それと、3話目のところまた修正しました。
推定年収のところを20~30億から、80億~90億にしました。
世界最高峰のバンドの作曲家なので、平均年収をジャスティンビーバーと同じくらいにしました。
何度も修正すみません。
それではどうぞ
ライブ当日。
スターリーの外は、台風の暴風雨が叩きつけていた。
周囲の建物は、窓ガラスがビュービューと鳴り、時折雷鳴が響く。
店内は照明が落とされ、ステージの準備が進む中、メンバーたちの空気が重かった。
虹夏は、スマホを握りしめてため息をついた。
「知り合い……全滅だって……台風で交通機関止まってるし……」
「私の友達も来れないみたいです…せっかくの初ライブなのに……」
「…」
喜多も、肩を落とす。
リョウは、壁に寄りかかり無言で目を伏せる。いつもクールだが、今日は目が少し暗い。
「…………」
ひとりは、隅っこに座り込んで、膝を抱えていた。
母の美智代から連絡がきて、『台風で危ないから行けない、ごめんね』とメッセージがきていた。
妹のふたりは5歳で入れないし、ジミヘンは犬だから論外。
そして、父の直樹は、自身のバンド【NEW GLORY】のアリーナツアーで、既に福岡に現地入り。
家族、誰も来れない。
「……誰も……来ないかも……」
ひとりの声は、小さく震えていた。
スターリーの経営者で、虹夏の姉の星歌も、カウンターに突っ伏して項垂れていた。
いつもはクールで毒舌だが、今日は珍しく落ち込み気味。
PAさんも、機材をチェックしながら、メンバーたちを心配そうに見つめている。
そんな時──
ドアが、ガチャッと開いた。
びしょ濡れの女の人が、入ってきた。
「あっ…ひとりちゃん、こんにちは……」
「あっお姉さん…」
廣井きくりだった。
いつもは酔っ払ってハイテンションなのに、今日は違う。
シラフ。
内気で、ビクビクしながら、入口で立ち尽くしている。
髪から水滴がぽたぽたと落ち、服が体に張り付いている。
すると星歌が、目を丸くした。
「……廣井? お前、なんでここに?…えっお前ぼっちちゃん目当てで来たの?」
「あっはい。…先輩、お久しぶりです…色々あって…ひとりちゃんと親しくなって……ひとりちゃんから、チケット購入したので……来ました」
「おぉ…そうか。てかなんでびしょ濡れなんだ?傘は?」
「あっ…来る途中で、傘が暴風で飛んでいって……あの、先輩…それより、ぼっちちゃんってのは…ひとりちゃんのこと…ですか…?」
「あっはい。私のあだ名です…」
「あっ…そうなんですね……」
ひとりは以前会った時とは、まるで別人のきくりにびっくりしつつ、もう一人いないか聞いた。
「あっあの、お姉さん。…確かあの日、チケット2枚買ったはずじゃ…今日は……一人で来たんですか…?」
「…!」
その質問に、きくりはバツの悪そうな顔で、申し訳なさそうに、ひとりに頭を下げた。
「…ごめんなさい…!…あの後……気分が高揚して……居酒屋ハシゴして……そして家に帰って、目が覚めたら……チケットが一枚、無くなってて……探したけど……どこにもなくて……仕方なく……一人で……来たんです……」
きくりは、罪悪感と自己嫌悪に浸りながら、ブツブツと呟いた。
「……私の……杜撰さ……自己管理の無さ…本当に嫌になる………うちのメンバーどっちにも……渡せなくて……ひとりちゃん、ごめんなさい……本当に……ごめんなさい…」
「あっ…そんな…!頭をあげてください…!お姉さんにはお世話になったので……!むしろ台風の中、わざわざ来てくれただけでも……!」
きくりは、涙目になり、肩を震わせた。
懺悔するように、頭を下げ続ける。
ひとりは、きくりが泣きながら謝罪する様子を見て、胸が痛み、居た堪れなくなる。
星歌はそんなきくりを見て、ニヤリと笑った。
「ぼっちちゃんの言う通りだ。元々台風で、そんなに人来ないだろうし、来てくれただけで十分だよ」
「先輩……でも、せっかく…ひとりちゃんが招待してくれたのに…チケットを、厳重に保管してれば……」
「だから大丈夫だよ。相変わらず内気で心配性だな………あ〜そうそうこれこれ!思い出した!昔からお前のそういうところが可愛いんだよ!」
「あっ…可愛いだなんて……そんな…」
「まぁ、とりあえずこれ使え。濡れたまんまじゃ風邪ひくぞ」
「あっ…ありがとう…ございます…先輩…」
星歌はきくりの横に立ち、頭にタオルを乗せてポンポンと優しく叩いた。
(あ〜クソッ!マジで可愛いなコイツ!!…いやでも私にはぼっちちゃんが…!…でもこの廣井も捨てがたい…!!)
上機嫌。それも飛びっっっっっっっ切りの。
いつもは毒舌なのに、今日は優しい。
そんな星歌の振る舞いに、きくりは恥ずかしそうに縮こまり、顔を真っ赤にした。
【結束バンド】のメンバーたちは、驚いた。
虹夏は、目を丸くした。
「お…お姉ちゃんが上機嫌……!?それにこんなオープンで優しいとこ…久しぶりに見た……!いつもの回りくどさがない!!?」
喜多は、内心で思った。
(この人……【NEW GLORY】のMVで見た人だ…!歌も演奏も一級品だった…!……実際会ったら、こんなにネガティブなんだ……)
リョウは、もっと驚いていた。
【SICK HACK】のライブにいつも行ってる常連だから、酔ったきくりしか知らない。
それ故に、シラフ状態のきくりを見て、凄まじい反動がきた。
「廣井さんがシラフだと…!しかも、こんなぼっちみたいな性格に!?」
きくりは、涙を拭きながら、ぼそっと言った。
「あっ…いつもは…お酒で、誤魔化してるだけです……本当は……内気で…根暗な陰キャです…がっかりさせてすみません…」
「いいんだよ、お前はそれでいい!むしろそのままがいい!!今日はぼっちちゃんの…【結束バンド】のライブだ。一緒に応援しよう」
「あっはい………ひとりちゃん、【結束バンド】のみなさん…ライブ頑張ってください……」
星歌はきくりの髪を、綺麗に拭きながら励ます。
そしてきくりは小さく頷き、【結束バンド】にエールを送った。
メンバーたちはその様子を見て、少しだけ空気が和らいだ。
その時──ドアが再び開いた。
傘を持った女の子二人が、入ってきた。
「あの〜、【結束バンド】見に来たんですけど…」
「これ、チケットです」
路上ライブでチケットを買ってくれた女の子二人が、チケットを握りしめて言った。
ひとりは、目を丸くした。
「あ!ひとりちゃん」
「あっえっ来てくれたんですか!?」
「もちろん!私たちひとりちゃんのファンだし!」
「台風吹っ飛ばすくらい、かっこいい演奏期待してますね!」
女の子たち(ファン1号と2号)は、笑顔で言った。
ひとりは、胸の奥に温かいものが広がる。
(お客さん……来てくれた……お姉さんも……私のファンもいる……)
ファンの応援と期待に、ひとりは心を奮い立たせた。
そして【結束バンド】は、ステージに上がる準備を始めた。
ライブの開演時間が近づく。
外はまだ台風が吹き荒れているけど、店内は、少しだけ温かくなった。
【結束バンド】の初ライブは、予想外のメンバーを加えて、始まろうとしていた。
(4人揃っての【結束バンド】の初ライブ。お客さんは少ないかもしれない…でも、ここにいる人たちを…絶対盛り上げてみせる!)
◆
そのあと、完熟マンゴーのダンボールを被り、再びライブに出ようとするひとり。
それを止める虹夏。
その様子を横目に見るリョウ。
本番直前で、ステージ袖から客の様子を伺う喜多。
他のバンドのファンも集まり始めた頃、他のバンドのファンが、【結束バンド】の話題を出していた。
「ねぇ1番目の【結束バンド】って知ってる?」
「知らない興味なーい」
「観とくのたるいね」
その言葉が、【結束バンド】全員の耳に突き刺さった。
虹夏の笑顔が一瞬凍りつき。
喜多は唇を噛み、目を伏せ。
リョウは無表情のまま、拳を強く握る。
ひとりは、ギターを抱きしめて、俯いた。
だが虹夏は、【結束バンド】のリーダーとして、気丈に声を張った。
「あっあはは!結成したばっかで、まだ知られてないからね!落ち込まないで!」
「あっ大丈夫です!」
「よ〜し皆ライブ頑張るぞ〜!」
喜多も咄嗟に笑顔を作り、頷く。
でも、二人とも声が少し震えていた。
ひとりは、みんなの動揺を感じ取った。
(明らかに…士気が下がってる)
そうこうしているうちに、開演時刻になった。
スターリーのステージに、【結束バンド】は立っていた。
店内は照明が落とされ、ステージのスポットライトだけがぼんやりとメンバーを照らす。
「初めまして!【結束バンド】です。今日は足元の悪い中お越し頂き誠にありがとうございます〜!」(台本)
「あはは喜多ちゃん。ロックバンドなのに礼儀正しすぎ〜!」(台本)
「はは…」
台本通りのMCは反応が薄く、【結束バンド】を見に来たファン2号は苦笑いした。
「あっ…うっ…じゃあ早速1曲目いきます〜」
台本通りのMCを終え、1曲目が始まった。
でも──演奏は、スタ練の時の実力が、半分も出なかった。
ひとりは、俯瞰するようにメンバーの様子を見た。
虹夏のドラムは、もたついている。
スティックが少し遅れ、リズムが崩れる。
喜多は、ミスが目立つ。
声が裏返り、ギターの弦を外してしまう。
リョウだけは唯一マシで、スタ練通りの実力を発揮していたが、虹夏との息が合っていない。
ベースとドラムが、微妙にズレる。
「……1曲目!『ギターと孤独と蒼い惑星』でした…!」
「……」
「…わ、わぁ〜……」
「やっぱ全然パッとしないわ」
「早く来るんじゃなかったね」
「……トイレ行こ…」
「すみません。コーラください」
(ああ〜やばい!今になって、酒抜きでライブしたあれが!白けまくってダダ滑りした頃のライブが!!今になってフラッシュバックしてきた!!)
1曲目が終わった。
拍手はまばら。
他のバンドのファンは、完全に興味が失せ、スマホをいじり始めた。
一部はトイレに行ったり、ドリンクを注文して時間を潰そうとしている。
ファン1号と2号は、不安そうにステージを見つめている。
そして、きくりは周りの客の反応を見て…かつて【SICK HACK】が迷走していた時のライブを思い出して、共感性羞恥で肩を縮めていた。
(……みんな……さっきの言葉に動揺して……士気が下がっちゃったんだ……)
ひとりは、ギターを握りしめた。
胸の奥が、熱くなる。
(……私……やらなきゃ……みんなを……盛り上げなきゃ……!)
ひとりは、目を閉じた。
(このままじゃいやだ!!)
そして──ギターヒーローの片鱗が、現れた。
次の曲──『あのバンド』のイントロ。
ひとりは、感情を乗せてピッキングした。
いつもより速く、正確に、でも心がこもっている。
指が弦を滑るように動き、ソロパートで一気に爆発。
あの路上ライブで感じた感覚を、再現する。
音が、会場に響き渡る。
その時ひとりは、父の言葉が、頭に響いた。
◆
路上ライブのあと、まだギターが弾き足りないひとりは、自室を出て、地下のスタジオに向かった。
スタジオに入ると、そこでは父の直樹が、福岡公演でやるセトリ順に、曲の練習をしていた。
ひとりも、そのまま父の隣に並び、リズムギターとして一緒に弾き始めた。
しばらく一緒にギターを弾いたあと、ひとりは勇気を出して聞いた。
『お父さん…【NEW GLORY】って…やっぱり昔から人気だったの?』
『ん?どうしたんだ急に?』
『あっいや…私が小さい頃から、すでに海外人気もすごかったし…やっぱり、とんとん拍子だったのかなって…あはは…』
直樹は、少し驚いた顔をした。
でも、すぐに穏やかに答えた。
『いや……全然だよ。最初はずっと叩かれてた』
『……え……?』
父の意外な答えに、ひとりは目を見開いた。
その様子を横目に、直樹は懐かしそうに、語り出した。
『確かに【NEW GLORY】は、結成して1年半でドーム制覇して、CDも1000万枚くらい売れて……日本じゃ順調な滑り出しだった』
『え!?たった1年半で、そんなに!?』
『まぁね……それから数年経って、母さんと結婚して、ひとりが生まれてすぐの頃──【NEW GLORY】は、世界的に有名なロックバンドの前座に呼ばれたんだ。場所は、この前やったイギリスのスタジアムで…』
『じゃ…じゃあ、その頃から海外でも名前が……』
『いや、海外では無名もいいとこだった。『場違いだ消えろ!』とか『日本でちょっと売れてるからって、調子に乗るな!』とか『今すぐワンマンにしろ!お前らは日本に帰れ!』って、向こうの海外のファンからブーイングと批判の嵐だったな。現地メディアからも『アジアの新参者』とか『名前負けしてるバンド』とか『過大評価』とか色々書かれてて、死ぬほど叩かれたよ』
ひとりは、息を飲んだ。
《……お父さんのバンドが……そんな目に……?》
直樹は、静かに続けた。
『でも、ライブが始まった瞬間……曲を聴かせて、ギターソロが響いたら……会場は一気に変わった。最初の批判が嘘みたいに消えて熱狂の嵐。…それから、海外でも人気になっていった』
ひとりは、言葉を失った。
【NEW GLORY】は、物心ついた頃から日本のトップで、海外進出もとっくに果たしてた。
今の【結束バンド】みたいに、知名度が全くない時期なんて、想像もしなかった。
でも……あったんだ。
叩かれまくって、ブーイングされて、それでも音で黙らせた。
直樹は、ひとりの目を見て、静かに、だが力強く言った。
「ひとり…
どんなに評価が低くても、どんな逆境や向かい風でも…
お前の音で、興味のないオーディエンスを黙らせてやれ。
視線全部、掻っ攫ってやれ。
ひとりならできる」
ひとりの胸が、熱くなった。
そして、父の言葉がなによりも、胸の奥に響いた。
◆
聴け!
響け!!
届け!!!
私を見ろ!!!!
ひとりのギターソロが、炸裂した。
会場が、一瞬静まり返った。
他のバンドのファンが、スマホから目を上げた。
ファン1号と2号が、目を輝かせた。
きくりが、息を飲んだ。
星歌とPAさんが、ステージを見つめた。
ひとりが、【結束バンド】を奮い立たせ、士気が戻ってきた。
虹夏のドラムが、力強くリズムを取り戻す。
喜多の歌声が、伸びやかになる。
リョウのベースが、虹夏にピタリと合う。
全員が、スタ練の時よりも実力を発揮し始めた。
曲が、サビに入る。
ひとりのリードギターが、みんなの音を引っ張る。
会場が、揺れ始めた。
興味を失せていた他の客も、徐々にステージに目を向ける。
スマホを下ろし、足を止め、拍手がぽつぽつと起きる。
気がつけば、全員が釘付けになっていた。
曲が終わった瞬間——歓声が巻き起こった。
「今のやばかったね!」
「やっぱり、ひとりちゃんかっこいい!」
「……ちょっといいじゃん…」
「……ね…」
ひとりは、呆然としていた。
虹夏は満面の笑みを浮かべ、リョウも珍しく口角を上げ、喜多は、マイクを握りしめて叫んだ。
ひとりのギターヒーローの片鱗が現れた瞬間から、少しずつ空気が変わった。
「みんな……ありがとう!じゃあ次ラストの曲です!」
そして、最後の曲──『ドッペルゲンガー』
イントロのリフが響いた瞬間、【結束バンド】の全員が一気にボルテージを上げた。
ひとりの指が弦を強く弾き、感情を乗せたピッキングが炸裂する。
虹夏のドラムが、安定した土台を作り出す。
パワフルで、でも繊細。
一打一打に感情を込めて、会場全体を揺らす。
リョウのベースは、屋台骨のようにどっしりと構え、低音で全体を支える。
喜多の歌声は、力強く、伸びやか。
ハイトーンで叫ぶ瞬間、会場全体を震わせる。
そして、ひとりのリードギターが——【結束バンド】の道標となった。
元々ノリノリだったファン1号と2号は、完全にリズムに乗って盛り上がっていた。
手を挙げ、ジャンプし、声を枯らして叫ぶ。
『あのバンド』で興味を惹かれた他のバンドのファンたちも、気がつけばスマホを閉じていた。
最初は「興味ない」って言っていた人たちが、いつの間にか、最前列に走り出し、一緒に手を挙げ、声を出し始め叫んだ。
そして、曲の終盤──サビ。
【結束バンド】の全員が、完全に一つになった。
完璧なユニゾン。
虹夏のドラムが、爆発的なビートを刻む。
リョウのベースが、低音で全体を締め上げる。
喜多の歌声が、会場を貫く。
ひとりのリードギターが、感情を乗せて、最後のソロを爆発させる。
音が、完全にフュージョンした。
台風の雨音さえ、歓声に飲み込まれる。
そして──
「『ドッペルゲンガー』でした!以上で【結束バンド】の演奏は終わりです!!本当にありがとうございました!!!」
曲が終わった瞬間──
今日一番の大歓声が巻き起こった。
「きゃああああああ!!!すごい!!すごいよ!!!」
「みんな、本当に輝いてたよ!!!」
「アンコールアンコール!!」
「最後のユニゾンマジでヤバかった!!」
「ヤベェ…なんか涙出てきた……」
「これ、絶対有名になるよ!」
「だよな!?今のうちにファンになっとこ!」
「最高だった!!興味ないとか言ってごめん!!」
「【結束バンド】ヤバい!」
ひとりは、呆然としていた。
ギターを抱きしめたまま、客席を見回す。
他のバンドのファンたちが、最前列で手を挙げ、声を枯らして叫んでいる。
ファン1号と2号は、涙目でジャンプしている。
きくりはシラフのまま、涙を拭きながら拍手していた。
星歌は、カウンターから腕を組みドヤ顔。
PAさんはPA席で微笑んでいる。
虹夏は、マイクを握りしめて改めて叫んだ。
「みんな……ありがとう!!台風の中、来てくれて……本当にありがとう!!!」
喜多は、涙を浮かべて笑った。
「私たちの音……みんなの心に届いたよね……!」
リョウは、ベースを下ろしながらドヤ顔していた。
「まぁ私がいるから、当然の結果だけどね」
そしてひとりは、ギターを抱きしめて、涙をこぼした。
胸の奥が、熱い。
お父さんの言葉が、響く。
『音で黙らせてやれ。視線全部、掻っ攫ってやれ』
ひとりは、ステージの上で、静かに呟いた。
「……できた…!みんなを……熱狂させられた……!」
客は少なかった。
見向きもしない人たちの方が多かった。
でも──ここにいる人たちを、完全に熱狂させた。
【結束バンド】の初ライブは、予想外の形で、伝説の始まりとなった。
ひとりは、ステージの上で、みんなと目を合わせた。
虹夏、喜多、リョウ。
そして、客席にいるファンたち。
きくり。
星歌。
PAさん。
みんなの笑顔が、ひとりの胸を温かくした。
台風の雨音が、まるで拍手のように聞こえた。
【結束バンド】は、まだ始まったばかり。
これから…もっと大きくなる!
みんなの心を、熱狂させるために。
というわけで、台風ライブでした。
今回は特に気合い入れてライブシーン書きました。
ついでにきくり姉さんはシラフで登場しました。
…多分酔ってる時よりシラフの時のが多いのって、俺のssだけなんじゃね?
今回も見てくれた方、ありがとうございました!