貞成「よし、完成したぞ。妖怪ウォッチ。まあ、所謂零式って奴だな。」
過去のさくら元町を走り回って集めた部品を妖怪ウォッチに組み立ててもらうことを、ヤバネロとの交換条件として交渉し、成立させて貞成少年に手渡した。その際に手際を見ていたのだが、機械いじりが得意だと没後にまで伝わってるだけあり、どの部品をどうすればいいのかわかっているようであっという間に組み立てていったのだった。
因みに、何故この妖怪ウォッチが零式だということを知っているかというと、去年のクリスマスにウィスパーに欲しいものを聞いた時に彼が妖怪パッドで欲しいものリストのひとつとして上げていたからだ。
まあ、その時は流石に高すぎて予算オーバーしかねなかったので漫画三冊をプレゼントしたのだが・・・
高成「ありがとう、貞成。」
貞成「フン、報酬ありきならこの位の機械いじりはするだけだ。さて、この辛そうな・・・あ〜、確かヤバネロとかだったか?兎に角、この唐辛子をすり潰すか。」
そういえば、唐辛子なんぞ何に使うのだろうか。「すり潰す」とか言いだしてきたが・・・などと思っていると、壺を出してきた。
その壺の中身を見ると、すり潰されて液状化した唐辛子があった。
高成「貞成、ソレは?」
貞成「・・・これは、唐辛子をすり潰したやつだ。これを塗らねえと、封魔の武器でもなけりゃ怪魔に効き目がないんだ。」
高成「封魔の武器なら効き目があるのか?」
貞成「まぁな。けど、封魔の武器は家に厳重に保管されてて、持ち出せねえんだ。前に一回持ち出したら、親父から拳骨喰らった。」
貞成爺様も少年の頃は随分とヤンチャしていたようだ・・・
高成「・・・拳骨で済んで良かったな。あれ、超抜級の呪物だぞ。」
貞成「だからか。なんか嫌な感じはしたからな。・・・ってか、なんでそんなこと知ってんだ!?」
フユニャン「貞成、高成はマキモド石を使って未来から来たお前の孫だ。」
貞成「・・・フユニャンの騙りって訳じゃなさそうだな。で、どうして俺は人妖問わず友達を作る気はねぇぞ。」
高成「ほぅ・・・じゃあフユニャンはどうなんだ?友達じゃないのか?」
貞成「・・・友達じゃない。」
貞成、お前は・・・!
高成「貞成ッ!そんなに冷たく振舞ってたら、今度こそ大切なモノがお前から零れ落ちるぞ!!」
貞成「───ッ大きなお世話だ!」
高成「・・・そうかよ。」
貞成少年に警告したが、その時返した眼からもう手遅れだと言うことを理解した。そして貞成は見ているだけで辛いくらい、悲しそうな顔をしたフユニャンの制止も振り切り、どこかへ行ってしまった。
ジバニャン「そうニャンね・・・」
ウィスパー「彼処まで頑固だと、説得は厳しそうでウィスね・・・」
アニ鬼「だが、説得しないことにはどうにもならないぞ。」
高成「・・・取り敢えずフユニャンを追いかけるぞ。ここで、俺たちまで彼らを見捨てたら流石にフユニャンが可哀想すぎる。」
そして村中を駆け回り、中央寄り南西側の橋のところまで行くとそこにフユニャンがいた。
高成「・・・ここにいたか、フユニャン。」
フユニャン「高成・・・」
高成「フユニャン。どうしちまったんだ、貞成。アイツの頑固さはありゃあ尋常じゃないぞ。」
フユニャン「・・・貞成が動けなかったのは、知ってるよな?」
高成「ああ。だが、それであそこまでなるものなのか?」
フユニャン「───実はその時に動けなかったことが原因で婚約者にこっ酷くフラれて婚約破談となったんだ。」
───流石にコレはビックリだ。
『ええっ!?』
高成「・・・いや、今思い出したが、俺の祖母であるトミコばあちゃんは貞成の爺様が27の頃にツグミさんという方を流行病で亡くした後に結婚した、言わば後妻だ。この時代の婚約者がトミコばあちゃんじゃないのなら、俺や父さんたちに直接影響することはないんだろうな。」
フユニャン「ああ。婚約者は確かにツグミという名前だった。それからは人妖問わず一切の交友関係を断った。今の貞成は家中どころか村中の人間たちから見放されていて昔馴染みのケイゾウとフミアキにユキコとマリコ、あとトミコの五人だけが今も変わらずに交友関係であり続けてくれているが、それも何時まで続くか・・・」
フユニャンが例に挙げた友達が人間の友達ばかりで、妖怪の友達について言及してなかったことから、嫌な予感がしたので問うと、案の定と言うべき答えが帰ってきた。
高成「妖怪の方はどうなんだ?」
フユニャン「・・・オレと万尾獅子とキュウビとオロチ以外の貞成の友達妖怪たちはあまりに頑固で強情な貞成に愛想を尽かしてアイツのもとを去っていってしまったんだ・・・」
・・・なるほどな。だったら、俺たちがやることは一つだ。
高成「フユニャン、その妖怪の中にまだ愛想を尽かしきれてない妖怪をリストアップしてくれないか?」
フユニャン「高成・・・!」
高成「・・・正直、愛想を尽かされたのは、貞成の自業自得だ。」
ウィスパー「ちょっと高成k「けどな!」!?」
高成「それが
高成「
・・・
一方、ケマモト村生活河川上流にて・・・
貞成「・・・なんなんだよ、
そういう彼の顔は苦渋に歪んでいた・・・一方、水面に移る彼の顔は、確かに歪んだ顔だったが───目の前の自分を馬鹿にするように嗤っていたのだった。
読んでいただき、ありがとうございました。
次回【後編】につきましては近日公開とさせていただきます。