ジバニャンとエミちゃんのクエストの話は、また今後描写しますのでその時をお楽しみに。
それでは、今話二十九刻目をお楽しみください。
ユキノ「ふんふふんふふ〜ん♪」
ボクは今、誰が見ても分かるくらいものすごーく気分がいい!なぜなら、高成が臨戦流のトレーニング内容の構築作業やお義父さんの会社の仕事のお手伝いなどで稼いだ三ヶ月分のお給金、40万円を使ってサファイアの婚約指輪を買ってくれたのだ。
高成が指輪を嵌めてくれたあの時、思わず涙を流してしまったのは少し恥ずかしかったけど、あの時の高成の顔を思い出すだけで頬を赤らめながら鼻歌混じりにスキップしてしまうほど嬉しくなる。
ちなみに今はおつかいにフラワーロードのおつかい横丁へ向かっている最中だ。
だからこそ、ボクは気が付かなかったのだろう。物陰からボクを狙うその存在を・・・
ユキノ「ふふふ〜───ムグッ!?」
キン「ようやく隙を見せたな。」
ギン「あの小僧自身は相変わらず如何なる時であろうと好きを見せなかったが、お前に付け入るだけの隙を与えた。」
『恨むならお主の外出を許したあの小僧を恨むが良い、フェッフェッフェッ・・・!』
催眠系の違法妖術にかかっているのか、意識が薄れながらも忠告してくれた高成にボクは謝罪を遺して消えていった。
ユキノ(高、成・・・ごめん、なさい・・・!)
そして、ユキノがキンとギンに攫われてから三分後に異変を感じた高成はユキノが召喚に応じなかったのを確認すると、前日石田別邸から帰る際にうんがい鏡に無理を言って送ってもらい、探し回ったのだが既に姿はなく他にも
───次の日。
高成の部屋では阿鼻叫喚の地獄が広がっていた。鬼の形相でパソコンの前に座る高成はウィスパーたちともだち妖怪に指示をして状況報告を受けながら探していたのだった。ちなみにはつでんしんは去年彼が勤める職場の対人関係の悩みをきいたことで仲間になってくれたのだ。
高成「風直師範の方でも見つかっていないか・・・ウィスパー、ヒキコウモリ、はつでんしん、そっちは見つからないのか!?」
ウィスパー「妖怪オシラセッターにも声をかけてるのですが、誰も見てないらしいでウィス。」
ヒキコウモリ「なにぶん最後の目撃情報が、家の前のたびガッパさんとくさなぎさんとの挨拶だったようでして・・・」
なに?つまり、俺の家より先には誰も居なかったということか?そんな馬鹿な・・・いや、まさか。
高成「もしや相手は人妖払いの妖術を使ったということか・・・?」
だが、なんだろう。この違和感は・・・なにか、大切なことを見逃しているような・・・
高成「ったく、いよいよキナ臭いな。どこに行ったんだか・・・?」
ツチノコ「キュピン、戻ったよ。」
そうしていると、最近俺とユキノからの試練に合格したので進化したふぶき姫のユキナと、足の早いツチノコに、二人の護衛のたびガッパとくさなぎが調査けれ戻ってきたのだった。
高成「戻ったか、二人とも。たびガッパ、くさなぎ、二人の護衛してくれてありがとう。」
くさなぎ「このくらいお易い御用だ。」
たびガッパ「そうッスよ!高成にはよく世話になってるッスから。」
高成「それで、なにか有力な情報はあったか?」
くさなぎ「高成殿、フラワーロード付近の歩道橋付近で忽然とユキノ殿の妖気が消えていたぞ。」
たびガッパ「まるで、この世界から突然消えたかのように途切れてたッスね。」
この世界から突然消えた?・・・!?まさか!
高成「もしや、60年前の過去に誘拐されたのか?」
『!?』
たびガッパ「確かに、それなら忽然と妖気が消えたのにも説明がつくッス!」
ウィスパー「ええ、誘拐犯たちもマキモド石を使っているのかもしれませんね。」
そう話し合っていると、突然うんがい三面鏡が現れた。そしてそこから、何やら慌てた様子のフユニャンが出てきたのだった。
フユニャン「高成大変だ!六十年前の平釜平原で妖怪大合戦が始まりそうなんだ・・・!」
高成「何・・・!?」
なんだってこんなタイミングで・・・!?
フユニャン「妖怪大合戦を止める為にとオレともう一度、六十年前に来てくれ!・・・ところで、ユキノはどうしたんだ?」
高成「・・・ユキノが昨日から行方不明になっていてな。恐らくユキノは六十年前に誘拐されたんだと思われるが・・・」
フユニャン「何ッ!?もしかしたら、怪魔どもが何かをしたのか・・・!?」
高成「・・・その可能性が高いだろうな。うんがい三面鏡、無理を承知で聞かせてもらうが、今すぐ俺たちを六十年前に飛ばしてくれないか?」
うんがい三面鏡「オッケー♪じゃあ、六十年前にあけっぴろーん!」
そして、うんがい三面鏡の力を借りて六十年前にやってきた高成たちは貞成と合流した。そして貞成は怪魔たちの発生の元を探り、高成たちは妖怪大合戦を止めるべく、平釜平原にそれぞれ向かうのだった。
ちなみに貞成の方にはフユニャンやにんぎょたちが付いていた。
その後すぐさま移動し、平釜平原に到着した。そこで、出会ったのはこの前工場にてともだちとなったえんらえんらだったのだが・・・
えんらえんら「あら〜、高成じゃな〜い。」
高成「・・・正体を現せ、怪魔が!」
ギロリと高成が凄まじい形相で睨みつけると、えんらえんらから怪魔が飛び出してきたのだった。
たくらむ怪魔「ケケッ!?」
えんらえんら「キュウ・・・」
くさなぎ「貴様ッ!」
たくらむ怪魔「ギャアアア!?」
そしてえんらえんらから怪魔が飛び出てきた瞬間、抜刀したくさなぎが怪魔を叩き斬ったのだった。
えんらえんら「あら〜?私は一体・・・?」
高成「また怪魔に取り憑かれてたんだ。」
えんらえんら「そうだったわ!私だけじゃなく、ほかの妖怪たちも・・・!助けて高成!今は元祖と本家で争っている場合じゃないわ!」
高成「わかっている!えんらえんら、早く土蜘蛛殿の元へ連れて行ってくれ!」
そしてえんらえんらの案内の元、大急ぎで高成は元祖軍の本陣に居る土蜘蛛の所に向かった。
土蜘蛛「む、お前はあの工場の時の・・・」
高成「俺は石田高成といいます。単刀直入に申し上げますが、両軍の多くの妖怪たちが怪魔に取り憑かれております。」
土蜘蛛「何・・・?それは本当か?」
えんらえんら「本当ですわ御館様!現に私も怪魔に乗っ取られる寸前でしたもの!」
土蜘蛛「なんと!?」
オロチ「おい、高成、えんらえんら。それは本当か?」
高成「ああ!この命に誓おう。俺は嘘をついていない。」
えんらえんら「ええ、妖怪として誓わせてもらいますわ。私も嘘をついていません。」
土蜘蛛「・・・わかった。大ガマとも、連携してこの場にいる全ての妖怪たちを呼ぼう。ただ嘘だった場合は、分かっているな?」
高成「ああ。」
えんらえんら「ええ。」
そして、土蜘蛛は大ガマにも連絡を入れて、この場にいる全ての妖怪たちを集めたのだった。
万尾獅子「総員集めて参りました、土蜘蛛様、大ガマ殿。」
土蜘蛛「うむ、ご苦労。」
大ガマ「おう、ありがとよ。で、こん中に本当に怪魔どもがいるのか?」
高成「ええ。・・・───羅アッ!!」
焼き鬼斬り「ぐあッ!?」
そして、焼き鬼斬りが倒されたと思った瞬間・・・
ゆらめく怪魔「カイーン!」
大ガマ「なっ・・・!?」
土蜘蛛「何ッ!?」
オロチ「話は本当だったのか・・・」
キュウビ「・・・どうやら、彼どころじゃないみたいだねぇ・・・」
高成「ああ。・・・残りのも、とっとと出てこいよこの怪魔ども・・・!」
そして、次々と怪魔に取り憑かれた者たちが正体を現した。その数、およそ全体の三分の二ほど。
高成「ッチ、分かっていたとはいえ、多いな・・・!」
ウィスパー「そうですね・・・!」
そして、戦いが始まろうとしたその時・・・
キン「ヒッヒッヒッ、無様だねェ小僧。」
ギン「その顔だけで、胸のすくような思いさね。」
そのような声が聞こえた。その妖気の質からして、この者たちは恐らく・・・
高成「貴様らか・・・ここ最近の嫌な視線の主であり、ユキノを誘拐した犯人はッ!!」
キン「その通りさね。」
ギン「一切気を緩めなかったお主も、あの小娘を奪われた以上、モトジメ様に敵うわけないさ!」
高成「モトジメ様だと・・・?」
そう訝しむと、凄まじい大声が聞こえてきた。
「人間と妖怪に取り憑き、いがみ合わせて、ゆくゆくは滅ぼしちゃおう計画を邪魔する存在は、全部消し去ってしまうのだっヨ〜ン!」
高成「『だっヨ〜ン』だと?」
ウバウネ「アタクシはトキヲ・ウバウネ、怪魔を束ねる班長的な存在・・・いや課長、部長的な存在・・・いやラスボス的な存在だっヨ〜ン!だっヨ〜ン!だっヨ〜ン!」
何をふざけているのか知らないが・・・
高成「・・・貴様ら、ユキノを返して貰おうか!」
キン「フン、そう言ってはいどうぞと返すとでも?」
ドウ「それにあの小娘は今、調整中だから返すに返せないんじゃ。」
───コイツ、今なんて言った?
ギン「おい!余計なことを言うんじゃないよ!」
ドウ「あっ!・・・ドウしよう・・・」
高成「───ラ。」
ウバウネ「なんだい、小僧?」
高成「キサマラア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ッ!!」
ウィスパー「高成くん!?」
『高成!?』
キン「ぐぅッ・・・!?」
ギン「ぬぉッ・・・!?」
ドウ「ウゥ・・・!?」
ウバウネ「こ、これは・・・!は、早く撤退するんだっヨ〜ン!?」
逃げるつもりのようだが、逃がすものかッ!!
高成「逃がすかあああッ!!」
そして、仕留めようとしたその時、横槍が入った。
厄怪「チュチュ!!」
高成「ッチィ!!」
ウバウネ「ここは厄怪くんに任せてアタクシたちはバイバイだっヨ〜ン!」
そして、速攻で逃げていったのだった。
高成「クソッ・・・クッソがア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ッ!!」
その後の厄怪に対する蹂躙の後、響き渡ったのは虚しい叫びだけだった・・・
読んでいただきありがとうございました。
因みにジバニャンとアニ鬼ですが、石田別邸に祖母の護衛として配置しています。