僕が考えた最強のオリキャラでオバロ 作:Revak
「うーん。ちょっとやりすぎた?」
このカルネ村に来てから五日が経った。
その五日で村はめちゃくちゃ発展した。
村の外周を覆うのは巨大な壁。
鬼たちが優れた身体能力で木を切ったりツルギも協力して伐採加工して木の城壁とも呼べるものを生成。
物見やぐらも作り、鬼が一人は常駐するようにした。
スレイン法国の騎士の手で一部壊された家は完全に壊し新しい家の材料にした。
家も作り壁も作りまるで城塞化のようなことをしている。
「ん……?」
ツルギはふと空の上から街道の方を見た。
そこには馬車に乗ってカルネ村に向かう一団が居た。
人数は五人。一人を除いて武装している。
御者が一人馬車に乗って運転しているが残る者たちは馬車には乗らず周囲を囲んでいる。
「また厄介事か?」
ツルギは
『
『ふむ。御者の顔は見れますか? どのような容姿をしています?』
『ん-金髪だけど目は髪で隠れてて見えん。顔の半分ぐらい髪で隠れてる』
『でしたら恐らくンフィーレア・バレアレでしょう。この村に薬草採取に来たものと思われます』
『そうか……先手を打って殺しとくか?』
『いえ。エ・ランテルでは名高い薬師の孫という事で有名です。殺すのは悪手でしょう。放置でいいかと』
『俺の姿見せても大丈夫かな』
『問題ないでしょう。あっても変えてしまえばよいのです』
『わかった』
ツルギはそういうと念話を切って森に降りた。
すとっと森の上に立つ。
「よし……」
ツルギは眷属創造の力を使う。
今度作るのは補助的な眷属だ。
真っ赤な表紙の、黒く染まった血のような顔がついた本が生み出された。
赤の書と呼ばれる補助系の能力に特化した闇の本だ。
「我が主よ。我に何を求める?」
本の顔の口が動いて喋った。
この本は存在しない原作の十二使徒の一体という設定がある。
能力的には単体の能力は高くないが他者の能力を増幅させる力を持っており強力なバッファーとなる。
ただ上昇能力にも上限がありミハカノシノツルギの力を増幅しても意味がない。
だが知性は高い側なのでアドバイス役にはいいだろうと作ったのだ。
「これからの今後相談したいから、相談役になってほしくて……」
四つの腕で指をもじもじさせながらツルギはそういった。
「あいわかった。では我はそのように動こう……まずは、最終目標を決めようか」
「最終目標?」
「ああ。この世界でどう生きていくのか、をな。どうしたい?」
「……うーん。大企業に雇われてリストラとかクビとか気にせずのびのびと己の能力に合った仕事をして生きていきたいな……」
「であれば、それが叶うとするならば国家レベルになるだろう。主の力はすさまじいからな。となると国を知る必要がある。各国を渡り、己にあった国を探すのだ」
「わかった。じゃあ、それをするにはどうする?」
「まずは冒険者になって動くことが出来るようにならぬとならん。まずはガゼフ待ちだな」
「わかった……じゃ、村に戻るか」
赤の書はふわふわとツルギの背後を浮遊して着いて行った。
■
「も、モンスター!」
村に戻ったツルギは来て早々そう叫ばれた。
外見的に仕方がないことだがちょっともにょる。
冒険者らしき集団──漆黒の剣のメンバーは武器を手に取り構えた。
それを見た村人の一人、エンリが叫んだ。
「皆さん何するんですか! この人は村の恩人ですよ!」
エンリがツルギと漆黒の剣の間に挟まるように立ち、両手を挙げた。
「え、エンリ……恩人って、さっき言ってた?」
一行を連れてきた者、エ・ランテル在住の薬師ンフィーレア・バレアレが戸惑いながら問いかける。
「はい。この村を帝国騎士から救ってくれたミハカノシノツルギ様です!」
その言葉の一行は動揺する。
亜人、モンスターが村の恩人など何の冗談だ、と。
漆黒の剣のメンバーは鬼と会っているがあれはまだましだ。
何せ角が生えてて牙がある以外は人間とほぼ同じなのだ。
更にはこの周辺にはまるでいない種族でもある。
だがツルギは違う。外見的に似た種族が居るのだ。
種族名は
といってもツルギは肩から腹にかけて口があるし眼も三つあるし角も生えてるしで微妙に違うが。
亜人の脅威を冒険者として知っている漆黒の剣は警戒するしかない。
それにエンリの台詞もダメ出しとなった。脅されているのではないかと思ったのだ。
亜人が人を助けるなど、おとぎ話でだってあり得ない話だ。
鬼たちはまだぎりぎり人間種に見えた。目が虹色の人間種だっているのだ。角が生えているぐらいは許容出来た。
「まぁ、警戒するのは別にいい。だが手を出すようなら普通に殺すぞ」
ツルギはそう言っておく。
手を出されたのに反撃しないのは舐められる原因となる。なので手を出されたら嫌だが殺す気だ。
「……エンリが言うなら、信じるよ」
一人、ンフィーレアはそういった。
「ンフィー……」
エンリは感動したような眼をした。
それに混乱するのは漆黒の剣だ。冒険者という対モンスターの存在としての立場から見ればツルギは討伐すべき敵だ。
そこに第三者が現れる。
村の中を馬に乗って走ってきた。
ツルギの近くに来ると馬を止まらせ、馬から降りる。
「ストロノーフさん」
ツルギがそういうと漆黒の剣は驚いた顔をした。
「遅くなって済まない、ツルギ殿。約束の物を持ってきた」
ガゼフは笑顔で懐から袋を取り出した。
ツルギがそれを受け取ると「中を確認しても?」と尋ねる。
「もちろん、こちらこそ不備がないか確認してほしいぐらいだ」
ガゼフはそう返した。
なら遠慮なく、とツルギは袋の口を開けて中身を見た。
中には金貨が五十枚近く入っていた。
「これが今出せる最大の報酬だ。ぜひ受け取ってくれ」
「ありがとうございます」
ツルギは小さく頭を下げた。
「えっと、すみません」
そこに声をかける者がいた。漆黒の剣のリーダー、ペテル・モークだ。
「あなたは……王国戦士長ですよね。なぜ亜人と取引のようなことを?」
「詳しくは言えないが、この御仁、ミハカノシノツルギ殿は私の恩人なのだ。恩人に対しふさわしい礼をしているに過ぎない」
その言葉にえぇ、となる。
それと同時にようやく剣を収めた。
王国戦士長が言うならいいか……という具合である。
「じゃあ早速、エ・ランテルに行きましょうか。速い方がいいでしょう?」
「そうだな、その通りだ」
ガゼフは頷いた。
「じゃあ村長に挨拶してから向かいましょう」
「わかった、同行しよう」
そうして二人は村長の家まで歩いて行った。
五分も歩けば村長の家に辿り着いた。
ツルギがノックすると村長が出てくる。
ドアの隙間からは
「これは、ツルギ様、何か御用でしょうか?」
「ああ、この村を出ていく事になったから、その挨拶に来ました」
その言葉に村長は悲しそうな顔をした。
「そうですか……では村人一同で盛大に別れを──」
「そういうのは、ちょっと……今生の分かれって訳でもないですから、またどこかでお会いしましょう」
「そういうことでしたら……ミハカノシノツルギ様。このカルネ村を救ってくださりありがとうございます」
村長は深々と頭を下げた。
「ツルギ殿。この村が発展したのは貴女の力か?」
「はい。お、私の眷属を創造して村の復興をさせています」
「眷属を創造……そのような力も持っているのだな」
「まぁ、これでも他器用な方なので……」
村から出て街道に二人は出る。
「よし、ここならいいか。ハムスケーでてこーい」
そういうと森側からどたどたと足音が響く。
ガゼフは警戒だけする。
森側からハムスケが出てきた。
「ようやく某の出番でござるな! 姫!」
「おう、待たせてすまんな」
「つ、ツルギ殿。そちらの魔獣は……」
「ああ、ハムスケ……森の賢王だったモンスターです。今は私の支配下にあるのでご安心を」
「これがかの有名な森の賢王か! 森の賢王を支配下に置くとは……流石はツルギ殿」
ガゼフはそういいながらも冷や汗を流した。
ツルギの強さは正直よくわからないが森の賢王の強さはよくわかる。
五宝物を纏った自分なら倒せるだろうか……とガゼフは思う。
正直今の装備では非常にきつい相手だ。
「じゃあハムスケに乗っていくんで、先導お願いします」
「わかった」
ガゼフはそういうと馬に乗る。
ツルギもハムスケに騎乗する。
(ふかふかじゃないな……)
ツルギは一人ハムスケの毛皮に残念さを抱いていた。
昔飼っていたハムスターと違い柔らかい毛皮ではなかったのだ。
「ではいこう。ついてきてくれ」
「わかりました」
そうして二人はカルネ村を後にした。
■
「しまったな、夕方になってしまった」
城塞都市エ・ランテルに辿り着いたのは夕方になってからだった。
エ・ランテルは三重の壁に覆われた城塞都市だ。
法国、帝国との国境沿いにある以上防衛力も必要という事で頑丈に作られているのである。
巨大な門の横には小さい門がありそちらにはそこそこの人数が並んでいる。
「今から並ぶと時間かかりますね……」
「うむ。仕方がないが待とう」
そうして列に並ぶ。
だがすぐに他の者たちから苦情が来た。
曰くそちらが連れているモンスターのせいで馬が怯えてしょうがないから先に通ってくれ、とのことだ。
これは仕方がないと二人して苦笑して先に進み小屋に入る。
「戦士長! そちらが……例の方ですか?」
このエ・ランテルの兵士の一人がツルギを見るなり怯えた眼をした。
亜人種は基本強いモンスターとして認識されている。ゴブリンなどの例外はいるが。
「そうだ。この方を通したい……構わないな?」
「せ、戦士長が言うならば……」
言外に戦士長に責任を持たせると言われるもガゼフは受け入れた。
「では通行税は私が払おう」
「え、いや私が払いますよ」
「恩人に払わせるわけにはいかないだろう?」
とガゼフは笑みを浮かべた。
まぁならしょうがないか……とツルギも受け入れた。
街の中に入る。
「おぉ……」
そこはツルギがアニメや漫画でよく見た中世のファンタジー世界だった。
レンガの家々が並び、待ちゆく人々は洋風の服を着ている。
中には武装した者もいる。
そして決まってツルギと連れているハムスケを見て固まる。
中には剣の柄に手をかける者も居た。
「さぁ、行こうツルギ殿。まずは冒険者登録をしなければならない」
「わかりました」
エ・ランテルの街を歩いていく。
当然注目を集める。
ツルギはエロい体をしているので視姦もされつつ歩く。
十分もあると冒険者組合に着く。
中に入ると冒険者たちから視線を集める。
中には警戒し、武器の柄に手をかける者もいる。
だが受付側は冷静だ。敵襲と叫ぶことなくツルギを見ている。
受付に進む。
「すまない、この方の冒険者登録をしたいのだが」
「わかりました。では登録料銀貨一枚になります。講習は受けますか?」
「受ける方針でお願いします」
「わかりました。ではこちらに名前をお願いします」
受付嬢は書類を取り出す。
「えっと、俺ここら辺の文字書けないんで代筆お願いしていいですか?」
「なら私が書こう」
「お願いします」
そうしてガゼフが書類にミハカノシノツルギと書いた。
「あと支配している魔獣が居るのでそれの登録もお願いします」
「使役魔獣ですね。写真か絵のどちらかで肖像を登録することになります。写真だと金貨一枚、絵だと銀貨五枚かかります。写真の方が速く終わりますよ」
「なら写真でお願いします。ガゼフさん、ハムスケの写真お願いしていいですか?」
「承った」
「ではその間ミハカノシノツルギさんには講習を受けてもらいます。二階までどうぞ」
ツルギは受付嬢に着いて行き二階に上がる。
二階にはテーブルと椅子が幾つかありちょっとした話が出来る場所になっていた。
受付嬢は適当な席に座りツルギも反対側の席に座る。
「では冒険者の仕事ですが──」