ゆきおんな「ああ、ボクの恋は、終わったんだ・・・」
高成の家を出てから一日ほど経った時・・・ボクはそよ風ヒルズの河川敷にいた。
自分から離れた癖に高成から別れたという事実に泣きたくなるが、グッと堪える。泣きたいのは急に別れを告げられた高成の方だから。メダルも持ち出して、ボクは何をしたかったんだろう?「・・・さん。」みんなの暖かさがボクには辛くて仕方ない。「んなさん!」普段少しうるさく思っていたウィスパーの声も、今となっては幻聴として聞こえるほど寂しい。
ウィスパー「聞けやゆきおんなオイ!!?」
ゆきおんな「わあああ!?なっななっ!?ウィスパー、なんでここに・・・!」
ウィスパー「高成さんに頼まれて探してたんですよ。全く、こんな所にいたとは、丸一日探し回るのは流石にくたびれましたよ・・・で、戻らないんですか?高成くんの家に・・・」
・・・他人のことは言えないけど、ウィスパーも酷い妖怪だ。ボクが今更戻れないことは知ってるだろうに・・・!
ゆきおんな「何を今更・・・!戻れないよ。戻れるわけないよ・・・!あんなこと言って勝手に飛び出して戻れるわけがないよ!!」
ウィスパー「・・・」
ウィスパーが黙ってるのをいいことに、ボクは好き勝手言っていく。
ゆきおんな「好きだったのにも関わらずボクは・・・高成を一方的に傷付けて突き放した!もう許してくれるはずもない!なのに、なのにッ!!」
ウィスパー「許す許さないを決めるのは貴女ではありません。勿論
ゆきおんな「・・・」
それは、そうだろうけど・・・と思い言葉に詰まっていると「まあ、
ウィスパー「高成くんはこう言ってたそうですよ?「ユキノと仲直りしたい。彼女が許さなくても俺は彼女を許してあげたいものだ。傲慢かもしれないが・・・ユキノは今傷ついてる。彼女となら永遠にして無限の地獄に落ちても後悔はない。」と。」
・・・高成、貴方はそんなに凄い覚悟をしてたんだね。
ウィスパー「ユキノさん。貴方がすべきことは、まず高成くんのところに戻って謝ることです。許される許されないではなく、ただ誠心誠意謝るのです。その後のことは、また後で考えましょう!大丈夫です!有能妖怪執事である
その真っ白な背中は、いつもより遥かに大きく頼もしく見えた。
ウィスパー「流石、ユキノさんです!」
そう言ってウィスパーと一緒に高成に会いに行こうとするとたびガッパがやってきた。
たびガッパ「うぃ、ウィスパー!大変ッス!」
ウィスパー「おや?たびガッパも来たのですか?」
たびガッパ「ユキノさん!?いや、おふたりの耳にも入れて欲しいッス。」
『?』
たびガッパ「実は、妖怪パッドのチャットでりゅーくんから高成くんがかげむら医院にカチコミに行ったって連絡が来たッス!」
ウィスパー「ええ〜!?」
たびガッパ「ええ!あのやぶれかぶれ院長が!だから、急いで伝えて回ってたんス!」
ウィスパー「大体、なんでそんなことになってるんですか!?」
たびガッパ「偶々近くを通りかかってたしょうブシ曰く「ユキノが俺のそばに居られないと心配するほど俺が弱いと思ってるのから、俺がかげむら医院の妖怪全てを倒せるほど強いことを証明すればいい」「そうすれば謝りあって未来へ進めるはずだ。」ってブツブツ言ってたらしいッス!」
ウィスパー「行きましょうユキノさん!高成くんがいくら強いとはいえ、かげむら医院全ての妖怪に勝つのは無謀です!」
たびガッパ「今、高成くんのともだち妖怪が総出でかげむら医院に向かってるッス!自分は頭の皿が乾いてるのでそこの川でひと泳ぎしてから向かうッス!ユキノさん!高成くんのことよろしく頼んだッス!」
ウィスパー「ナビゲートは
そして、私たちはかげむら医院に到着した。そこでは既に、高成のともだち妖怪とやぶれかぶれ院長配下の妖怪たちが戦っていた。
ジバニャン「やっと来たニャンねユキノ!」
アニ鬼「いいんだよ!そら行くぞ!」
そうしてしょうブシとカゲまる、かぶと無双にクワガ大将、ジバニャンとアニ鬼にししコマととらじろう、それからむりだ城とつられたろう丸とボクを中心に配下の妖怪たちを蹴散らしていく。
そして、行き止まりに差し掛かった瞬間、高成の声が聞こえた。
高成「ッチィ!離せこのっ!!」
そこには、
ウィスパー「高成くん!!」
カゲまる「ここは任せて、高成を追いかけるミン!」
つられたろう丸「儂はここの主のことは知っている。とんでもない奴だ。あいつの手にかかったらあの坊主がどうなるか分かったもんじゃない!わかったらさっさといくんじゃあ!!」
『おう!』
ウィスパー「行きましょう!ユキノさん!」
そしてボクは治療室の扉を蹴り開けて・・・
ウィスパー「高成くん!」
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