僕が考えた最強のオリキャラでオバロ   作:Revak

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第2話

 

 村の中央にて村長と共に集団を待つ。

 相手が敵なら即刻殺せるよう殺意はみなぎらせておく。

 

 村人たちは村の倉庫に集め、牙界に守らせている。数も増やして四体にしておいた。

 

 レベルにして七十相応の存在なので並大抵の敵、たとえドラゴンが来たって倒せるだろう。竜王クラスはきついが。

 

 そうして待っていると集団がやってくる。

 村の中に入ると速度を落とし、村長たちの前に止まる。

 そして馬から降りて抜刀。ツルギに向かって剣を構えた。

 

「亜人! 村人を捕まえ何をする気だ!」

 

 集団のリーダー、リ・エスティーゼ王国王国戦士長ガゼフ・ストロノーフがそう叫んだ。

 黒髪黒目の男だ。がたいはよくよく鍛えられている。

 鉄の鎧を纏い鋼鉄の両手剣を握っている。

 

 彼に対しツルギは両手を上げ降伏のポーズをとる。

 

「待ってくれ、俺は敵じゃない」

「……なんだと?」

 

 ガゼフはじろりと睨むが殺意が少し収まった。

 

(おや、会話の余地あり?)

 

 ツルギはラッキー、と思う。

 先のセリフからして野盗ではなく騎士の類だと思われる。おそらくはこの村が所属するリ・エスティーゼ王国の者だろう。

 

「ミハカノシノツルギ様はこの村を助けてくださった恩人です!」

 

 それを肯定するように村長が叫んだ。

 

「なんと! 村を救ってくれた恩人に対し剣を向けたとは! 知らなかったこととはいえ失礼した!」

 

 ガゼフは大人しく剣を収めた。

 その姿にツルギはえぇ、と思う。あっさり信じすぎだぞ。これで俺がだましてたとかならどうすんねん、と。

 

 他の者たちも戦士長が収めたなら、と武器を収めていく。

 

「あー、まず自己紹介をしよう。俺はミハカノシノツルギ。旅をしている者だ。この村が襲撃されているのを見て助けに入った……なんだ、戦士? だ」

「そうだったのか! 私はリ・エスティーゼ王国王国戦士長ガゼフ・ストロノーフ! エ・ランテル周辺の村が帝国の騎士に襲われていると王の君命を受けて救援に来た者だ!」

「そうか……なるほどな。貴方たちが来るより俺が先に来た、と。うんなるほどな」

「ああ、この村を救ってくださり感謝する」

 

 ガゼフはそう深々と頭を下げた。

 その姿勢にツルギは好感を持つがそれはそれとして国の偉い人の貴方が簡単に亜人(?)に頭を下げたらあかんだろ、とも思う。

 

 さてこの男から報酬金分捕れないかな、とツルギが考え始めたころ戦士団の一人が走ってくる。

 

「戦士長! この村を囲うように複数の人影があります!」

 

 また厄介事かい、とツルギはため息を吐いた。

 

 

 

 ■

 

「確かにいるな……それに召喚モンスターときたか」

 

 村の外側の家にガゼフとツルギは入り、窓──ガラスは使われてない──から外を見ていた。

 外を見れば決まったローブを着て顔さえ隠した者たちが二十人以上入る。全員そろって機械的な天使のモンスター、炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)をそばに置いている。

 

(ありゃ召喚や創造系の特殊能力(スキル)……いや、異世界ってことを考えると魔法か? 厄介だな)

 

 スタンドのように術者と繋がっているならば兎も角、そうでないならば召喚または創造された存在となると術者との繋がりは薄いだろう。

 倒してもフィードバックは起こらないとみていい。

 

 ミハカノシノツルギは探知系能力は殆どない。そのため相手の強さというのもわからない。

 

「あれだけの練度を持つ魔法詠唱者(マジック・キャスター)の集団となれば、スレイン法国、六色聖典のいずれかだろうな」

 

(急に知らん単語増やさんといて)

 

「それほどの者たちがなぜこの村に?」

「ミハカノシノツルギ殿に心当たりがない、とくれば……狙いは私だろうな」

「……なるほどね。恨まれているようだな」

「まったくだ。まさかスレイン法国にさえ狙われているとはな」

 

 ガゼフは露骨に肩をすくめる。

 その後、ツルギを鋭い目で見つめる。

 

「ミハカノシノツルギ殿。良ければ雇われないか。報酬は望む額を用意しよう」

 

 ツルギは内心ガッツポーズをした。

 望んでいた言葉である。言質とったりだ。

 

「それだけじゃ足りないな……この国では亜人は差別対象だろう?」

「……差別、というほどではないが、都市国家連合や評議国ほど理解があるわけではないな」

「そうだろう? となると俺が街に行こうものならモンスターが来たと討伐作戦を組まれるやもしれん。それは俺の望むところではない……大々的に俺が街に入れるよう通行許可書……違うな、身分証明書が欲しい」

「なるほど、道理だ。だがそれならば私が用意するよりも冒険者になった方がいいだろう。だが最初に街に行く際は私が同行し、危険がないと示そう……それでいいかな?」

 

 バハルス帝国には亜人種の冒険者が居るし、アーグランド評議国には多数の亜人の冒険者が居る。

 冒険者ならば亜人であっても問題ないだろう。

 

「ああ、それで大丈夫だ」

「感謝する。では……作戦はどうする?」

「そうだな……うーん」

 

 ツルギは頭を悩ませる。

 こういったことを考えるのは苦手だ。

 雑に突っ込んで皆殺しに出来ればいいが相手は魔法使い。転移や飛行などの逃亡手段を持たないとも限らない。

 そうなると逃がしてしまう。逃がすのはできうる限りしたくない。

 

「俺が最初に突っ込んで、そこから包囲するように戦士団が動く……てのはどうだ?」

「それだとミハカノシノツルギ殿の負担が大きくないか?」

「まぁ、あの程度の連中に負ける気はしないからな……」

「……大した自信だな」

 

 今この瞬間にカルネ村が消し飛んでない時点で相手の力はわかっているとツルギは思う。

 無論手札を隠しているという可能性はあるが、それでも相手が慎重に動いてる時点で実力のほどは知れているのだ。

 

「わかった。それでいこう」

 

 ガゼフは了承し、作戦が決まった。

 

 

 

 ■

 

「なんだ、あの亜人は」

 

 カルネ村を取り囲む六色聖典の一つ、陽光聖典の隊長ニグン・グリット・ルーインは村から出てきた亜人を前に混乱した。

 

 異形の女である。

 身長は二メートルを超えている。

 それだけなら珍しいだけの女だろうが、体は異形そのものだ。

 まず頭の両方の側面から角が生えている。

 そして額には第三の目が開眼している。

 それだけでなく右肩から左わき腹に向かって牙のついた口がついているのだ。時折動いている。

 更に腕の下の脇からもう一対腕が生えていることで四本腕となっている。

 最後に背中には真っ黒な輪がある。一メートルを超える輪だ。

 腰まで届く長髪の黒髪に赤い瞳の優れた容姿の異形の女であった。

 

「……トブの大森林に住まう亜人か?」

 

 ニグンはそう思考する。

 トブの大森林は人類の手が届かない領域だ。

 内部がどうなっているかはまるでわかっておらず、しいて言えば森の賢王というモンスターが一部地域を支配していることぐらいしかわかっていない。

 

「まぁいい。天使をぶつけて討伐しろ」

 

 ニグンの命令に従い隊員たちが炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)に思念で命令を出しぶつける。

 

 それに対しツルギは短剣と薙刀を生成。薙刀を振るい天使三体を一瞬で倒した。

 倒された天使が光の粒子となって消えていく。

 

「なんだと……魔法も使え!」

 

 ニグンが慌てて追加で命令を下す。

 多種多用な魔法がツルギを襲う。

 

 <衝撃波>(ショック・ウェーブ)<魔法の矢>(マジックアロー)<盲目>(ブラインドネス)<酸の矢>(アシッドアロー)<炎の矢>(フレイム・アロー)

 

 多数の魔法がツルギの体に命中する。

 

 そして魔法で生じた煙が晴れて──そこにいるのは無傷のツルギ。

 

 これはツルギのレベル差によるレジストの結果だ。

 そしてこれでツルギは己が持つ多種多様な異能の一つ、耐性会得の力で耐性を会得し始めた。

 魔法その物に対する耐性であり属性攻撃に対する耐性でもある。

 

「な、なんだと」

 

 ニグンは戦慄する。これほどの魔法の直撃を受けて無傷で済むなど並大抵の存在ではない。

 どうするか、切り札を切るべきか──そう迷った一瞬怒声が聞こえてくる。

 

 それは多数の馬の足音と共にくる。

 

「しまった、囲まれたか!」

 

 ニグンはあの女に意識を向けすぎた、と己の失態を恥じた。

 

 更にツルギが動く。

 超高速での移動だ。それにより陽光聖典の隊員たちの眼前に瞬時に移動し薙刀でその首をはねていく。

 

「く、時間を稼げ! 最高位天使を召喚する!」

 

 ニグンはこのままだと全滅すると判断し与えられた魔封じの水晶を取り出す。

 

(ありゃ切り札か)

 

 ツルギは隊員たちを殺して回りながら敵指揮官、ニグンが取り出したアイテムを見る。

 戦略的に見るならば切らせる前に潰すべきだがこの世界の戦力が知りたい自分としては使わせるのもありだと判断した。

 

「威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)!」

 

 ニグンの手によって新しい天使が召喚される。

 ニグンが召喚して利他監視の権天使(プリンシパリティ・オブザベイション)は送還される。

 

 新しく出現したのは五メートルを超える巨体の天使だ。

 翼の集合体とでもいうべき姿をしている。

 手はあり、その手には錫杖を握っている。

 出現しただけで周囲が聖なるオーラで包まれ夕方なのに昼のように明るくなる。

 

「なるほど……強敵だ」

 

 くくく、とツルギは笑みを浮かべた。

 

「最高位天使の力を見るがいい! <善なる極撃>(ホーリー・スマイト)を放て!」

 

 威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)が持つ錫杖が光の粒子となって消える。

 これは威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)が持つ特殊技術(スキル)だ。最初に発動する魔法の威力を上昇させる特殊能力(スキル)である。

 

 空から極太の光の柱が落ちてくる。

 綺麗にミハカノシノツルギに命中し大ダメージを与える。

 

 

(いてぇぇぇぇ!)

 

 ツルギは痛みに悶えた。

 痛い、痛い、痛い。だが耐えきれないほどではない。

 間違えて包丁で指を切ってしまった程度の痛みだ。余裕で耐えれる。

 

 ミハカノシノツルギに<善なる極撃>(ホーリー・スマイト)はよく効く。

 <善なる極撃>(ホーリー・スマイト)はカルマ値がマイナスの相手に大ダメージを与える魔法だ。

 ミハカノシノツルギのカルマ値はマイナス五百と最大値だ。そのためダメージがよく通るのである。

 

 そしてミハカノシノツルギが持つ異能の一つ、耐性会得の力が発動する。

 

 これによりカルマ値依存の攻撃に関して耐性を会得し、二発目以降は殆ど意味がない程度のダメージになるようになった。それどころかノーダメージになるかもしれない。

 

「痛いじゃねぇかこの野郎!」

 

 ツルギはわざと受けたくせに逆ギレした。ニグンは泣いていい。

 

 高速で移動。薙刀を持って威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)を両断した。

 

 破壊された威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)が光の粒子となって消えていく。

 

「ば、馬鹿な! 最高位天使がこんな簡単に倒されるわけがない!」

 

 ニグンはありえない、有り得てはならないと叫ぶ。

 その隙を見逃すガゼフではない。武技──特殊技術(スキル)のような物──を使い疾風のごとく駆け出し接近する。

 ニグンが気づけば至近距離にいた。

 

「しまっ」

「<超斬撃>!」

 

 ガゼフは武技を持ってニグンの首を跳ね飛ばした。

 

「諸君らの指揮官は死んだ! 降伏するならば受け入れよう!」

 

 ガゼフはニグンの首を掲げながら陽光聖典の隊員たちに見せつけた。

 戦士団と戦っていた隊員たちは己たちの隊長がやられたことに絶望し、大人しく幸福を選んだのだった。

 

 

 

 

「ミハカノシノツルギ殿。この度は本当に感謝する。貴殿がいなければ我々は負けていたかもしれない」

「そう気になさらずに。こちらも利益目的での介入だったので……それと、ツルギでいいですよ。名前長いでしょう?」

「であるならば、ツルギ殿と呼ばせてもらおう。そして今回の報酬だが……できれば我々と共に王都に来てほしい。そして、王と会ってほしく思う」

「それはちょっとお断りします。王様相手に会えるほど肝が据わってないので……」

 

 ツルギは肉体が異形になったので精神も異形になりつつあるがまだ人間だったころの小心者の心が残っている。

 

「では後日このカルネ村まで報酬を持って来よう。それでいいかな?」

「はい、それで大丈夫です」

 

 

 こうしてツルギの異世界初日は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

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