俺が妖怪ウォッチと妖怪の存在を思い出してから1週間が経った。
この一週間の間に、ユキノは再びふぶき姫へと進化を遂げ、新しい友達妖怪を集めつつ、かつて友となってくれた妖怪たちとの再会と友達契約を済ませた。その度に謎の光が俺たちを包んでは友達の記憶を取り戻してくれるので便利な反面、都合が良すぎてちょっと怖い気もした。まあ、こういう《デウス・エクス・マキナ》は妖怪よりも触れない方がいいというか触れてはならないし、そもそもが概念のようなものなので触れられないものなのだ。正に触らぬ神に祟りなしである。
そんなことは置いといて、今日も今日とて新しい妖怪を探す為に街の中を駆けずり回り、帰る最中である。
高成「今日はヒライ神と激ドラゴンと、くしゃ武者が友達になったな。」
ウィスパー「まあそれはそうですねぇ。
高成「まあまあ、ユキノ。ウィスパーの気持ちと分からんでもないがな。でも俺としちゃあ、妖怪大辞典に封印されていた妖怪がいたこと自体にビックリしていたがな。」
そう駄弁りながら帰路に就いている俺たちの背後から視線を感じた。そちらの方を向くと・・・
「・・・」
高成「めっちゃ見られてるな。」
ウィスパー「見られてますねぇ・・・どうしたんでしょうか、あのゆきおんな。」
ゆきおんな「・・・お姉ちゃん。」
「お姉ちゃん」その言葉が彼女から発せられた瞬間、場は一気に凍りついた。そして思わず、ユキノの方を見ると、顔を青ざめたような様子で固まっていた。
高成「・・・なんだと!?」
ウィスパー「ユキノさん!あーた妹がいたんですか!?」
高成「じゃあ、生前か?」
ゆきおんな「お姉ちゃん、わたしのこと忘れちゃったの?」
今にも泣きそうなグズりかけの顔で問いかけてきたゆきおんなに対してユキノは決心した様子で見つめ、俺たちに対して凄みのある声でこう言った。
高成「お、おう・・・」
ウィスパー「は、はい・・・」
あまりの迫力に首を縦に振るしか無かった俺たちは彼女の言うままにさんかく公園にて彼女を待つことした。そして十分後・・・
高成「・・・そうか。」
ウィスパー「そうですか・・・」
複雑で悲しそうな顔をしたユキノはそう告げた。その裏には自分が早死した分、もっと長く生きて欲しかったという姉としての無念が透けて見えた。
ゆきおんな「高成お兄ちゃん。お姉ちゃんがおせわになってます。それで、おねがいなんですけど、わたしもいっしょに住んでいいですか?」
ゆきおんなとユキノのお願いに俺個人の判断ではあるが、応えることにした。見るからに精神年齢が幼い子を放り出すのはさすがに気が引けるからだ。
高成「・・・父さんと母さん、説得するかぁ・・・ユキノはもちろんだけど、ウィスパーも説得頼むぞ。」
ウィスパー「・・・この妖怪執事ウィスパー、全霊をもってその要望にお応えしましょう。」
ゆきおんな「ありがとうございます高成お兄ちゃんとウィスパーお兄さん!」
高成「礼は俺の両親を説得してからにしてくれ。」
ウィスパー「ですね。高成くんのご両親の説得に成功するまであなたが住めるとは限らないんですから。」
そして家に戻り、早速父さんと母さんの説得に入った。と言っても起こったことを素直に話したら、すんなりと許可を得ることはできたが。
そうしてそのゆきおんな・・・ユキナは愛嬌がよく、あっという間に家のアイドルになっていった。父さんや使用人たちに家に住んでいるツチノコやジバニャンたちもそうだが、特に母さんの溺愛ぶりは凄まじく毎日ユキナと一緒にお風呂に入るほどであった。
俺とユキノはそんなユキナを多少甘やかしつつも、妖力使いの師匠として少々厳しく指導することになるのだった。
高成「なに?それは本当か?」
あせっか鬼「うん。昨日その姿を見たから間違いないよ。さくら第一小学校にバッカデカイガイコツの妖怪が住み着いて夜な夜な学校を荒らしてるんだ。」
高成「・・・そういうことであってるか?あせっか鬼。」
あせっか鬼「うん。」
そんな折であった、トレーニングのためにウチに立ち寄った妖怪であるあせっか鬼から、母校であるさくら第一小学校にバッカデカイ妖怪が住み着いたことを聞くことになったのは・・・
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