YAMA育ちの妖怪王   作:スルメ文庫

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 勝手ながらの休息や度重なる延期にて大変長らくお待たせしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
 どうぞお楽しみください。
 あと、今回は4000字越えで少し長いです。


第二十六刻目 五里霧中の珍道中

 さて、俺たちを助けてくれた貞成の爺様もとい貞成少年は俺たちを秘密基地に連れていって匿ってくれたのだが、朝になったら追い出された。

 曰く、「お前たちのようなトンチキな格好をした者をアイツら(・・・・)に見せたくない。」とのこと。まあ、60年前と今じゃ流行りの服装はもちろん違うので気持ちは分からなくもないが、それ以前に俺たちを煙たがっている様子だった。

 

ジバニャン「で、これからどうするニャン?」

フユニャン「・・・妖怪ウォッチを貞成に作らせる。まずはそれからだな。」

ウィスパー「といってもどうするんですか?あの様子では、妖怪ウォッチを作ってくれそうにありませんよ?」

フユニャン「そうだな・・・まずは、妖怪ウォッチの部品を集めよう。」

ユキノ(ふぶき姫)「でも、部品を集めてきた所であの頑固な人が素直に首を縦に振るかしら?」

 

 ユキノは不安しているが俺は問題ないと考えている。なぜなら・・・

 

高成「・・・いや、貞成の爺様は相当機械いじりが大好きだったらしい。壊れた機械や機械の部品を見せれば犬猿の仲といわれた人からの依頼でも受けたらしい。その点に関しては問題無いだろう。寧ろ、移動が問題だな。まさか、ずっと歩いていくとか、さくら元町まで無賃乗車するとかそういう訳には行かないだろうし・・・」

フユニャン「たしかにな。なら、アイツらのチカラを借りるか。」

 

 フユニャンの物言いからして、その妖怪は・・・

 

高成「アイツらって・・・うんがい鏡の事か?」

フユニャン「ああ。うんがい鏡はさくら元町にもケマモト村にもいるからな。あと、60年後に帰れるようにうんがい三面鏡にも力になってもらうか。」

ウィスパー「うんがい三面鏡といいますと、うんがい鏡とさとりちゃんの二人の妖怪を合成させることで出来る妖怪でウィスね。」

高成「じゃあささっと会いに行くか。」

 

 ケマモト村の南東部に居るうんがい鏡たちに会いに行き、うんがい鏡たちは有効的に接してくれているようだ。そんな中でフユニャンは、俺たちを紹介した後におおもり神社とさくら元町駅前と60年後にうんがい鏡でワープさせてくれるように交渉してくれたのだった。なお、フユニャンは入れ違いにならないように秘密基地の前で待っているとの事だった。

 そこからはあっという間だった。まず、さくら元町駅前にワープしてから過去の時計の超視堂に向かった。

 そして店主さんが俺の妖怪ウォッチを見た時に、創作意欲が湧き出たようで一時的に妖怪ウォッチを渡したのだが、どうにもいまいち気が引き締まらないようで、気を引き締めるためにとても辛い唐辛子を持ってきて欲しいと言われた。なので俺たちはうんがい三面鏡の力を借りて六十年後である現在に戻ってきた。

 そして、現在のうんがい鏡の力を借りて今俺が師範代として活動している【臨戦流】という武術流派の総本山でありさくらニュータウンから少し離れた地方都市である【白銀(シラカネ)市】に来た。

 

高成「ひと月ぶりか、ここに来るのは・・・」

風直(カザナオ)「そうだな。出来ることならもっと頻繁に来て欲しいものだが・・・」

高成「!?総師範、お久しぶりでございます。早速で申し訳ございませんが、何か特別辛い唐辛子はありませんか?」

 

 後ろに立っているのが、【井伊(イイ)風直】総師範。【臨戦流】の正当継承者であり、井伊家という石田家を遥かに上回る名家の本家筋の次期当主様だ。そしてこの人は無双の武道家であるのと同時に、世界中の唐辛子を栽培している無類の辛党でもある。因みに妖怪の存在を認識しており、ユキノの正体にも勘付いていた。

 

風直「唐突だなぁ。特別辛い唐辛子か・・・ペーパーレックスとかカロリーノリーパルは、流石に扱いが難しいか・・・ならば、ヤバネロ辺りが丁度いいか。」

高成「そうですね。ヤバネロでお願いします。」

風直「わかった。少し待っててくれ。」

 

 そして三分ほどしてからヤバネロの他に紙袋を引っ()げた師匠が戻ってきた。

 

風直「只今戻ったぞ。」

高成「総師範、その紙袋の中身は?」

風直「これか?これの中に入ってるのは俺の実家が、直属の技術開発部隊に特注して作ってもらった変容の頭巾だ。ユキノちゃんに渡してくれだとさ。」

 

 そして紙袋から取り出したのは、ゆきおんな状態のの時に着ている頭巾よりも手触りが良く鮮やかな発色の水色の布地に、綺麗で可愛らしい白い刺繍とプラチナの台座付きのブローチが縫い付けられていた、見るだけで高級品と分かる代物だった。

 

ユキノ「えっ!?こんなに良いものを貰ってもいいんですか!?」

風直「いいんだいいんだ。てか、渡さなかったらドヤされるのは俺だから受け取ってくれ。」

ユキノ「・・・分かりました!」

ウィスパー「良かったですね、ユキノさん。」

 

 ユキノは嬉しそうに頭巾を貰った。・・・大きさが自在に伸縮するみたいで、人間形態でも着れるようだった。

 しかしいつまでもここにいると師匠の鍛錬に付き合わされるのが目に見えているので、目的を達成した俺たちは早々に戻ることにした。

 

高成「ユキノに、贈り物をしていただきありがとうとうございます総師範。それでは、今急いでいるので失礼致します!」

風直「あっおい!・・・ったく。次こっちに来た時は、鍛錬に付き合ってもらうからな!」

 

 後に紙袋に同封されていた説明書で確認したのだが、大きさの伸縮以外にも、妖術の補助など様々な機能が搭載されていた。

 あと何故かおもいで屋でユキノが貰った宝石が埋まるようになっていたのは・・・考えないことにした。あの人、俺より二つも年下の小学生なのに力の底が見えないし知れないんだよな・・・

 

 まあそんなことはともかく、過去の超視堂に戻って、店主さんにヤバネロを渡した所、あまりの辛さに齧りかけを返される羽目になった。ただ、ちゃんと気は引き締まったようで、セイコーン時計を完成させている。もちろん、妖怪に関する機能は付いていないがそこは今から集める材料と貞成少年の腕の見せ所だろう。

 そして、俺の友達妖怪のとらじろうの過去の姿であるコマじろうからもんげー鈴を貰い、残るは妖怪ウォッチのレンズにあたる何か・・・と、さくら元町駅まで行った時のことだった。

 

高成「!これは・・・」

ユキノ(ふぶき姫)「うん、怪魔たちの時の良くない妖気だね・・・」

ウィスパー「どうやら、南側の工場からこの妖気は流れてきているみたいでウィスね」

 

 そして俺たちは工場まで向かった。すると・・・

 

作業員「仕事なんてやってらんねーよ・・・サーボろ。」

高成「どの人も覇気がないな・・・」

アニ鬼「オマケに、どいつもこいつもサボってるぞ。」

ジバニャン「大丈夫ニャンかこの工場・・・?」

 

 そして、工場に近づいていたその時だった。

 

ユキノ「えっ!?なんであの人が・・・?」

高成「あの人・・・なっ!?」

 

 ユキノが驚いた方向を見ると、そこにはなんとおもいで屋の店主がいた。

 

店主(おもいで屋)「やあ小僧どもにお嬢ちゃん。」

ウィスパー「知り合いですか?高成くん。」

高成「・・・まあ、な。だが、貴方は確か・・・」

店主(おもいで屋)「まあ細かいことは気になさんな。それより、その中に入るなら、こいつを持っていくといい。」

ユキノ「・・・緑色のビー玉?」

店主(おもいで屋)「ソイツを覗くと中々見えないものが見えてくる。それじゃあわしはその辺をぶらついてくるわ。」

 

 そういうと、おもいで屋の店主は去っていった。

 

ユキノ「・・・色々聞きたいことがあるのに行っちゃった。」

高成「・・・気になることはあるが、まずは工場内に入るぞ。」

 

 そして俺たちは、工場内に潜入した。その中は妖気の霧に溢れていた。

 

高成「・・・一寸先は闇だな、気をつけていくぞ。」

ユキノ(ふぶき姫)「うん・・・」

「あら〜?貴方たちは何者かしら?」

高成「・・・ウィスパー、あの妖怪は?」

ウィスパー「あの妖怪はえんらえんらです。が、何やら様子がおかしいでウィスね。」

えんらえんら(?)「あら、つれないのね〜。」

ユキノ(ふぶき姫)「この煙はあなたの仕業かしら?」

えんらえんら(?)「そうよ。この煙は私の仕業、止めたいのなら捕まえてみなさ〜い。まあ、ケムリに巻いてア・ゲ・ルけどね♪」

 

 そして、えんらえんらは姿を消した。 その後、えんらえんらは様々なものに化けていたが、全て見つけ出し、壁端に追い詰めた。

 

高成「さて、どうするえんらえんら・・・いや、厳密には取り憑いている怪魔よ。」

えんらえんら(?)「まさかバレてるなんてね〜。なら、少し痛い目にあってもらおうかしら〜♪」

高成「ユキノ、ジバニャン、アニ鬼、来るぞ!」

ユキノ「わかったわ!」

ジバニャン「わかったニャン!」

アニ鬼「応ッ!」

 

 そしてバトルが始まった。煙と風に翻弄されていたが、嵐の術をユキノの吹雪の術で

 

えんらえんら(?)「吹っ飛びなさ〜い♪」

高成「ユキノ、吹雪の術で、ガードだ!」

ユキノ(ふぶき姫)「!わかったわ!ハァッ!!」

えんらえんら(?)「キャアッ!?」

 

 そして、ようやく出てきた怪魔にジバニャンとアニ鬼の連携を叩き込むッ!!

 

たくらむ怪魔「ケケケ!」

高成「今だジバニャン!アニ鬼!」

ジバニャン「わかったニャ!喰らえ!ひゃくれつ肉球ッ!!」

アニ鬼「合点!地獄のケツバットォッ!!」

たくらむ怪魔「ギャアアア!?」

 

 そして、たくらむ怪魔は倒されたのであった。

 

ジバニャン「やったニャン!」

えんらえんら「あら、私は・・・?」

 

 えんらえんらが気を取り戻すと、俺達は何があったか説明した。

 

えんらえんら「そんなことが・・・ごめんなさいね〜?」

「迷惑をかけたな、人間の少年。」

ウィスパー「あ、貴方は・・・妖怪二大派閥のうち一つの元祖軍大将、土蜘蛛様!?」

えんらえんら「御館様!?」

土蜘蛛「俺のことを知っている者がいるのか。なら話がはやいな。詫びを入れて戻るぞ、えんらえんら。」

えんらえんら「はい〜。ごめんなさいね〜、これはお詫びです。」

 

 そして、えんらえんらが渡してきたのは妖怪メダルだった。

 

高成「ありがとう、えんらえんら。」

えんらえんら「困ったら、いつでも呼んでね〜。」

 

 そして、土蜘蛛とえんらえんらは去っていった。

 

高成「・・・このビー玉なら妖怪ウォッチのサーチビームになれるな。」

ユキノ「じゃあ、フユニャンの所に戻りましょうか。」

 

 そして俺たちは、秘密基地に戻るのだった。

 そして、秘密基地に戻ってくると、丁度貞成少年が戻ってきていた。

 

貞成「お前ら・・・何しにきた。・・・ん?お前、ちょっとその唐辛子見せてみろ。」

 

 いきなり重圧を向けられて戸惑う俺たちであったが、貞成少年がヤバネロに興味を示したことで空気が変わっていく。

 

貞成「これは使えるな・・・」

高成「貞成。それが欲しいなら、条件がある。」

貞成「条件だぁ?」

高成「俺に妖怪ウォッチ零式を作って欲しい。」

 

 そういうと貞成少年は迷ったような様子を見せた。が、割と直ぐに決断は出たようだ。

 

貞成「まぁ、それが条件なら悪かねぇか。材料とその唐辛子を寄越せ。」

高成「わかった。交渉成立だな。」

 

 こうして、妖怪ウォッチが作られることが決定したのだった。




 妖怪ウォッチ2やっていると、過去の桜町やケマモト村にもうんがい鏡いて使わせてくれてもいいんじゃないかと思うんですよね〜。
 それと、カロリーノリープルとペーパーレックスはキャロライナリーパーとペッパーエックスという実在する激辛唐辛子が元ネタです。
 あと本文には経緯を一切出すつもりのない完全な裏話ではありますが、石田家に伝わる【斬境武闘流】を高成は一年前に免許皆伝となりました。免許皆伝しただけの事はあり、現在の彼は父親である朝成の全盛期である26歳頃の彼をも上回るほどの実力を持ちます。
 そしてその話を聞きつけた風直からスカウトされる形で【臨戦流】に入門しました。

 それでは、読んでいただきありがとうございました。
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