娘のバンドと対バンしたい   作:肉野郎

34 / 37
お気に入り登録、感想ありがとうございます!
ちょっとあまりにもネタが思いつかなかったので、今回はギャグ回となります。
一応原作6巻の話です。時系列かなり飛びました。
それではどうぞ


34

 

 

 スウェーデン・ストックホルム。

 

 世界的な人気を誇るロックバンド【NEW GLORY】は、現在『NEW GLORY Evolutionary Tour』ヨーロッパ公演の真っ最中だった。

 現地時間で昨夜、二日間にわたるストックホルム公演が無事に終了した。

 

 一夜明けたホテルの最上階──プライベートラウンジは、激しいライブの余韻を残しつつも穏やかな空気に包まれている。

 窓の外には、朝の光に照らされたストックホルムの美しい街並みが広がっていた。

 

 ソファやテーブルにはメンバー四人が思い思いの姿勢でくつろぎ、少し離れた場所にはスタッフたちや、密着取材で同行しているぽいずん♡やみの姿があった。

 

 NaokIはコーヒーカップを片手に、娘のひとりと【結束バンド】の近況を自慢げに話し始めた。

 

 

 「それでミニアルバムのレコーディングは、みんなミスることなく一発で撮り終えたんだって。ひとりや【結束バンド】のみんなが、自宅で撮ったレコーディングのおかげだってお礼言ってくれたよ。うぅ…みんなの役に立てて本当によかったよ…」

 

 

 感極まった様子のNaokIに対し、他のメンバーたちもそれぞれの反応を見せる。

 

 

 「おぉ〜よかったですね。そういやSNSの練習風景もレベルが段違いでしたね。……喜多ちゃん、俺の渡したメモちゃんと活用してンだな」

 

 

 LavielはNaokIの親バカな様子を軽く受け流しながら、スマホで【結束バンド】の練習動画を見て明るく笑った。

 

 

 「リョウちゃんも中々レベル上がってるみたいで安心したわ。まァ…いつまでも下手くそなままじゃ、俺らと対バンなんて夢のまた夢だからな…」

 

 

 RoÉは朝からワイングラスを傾け、満足そうに頷く。

 

 

 「虹夏ちゃんもドラムすごく上達してたからなぁ〜。虹夏ちゃんの努力の賜物なんだろうけど、教えた俺も鼻が高いよ」

 

 

 ソファに深く腰掛けたKyoyaも、笑いながら相槌を打った。

 かつて自分たちが技術を伝えた少女たちの成長を喜ぶ四人の姿は、どこか教え子の将来を頼もしく見守る師や、子供の自立を喜ぶ父親のようでもあった。

 

 

 「まぁ…バンド活動に専念するのもいいけど、みんなまだ学生さんだからね。勉強に支障をきたさないといいけど…」

 

 

 ふと、Kyoyaが現実的な懸念を口にした。

 その言葉にNaokIは手元のコーヒーを一口飲み、世間話でもするかのような軽い調子で返した。

 

 

 「あぁ〜そのことなんだけど、ひとり…今回の追試合格しなきゃ留年だって言ってたな」

 

 「へ〜そうなんですね」

 

 

 一瞬、ラウンジに静寂が流れた。

 Kyoyaは数秒遅れて、その言葉の重大さを咀嚼した。

 

 

 「………ってバンドやってる場合じゃなくないですか!!?」

 

 

 Kyoyaは弾かれたようにソファから飛び上がり、目を見開いて叫んだ。

 しかし、NaokIは至って平然とした顔で話を続ける。

 

 

 「ヘーキヘーキ。留年しようが中退しようが、ひとりは僕が一生養うし、絶対お金の面で苦労させないから大丈夫。それに僕だって高2の一学期で中退して、一人で海外行ってたし」

 

 「いやだからなんですか!?何の解決にもなってないですよ!?仮にも父親なのに、自分の娘の留年をそんな軽いノリで…!」

 

 

 詰め寄るKyoyaだったが、そこへRoÉとLavielも当然のような顔で会話に加わった。

 

 

 「大丈夫だろ。俺も中卒だし…現に俺ら学歴なくても世界トップクラスの金持ちになってンしよ」

 

 「俺なんて学校すら行かなかったしな〜。つーか俺15で【NEW GLORY】に入って速攻売れたから、学歴とか気にした事なかったわ」

 

 

 メンバーたちのあまりに常識外れな告白に、Kyoyaは頭を抱えた。

 

 

 「いやお前らまで!?ちょっと待て!!なんでこのバンドは学歴軽視がデフォルトなんだよ!!?」

 

 「「「だって音楽が一番大事じゃん」」」

 

 「Q&Aが噛み合ってない!!?」

 

 

 叫ぶ彼に対し、NaokI・RoÉ・Lavielの三人は、微塵の疑いもない表情で声を揃えた。

 NaokIの衝撃的な発言でラウンジの空気が一気にざわついた直後、Lavielがニヤニヤとした笑みを浮かべ、さらなる爆弾を投下した。

 

 

 「てか唯一高卒なのって、Kyo(キョー)さんだけじゃね?RoÉ君はそもそも進学すらしなかったし」

 

 「まァな。勉強なんざ中学だけで十分だったし、海外で音楽修行に時間費やした方が実りがあったしな。…それに学校行った所でモチベなんて湧かねェし、やっぱ行かなくて正解だったわ」

 

 

 RoÉはワイングラスを傾けながら、当然のことのように肩をすくめた。

 その言葉を受け、NaokIも遠い目をして感慨深げに頷く。

 

 

 「そうだな。僕もそのおかげで本場の音楽や色んな国の言葉も学べる事が出来たし、やっぱり辞めてよかったよ。何より……RoÉにもKyoyaにもラヴィにも会えたからな。……あれから20年以上か…RoÉとはイギリスで、Kyoyaとはカナダで、ラヴィとはアメリカで……全員別々の国で出会ったのに…今こうしてワールドツアーをしてるって…なんか感慨深いよな…」

 

 

 NaokIのしみじみとした言葉に、RoÉもわずかに表情を和らげた。

 

 

 「まァな……NaokIさんには一応感謝してンよ。スカウトされてなかったら、今頃どっかで野垂れ死んでたしな。実際【NEW GLORY】に入る前は、1年近くホームレスだったし…ストリートとか他のバンドのサポートで食い繋いでたからな」

 

 「俺も俺も。親からはとっくに見限られてたし、NaokI君に誘われてよかったよ。……にしても、バンドやってなかったら俺何やってたんだろ…」

 

 

 Lavielが首を傾げると、RoÉが即座に応じた。

 

 

 「少なくとも俺とお前は社会不適合者だろうな。つーか音楽以外の職に就くつもり全くねェし…」

 

 「あはは!違いないや!Kyoさんはなんだかんだ世渡り上手だから何とかなりそうだけど、俺とRoÉ君は社不まっしぐらだろうな!逆に一番想像つかないのはNaokI君なんだよな〜」

 

 「いや、案外美智代さんにケツ叩かれて普通にリーマンしてンじゃね?」

 

 「………あ〜、そう言われたらなんか想像つくわ〜。美智代さんに『就職しなかったら別れる』とか言われて…んで窓際族とかだろうな〜」

 

 「オイそんな生々しい事言うのやめろよ!!!?なんか本当にありえそうだろ!!!?」

 

 

 NaokIが珍しく慌ててツッコミを入れると、ラウンジは一気に爆笑に包まれた。

 唯一の高卒であるKyoyaだけが、額に手を当てて深い溜息をつく。

 

 

 「…なんなんだこの会話。というかそんな話を誇らしげに語るなよ……」

 

 

 堂々と社会不適合者であることを自慢し合うメンバーたちを前に、Kyoyaはただ呆れ果てるしかなかった。

 NaokIはコーヒーカップをテーブルに置き、いつもの穏やかな笑顔をメンバーに向けた。

 

 

 「まぁ冗談はさておき…ひとりなら大丈夫だよ。あの子の集中力は凄まじいものがある。ギターの練習だって毎日何十時間も費やしてるんだ。勉強だって大丈夫だよ……それは親の僕が保証する」

 

 

 その言葉に、Lavielが楽しそうに声をあげた。

 

 

 「…そうだな。ひとりちゃんはやれば出来る子だし」

 

 「あの子の集中力は、目を見張るものがあるしな」

 

 

 RoÉも同意するように頷く。

 メンバーたちからの信頼を背に、NaokIはさらに言葉を重ねた。

 

 

 「だから何も心配いらないよ。それに…勉強が苦手でも音楽で生きていけるなら、それでいいじゃないか。ひとりが好きな道を歩んでくれるなら…僕はそれで満足だよ」

 

 

 NaokIの言葉には、親としての絶対的な信頼と、何よりも音楽を優先する彼らしい価値観が溢れていた。

 その様子を見て、LavielとRoÉは顔を見合わせ、軽く笑い合った。

 

 

 「NaokIさん相変わらず親バカだな」

 

 「確かに。………そういやNaokI君。追試ってひとりちゃんだけだったんですか?喜多ちゃんとか、虹夏ちゃんやリョウちゃんは?」

 

 

 Lavielがふと疑問を口にすると、NaokIは思い出したように答えた。

 

 

 「ああ〜。他の二人は知らないけど…確か喜多ちゃんもバンドとSNSに夢中で留年寸前だったらしいね。でも昨日やっと合格したみたいだよ。それでひとりは、『置いて行かれた』ってロインで嘆いてたな」

 

 「あはははは!喜多ちゃんやっぱ面白ェ〜ww!マジであの子が一番ロックだろwww!?」

 

 

 ストックホルムの朝。

 ホテルのラウンジは留年という本来なら深刻な話題であるはずなのに、そこにはどこまでも明るく、楽観的な空気が流れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (……いや集中力あっても勉強に着いて行けないなら意味ないんじゃ…)

 

 

 綺麗に話がまとまったような雰囲気の中で、根本的な解決には一歩も近づいていないとKyoyaだけが心の中で冷静にツッコミを入れていた。

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 一方その頃───日本・東京。

 

 秀華高校の補習室の空気は、重く淀んでいた。

 ひとりはいつものピンクジャージを握りしめたまま、教卓で固まっていた。

 先生は答案をめくりながら、ため息混じりに告げた。

 

 

 「はい。それじゃあ後藤の追追追試の結果は…0点で不合格。……お前、英語以外が致命的すぎるぞ…」

 

 「あっへへ……」

 

 

 不合格の宣告を受けた瞬間、ひとりの顔から血の気が一気に引いた。

 頬を引き攣らせて笑みを浮かべてはいるものの、焦点の合わない瞳は完全に光を失っている。

 小刻みに震える手からは冷や汗が止まらず、床にポタポタと滴り落ちた。

 

 

 「日程的にも次がラストチャンスだ…これで赤点回避できなかったら本当に留年だからな。言っとくが、脅しでも何でもないぞ」

 

 「あっはい…」

 

 

 返事をする声は、もはや現世のものではなかった。

 ひとりはフラフラとした足取りで自分の席へと戻ろうとするが、その短い距離の間でさえ彼女は何度も自分の足にもつれてつまずきそうになった。

 

 

 (そっそんな……今までで一番手ごたえがあったのに…………もう無理だ……合格できる気がしない。それに…一緒に留年しようって言ってくれた喜多ちゃんは、昨日合格したし……留年は確定…また2年生をやり直し…?………退学しよ…

 

 

 あまりの絶望に、思考は一足飛びに極論へと至った。

 両手で頭を抱え、机に突っ伏して項垂れる。

 

 

 (いや落ち着け!!勉強出来ないから退学ってのは流石に恥ずかしい!!何より今退学したら確実に社会に放り出されてしまう!!)

 

 (スターリーのバイトだって、今までは家が遠くて帰りが遅くなるからってこじつけられたけど、中退したらそんな言い訳も通用しなくなる…!よって高校中退したら働かなきゃいけないのは確実だ!何もやり遂げてないうちは学生という身分に甘えておきたいッ!!)

 

 

 働きたくないという執念だけが、消えかけていた彼女の生命力を辛うじて繋ぎ止めていた。

 その瞬間、彼女の脳内スイッチが完全にバグった。

 

 


 

 _人人人人人人人人人人人人人人人人人_

 > 後藤ひとり ギトギトの高校3年生 <

  ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

 『あひひ〜wwまた成績不振で留年しちゃった〜wwでも就職するよりマシだもんね〜wwww留年祝いにお酒飲んじゃお〜www』パッパラパ~

 

 _人人人人人人人人人人人人人人人人_

 > ダブリにダブってダブダブの22歳 <

  ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

 


 

 

 最悪のイメージが脳裏をよぎったはずだった。

 しかし死にかけていたひとりの瞳に、突如としてギラギラとした不気味な光が宿る。

 

 

 (うん!やっぱり退学するくらいなら、バンドで食べていけるまで留年し続けた方がマシだ!……それによく考えたら、留年全然悪くないかも……だって今の学力を引き継いだまま、もう一度やり直せるって事だし…最近そういうの流行ってるらしいし……)

 

 

 そしてひとりの脳内で、いつものアホみたいな妄想が爆発した。

 

 


 

 

 【秀華高校から「無能」と蔑まれ、担任やクラスメイト全員に追放された【真の神童(カリスマ)】な俺…留年が確定した瞬間、俺の脳内に眠っていた学力引き継ぎチートが覚醒して測定不能になった件。実は入学試験の時から全教科オール100点だった俺は、ステータスオープンでレベル∞・スキル∞・全てEXクラスというチート性能だったけど、面倒だから無能のフリを続けていたのに全教科満点の記憶が覚醒してもう一度2年生として転生し直して俺TUEEEEEEEEEEEEしちゃったんだが?学力引き継ぎチートを活かしながら既にテスト範囲を知ってる俺は試験で無双しまくり、クラスメイトの爆乳美女達が俺の正体に気づいて囲い込みを開始。「やれやれ面倒だな…」とため息をつきつつ学園でモテまくるようになり無双した矢先、元担任と元クラスメイトが「君がいないと平均点が下がるんだ!頼むから戻ってくれ!」と鼻水垂らして地面に頭を擦りつけてるけど、今の俺はセカンドライフを謳歌してるんで、今更後悔しても もう遅い。過去視(カンニング)すら不要の確定勝利、俺のIQが高すぎて世界が壊れそうだ~留年生活でようやく本気を出す最強隠才の甘い学園再生物語~】

 ※全世界累計発行部数・100億部突破!!

 

 

 妄想の中の転生なろう後藤は、黒板に分数の答えをさらさらと書きなぐり、不敵な笑みを浮かべる。

 

 

 『嘘だろ!?あいつ分数ができるのか!!?』

 

 『算数って足し算と引き算だけじゃないのかよ!!?』

 

 『なんかやっちゃいました?』

 

 

 驚愕するモブ生徒たち。

 さらに漢字の時間ともなれば、転生なろう後藤の独壇場だった。

 

 

 『『鬱』のごちゃごちゃしてる部分を正確に書けるなんて、あいつ何者だ!!?って嘘だろ!?『齷齪』まであんなあっさりと!!?』

 

 『『魑魅魍魎』までスラスラ書きやがった……!!…なっ!なんだあの漢字は!?『顰蹙』!?なんて読むんだ!?』

 

 『やれやれ…目立つのは好きじゃないんだけどな』

 

 

 とりあえず画数の多い難読漢字だけを書き殴り、圧倒的なオーラを放つ転生なろう後藤。

 そして生物の実習では、さらなる神業を披露する。

 

 

 『メスオスメスメスオスメスオスメスオスメスオスオスオスオスメスメスオスメスメスオスメス』

 

 『スゲェ!!ひよこの雌雄を一瞬で見分けてやがる!!』

 

 『きゃー♡私も見分けられたいですー♡♡』バインボインッ

 

 

 真剣な表情でひよこの尻を凝視する転生なろう後藤。

 

 

 『同い年の男子と違って、やっぱり落ち着いてますよね〜♡♡かっこいいですぅ〜♡♡♡』バインボインッ

 

 『えれの情報によると、のっぴきならぬ理由*1があって、留年したらしいですよ!きゃあああ!!ミステリアス〜♡♡♡!!』バインボインッ

 

 『はぁ…騒がしいな。俺は静かな空間が好きなんだが…』

 

 『『『きゃ〜♡♡♡!!!』』』バインボインッ

 

 

 クラスの黒髪ロング姫カット爆乳美女達*2の視線が熱を帯び始めたが、転生なろう後藤はどこぞのドブカスのように目を閉じ、左手で前髪をかき上げながら気怠げそうに吐き捨てた。

 

 


 

 

 (メスオスメスメスオス……うへへへへ…!うん!あり!それに本当はコミュ症でも、逆に孤高の一匹狼風に見える可能性も…!)

 

 

 ひとりはニヤニヤしながら、自分の妄想に浸っていた。

 顔は真っ赤で口元が緩みっぱなし、完全に壊れていた。

 

 

 (……そうだ!留年したからって焦る必要なんて全然ないよね!それに世の中には『飛び級』っていう制度があるんだから!)

 

 

 妄想の荒波が引いたのも束の間。

 ひとりは虚空を見つめながら、さらなる思考の奈落へと足を踏み入れた。

 

 

 (昔テレビか何かで見た気がする!11歳でハーバードゥ大学を飛び級で入学した天才少年がいたって!あれに比べたら、私が秀華高校を飛び級するなんて歯ギターするより簡単だよね!?)

 

 

 ひとりは目を輝かせ、脳内で自分に都合のいい設定をガムテープで補強するように構築し始めた。

 もはや現実のルールなど彼女の精神防衛本能の前では無力であり、ひとりは一人(激うまギャグ)で「うんうん」と深く頷きながら、震える指を折ってガバガバな収支計算を開始した。

 

 

 (1年→2年→2年。そこで飛び級を発動させれば、計算上は喜多ちゃんたちと一緒に卒業できる!よし、プラン完成!うへへ…私はもう普通の高校生じゃない…!留年という助走期間を経て高く飛ぶ、『飛び級最強主人公』だ!問題はどうやって飛び級するかだけど………うん!それは今度考えよう!)

 

 

 客観的に見れば、ひとりはただ赤点を連発して進級に失敗しただけである。

 しかし、慣れない勉強による過負荷と、将来への恐怖が限界を超えた結果、ひとりの脳は完全にオーバーヒートを起こしてショートしていた。

 

 

 その時、補習室のドアが勢いよく開いた。

 

 

 「遅れました!失礼しまーす!!!」

 

 「遅いぞ大山〜」

 

 「あれ!?もしかしてヒッピー先輩っすか!?なんでここに!!」

 

 

 元気すぎる大声が補習室に響き渡った。

 ひとりはビクッと肩を震わせ、慌てて現実に戻った。

 

 

 (えっ!?この人…確か、大山さん…?)

 

 

 入ってきたのは、最近スターリーでバイトをし始めた大山(おおやま)猫々(ねね)という小柄な女の子。

 

 いつも全力の笑顔で声も動きも大きく、体育会系オーラが全開の熱血少女そのもので、陰キャ代表のひとりとは水と油くらいの違いがある。

 先生は答案用紙をまとめながら面倒くさそうに言った。

 

 

 「もう追試お前ら二人だけだし同じ教室でいいだろ。先生職員室戻るからちゃんと勉強しとけよー。1時間後にテストするからなー」

 

 「はい!!!」

 

 「えっちょ…」

 

 

 ひとりが慌てて何か言おうとした瞬間、先生はさっさと補習室から出て行ってしまった。

 ドアが閉まる音とともに、補習室にはひとりと猫々の二人だけになった。

 

 

 「ヒッピー先輩いるなんて嬉しいな!!よろしくおなシャス!!!」

 

 

 猫々はキラキラした目でひとりを見て、元気いっぱいに全力スマイルを炸裂させた。

 

 

 (うわァッ!?眩しすぎるッ…!!……この人体育会系オーラ強いから少し苦手なんだよね…話した事一回もないけど…)

 

 

 喜多とは別のベクトルの陽キャ波動にやられながらも、ひとりはふとあることに気づき、おずおずと質問した。

 

 

 「あっ…ところで、そのヒッピー先輩ってのは…私のこと?」

 

 「はい!先輩、秀華高校じゃ有名人ですよ!!」

 

 (えっ…!?私有名人なの!?)

 

 

 「有名人」という甘美な響きに、ひとりの脳内スイッチが瞬時に切り替わった。

 さっきまでの絶望はどこへやら、頬はだらしなく緩み、照れ隠しに頭を掻きながら一気に上機嫌になる。

 

 

 「いっいや〜…そんな事は…多少あるかも…へへ…あっなんならサインとか……」

 

 「学校でヒッピーの格好してたり、全校集会で一発ギャグして滑ったりと!1年生の間じゃ面白い先輩として有名です!!」

 

 (あっ違う…これ悪目立ちの方だ…)

 

 

 期待した「カリスマギタリスト」としての名声ではなく、ただの「変な人」としての知名度だった事実にひとりの表情が凍りつく。

 しかし、猫々の勢いは止まらない。

 彼女は輝かんばかりの笑顔でスマホを取り出すと、画面をひとりの目の前に突きつけた。

 

 

 「今はこの画像を待ち受けにしたら願いが叶うってもっぱらの噂です!!!」

 

 

 そこに映し出されていたのは、二年生になってからの初登校日、気合を履き違えたひとりの姿だった。

 バンドTシャツにヘアバンド、サングラス。トートバッグの表面を埋め尽くす大量の缶バッジに、腕を重く彩る無数のラバーバンド。どこからどう見ても、痛々しい勘違いを拗らせた「自称・音楽好き」の成れの果て──黒歴史という言葉すら生ぬるい、完全なるヒッピー装備のひとりだった。

 

 

(ぎゃあああああああ!!!呪術の材料にされてる!!!)

 

 

 ひとりは口から泡を吹き、完全に魂が抜けたような表情で天井を仰いだ。

 自分が後輩達から「ご利益のある珍獣」扱いされていたという残酷な真実。

 それが、ひとりの脆弱な精神にトドメを刺したのだった。

 

 自己紹介もそこそこに、猫々はひとりの隣の席に座ると、勢いよく参考書を広げた。

 

 

 「おっ……大山さんも、留年の可能性が……?」

 

 「そーなんです!!最近ギターの練習ばっかで一気に成績落ちちゃって!!でもやっとFコード押さえられるようになりました!!」

 

 (あぁ…そういえば前に、虹夏ちゃんや喜多ちゃん達と栃木までギター買いに行ってたような……私は行きたくなくて帰ったけど…)

 

 「それはそうと、ヒッピー先輩も勉強苦手なんですね!」

 

 

 猫々は親近感を覚えたのか、目を輝かせてひとりに詰め寄った。

 至近距離から放たれる後輩の純粋な視線に、ひとりはビクッと肩を震わせる。

 

 

 (うっ…カッコ悪い所見せたくない…!!)

 

 

 後輩の前で少しでも格好をつけたいという見栄が、ひとりの口を暴走させた。

 

 

 「あっいや……これは違くて…あっあえて勉強出来ないフリをしてて…にゅっ入学試験の時全教科オール100点で騒ぎになっちゃって試しにステータスオープンしたらレベル∞の漢字検定英語検定化学検定数学検定日商簿記検定ひよこ鑑定士検定…etc.スキル無限全てEXクラスで、こっ混乱を避けるために学校では実力を隠して無能のフリをしてるんだは〜やれやれ」

 

 「ん!?すみません!何言ってるか分からなかったんでもう一度おなシャス!!」

 

 「あっただのアホです…」

 

 

 酸素を吸う間も惜しんで意味不明な虚構を早口で捲し立てたが、猫々には一切通用しなかった。

 キラキラとした後輩の瞳を前に、もう一度同じ妄言を繰り返すほどの勇気も精神力もひとりには残っていなかった。

 

 

 (はぁ…やっぱりこの子苦手だ………………ん?…あっあれ!?)

 

 

 ある程度冷静になったところで、ひとりはふと恐ろしい事実に気づいた。

 

 

 (そういえば留年したら、大山さんと同じ学年になるってこと!!?それに今の1年って…めちゃくちゃ陽キャ多いし…私みたいなの、すぐにパシリにされるんじゃ!?!?!?)

 

 

 その瞬間、ひとりの脳内は再び暗黒モードに突入した。

 

 


 

 

 ──留年後──

 

 休み時間───猫々や後輩陽キャ達と連れション地獄。

 

 

 『ギャハハハハハ!!おいヒッピー!!連れション行くぞ!!!』

 

 『あっはい…』

 

 『あ〜なんかつまんね〜……おいヒッピー!なんか面白いことやれや!!いつもの変な奇行とか見せて楽しませろよ!!やらなきゃ罰金100万な!!』

 

 『えっ…あっ…その…』

 

 『はよやれや!!』

 

 『はっはい!えっと…じゃあ相撲の審判が持ってるやつ!はっけよーいのこったぁ!』

 

 

 昼休み───DQN後輩達にパシられ地獄。

 

 

 『おいダブリ!!俺ら全員分の弁当と飲み物買ってこいや!!』

 

 『え?あっはい…あっあの……お金…』

 

 『あぁ〜↑ん(オクターブ上)!?テメェの金に決まってンだろうがよォ↑(オク上)!!先輩なんだから奢れやボケェ!!』

 

 『それにテメェの取り柄なんて金しかねェだろうがッ!!はよ行けや!シバくぞ卍!』

 

 『はっはいィィィィ!!』

 

 


 

 

 (ひぃぃぃぃぃぃ!!やっぱり嫌だ!!絶対合格して留年だけは避けないと!!このままじゃ地獄確定だ!!)

 

 

 妄想が終わったひとりは、補習室の机に突っ伏してガクガクと震え始めた。

 自分の不甲斐なさで留年した結果──かつての後輩たちに「ダブリ」と蔑まれ、暇つぶしのおもちゃやパシリにされる未来。

 机に顔を埋め両手で頭を抱えながら、彼女は小さく呻き声を上げ続けた。

 

 

 「んじゃそろそろ集中します!!ヒッピー先輩も頑張ってください!…あっ!合ってる!なんかわかったかもー!」

 

 (あれ!?意外と真面目!?)

 

 

 猫々はそう宣言するや否や、迷いのない手つきでペンを動かし式を解いていく。

 

 

 (もしかして私と違って真面目にやればデキるタイプなの!?ヤバいッ!私もやらないと!落ち着いて集中して解けば…)

 

 

 ひとりは焦燥感に突き動かされるように、慌てて問題を解いていくが、文字が全く頭に入ってこない。

 公式の一つも思い出せず、時間だけが無情に過ぎていく。

 自分に対するあまりの情けなさに耐えきれなくなったひとりは、机に額を何度も叩きつけ始めた。

 

 

 (こうなったら私も留年して、大山さんも留年させるしかない!!)

 

 

 頭から血をダラダラ流しながら、ついに他人を道連れにするアホみたいな計画を思いついたひとり。

 無い知恵を総動員して猫々に話しかけ始めた。

 「寿司はサビ抜き派?」だの「エビフライのしっぽは食べる?」だの「お風呂で一番最初に洗う部分は?」だの「大山さんウェイウェーイ卍」だの、普段は自分から他人に話しかけることなどできないくせに、この時ばかりは執拗に言葉を投げかけた。

 脈絡のない質問を矢継ぎ早に繰り出し、どうにかして彼女の集中力を削ごうと試みる。

 

 

 「先輩うるさいです」

 

 「あっすみません」

 

 

 だが猫々は、冷淡な声で一蹴した。

 先ほど勢いは一瞬で消え去り、ひとりは即座に謝罪して、そのまま石像のように硬直してしまった。

 

 

 (もう潔く受け入れよう)

 

 

 これ以上の抵抗は無意味と悟ったひとりはスマホを取り出し、震える指先で喜多へメッセージを綴る。

 


 

 『喜多先輩へ 短い間でしたが同じクラスになれて楽しかったです』

 


 

 それは、実質的な「留年宣言」だった。

 送信ボタンを押して数秒、即座に既読がつく。

 画面の向こう側の慌てぶりが伝わってくるような勢いで、大量のメッセージが返ってきた。

 


 

 『諦めないで!!!!!』

 

 『私が裏切ったせいよね!?』

 

 『ごめんなさい!私も留年するから!お願いだから許して!!』

 


 

 クラスの人気者の凄まじい覚悟を目の当たりにして、ひとりはさらに申し訳ない気持ちになり、そっとスマホの電源を落とした。

 

 

 「おっ大山さん……同じ学年になったら、よろしくね…」

 

 「はい!!」

 

 

 自嘲気味にそう告げると、猫々は迷いのない笑顔で応えた。

 元気な返事にひとりは、(あぁ…やっぱり彼女は留年しないんだな)と自分の運命を再確認する。

 

 しかし、ひとりが完全に諦めかけたその時、猫々はふとした表情で言葉を続けた。

 

 

 「でも、同じ学年になれたら嬉しいけど、やっぱり先輩でいてほしい気持ちもあるかも……」

 

 「え?」

 

 

 意外な言葉に、ひとりは首を傾げた。

 

 

 「ウチがバンドを始めた理由って……実はヒッピー先輩に憧れたからなんですよ」

 

 「そっそうなの…?」

 

 

 ひとりは困惑した。

 自分のような陰キャの極致に憧れる人間など、この世に存在するはずがない。

 しかし猫々の語り口は真剣だった。

 

 「はい!ウチ、中学の頃はバスケやってたんすけど…見ての通り背が低いから試合で主役になることがけっこー少なくて。ウチ目立ちたがり屋だからそれが地味に不満だったんですよ。三年間やり切ったはずなのに何か不完全燃焼みたいな…」

 

 「へっへぇ……」

 

 

 ひとりは相槌を打ちながらも、自分とは正反対のポジティブな悩みに圧倒されていた。

 

 

 「高校で何しようって迷ってた時に、友達から『先輩たちが出るから応援しよう』って未確認ライオットのフェスに誘われて………正直、あの先輩がライブなんてできるのかなって思ってました」

 

 

 そこまで言うと、猫々は遠い日のステージを思い出すように目を細めた。

 

 

 「でもライブが始まったら、そんな考え吹き飛んでマジで胸打たれました!あの日のステージのヒッピー先輩はめっちゃ大きくて、一番目立ってました!ギターソロの時なんて、死ぬほど鳥肌立ちましたもん!!なんて言えばいいのか…その、魂から震えたというか…!」

 

 「……!」

 

 自分の知らないところで、誰かの心を動かしていた。

 その事実に、ひとりの胸に小さな衝撃が走る。

 

 

 「ウチもこんな風に、たくさんの人に見上げられたいって思ったんです。だから、ヒッピー先輩に憧れてバンドを始めることにしたんです。……色々長くなりましたけど、なんかヒッピー先輩だけは…自分の上にいつまでもいてほしいっていうか。いつまでも見上げていたいんすよね」

 

 

 猫々の語る言葉は、一切の計算がない純粋な熱を帯びていた。

 あの日 自分が必死でかき鳴らしたギターが、誰かの人生を変えるきっかけになっていた。

 その事実がひとりの胸に重く、温かく響く。

 

 

 (そんな風に私を……)

 

 

 誰かの目標であり続けなければならない。

 猫々の真っ直ぐな瞳に見つめられ、ひとりの心の中に今さらながら微かな責任感が芽生え始めていた。

 

 ──と同時に、強烈な罪悪感が津波のように押し寄せてくる。

 

 

 (なのに私は、この子を道連れに留年させようと…なんて精神的に未熟なんだ!!)

 

 

 あまりの情けなさに耐えきれなくなったひとりは、椅子から転げ落ちるようにして床に伏した。

 

 

 「小学生からやり直してきます…」

 

 「そんなにヤバいんですか!?」

 

 

 突然の土下座、そして「義務教育の敗北」を宣言するようなひとりの言葉。

 猫々は驚きに目を見開き、目の前の先輩の学力が実は算数のドリルすら怪しいレベルなのではないかという絶望的な勘違いに陥った。

 二人の間に致命的な認識のズレが生じる中、猫々はなんとか励まそうと明るい話題を振る。

 

 

 「でも先輩もし留年したら、二回も修学旅行に行けるし超ラッキーですね!」

 

 「あっ…やっぱり留年はしない…私、3年生になる!!」

 

 「ヒッピー先輩…!はい!諦めずに最後まで頑張りましょう!!」

 

 「うっうん!」

 

 

 猫々の純粋な応援を受け、ひとりの背後にはオーラすら立ち上っていた。

 今の彼女は、まさに見上げられるべき「先輩」そのものだった。

 

 

 「よーし、追試始めるぞー。お前ら教科書とノートと筆箱しまえー」

 

 

 先生の号令とともに、運命のテスト用紙が配られる。

 ひとりはシャーペンを剣のように構え、真っ白な紙面を睨みつけた。

 

 

 (最後まで、あがき続けるんだ━━!!) 

 

 

 静寂の中、ペンの走る音だけが響く。

 数式を捻り出し、答えを脳の奥底から掘り起こす。

 ひとりのペン先は迷いなく、解答欄を次々と埋めていった。

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 一時間後。

 

 採点を終えた先生が、静かにひとりを呼び出した。

 その手にある答案用紙には、ひとりの熱意の結晶が刻まれている。

 

 

 「採点結果は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3点で不合格」

 

 「」

 

 

 思わせぶりにサクサクと解答していたが、結果は無慈悲だった。

 というか熱意だけで赤点が回避できるなら、義務教育という制度はとっくに崩壊している。

 

 

 「……うん…まぁ……なんだ…バンド活動と両立してよく頑張ってるよ。でもこれからは…もうちょっと勉強にリソース割こうな」

 

 「」

 

 「…とりあえず、来年からまた頑張れ。もう遅いし帰っていいぞ」

 

 

 先生の言葉はもはや教師としての指導というより、一人の大人としての同情だった。

 そして、その宣告が下された瞬間──横から凄まじい勢いで熱い塊が飛び込んできた。

 

 猫々が、ひとりの体を力いっぱい抱きしめたのだ。

 

 

 「ヒッピー先輩辛いっすよね!!あれだけ頑張ったのに…報われないなんて…!!でも大丈夫!!」

 

 

 猫々の目には、本気の涙が浮かんでいた。

 彼女の熱い体温と、体育会系特有の爽やかな汗の匂いがひとりを包み込む。

 

 

 「これからはウチがヒッピー先輩と友達になります!いや…もう同じ学年になるんだし、敬語は逆に失礼だよね!ヒッピー!!これからウチらはズッ友だよ!!!そうだ!!ウチの友達も紹介するよ!!ウチらと毎日泣いて笑って、最高の汗を流そう!!!!!」

 

 

 ひとりの脳内に、光り輝く陽キャ軍団に囲まれ、無理やり運動部のようなノリで「友情」と「汗」を強要される地獄のビジョンが完成した。

 来年からは、この太陽のような後輩とその仲間たちに「ヒッピーwww」と呼ばれながら揉みくちゃにされる逃げ場のない日々が確定したのだ。

 

 後輩のあまりに健気な、そしてトドメを刺すような気遣い。

 

 ひとりは全てから解き放たれたような、清々しい笑みを浮かべた。

 

 

 (フッ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱ学校やめよ)

 

 

 そこに迷いはなかった。

 無理なモンは無理。

 嫌なモンは嫌。

 

 

 翌日──ひとりは退学届を手に職員室の扉を叩き、あっさりと秀華高校を中退した。

 

 

*1
※ない

*2
友情出演:PAさん・内田幽々・しゅきぴの養分になりたいオタク




今回も読んでくれた方、ありがとうございました!
原作では31点でギリギリ合格しましたが、ここのぼっちちゃんは普通に赤点取って留年確定して中退しました。
そら原作以上にギターとバンド活動に全振りしてるんだから、勉強に割くリソースなんてあるわけない。
よかったねぼっちちゃん。念願の高校中退だよ(白目)

ちょっと下に各キャラの反応載せときます。

直樹:これもロックだなぁ!とはしゃいでる。いざとなったら自分の個人でやってる楽曲提供にぼっちちゃんをスタジオミュージシャンとして雇うつもり。そうでなくても一生養って不自由させないから心配しなくていいと思ってる。

NEW GLORY:Laviel&RoÉ→草 Kyoya→えぇ…(困惑)

ぼっちちゃん:よくよく考えたら高校卒業してもまともな職に就けないし、ギターヒーローで稼いでるし別にいいやとなってる。あと家事全般担当するようになり、専門業者に頼んでる清掃区域以外はぼっちちゃんが掃除するようになった。

虹夏ちゃん:えぇ…(困惑)その2

世界のYAMADA:高校卒業したら自分もニートになるので全面的にぼっちちゃんの味方。でもコイツは半年後に親から仕送りなしで一人暮らしさせられることをまだ知らない。

郁代:原作のぼっちちゃんほどではないが原作の喜多ちゃんより成績ヤバい。原作より練習時間が増えて歌唱力は大幅に上がってるが、その分勉学にガッツリ弊害出てる。正直人の心配してる場合じゃない。

星歌:(中退したならワンチャン、スターリーでバイトしねェかなァ…)とぼっちちゃんに着せる用のミニスカメイド服を手に淡い期待を抱いている。

PAさん:自分も高校中退したからぼっちちゃんに親近感が湧く。

美智代さん(妊娠3ヶ月目):家にこもってギターばかりもあれだから、丁度いいし料理覚えてもらったり家事分担してもらおうかなと思ってる。ぼっちちゃんも妊婦に無理させるわけにはいかないと思い普通に了承してる。

ふたり:『中卒ピンク』だの『ニート星人』だの『ギターニート』だの…どこでそんな鬼畜過ぎる言葉を覚えたのか…口喧嘩に発展したらその言葉を姉に吐きかけて応戦する。そして割と本気で落ち込むぼっちちゃん。

ジミヘン:ワンワン(暇なら散歩してやるよ。)

秀華高校の先生:(まぁ後藤の実家太いし…どうにでもなるか…)と普通に退学を承認。

ぽいずん♡やみ:ライブレポート書いててそれどころじゃない。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。