YAMA育ちの妖怪王   作:スルメ文庫

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 お待たせしました。妖怪ウォッチ2からの内容を始めさせていただきます。
 それと、今更勝手ながら妖怪ウォッチ3の分までは確実に書き上げることを決定いたしました。


第四章 妖怪ウォッチの消失
第二十一刻 リターンオブ妖怪ウォッチ


 イカカモネ議長の乱と呼ばれる出来事から3年経ち俺たちも中学2年生になった。

 もう、妖怪たちの渡航禁止令も解除され、日常にまた数多の妖怪たちが現れるようになってきている。

 これは、そんな妖怪のなかでも、イカカモネ議長一派のような邪悪な妖怪たちが引き起こした壮大な妖怪不祥事案件を解決すべく、過去と現在を行き来し、冒険に繰り出した少年少女たちと妖怪たちの物語である。

 

 

高成「相変わらず暑っついなぁ・・・」

ユキノ「あづい~・・・溶けぞう〜・・・」

 

 俺の名は石田高成。有名中高一貫校である白銀学校に通う中等部二年の男子学生だ。隣にいるのは同じ家に暮らしているともだち妖怪であるゆきおんなが人間に化けた凩ユキノというショートボブの青みがかった黒髪の少女である。

 ユキノとの出会いは、俺が夏の暑さにバテていた彼女にアイスを奢って家に連れ帰ったのが始まりだった。親父とお袋も何故か妖怪が見えるので説得するのは大変だったが。

 そんなユキノは今の俺にとって一人しかいない妖怪の友達(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)なのだが、どうにも何かを忘れたような気がしてならないし、初めて会った時も初めて会った気がしないのだ。そしてそれは彼女も同じように感じたらしい。

 そんな俺は今、友人との付き合いでサッカーをし終わった後に、暑くてすっかりダウンしてしまったユキノを背負って家に帰っている最中である。

 

高成「ユキノ〜、凍らせたスポドリ飲むか?」

ユキノ「飲む〜・・・」

 

 そして俺たちは、ヨロズマートの近くで足を止めてカバンの中で保冷剤ごとすっかり氷が溶けたスポーツドリンクを飲み干した。ただ、ユキノが回復するには足りなかったらしく、まだダウンしていたのでヨロズマートに入ってアイスなどを買い、イートインスペースで休憩がてら買ったものを食べることになった。

 

ユキノ「甘くて冷たくて美味しいね!」

高成「だな。ただ、やっぱりこんな暑い中で友達との人付き合いのためとはいえサッカーなんかするもんじゃなかったな全く・・・」

ユキノ「だからボクは反対したんだよ・・・!こんな炎天下で激しい運動なんかしたら余計に体が熱くなるって・・・」

 

 ジトー、とそう恨みがましく言うユキノに俺は今回ばかりは誘いに乗るんじゃなかったと後悔するのだった。そしてユキノの視線から逃げるべく窓の外を見ると、俺はとあるモノを発見した。

 

高成「こりゃ失敗したな〜・・・ん?」

ユキノ「どうしたの?」

高成「いや、こんな所に店なんてあったかと思ってな。」

ユキノ「えっ!?・・・ホントだ。こんな所にお店なんて無かったハズなのに・・・」

 

 そう、ヨロズマート隣の横道の奥にある空き地に何故かお店が建っているのである。流石に怪しいが、俺の直感が何故か『あの店に行かなければ後悔する!』と救急車のサイレン並みのけたたましい警報音付きで再生されるので、取り敢えず食事を終えたユキノを連れて行ってみることにした。

 

高成「おもいで屋、か。」

ユキノ「入っても大丈夫かな?」

高成「営業中って書いてあるし、とりあえず幻覚や罠の類ではないのは確認したぞ。」

ユキノ「前者はともかく、後者はそういう意味じゃないんだけどなぁ・・・」

 

 ユキノには呆れられてしまったが、罠だったら実際危ないだろう。時には死地を突っ切るのが最適解なこともあるが、基本的に危険と罠は避けるのが普通だ。そもそも、急に湧いて出た店なのだ。これくらいは警戒して当然である。

 そして店に入るとネオンライトの置物やブラウン管テレビがあったりなど、一昔前のような雰囲気を放つ店内がそこにあった。

 

ユキノ「わあ・・・!どんなものが置いてあるのかな?」

高成「今じゃどれも貴重品だな。その証拠にどれもこれもエラい値が張ってる。」

ユキノ「えっ?・・・うわ、ホントだ。」

 

 高すぎて流石に買えないなぁ・・・と、を名残惜しそうに青い何かを元の場所に戻したユキノと共に店の奥に進むと、灰がかった青色の頭巾と二つに分かれた鼻下のもっさりとした口髭が特徴的な店主がそこに居た。

 

店主(おもいで屋)「いらっしゃい、何か欲しいものがあるのかい?」

高成「いえ、少しに気になりまして。」

ユキノ「ボクは気になったペンダントはあったんですけど、なにぶん高くて・・・」

店主(おもいで屋)「そうかい・・・なら、サービスだよ。そのペンダントを持ってきなさい。百円にまけといてあげるから・・・」

ユキノ「えっ!?でもアレ、二千万円って書いてあったんですけど・・・」

高成「どんなトップブランドの高級品だよ・・・」

 

 二千万円って、そりゃ買えねーわ。なんでそんなハイブランド品がこの店にあるんだよ。てか、店主さん気前が良すぎるだろう。

 

店主(おもいで屋)「お嬢ちゃん別嬪さんだし、出世したらこのおもいで屋のことを話してくれればくれればわしの店も繁盛できるだろうしな。」

ユキノ「・・・わかりました。持ってきます!」

 

 そして、彼女が持ってきたペンダントを店主は会計した。そしてその後、こちらに向いて言ってきた。

 

店主(おもいで屋)「どうせだ小僧。この時計を持っていけ。普段は見えないものが見えるようになる不思議な時計さね。あとあのお嬢ちゃんに、この髪飾り二つを持っていくように。」

高成「は、はい。」

店主(おもいで屋)「じゃあお嬢ちゃん、その百円玉は店の前のガチャガチャに使っておくれ。」

ユキノ「わかりました!ありがとうございます!」

 

 ・・・いや、本当に大盤振る舞いすぎて潰れないか心配になるほどの店だった。

 そして、上機嫌なユキノと一緒に店外のガチャガチャを回すと・・・

 

ユキノ「え?コレ・・・石、だよね?・・・いらないかな。」

高成「なら、俺に渡してくれないか?」

ユキノ「うん。」

 

 そして、その一見石のようなガチャ玉を開けると俺たちは凄まじい光に包まれた。

 

高成「うおお!?」

ユキノ「きゃあ!?」

 

 そして、俺は流し込まれるように思い出したのだった。人間に化けていたユキノとの出会いから始まり、ウィスパーと出会って妖怪たちと冒険した小学五年生のあの夏からの出来事を・・・!

 

ウィスパー「・・・あれ?高成くん。(わたくし)は一体、なにをしていたんですか?」

高成「・・・そうだ。何故、俺は忘れていたんだ!?」

ウィスパー「えっちょっ、高成くん?」

ユキノ「・・・そうよ。何でボクは忘れていたの!?」

ウィスパー「ユキノさん、貴女たち一体どうしたんですか?」

 

 ウィスパーが混乱しているようだったから手短に伝えることにした。

 

高成「ウィスパー、落ち着いて聞いてくれ。」

ウィスパー「は、はい・・・」

高成「ウィスパー、俺たちは今まで何らかの理由でお前たちのことを忘れていた。」

ウィスパー「ショック!?酷すぎませんか高成く・・・」

ユキノ「それだけじゃないの!」

ウィスパー「え、まだあるんですか?」

高成「妖怪ウォッチも無くなっていて、お前はさっきまであのガチャガチャマシンのガチャ玉の中に封印されていたんだ。」

ウィスパー「・・・」

 

 ・・・ウィスパーのヤツ、あまりの情報の濁流に白目を剥いて気絶しちまったみたいだ。

 

 

 こうして成長した彼らの新しい冒険は、始まったばかりである。




読んでいただきありがとうございました
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