僕が考えた最強のオリキャラでオバロ 作:Revak
「どこやねんここ」
平原の中で女が呟いた。
異形の女である。
身長は二メートルを超えている。
それだけなら珍しいだけの女だろうが、体は異形そのものだ。
まず頭の両方の側面から角が生えている。
そして額には第三の目が開眼している。
それだけでなく右肩から左わき腹に向かって牙のついた口がついているのだ。時折動いている。
更に腕の下の脇からもう一対腕が生えていることで四本腕となっている。
最後に背中には真っ黒な輪がある。一メートルを超える輪だ。
因みに胸は一メートルを超えるデカパイであり、乳首を隠す小さい布がついているが乳輪が少し見えている。
下着も女性器だけを隠せばいいだろ見たいな布で少し動けば中身が見えそうである。
腰まで届く長髪の黒髪に赤い瞳の優れた容姿の異形の女であった。
「え、なんで俺ミハカノシノツルギになってるん?」
女、ツルギは己の容姿を見てそう思った。
試しに剣を出そうと思えば出せるし空を飛ぼうと思えば飛べた。
「えぇ……?」
女はしがない物書きである。
売れない物書きであり趣味で書いてるだけのフリーターであった。
そしてミハカノシノツルギとは存在しない少年漫画斬炎の陰陽師のラスボスのキャラクターである。
主人公が存在しない漫画のラスボスになって異世界に転移するという小説を書いていた。
「え、俺が異世界転移した……てこと?!」
棒ちいかわになりかけつつ事態を把握する。
取りあえず何かないか、と思い空を飛ぶ。
元から飛べたかのように自然に空を飛べる。
「うーん。なんもねぇ」
さてどうしたものかと四つの腕を組みながら考える。
ここが自分が書いた小説の世界ならばいいがそれ以外の全然知らない世界の場合は困る。
普通に考えて異形の者は差別され迫害されるのだ。といってもミハカノシノツルギは国の三つや四つ滅ぼせるぐらいには強いので問題ないが。
さてどうしたものか、と思いながら飛んでいると村を見つけた。
西洋風の村だ。文明レベルは低そうである。
村のはずれを少女二人と騎士二人が走っていた。
「ふむ……」
取りあえずあの人間にこの姿で問題ないか聞いてみるか、とツルギは降りていった。
ゆっくりと、騎士と少女たちの前にツルギは降りていく。
その姿に騎士と少女たちは恐怖する。
異形の存在。しかもあからさまに威圧感を放っている。
「な、なんだお前は」
騎士が精いっぱいの威勢を保ちながら問いかけた。
「俺はミハカノシノツルギだ。まぁ、名乗ったところでなんだ、という話だが……そうだな、死ね」
ツルギは万剣胎動の力を行使する。
この力はあらゆる力を持つ武器を生成できる力だ。
単純に切れ味の鋭い刀を生成。自在に操り騎士の首を跳ね飛ばした。
「なっ」
驚愕し動きが止まるもう一人の騎士に向かってツルギは接近。
腹を殴って貫通させ、殺した。
肉を殴った嫌な感触がしたがそこまで嫌とは思わなかった自分にツルギは驚いた。
腕を引っこ抜き死体を投げ捨てる。
「さて……」
ツルギは倒れている少女二名、エンリ・エモットとネム・エモットに近づく。
「わ、私はどうなってもいいので妹だけは!」
ツルギはその反応からやっぱ異形種の自分は迫害される側か、とため息を吐いた。
「……勘違いするな。俺はお前たちを助けに来たんだ」
「た、助けに……?」
「そうだ……触れるぞ」
ツルギはエンリの肩に触れた。
ミハカノシノツルギが持つ能力の中に霊癒という治癒能力がある。
これは相手が死後五分以内なら蘇生すら可能にし、欠損すらたやすく治す治癒能力だ。
見る見るうちにエンリの傷が治っていく。
「うそ……」
「これでもう大丈夫だ……それで……どうするかな」
この程度の相手ならいくら束になってかかってこようとツルギの敵ではない。
だが相手の格好が騎士であり胸に何かしらのマークを付けていた以上最悪国レベルの相手となる。
それほどの相手と問題を起こしたくないな、という思いがツルギにはあった。
(最善はこの少女二人を連れてどこかへ逃げること、か)
だが問題はこの少女二人が逃げれる先を知っているかという問題だ。
この時代程度なら自分の村が全てだろうしそれ以外の世界を知らないだろう。
となれば逃げようにも肝心の逃げる先がないという問題が発生する。
「あ、あの! ぶしつけかもしれませんがお願いをしていいですか!」
ツルギが悩んでいるとエンリが声を上げた。
「どうした?」
「村を、家族を助けてください! 私に出来ることなら何でもします!」
エンリはそう頭を下げ、ネムも頭を下げた。
(……少女にこんなことを言われたら、まぁ)
「……やるしかないな。わかった。だがまずはここの安全確保だ」
ツルギは己が持つ能力の一つ眷属作成を行使する。
眷属を作るのに材料だとか手間は要らない。妖怪や魔族に限り何の制限もなく無限に生成できる。
作り出したのは牙界という眷属だ。
身長三メートル。人型だが体が紫色の岩でできている。肉付きはスマートで細マッチョといったところだ。
顔には耳や鼻、目はなく牙が縦についている。牙の中には赤い眼球が一つついている。
頭上には黒い天使の輪が浮いている。
右手には同じく紫色の戦斧を持っている。
非常に強い眷属でミハカノシノツルギが作れる眷属の中では最強だ。
これ一体置いとけば何かあっても大丈夫だろ、とツルギは魔法的な繋がりを元に牙界に指示を出しその場を離れた。
カルネ村の中央ではまさに虐殺が行われる寸前だった。
村の中央に村人たちが集められ、帝国の騎士の装いをした者たちが取り囲む。
そこに空からズドンと、ツルギは降りてきた。
「ひーふーみーのー……多いな」
ツルギは敵の多さに辟易する。その数二十人ほどだ。
どれだけいても敵ではないが数が多いと殺すのに手間取るし、逃がすかもしれない。
問答無用の長範囲攻撃は持ってるがそれを使うと村も消し飛ぶので安易に使えないのだ。
「な、なんだお前は」
騎士の一人が剣を向けながら問いかけた。
見た目亜人種の痴女の格好をした女である。浴場よりも先に混乱が先に来た。
「まぁいい、死ね」
ツルギは右の上の手に薙刀を、左の下の手に短剣を作る。
薙刀で一人の騎士の首を跳ね飛ばした。器用に使うものである。
続いて他の騎士に接近し短剣で胸を貫いて殺害。
騎士たちはようやくツルギに対し剣を向けるが襲い。
騎士の一手の間にツルギは百手以上打てる。
相手に何もさせず淡々と殺していく。
「まて、待って! 待ってください!」
そうして殺していると騎士の一人がそう叫んだ。
「お金、お金あげます! だから、だから助けて!」
騎士たちの隊長格、ペリュースはそう叫んだ。
「……金か」
ツルギはちょっと心揺らいだ。
金がもらえるというのはいいことだ。この世界で先立つものがないツルギにとっては非常に欲しい物である。
だが、それをするわけにはいかない。
「そんなことを言うぐらいなら、こんなことをするんじゃなかったな」
「まって──」
ツルギは剣を生成するとペリュースに向かって飛ばし、爆破して殺した。
「残りは……なしか」
村の外にいた騎士たちが数名逃げ出したが、ツルギの知らない事だ。
「さて……」
ツルギは村人たちに向かう。
ひぃ、という悲鳴が漏れた。
(そりゃそうだよな)
急に現れて虐殺し始めた化け物だ。恐怖しない訳がない。
ツルギは武器を消して両手を上げてから話し始める。
「俺は敵じゃない。この村が襲われてるのを見て助けに入った者だ。そう警戒しないでほしい……」
さてどうでるか、とツルギは思う。
これでも怖がられて騎士の死体から武器をとって戦いに来るようなら素直に逃げるしかない。
見れば村人たちの間にも混乱と恐怖がある。だが戦おうという気概のある者はいなかった。
「……この村の村長は誰だ?」
ツルギが問いかけると一人の男がすっと立ち上がった。
「貴方が村長か。いくつか聞きたいことがある。大丈夫か?」
「は、はい。大丈夫です……我々を殺したり、食べたりはしないのですか?」
食べる、という質問にツルギは嫌な顔をした。
ミハカノシノツルギは人肉が好きという設定だが中の人としてはカニパリズムなど御免被るのである。
「殺さないし食べんわ。人肉とか見たくもない……あー、単に情報と、ちょっとお金が欲しいだけだから、安心してくれ」
ツルギは精一杯の笑みを浮かべた。
腕が四つあって口二つあって目も三つある化け物だが外見は美女に近い。
村長は安心したような息をついた。
■
(うーんわからん!)
村長の家は素朴なつくりだ。
他の家より大きいがそれだけだ。
しいて言えば家具の中に本棚があり本が幾つかあるぐらいのもので、それ以外に目立った違いはない。
ツルギは椅子に座り白湯を飲みながら得た情報について考えていた。
この白湯も入れるのに一苦労していたので文明レベルは相応に低いと思っていいだろう。
(リ・エスティーゼ王国、バハルス帝国、スレイン法国……エ・ランテルに冒険者、ねぇ)
冒険者はだいたいのファンタジー作品に居るのでわかるがそれ以外の国名はまるで知らない。
(となるとオリジナル異世界と思った方がいいな。ミハカノシノツルギが転移した世界でも斬炎の陰陽師の世界でもない、第三の世界だ……やだなぁ)
これが己の知る世界ならば己の知識でやりようがあるがまるで知らない世界だと暴力でどうにかするしかない。
ミハカノシノツルギも設定上はそこそこの強さだ。
中の人が知る作品に通常攻撃で惑星を壊す化け物が跋扈する作品がある。ミハカノシノツルギは惑星を壊せるほど強くない。大陸を焦土にするぐらいは出来るが。
そのためこの世界に惑星崩壊級の攻撃を通常攻撃として繰り出す化け物が居るかもしれない以上慢心も油断も大敵だ。
それに己だけが特別とは限らない。同じように何かしらの作品のキャラになった者、異能を手にしたものがいるかもしれないのだから。
そうツルギが頭を悩ませていると家にノックがかかる。
村長がツルギに許可を求めるような顔をしたのでツルギが「どうぞ」というと村長が「入ってくれ」と言う。
「村長、葬儀の準備が出来ました」
「そうか……ではすみませんが、一旦葬儀に行ってきます。大丈夫でしょうか?」
「ああ、大丈夫です……見学しても」
「どうぞ、構いません」
そうしてツルギはこの世界の葬儀が気になったので着いて行く。
村はずれの共同墓地にツルギが殺した騎士と殺された村人纏めて土に埋めた。
どうやら火葬ではなく土葬らしいとツルギは思う。あるいは火葬する設備がないだけかもしれないが。
四大神とやらに村人たちが祈りを捧げる。
中には泣き崩れる者がいる。エンリとネムだ。
両親を失った二人は泣き崩れるしかない。今後の生活に対して、失った悲しみに対して。
(……中世の村で、親を失った少女二人……まともに生きていけないよなぁ)
これにも干渉しないと寝ざめが悪くなりそうだ、とツルギはため息を吐いた。
■
ツルギは葬儀が終わった後空を飛んだり適当に能力を試すなどしていた。
そして悩む。今後どうするか。この世界でどう生きていくか。
出来れば適当な国に仕官して仕えたいというのが本音だ。企業、商会レベルではミハカノシノツルギという存在を扱いきれぬだろう。
だが国レベルなら自身と同格もいるかもしれないし、国レベルの組織なら強者をうまく使ってくれるだろうという謎の安心感がある。
村長から死者の服を貰って着替えて、空をふわふわと漂う。
この村にブラジャーはないので中にマイクロビキニは着たままだが胸を隠し股間ほぼ丸見えの状態からズボンを履いた状態に変わった。靴も履けている。
露出魔から痴女にランクアップだ。
「ん……?」
ツルギは何かしらの気配を感じ取る。
そういった異能があるわけではないが単純に聴覚嗅覚が鋭いというだけだ。
視力を強化して平原の方に目を向ければそこには武装した集団が馬に乗って走ってきていた。
統一された装備をしていない、各々好きな装備を付けた者たちだ。野盗の類かとツルギは思った。
ルート的にカルネ村に来るだろう。
「また厄介事か」
はぁ、とため息とともにツルギは村に降りる。
丁度村長が居たので村長の前に降りた。
「ツルギ様、何か御用で?」
村長は緊張したkじゃおでそう尋ねた。
「ああ。武装した集団がまたこの村に接近している」
「そ、そんな……我々はどうすれば……」
「今回も俺が助けるから安心してくれ。取りあえず村長を残して倉庫に村人を集めてくれ。俺の眷属に守らせる」
「わ、わかりました」