッキを組んだ。
これは残ったもう一つで水属性のモンスターのシリーズだ。
「なあ」
「はあ、ん、何?」
デッキの惨状を見て落ち込んでいたが俺の声に反応してくれた。
俺はカードを差し出す。
「このカード使ってくれないか」
「え?」
「俺はこのカードでデッキを組むつもりはない。だから、お前が使ってくれた方がこのカードたちも喜ぶ」
そう言って俺は戸惑っている彼女にカードを無理やり押し付ける。
「じゃあな」
俺が立ち去ろうとすると
「待って!あなたの名前は?」
「火渡カイだ」
「私は更識結(さらしきゆい)。えっと、ありがとう」
「・・・どういたしまして」
そうして俺は観光の続きに戻った。
Side結
「火渡カイ君か」
彼の姿が見えなくなってから彼の名前をつぶやく。
まるで一つ年下の妹の簪ちゃんがよく見ているヒーローみたいだったな。
そうだ、彼のくれたカード見てみないと。
へ~水属性主体で、結構強い。
でも見たことのないカードね。
まあ、いいわ。
次彼に会うまで使いこなして見せるわ。
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