YAMA育ちの妖怪王   作:スルメ文庫

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第十一刻目 おキツネ様のタタリ

 今日はユキノとウィスパーを連れておつかい横丁の商店街、さくらフラワーロードにやってきた。ちなみにユキノは今はゆきおんなの形態なので周りからは見えないようになっている。やはり長い間人間に化けるのは疲れるらしい。なので今日は本人曰く妖怪日和とのことだ。

 

ユキノ(ゆきおんな)「高成。今日は何をするの?」

高成「今日は日本史の漫画を買いに行くつもりだ。その後は、せっかくここまで来たんだから友達になってくれる妖怪を探すつもりだ。」

ウィスパー「妖怪と積極的にともだちになろうとする姿勢は、正しくウォッチ使いの鑑。流石高成くんです!」

高成「過剰に褒めすぎだウィスパー。」

 

 そう言ってフラワーロード内にある本屋、どっこい書店に入った。すると、店主さんの抑え気味ながら怒気に満ちた声が聞こえた。

 ・・・なにか揉め事が起こっているようだな。

 

店長(どっこい書店)「だからそのつもりはないと何度も言ったでしょう。兎に角、他のお客様のご迷惑になりますからお帰りください。」

サラリーマン「・・・また伺います。」

 

 そうして営業のサラリーマンの風貌をした男は去っていった。ここの店長さんとは顔馴染みなので漫画を買う時に話を聞くことにする。

 

高成「店長さん、お久しぶりです。」

店長(どっこい書店)「おお、いらっしゃい高成くん。変なところを見せちゃって悪かったね。」

高成「・・・店長さん。あの人、もしかして前から噂になってる立ち退きの方ですか?」

店長(どっこい書店)「高成くんは流石に耳が早いね。そう、なにやらここを取り壊してショッピングモールを作りたいらしいんだよね。勿論、断ったさ。けど困ってることは別にあってね・・・立ち退きの話が出てから不可解なことが度々起きてるんだ。」

高成「不可解というと?」

店長(どっこい書店)「なんか最近はボヤ騒ぎも起きてるらしいんだよね。みんなはおキツネ様のタタリじゃないかって噂も立ってるんだ。」

高成「おキツネ様っていうと、あのフラワーロードの守り神のキツネの神様のことですか?」

 

 そう、フラワーロードができる前からある小さな祠に守神であるおキツネ様を祀っているという。

 詳しいことは知らないが、なにやらキツネにまつわる伝承がこの辺りには沢山あるとのこと。

 

店長(どっこい書店)「そうさ。ここが潰されちゃったらおキツネ様も住処を失っちゃうからな・・・流石に迷信だと信じたいけど、俺も前に変なものを見ちゃったからな・・・」

高成「それってさっき言ってたボヤ騒ぎのことですか?」

店長(どっこい書店)「うん。まあ、詳しい話が知りたかったら君の学校の理科の先生を尋ねてみるといいよ。あの人、妙にこの件に関して詳しいからさ。はい。毎度ありがとうございました!」

 

 そして、店長さんと会話を終え、どっこい書店を出るとウィスパーとユキノが話しかけてきた。

 

ウィスパー「高成くん。この件、妖怪不祥事案件である可能性が極めて高いかと・・・!」

ユキノ(ゆきおんな)「高成、ボク今回は嫌な予感がするんだ・・・準備は万全にね。」

高成「ああ。準備はしっかりと、安全第一だな。」

 

 そう話すと理科の先生を探し始めた。・・・が、割とすぐに見つかった。

 

高成「先生。こんにちは。」

理科の先生「おや、石田くんじゃないか。こんにちは。で、ボクに何か用なのかい?」

高成「実は今、地域についての宿題でおキツネ様のタタリの話を調べてるんです。それで先生が詳しいと聞いたので。」

理科の先生「なるほどね・・・祟りかどうかは知らないけど良くないことが多く起きてるのは事実だよ。ボヤが起きたり事故が起きたり、どれもまだ大事になってないみたいだけど、このままじゃどうなるかね・・・」

高成「成る程・・・」

理科の先生「あ、そうそう。確か君のクラスメイトの日影くんがボヤの現場に居たって話だけど・・・」

高成「真生がですか?」

理科の先生「折角だから彼にも話を聞いてみたらどうかな?ここに来る時コンビニの前で休んでいたのを見かけたからまだいるかもしれないね。」

高成「ありがとうございます。」

理科の先生「高成くん、気をつけるんだよ。君に限って危ないことに首を突っ込むような真似はしないと思うけどね。」

高成「はい。深入りしすぎないように気をつけます。」

 

 そして、俺は最寄りのコンビニに向かった。すると、先生の話の通りマオこと日影真生がいた。

 

真生(マオ)「あ、高成くんこんにちは。キミも買い物に来たの?」

高成「まあな。さっきどっこい書店で気に入りの漫画の新刊を買ったところだ。それで真生、キミに聞きたいことがあるんだが、今いいか?」

真生(マオ)「えっ・・・う、うん。」

高成「俺は今、地域についての宿題でおキツネ様のタタリについて調べてるんだ。それでさっき会った理科の先生にこの辺りでボヤ騒ぎが起きた際にキミが居合わせたって聞いたんだが、それは本当かい?」

真生(マオ)「うん、ボクの見間違いかもしれないけど、誰もいないところから火が出てきて・・・建物が燃えたら大変だから近くの大人の人を呼んだんだ。」

高成「成る程。真生、キミがそれを見たのはどこか覚えてるかい?」

真生(マオ)「えっと・・・確かかげむら医院の辺りだけど・・」

高成「ありがとう、真生。良かったら今度俺の奢りで飯食いに行かないか?」

真生(マオ)「いいの?」

高成「ああ、今の質問のお礼だ。真生の好きなところでいいぜ。細かいスケジュールを埋めるためにも連絡先交換しておこうな。」

真生(マオ)「う、うん・・・!」

 

 そして、マオと連絡先を交換した俺はかげむら医院に向かった。その道中、今持っている妖怪たちのメダルを確認する。カゲまる、ジバニャン、グレるりん、武者かぶと、しょうブシ、カゲローの計六体の妖怪メダルだ。因みに、カゲローはジミーが進化したことで手に入れた姿だった。武者かぶととしょうブシは俺と戦って負けたことで弟子入りを懇願(こんがん)した妖怪だ。だが、かげむら医院に居る存在は余程強い存在なのか、まだ遠い俺たちから見てもとんでもない強力な妖怪なのがわかった。

 

高成「ウィスパー、ユキノ。いざとなったら俺たちも戦うぞ。」

ユキノ(ゆきおんな)「うん!」

ウィスパー「(わたくし)はサポートを頑張ります!」




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