YAMA育ちの妖怪王   作:スルメ文庫

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 今回、主人公がYAMA育ちたる所以が分かります。


第十二刻目 キュウビの試練 〜高成、開花の兆し〜

 おキツネ様のタタリに妖怪不祥事案件を感じ取った俺は様々な人から情報収集をし、現在かげむら医院に向かっている。が、かげむら医院から、今まで出会ったことがないほど強大な妖気を感じている。

 そして、かげむら医院にてキツネの強力な妖怪を見かけた。そして、本能で察した。

 あの妖怪は、ミツマタノヅチ以上に強く、今の自分たちよりも格上だと。

 今現在、俺のメダルセットにしまっている妖怪メダルはカゲまる、ジバニャン、グレるりん、武者かぶと、しょうブシ、カゲローのメダルである。しかし、目の前の存在は文字通り格が違う。現状俺のともだち妖怪でいちばん強いつられたろう丸でも一人では敵わないだろう。

 

「気に食わない、まったく気に食わないさ・・・このキュウビ様の縄張りを荒らすなんてアイツら許してはおけないねェ・・・僕がオシオキしてもいいけどそれじゃあオモシロくないし、アイツとの約束も有るし・・・ん?フーン、そういうコトか・・・そこのお坊ちゃんに小娘に白いの。」

 

 ・・・どうやら、俺たちは彼に目をつけられてしまったようだ。にしても、ユキノ程の実力者を小娘呼ばわりできるとは・・・やはり、現時点の俺たちより彼は格上の存在だろうな・・・

 

高成「・・・俺たちに何か用か?」

キュウビ「どうやら、キミたちはキツネのタタリについて調べてるみたいだね。丁度いい。ボクからキミたちに試練を与えよう。ボクもキツネのタタリなんて言い方されてウンザリしてるからねェ・・・報酬はそうだね、この騒動の黒幕についてちょっとしたヒントをあげよう。」

 

 やはり気づいていたか・・・どんな方法かは検討もつかないが、彼は俺たちの行動を監視していた可能性があるな。

 

高成「わかった。その試練を受けよう。」

キュウビ「即決だねェ。その方が話が早く進むからいいケドさ・・・そうだ、自己紹介を忘れてたね。ボクの名前はキュウビ。夜の19時になったら君の家のバルコニーに来なよ。そこに迎えを呼んでおくからね。考えうる限り最高のメンツを用意しなよ。ただ、身体が重かったり大きすぎる妖怪を喚ぶとちょっと不利かもね・・・」

高成「了解した。」

キュウビ「それじゃあ待ってるよ。バイバーイ!」

 

 そう言い残すとキュウビは妖気に包まれ去っていった。

 

ユキノ(ゆきおんな)「ふぅ・・・生きた心地がしなかったよ・・・」

高成「全くだ・・・」

ウィスパー「それで、どうするんですか?罠だったらマズイですよ?」

高成「もし罠だったとしても、彼が敵だったら家を知られている時点でどの道詰みだろう。メダルセットにベストメンバーをセットして準備に時間を尽くそう。」

 

 そして家に帰り、ベストメンバーである六体の妖怪を選出した。面子は前衛に武者かぶと、グレるりん、ゲンマ将軍というゴーケツ族とイサマシ族の妖怪で固め、後衛にユキノ、雨ふらし、サイコウ蝶という遠距離攻撃にデバフ役と回復役で埋めてある。つられたろう丸とむりだ城も候補に入っていたが、図体が大きすぎるのと重いのでで最終的に弾かれた。

 

 そして、19時のバルコニーにてうんがい鏡という妖怪が待っていた。

 

うんがい鏡「高成様ですね?(わたくし)、うんがい鏡と申します。キュウビ様の依頼にて今からさくら中央シティの工事現場に飛ばします。よろしいですね?」

高成「ああ、やってくれ。」

 

 そう言うとうんがい鏡は俺たちをさくら中央シティの工事現場の高所にテレポートの形で運んだ。

 にしても、工事現場の高所か・・・通りで大きかったり重かったりしたらダメなわけだ・・・

 

高成「・・・着いたか。」

「そのようですね・・・」

コマさん「うぅ・・・怖かったズラ・・・」

 

 まだ誰も喚んでいないのにいる知己に驚いた。

 

高成「!コマさん!?」

コマさん「高成!?どうしてここにいるズラか?」

高成「実は、キュウビに呼ばれてね。コマさんの方は?」

コマさん「オラもこの街の守り神のキュウビに挨拶しにいったら、ここに行くように言われたんだズラ。妖怪が沢山いて怖かっただども・・・」

キュウビ「約束をちゃんと守ったようだね、お坊ちゃん。」

高成「キュウビ!?」

ウィスパー「い、いつからそこに・・・!」

コマさん「も、もんげー!?」

キュウビ「いつからとは結構な挨拶だねェ白いの・・・おや?泣き虫のコマさんじゃないか。ちゃんと来れたようだね、感心感心・・・それじゃあ、見せてみなよ。キミのベストメンバーをさァ!」

高成「ああ、そのつもりだ。俺のともだち、出てこい!ゆきおんな!雨ふらし!グレるりん!ゲンマ将軍!武者かぶと!サイコウ蝶!妖怪メダル!セットオン!」

 

 そして俺は、六枚のメダルを即座に出し入れして切り替えることで一気に召喚した。

 

ユキノ(ゆきおんな)「ゆきおんな!」

雨ふらし「雨ふらし!」

グレるりん「グレるりん!」

武者かぶと「武者かぶと!」

ゲンマ将軍「ゲンマ将軍!」

サイコウ蝶「サイコウ蝶!」

 

キュウビ「フーン・・・悪くない人選だねェ。でも、それだけじゃこの愚か者には勝てないよ!」

 

 そう言ってキュウビは姿を消す。すると地ならしが起き、とんでもない巨大な妖怪が現れた・・・

 

ウィスパー「あ、あれは妖怪おぼろ入道です!」

高成「おぼろ入道・・・!」

ユキノ(ゆきおんな)「気をつけて高成!」

おぼろ入道「おぉ〜ぼぉ〜ろぉ〜・・・!」

 

 こうして逃げ場のない戦いが始まった。俺は手短に、でもやりたいことを理解できるように伝えながら、指示を出していく。しかし、戦いの最中、指示を飛ばしている俺を邪魔に感じたのか、こっちに攻撃を開始した。

 

ウィスパー「高成くん!危ない!」

『高成!?』

高成「っ!舐めるなァァァッ!!」

おぼろ入道「があああ!?」

 

 本気で力を入れ、迫り来るおぼろ入道の腕を拳で殴り飛ばした。すると、ボキッ!という音がおぼろ入道の腕から鳴り響いた。

 その直後に俺はおぼろ入道の頭の傷の傍まで跳躍で近寄り、ヤツの頭からベキベキという程のかかと落としをお見舞いした。

 そして怯んでいる隙に、流れるような動作でヤツの顎の所まで潜り込み、サマーソルトキックにておぼろ入道の巨体を空に打ち上げた。

 

グレるりん「高成オメェ・・・!」

ゲンマ将軍「おぼろ入道の腕と頭に拳と蹴りでヒビを入れ、更に顎を蹴り上げてあの巨体を打ち上げたのか、高成殿・・・」

ユキノ(ゆきおんな)「いずれにしても、これはチャンスよ!総攻撃しなきゃ!サイコウ蝶、できる限り私たちを回復して!私たちは必殺技で総攻撃よ!」

サイコウ蝶「わ、わかったわ!」

武者かぶと「よっしわかった!」

コマさん「が、頑張るズラよ〜!」

 

 そしてユキノの号令で総攻撃が開始された。

 

ユキノ(ゆきおんな)「【ゆきんこシャーベット】!ヒュウウウゥゥゥ!!」

グレるりん「【つっぱりメンチ】!!」

雨ふらし「【雨雨スコール】!!」

武者かぶと「【超力角クラッシュ】!!」

ゲンマ将軍「【ゲンマ斬】!!」

コマさん「行くズラ!【ひとだま乱舞】!!」

おぼろ入道「・・・」ドロン

キュウビ「ハーッハッハッハッ!ザマァみろ!キュウビ様の縄張りに手を出すからこうなるんだッ!!」

『!?』

 

 高成の攻撃によって満身創痍であったおぼろ入道にとって、その総攻撃はとても耐えられるものではなかった。そしておぼろ入道は体からを崩れ落ち、妖気に包まれ消えたのだった。

 そしてキュウビは高笑いしながら姿を表した。

 

キュウビ「にしてもとんでもない怪力だねェキミ。貞成と朝成の同じくらいの年の時より遥かに力が強いんじゃないかい? 」

高成「俺の父と祖父を知ってるのか!?」

キュウビ「知ってるも何も、ボクは彼らと友達さ。」

 

 キュウビは父さんと爺様のともだちだったのか!?

 

キュウビ「さて、報酬だね。全身が真っ白の妖怪の一派が一連の事件の犯人さ。せっかくヒントを出したんだ。よく考えることだね。ついでのサービスでもう一つ。次に手がかりがあるのはボクがキミと小娘と白いのと出会った場所さ。でも、それに関する出来事が起こるまでには少し時間がかかるだろうね。」

 

 そう言うとキュウビは去っていったのだった。

 

高成「真っ白妖怪の一派か・・・」

ユキノ(ゆきおんな)「真っ白の妖怪の一派・・・聞いたことがあるかも。とあるお偉いさんの妖怪の私軍隊に本来色のあるところまで漂白されたように全身真っ白な妖怪たちの集団があるって噂を聞いたことはあるけど・・・」

高成「そのお偉い妖怪の名前は?」

ユキノ(ゆきおんな)「・・・ゴメン、思い出せない。聞いたのもだいぶ前だから・・・」

ウィスパー「その妖怪たち、実に怪しいですねぇ・・・」

高成「何れにせよ、これからもっと強くならないとな・・・」

 

 そう俺たちは誓い合ったのだった。

 

・・・

 

 ここはおおもり山のとある場所。

 

キュウビ「はーあ、面白かったな・・・」

オロチ「おい、俺たちは追われているんだ。あまり姿を表すな。」

キュウビ「はいはい・・・」

オロチ「ッチ。」

キュウビ「で、孫の活躍をどう思うんだい?貞成。・・・いや、妖怪王ワイルドハント。」

妖怪王ワイルドハント「・・・」




 読んでいただきありがとうございました。
 主人公はパワータイプの実力者です。普段、木刀を使っているのは力を抑える目的もあります。
 ですが、ここまでの馬鹿力を発揮したのは初めてです。
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