YAMA育ちの妖怪王   作:スルメ文庫

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第三刻目 トモダチ妖怪

高成「俺のともだち、出てこいゆきおんな!妖怪メダル、セットオン!」

 

 【プリチー召喚! プリチー!オレッチトモダチ ふくはウチ〜!】

 

ゆきおんな「ゆきおんな。」

 

 前回に続き、俺はとある少女によく似た妖怪、【ゆきおんな】を召喚するのだった。

 

ゆきおんな「貴方は・・・あの時ボクにアイスを奢ってくれた人間ね!」

高成「ああ。ゆきおんな、実はあの妖怪たちを怒らせてしまってな。謝罪するためにも頭を冷やして欲しいんだ。」

ゆきおんな「任せて!ヒュウゥゥゥ・・・!」

 

セミまる「さ、寒いミン!」

ツチノコ「さむ〜い!」

トホホギス「トホホ、寒いよ・・・!」

 

 彼女は口から冷気を吹かせ、セミまるたちを一網打尽に冷やしたのだった。そして俺はセミまるたちと和解するために対話し始めたのだった。

 

セミまる「いきなり襲いかかってすまなかったミン・・・!」

ツチノコ「ごめんなさーい!」

トホホギス「トホホ・・・ごめんなさい・・・」

高成「いや、セミまるとトホホギスに関しては俺が悪いからな、すまなかった。・・・ところでツチノコ、キミはカナヘビに化けてたみたいだけど、なんでその事を忘れていたんだ?」

 

 そう問うとツチノコは困ったような顔で話し始めた。

 

ツチノコ「実はカナヘビに化けた後、緑色の帽子みたいなのが見えた瞬間、カナヘビに化けていた記憶が無くなってたんだ・・・」

高成「緑色の帽子って・・・」

ウィスパー「高成くん、おそらくこの妖怪ではないでしょうか。」

 

 そうウィスパーが持ったiPadモドキに写った写真には緑色の帽子のような妖怪が居た。名前の欄であろう場所には【わすれん帽】の名があった。そしてその右横には、緑色の帽子のような妖怪らしきもの・・・

 

ツチノコ「キュピーン!この妖怪だよ!」

ウィスパー「この妖怪はわすれん帽。「へらへら」って、誰ですか!(わたくし)今話してるんですけど!?」

ゆきおんな「ボクじゃないけど?」

セミまる「拙者でもないミン。」

ツチノコ「ボクでもないよ?」

トホホギス「ボクでもないんだけど・・・」

 

 みんなはギャグのように気付いていないが・・・

 

高成「みんな、ウィスパーの右横。」

『右横・・・!?』

ウィスパー「?(わたくし)の右横に何が・・・ってええーわすれん帽!?」

 

 そう、当のわすれん帽がいたのだった。

 

ツチノコ「ちょっと!変身したことを忘れさせるなんて酷いよ!」

わすれん帽「わすれん帽、ともだち欲しい。わすれん帽、寂しい。」

セミまる「何言ってるんだミンか、わすれん帽。まず謝るべきだミン!」

ウィスパー「なんというか図々しい妖怪ですねぇ・・・高成くん?」

 

 ・・・なるほどな。

 

高成「・・・つまりキミは、ともだちになりたくてツチノコにイタズラをしたのかい?」

わすれん帽「うん。」

高成「そうか。確かに、キミは寂しかったのかもしれない。それが辛かったのかもしれない。それは仕方の無いことだ。けど、だからといってツチノコが嫌がることをしてはいけないよ。そういうことをしたら、余計にともだちになってくれないからね。君だって、嫌なことはしてほしくないだろう?」

 

 そういうとわすれん帽はハッとした雰囲気でツチノコの方を見た。

 

わすれん帽「・・・そうなの?」

ツチノコ「うん。化けてる時にその事を忘れさせられると、妖怪の時みたいに振舞って強い動物の獲物になりやすくて危ないからやめて欲しいんだ。」

わすれん帽「そうなんだ・・・ごめん、ツチノコ。」

ツチノコ「・・・いいよ。けど、もうやらないでね!」

わすれん帽「うん!わすれん帽、他人(ひと)の嫌がることしない。わすれん帽、ともだち欲しいから!」

 

 そうして、ツチノコとわすれん帽に加え、セミまるとトホホギスがワチャワチャとするのを眺める俺に、ゆきおんなとウィスパーが近づいてきた。

 

ゆきおんな「よくわすれん帽の意図わかったね、高成。ボク全然分からなかったや。」

ウィスパー「(わたくし)も、気が付きませんでしたね・・・なぜ分かったんですか?」

高成「手伝いで幼稚園児くらいの子の子守りをしたことがあるからな。そこで出会った子供の中に、わざとイタズラをして、周りの気を引いていた子がいたんだ。その時の仲裁で経験したことを活かしたのさ。」

 

 そう言っていると、彼らは妖怪メダルを差し出してきた。

 

わすれん帽「高成、わすれん帽とともだち、なってくれる?」

ツチノコ「今回はありがとう高成!お礼はこれでいい?」

セミまる「高成殿、今回は楽しかったミン!これはお礼だミン!」

トホホギス「ありがとう高成くん。それじゃあこれはお近付きの印に・・・」

高成「ああ、ありがたく受け取らせてもらうよ。」

 

 そして、受け取るとウィスパー、ゆきおんな、ツチノコ以外の面々は紫色の煙を出し、去っていった。

 

 そして俺たち(・・)は帰路に着く・・・ん?

 

高成「なあ、ウィスパー、ゆきおんな、ツチノコ。なんで着いてきてるんだ?」

ウィスパー「そりゃあ(わたくし)は妖怪執事ですから!」

ゆきおんな「ボクは高成のコトが気に入ったんだ!だから一緒に居たいの。」

ツチノコ「もう野生は懲り懲りだからね!飼ってもらいたいんだ!」

高成「そうか・・・でも、いいのか?俺もそうだけど、父さんと母さんはかなり強い霊感を持ってるからキミたちが見えると思うよ?」

『・・・え?』

 

 

 そして家に帰り、案の定ウィスパーたちのことを問いただされたのだが、何とか説得した結果一緒に住んでいいことになったのだった。

 

ウィスパー「いや〜、まさか高成くんのご両親が妖怪が視える人間だったとは・・・問いただされた時はヒヤヒヤしましたねぇ。」

高成「全くだ・・・ん?ツチノコ、ユキノがどこに行ったか知ってるか?」

ツチノコ「ユキノさんなら、お母さんの所に呼ばれてましたよ?」

高成「母さんのお眼鏡にでもかなったのか・・・」

 

 母さんの提案でゆきおんなに愛称を付けることになったのだが、そこでふと頭に過ぎったユキノと言う名がそのまま採用されることとなった。

 母さんはユキノのことをいたく気に入ったみたいだ。母さんは昔からもう一人子供を、出来れば女の子をと言っていた人なのでユキノは好みにドンピシャだったのかもしれない・・・

 ・・・こりゃあ、ひょっとしたら明日はユキノのファッションショーで時間が埋まるかもな。




 読んでいただきありがとうございました。
 次回は今回までに出てきた登場人物の設定です。
 ちなみにゆきおんながボクっ娘なのは完全に作者の趣味です。
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