事変奔走
昔から、自分は特別だと思ってた。
実家が極めて裕福な訳ではない。
両親が世界的に著名な人物という訳でもない。
ましてや、自分に何か優れた才能があるなんて口が裂けても言えない。
都内の進学校に通ってはいるが、成績はその中でも平均より少し上くらいの至って平凡な一般人だ。
それでも俺は、自分が特別な人間だと思う。
なぜなら―――
1時間前。
21:25 道玄坂。
「なんだよこの量、多すぎんだろ.......!」
目の前で起こっている
彼がこの化け物―――彼が悪霊と呼ぶもの共を見るのは初めてではない。彼にとっては物心ついた時から見知った存在だ。だが、こんな街中でこれだけの数が暴れているのは初めて見た。―――当然、人が無残な死に方をするのも。
呆気に取られるが、視界の端で何かのコスプレをした女性が悪霊に襲われていることに気付き、すぐさま
仕方ないと意識を切り替え、身近な人から救助に入る。しかしあまりにも数が多すぎて、1人助ける間に5人10人と死んでいく。それどころか、助けた側から殺される人までいた。もう全員見捨てて逃げた方が良いのではないか、そんな外道な思考が脳裏をよぎる。それでもやっぱり見捨てることは出来なくて、自身も避難を開始しながら救助を辞めることはできなかった。
そんな出来事から1時間後、やっと思いでたどり着いた井の頭線 渋谷駅アベニューロの階段を駆け降りていると、目の前に黒いドーム状の何かとその前で祈るように手を握る、黒い制服を着た同年代らしき少年の姿が見えた。その少年は
「領域展開――――嵌合暗翳庭!」
少年の言葉に従うように、黒いオーラが広がっていき―――
「―――――――――は?」
「なっ!」
―――何故か俺も一緒に巻き込んだ。
てかお前も驚くなよ。お前が巻き込んだんやろがい。
気がつくと、目の前には南の島を思わせるビーチが広がっていた。
「―――――――――――――――――――――――――は?」
俺こと瑞原獠太、本日3度目の驚愕。俺がさっきまでいた場所どこ?
「...........はあ!?えっ何ここ、どこ!?駅、駅は!?地下鉄どこ行った!?」
理解出来ずに叫ぶ。トンネルを抜けたら雪国でしたじゃねぇんだが?場所によってはもう帰れねぇんだけど?
「.......おい、お前なんで入ってきた!死にてぇのか!?」
隣を見ると、俺を変なのに巻き込みやがった少年くんがブチギレてる。なんで俺がキレられとんねん。
「お前が変なのに巻き込みやがったからだろ!?こっちは命懸けで逃げてきたってのにどこに拉致ってくれとんじゃコラァ!」
「(逃げてきた.......?もしかしてこいつ、一般人か?だがこの
少年くんにキレ返していると、横から別の男に声を掛けられる。
「すみませんが、君は一体?その呪力量、見たところ呪術師のようですが...........」
「なんだよ、こっちは今.............うえぇぇぇえええぇぇ!!!!?めっちゃ怪我してるじゃないすか!それ大丈夫ですか!?」
「私のことはお構い無く。それよりも、今はこの領域から脱出しなければなりません」
「領.....域?いやいや、それよりもさっさと応急手当でしょ!?」
「駄目です。あの呪霊を倒すか、この領域から出ない限り我々に勝ち目はありません。この領域はあの呪霊が展開しているものです。領域展開後には、しばらくの間術式が焼き切れて使えなくなります。その隙を突くしかありません」
次から次へと何を言ってるんだこの人は.........そう思いながら彼と同じ方向を向くと、そこには外にいるやつらよりかなりマシな見た目をした蛸人間がいた。
あいつが『呪霊』って名前なのか?外のやつらと同じ類いにしか見えないが..........それに個体名というより総称な気がする。
.........てかその横にいる上裸の爺さん片腕ねぇんだけど!?あっちの方が重症じゃん!ああなってからどれだけ経ってる?場合によっては出血多量であの爺さん死ぬぞ!?
「伏黒君もかなり消耗している。もう時間がありません、一刻も速く脱出を!」
そう負傷してる男性が呼び掛けるが、あの蛸人間が素直に行かせてくれるとは思えない。
「あの蛸人間..........呪霊って言いましたっけ?あいつ殺すのでもありなんですよね?」
「............この状況では不可能です。あの呪霊を倒すためにも、まずはこの領域から出る必要があるんです」
「今できるかどうかは訊いてません。あいつを殺せばどうにかなるのか訊いてるんです」
「それは、そうですが........」
「じゃあ大丈夫だ」
「...........お前、一体何する気だ」
少年くんの言葉には返さず、蛸人間に視線を向ける。
「(あの少年、何かするつもりか。そうはさせん)」
蛸人間は俺を警戒すべきと判断したのか、こちらを向いて構える。
「五体引き千切り殺法」。各部位の根本と胴体の距離を離すことで、無理やり引き千切る技。相手が無生物でも関係なく引き千切れる。あの蛸人間が外のやつらより遥かに強いことくらい一目見た時から解っていた。だからこの強力な悪霊を殺すための技を選んだのだ。
胴体と一緒に
中途半端ですが、一旦ここで区切ります。
原作キャラの口調再現これで合ってるわからん。違ってたらごめんなさい。ついでにオリ主とその術式について記載しておきます。術式ってものによっては無法なやつとかあるイメージなのでこんな感じにしましたがどうでしょうか?ちょいネタバレ要素あるのでご注意ください。
瑞原獠太(みずはら りょうた)
17歳
男
高校2年生
【概要】
都内の進学校に通う平凡な男子高校生。非術師の一般家庭に生まれた術師だが、本人は渋谷事変の際に伏黒恵を始めとした呪術師と出会うまで呪術界のことを何も知らずに、「悪霊退治」と称して呪霊を祓っていた。
中学校入学時に両親の転勤で北海道から上京してきた。高校入学時に両親が海外に転勤しているため、現在は中学生の妹と池袋で二人暮らししている。
【術式】
有する術式は、あらゆる距離を操作する「距離操作」。操作する距離を計測する機能が組み込まれており、常に全方位を立体的に計測している。
対象に「距離」の概念があれば大体操作可能であり、頻繁に使う攻撃方法は時速350kmで対象を飛ばす「それいけぶっ飛ばし砲」。この速度は自由に設定可能であり、その気になればより速い速度や遅い速度で飛ばすことも可能。時速350kmという速度は、幼少期からよく父親にF1レースの観戦に連れて行かれており見慣れているため、意識せず容易に設定可能な速度である。自身を弾丸として発射する高速移動も可能。
対象から目的地までの距離を0にすることでテレポートしたり、地上から足裏までの距離を固定することで空中歩行できる。
自分と周囲の距離だけではなく、周囲にある対象同士の距離を操作することも可能。
自身と対象の距離を際限なく引き離し続けることで、五条悟の無下限バリアとほぼ同等の防御性能を発揮する。
対象から目的地までの時間距離を操作することで限定的な時間操作や、幾何学的距離を操作することで大気中の成分や物質を構成する原子の関係を操作できる。
認識外の距離も操作可能ではあるが、初めに操作対象の位置を特定してから操作するためタイムラグが発生し、精度もガタ落ちするため普段から使うことはない。ただし、上空や海上のような障害物のない空間であれば、距離の計測なしにテレポートなどの操作を行う。また、予め対象の位置を把握している場合に限り、どれだけ離れていても即座に操作可能。
触れた相手の体内と体表面の間の距離を0にすることで、相手を身体の内側と外側が引き寄せ合う形で潰すことが可能。
またそれいけぶっ飛ばし砲の応用として、相手の頭・両腕・両足をそれぞれ別の方向へ引き千切る通称「五体引き千切り殺法」も可能であり、逃げ込んだ先で遭遇した陀艮に対し使用し、七海らの目の前で瞬殺した。さらにその発展系として、引き千切る際に各部位に回転を加える「五体捻転式引き千切り殺法」や、全身を細かく引き千切る通称「全身肉団子の刑」などが存在する。
テレポートには転移先の物体を押し退ける性質があるため、ティッシュ1枚でどんな物質も切断可能。また、壁の向こう側にもテレポート可能なため、外殻の外へテレポートすることで実質領域展開が無効となる。
精神的な距離を操作することで、初対面ながら旧来の大親友や掛け替えの無い恋人のように錯覚させられる。これ用いた尋問は非常に有用だが、瑞原はこれを友達や人間関係の構築・維持の補助として使っていた。
【レンジ・レーダー】
「距離操作」に組み込まれている周囲の距離を計測する機能。自身を中心に半径10m以内に存在する対象の距離を立体的に計測する。このレーダーの範囲内であれば、視界外の距離でも正確に操作可能。