あれ?これぼっちパパが主役のはずなのに、大体がモノローグでの描写になってる…
俺の書き方が下手なのかな?もっと他の人の見て参考にしようかな…
それではどうぞ
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
「イライザちゃんって日本3年目なのに、日本語流暢だね」
「イヤー コミマ参加したくて日本きたのヨー!!本当はアニソンコピーバンドしたいネ!」
「おー、アニソンかぁ…!そういや今度アニメタイアップの曲任されたな…確か○○の○ってアニメの…映画とかも大ヒットしてて、ずっとテレビで紹介されてたな〜」
「Oh!私そのアニメ大好きデスヨ〜!!ヒロインの○○○ちゃんが可愛らしくて、○○さんのバトルシーンも神作画デシタ〜♪一期も劇場版も覇権獲得して最高ヨ〜!!二期放送開始されたら、絶対見るネ〜!」
私、
【
普段は酒飲みまくってハイテンションだけど、今は素面で、頭がクリアすぎる。
クリアすぎて、逆にヤバい。
冷や汗がダラダラ止まんない。
本来の内気な性格が全開で、スタジオの隅っこで縮こまってる。
向こうでギターパートを取り終えた、NaokIさんとイライザさんが、楽しげに会話してる……
こういう時、物怖じせず、簡単に相手の懐に入れるイライザさんはすごいと思う。
もう3年目とはいえ、日本で一人で大変なはずなのに、酒に頼る私なんかとは大違いだ……
「岩下さんだっけ?悪かったね、ウチのリーダーが…NaokIさんって酔った勢いで結構突拍子のないことしたり、見栄張って変なことすること多いからね。2年前もNaokIさん、自分の娘に対抗心抱いて、バカみたいに難しい曲持ってきたから…」
「あっはい!そうなんですね!!」
「そんな緊張しなくても大丈夫だよ。もっと自然体で挑もう」
「あっありがとうございます!!」
そして、これからドラムパートの撮影を行う岩下さん…
【NEW GLORY】のドラムの方とお話してて、見るからに緊張している……あっ…こっち睨んでる…本当にすみません……全て私の不手際です……
あー、なんでこんなことに……。いやマジでなんでこんなことに…!
なんか…あの【NEW GLORY】と共同でMV撮ることになってるんだよね。
世界トップのロックバンドと、私たちの【SICK HACK】がコラボ。
信じられない。どうしてこうなったんだろう……。
スタジオは緊張感でピリピリしてる。
周りのスタッフが機材をセッティング中。
【NEW GLORY】のみなさんは自然体で落ち着いてる。
みなさんプロフェッショナルで、穏やかだけど、全員オーラがハンパない。
これが日本の頂点。世界のトップか…
うちのメンバー、イライザさんはいつも通りハイテンション。
ギター抱えて、【NEW GLORY】の面々に絡みに行ってる。「それにしてもNaokIさん、作曲の天才ですよネ〜! 私たちの曲、コラボで神になるヨー!」って、興奮で飛び跳ねてる。
イライザさん元気すぎ。
そして岩下さんは変わらず、ドラムセットの後ろでカチカチに固まってて、顔色悪い。
「廣井……これ、マジで大丈夫か……?」って小声で聞いてくる。
岩下さんは【SICK HACK】のバランサーで、いつも冷静だけど、今日は緊張でスティック落としそう。
私も同じだ。
しかもコレ、まだ【NEW GLORY】だけのMVだから、後日また、【SICK HACK】としてのコラボMVも撮るんだよね……い、胃が痛い………
なんでこんなビッグネームとコラボなんてことになったんだろう。
数ヶ月前のこと、思い出すだけで頭痛い……。
──遡ること数ヶ月前。
その日、【NEW GLORY】は日本の大型ロックフェスでメインステージの大トリ。
久しぶりの日本公演で、会場は大盛り上がりだった。
ライブは無事成功、いつも通り熱狂の渦で幕を閉じた。
打ち上げは高級焼肉と高い酒で、メンバーみんな楽しんで解散した。
だが、直樹はまだ余韻が残ってた。
ライブを無事盛り上げたこと。そして、娘のひとりがバンドを始めた嬉しさで、酒に弱いのに飲み足りなくて、一人で居酒屋をハシゴした。
そして酒カスこと、廣井きくりはいつものように酔っぱらってた。
【SICK HACK】のライブ後、酒を飲みまくって、フラフラしながら次の店を探してた。
そして、たまたま入った居酒屋で、直樹を見つけた。
「わー、いい飲みっぷりじゃん! お兄さん、ロックだねぇ!」
「おっ!!そうかい!?いやー、嬉しいこと言ってくれるね!!君もこっちおいで!おっさん一人で飲むより、美人さんと一緒に酒が飲めるなら、僕も光栄だよ!!」
「あひゃひゃひゃ!!お兄さんそれ口説いてるの〜!!でもいいよ!!タダ酒奢ってくれるならね〜!!」
「な〜んだ!!そんなことか!!いいよいいよ!金は腐るほどあるし!今日は僕の奢りだ!店主さ〜ん、ここのメニューの高い酒全部くださ〜い!!あとこのページのおつまみも!!」
「うひょおおおおお!!お兄さん太っ腹〜!!よっしゃー!タダ酒だぁぁぁぁ!」
って、酔った勢いで乱入。
そのあときくりの飲みっぷりに感心し、そこから二人で飲みまくり。
そこから酒のピッチが上がって、話が弾み、お互いバンドマンだってわかった。
「ヘェ〜お兄さんもバンドマンなんだ〜!なんてバンドなの〜?」
「【NEW GLORY】っていうバンドだよ〜。ギター担当で作曲と編曲全部担当してるんだ!」
「おおー!【NEW GLORY】だったのかー!お兄さんすごいね〜!私は【SICK HACK】ってインディーズバンドやってるよ!私も楽曲全般担当してるんだ〜!」
「【SICK HACK】か〜、聴いたことないな〜。どれどれ〜……………………おおっ!すごいじゃん!!こんなレベル高いサイケ久々に聴いたよ!」
「ありがとね〜♪ねぇねぇお兄さん!よかったらお互い楽曲提供し合わない?絶対面白いよー!」
「そりゃナイスアイディアだね!よーし早速メンバーとマネージャーにロインで聞いてみるよ!」
「今、【NEW GLORY】って聞こえなかった?」
「いや気のせいでしょ……!!?え!?えッ!!?本物…!?マジでNaokIじゃん!!」
「つーかあの女の人、【SICK HACK】の廣井さんじゃない!?」
「マジ!?声かける?いやでもプライベートだったら声掛けちゃまずいかも…」
後方でなにかひそひそ聞こえるが、二人は気づいていなかった。
そのあとお互い酔っ払った勢いと、その場のノリだけでコラボを提案。
連絡先を交換して、【NEW GLORY】と【SICK HACK】のグループロインも作成。
翌日、……案の定、きくりは記憶が飛んでいた。
水を飲み、少し素面になり、スマホ見たら、見たことないグループロインとやり取りがいっぱいあった。
【NEW GLORY】のメンバーたちと、【SICK HACK】の志麻、イライザ、当然きくり自身も入ってる。
志麻は「廣井お前!いったい何したんだ!!」って冷や汗ダラダラのメッセージが送られ、イライザは「コラボ! 興奮!」ってハイテンション。
【NEW GLORY】側も、NaokIが酔った勢いでまた安請け合いしたかって呆れていたが、【SICK HACK】のMV見て「レベルの高いバンドだな」って感心して了承。
きくりもNaokIも、記憶がないまま、トントン拍子で曲のテーマが決まって、いいフレーズがポンポン浮かんで……解散。
余談だが、直樹は気を良くして、財布から50万円をポンと、きくりにチップとして渡した。
翌日、きくりは財布の中身を見て、驚愕したのは言うまでもない。
それから、あの酔った夜から、グループロインは静かに、しかし着実に動き始めていた。
きくりは翌朝、記憶の断片と財布の50万円を見て「やっちまった……」と呟きながらも、NaokIから送られてきた「曲の方向性、どうする?」というシンプルなメッセージに、震える指で返信した。…もちろんおにころ決めながら。
『うちの強みはサイケだよ。トリッピーなギターのレイヤーに歪んだベースのうねり、ドラムはトリップ感重視で、歌詞は現実と幻覚の狭間みたいな感じ。NaokIさんなら、そこに【NEW GLORY】の衝撃的なメロディ乗せたらヤバいことになると思うんだけど……どう?』
NaokIの返信は早かった。
『了解。サイケの核は絶対殺さない。まずはデモ送ってくれ』
きくりは早速スタジオで、志麻とイライザに囲まれながら、丸一日使ってデモを作成した。
きくりらしい、サイケデリックなベースラインがうねり、歪んだギターが空間を埋め尽くす。
イライザのギターはトリッピーなアルペジオを重ね、志麻のドラムは四つ打ちを崩したトリップビートで、全体を浮遊感で包む。
きくりはボーカルで、現実と幻覚の狭間を歌うような、半分囁き半分叫びのスタイルで録音した。
デモをNaokIに送った瞬間、きくりは「これでダメだったら終わりだ……」と冷や汗を流した。
翌日、速攻でNaokIから編曲されたトラックが返ってきた。
「…えっ?早すぎない?デモ送ったの昨日の今日だよ…」
「……道理で自分のバンドと並行して、色んなアーティストに楽曲提供出来てるわけだよ。クオリティもそうだけど、制作スピードが段違いすぎる……」
「ワァ〜すごいデース!早く聴きまショ!!」
「う…うん!わかった…!」
そのままMP3を起動するきくり。
そこから出てきた音は衝撃的で完全に生まれ変わったトラックだった。
まず、サイケの核を残しつつ、【NEW GLORY】の「脳に衝撃を与える」メロディを注入。
元のトリッピーなギターレイヤーをそのまま活かしつつ、NaokIのシグネチャーである「一度聴いたら頭から離れない」キャッチーなリフをサビに追加。
サイケの浮遊感が、【NEW GLORY】らしい静→爆のダイナミクスで爆発する形に昇華。
次に、ボーカルで中毒性を極限まで引き上げ。
きくりの囁きボーカルを残しつつ、【NEW GLORY】のクリーンボーカルとスクリームを重ねるデュエット構造に。
きくりの幻覚的な歌い方が、【NEW GLORY】ボーカルの圧倒的な表現力で「現実と幻覚の境界」をより鮮明に描き出す。
特にブリッジのスクリームパートは、きくりが「これ、私の声なのに完全に上書きされてる……」と震えたほど。
ベースでダブステップ×サイケの低音うねりを強化。
元の歪んだベースうねりを、【NEW GLORY】のベースの超絶スラップとダブステップワブルで再構築。
ドロップ前のビルドアップでフレンチコア的な高速キックを挿入し、サイケのトリップ感を「身体が勝手に動く」レベルに引き上げる。
ドラムで感情の深みを追加。
志麻のトリップビートを基調に、【NEW GLORY】のドラムのパワフルで感情的なフィルインを重ね。
静かなパートでは繊細に、爆発パートでは全力で叩きつける。
結果、サイケの「浮遊」と【NEW GLORY】の「感情爆発」が完璧に融合。
最後にトランスコア要素の挿入で中毒性を極限化。
曲の中盤にトランスコア的な超高速ブレイクダウンを入れ、サイケの反復性と融合。
頭がぐるぐる回るような感覚が、【NEW GLORY】らしい「病みつき」体験を生む。
きくりは完成トラックを聴いて、涙が出た。
「これ……【SICK HACK】のサイケなのに、【NEW GLORY】の衝撃が乗ってる……でも、うちの色が完全に殺されてない。完璧すぎる……」
「本当にすごいな…!あのデモでここまで昇華させるのか…!」
「ヤバい! これライブでやったら会場壊れるよー!」
そのあとのNaokIからのメッセージはシンプルだった。
『【SICK HACK】のサイケ最高だった。殺さずに昇華させたつもりだけど…どう?』
きくりは震える指で返信した。
『最高……ありがとう。NaokIさんマジで神!』
『こっちこそありがと。僕も手につけたことのないジャンルで面白かった』
次はNaokIの番だ。
【SICK HACK】にトラックを渡した翌日。
またNaokIから、きくりに直接メッセージが届いた。
『今度は僕から【SICK HACK】に曲を渡したい。【NEW GLORY】のジャンルを中心に作ったけど、サイケの核は任せる。廣井さんなら、絶対に昇華できると思う』
きくりはこれを読んで、スマホとおにころを落としそうになった。
「え……NaokIさんが、私たちに曲を……?」
送られてきたデモは、【NEW GLORY】らしい「脳に衝撃を与える」構造が凝縮されていた。
• 静寂から始まるポストハードコアの内省的なギターリフ
• 突然のスクリームとラウドロックの爆発
• トランスコアの高速ブレイクダウン
• ダブステップの重低音ドロップ
• オルタナティヴなメロディックサビで締め
まさに『【NEW GLORY】という一つのジャンル=NGコア』の教科書のような曲だった。
でも、きくりは聴きながら、すぐに気づいた。
「これ……【NEW GLORY】の色が強すぎる。私たちのサイケが、完全に埋もれちゃう……」
きくりはスタジオに籠もり、志麻とイライザを巻き込んで編曲を始めた。
今までのきくりなら、酒を浴びるように飲んでハイテンションで突っ走っていたはず。
でも今回は違う。
酒を飲むのを忘れるほど、曲に没頭した。
「ここに、もっと歪んだベースのうねりを入れて……トリップ感を残さないと」ブツブツ
「イライザのギター、もっと空間系エフェクト重ねて、現実と幻覚の境目を曖昧に……」ブツブツ
「志麻のドラム、四つ打ち崩して、もっと浮遊感を出して……でも、【NEW GLORY】みたいな感情の爆発も残したい」ブツブツ
きくり自身、驚いていた。
酒を飲まなくても、インスピレーションが止まらない。
NaokIの衝撃的なメロディを、【SICK HACK】のサイケで包み込む作業が、楽しくて楽しくて仕方なかった。
「私……成長してる?」
完成したトラックは、【NEW GLORY】の「脳に衝撃を与える」構造を基盤にしながら、【SICK HACK】のサイケデリックな浮遊感と歪んだうねりが前面に出た。
静寂 → サイケトリップビルドアップ → トランスコア×フレンチコアの狂ったドロップ → きくりの囁きボーカルとスクリームが交錯するサビ → 最後に歪んだベースと空間系ギターでフェードアウト。
NaokIのメロディは残しつつ、【SICK HACK】の「現実と幻覚の狭間」が最大限に昇華された。
こうして、【NEW GLORY】と【SICK HACK】、両方の楽曲提供は終わった。
◆
…で、今に至る。
MV撮影の全員で演奏するシーン。
【NEW GLORY】のNaokIさんがギターを構えて、ボーカルが白の有線マイクを握りしめ。ベースが低く唸り、ドラムがテストで叩かれる。
私は素面で、内気モード全開。
岩下さんは緊張でスティック握りしめ、イライザはハイテンションで場を和ませてるけど、私の冷や汗は止まらない。
でも……なんか、ワクワクする。
酔った夜の出会いが、こんなコラボを生むなんて。
【SICK HACK】と【NEW GLORY】が一緒に音楽を作るなんて、夢みたい。
よし、がんばろう。
素面の私でも、ベース弾けるはずだ。
撮影スタートの合図が響いた。
心の中で、酔った自分に感謝した。
数週間後、【NEW GLORY】と【SICK HACK】の公式チャンネルに同時にMVが公開された。
NEW GLORY/
SICK HACK -
公開直後、ファンの反応は騒然とした。
【SICK HACK】のファンたちの反応
『え、嘘!?【NEW GLORY】と!?』
『どういうコラボだよ!?』
『異色すぎる…』
『ジャンル違うけど、本当に合うのか?……………なんだコレェェェェェェ!!!!!!!』
『サイケが【NEW GLORY】の衝撃と混ざってる……神曲すぎる』
『廣井は酒カスだけど、やっぱこういうセンスはピカ一だわ!』
【NEW GLORY】のファンたちの反応
『うおー!!!【NEW GLORY】の新曲きたー!!』
『よっしゃよっしゃよっしゃよっしゃよっしゃ!!』
『【NEW GLORY】単体でフィーチャリングとか初めてじゃね?』
『コラボ相手誰?』
『【SICK HACK】?なにそれ?』
『調べたら【SICK HACK】ってインディーズバンドって書いてあったけど、大丈夫か?』
『どうせ【NEW GLORY】のお零れだろw まぁ聴くだけ聴いてみるか…………うおおおおおお!!!!!!』
『待って、これヤバい……【SICK HACK】のサイケ、こんなにハマると思わなかった』
『【NEW GLORY】のメロディがサイケに飲み込まれてるのに、逆に【NEW GLORY】の衝撃が増してる……』
『このきくりってボーカルの囁きと【NEW GLORY】のスクリームのデュエット、鳥肌立った』
『個人的にはこれ、【NEW GLORY】よりハマってるわ……【SICK HACK】舐めてた』
『【SICK HACK】他の曲も中毒性高いわ…アルバム全部買お…』
【NEW GLORY】のMVは安定の数十億再生を記録した。
一方【SICK HACK】も破竹の勢いでMVが伸びた。
MVは公開から1週間で3000万再生を突破し、最終的に8000万再生を超えた。
【NEW GLORY】ファンから【SICK HACK】への流入が爆発的に発生し、【SICK HACK】のチャンネル登録者も急増。
「これ……私、酒飲んでないのに、こんなに頭回ってる……」
きくりは自分の頰を軽く叩いた。
素面で、こんなにクリアに音楽が聴こえるなんて、久しぶりだった。
いや、こんなに鮮明に「次に作りたい音」が頭に浮かぶのは、初めてかもしれない。
NaokIの衝撃的なメロディを、【SICK HACK】のサイケで包み込んだあの曲。
きくりはそこで、何かが変わったことに気づいた。
「私……酒なしでも、曲作れるんだ」
それから、きくりは止まらなくなった。
翌日から、スタジオに籠もり始めた。
イライザは「きくりが酒飲まないで曲作ってるヨ!? 珍シイ!」と驚き。
志麻は「これ、ヤバいぞ……本気だ」と冷や汗を拭きながら見守った。
インスピレーションが、止まらなかった。
1曲、2曲、3曲……そして、9曲、10曲、11曲……。
きくりは酒を飲むのを忘れていた。
いや、飲もうと思わなかった。
喉が渇いても、水で十分だった。
頭の中が、音でいっぱいだったから。
「これNaokIさんの影響……? いや、違う。私の中にも、こんな火がついてたんだ」
きくりは鏡に映る自分を見て、笑った。
素面のきくりは、内気で、恥ずかしがり屋で、いつも酒で誤魔化していた。
でも今、酒なしで、音楽に向き合えている。
それが、嬉しくて、楽しくて、怖くもあった。
【SICK HACK】の音楽は、明らかに進化した。
サイケを基盤にしながら、【NEW GLORY】の「脳に衝撃を与える」メロディとダイナミクスが融合。
静寂と爆発のコントラストがより鮮明になり、トリップ感が「中毒性」に変わった。
きくりは、自分が「新しい【SICK HACK】」を作っていると感じていた。
そして、完成したのは、全曲新曲のフルアルバム
『
全12曲中、1曲が「Eclipse of Sanity feat. NEW GLORY」
残り11曲は、きくりが酒なしで生み出した、進化したサイケサウンドの結晶。
リリースしてから翌週、オリコソチャートが更新された。
インディーズバンドとしては異例の、週間2位。
1位はもちろんメジャーの超大物アーティストだったが、2位という数字は、【SICK HACK】の歴史を変えた。
ツアーも即発表。
ZIPPER(ゼ○プ級ライブハウス)ツアー、全国7公演。(北海道、東京(羽田、新宿)、神奈川、愛知、大阪、福岡)
チケットは発売から数日で全公演ソールドアウト。
特に東京公演は、【NEW GLORY】ファンも大量に流入し、会場は異様な熱気に包まれた。
ツアーファイナル、ZIPPER Shinjuku。
ステージに立つきくりは、ベースを抱え、マイクに向かって、静かに言った。
「みんな……今日はヤバい音聴かせられるから……覚悟してて」
照明が落ち、最初の音が鳴った瞬間、会場は狂乱の渦に飲み込まれた。
きくりのベースがうねり、イライザのギターが空間を歪め、志麻のドラムが感情を叩きつける。
「Eclipse of Sanity」では、【NEW GLORY】のボーカルパートが流れると、客席から大歓声。
でも、それ以上に、【SICK HACK】の新曲が観客を圧倒した。
きくりはステージ上で、涙を浮かべながら笑った。
「私……ここまで来れたんだ…」
あの酔った夜の出会いが、きくりを変えた。
NaokIの曲が、きくり自身を覚醒させた。
【SICK HACK】は、ただの「酒飲みサイケバンド」ではなかった。
「進化したサイケ・ロックバンド」として、新たな伝説を刻み始めた。
「酒を飲まなくても、音楽は、こんなに楽しいんだ」
きくりは、静かに微笑んだ。
すげー長くなりました。
あとNEW GLORYのジャンルに関しては、完全に自分の好みです。
ぼっちちゃんに続き、きくり姐さんも強化が入りました。
他の作品だと、大体が師匠枠だからたまにはいいかなって思って書きました。
ちなみに後方でひそひそ話てた人達は、廣井きくりの深酒日記の一話に出てたバンド女子達です。
そして、チップの50万は酒代ではなく、今までの機材の弁償代に充てたそうです。
今回も見てくれた方、ありがとうございました。