YAMA育ちの妖怪王   作:スルメ文庫

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第八刻目 悪夢の赤鬼と銭湯の豚妖怪

 チョーシ堂の店主の勝負下着を探すために深夜に出かけることになった。勿論、深夜外出なんて真っ当な家の親が許してくれるはずもなく、そこの所は俺の両親も同じである。なのでバクという妖怪に俺の姿に化けてもらって両親を目を欺くことにした・・・のだが、なにぶん俺の両親は勘が鋭い。そしてその対策として昼のうちにチョーシ堂にてバクに俺に化ける練習をしてもらった。そして今、毎日の習慣である寝る前にバルコニーにて夜空を眺めることを利用してバクとジミー、トホホギスを呼び出し作戦を開始した。

 まずジミーに俺の影を限りなく薄くする。そして時を同じくしてバクが俺の眠気を取りながら俺に化ける。

 

バク(高成)「おやすみ〜」

高成「ああ、おやすみ。トホホギス、ツチノコ、頼む。」

『任せて。』

 

 そしてそこからツチノコの幸運で自身の不幸を相殺したトホホギスが俺を近所の公園であるさんかく公園まで運ぶ。なぜさんかく公園までかと言うと、家のセキュリティがとんでもないことになっているため庭は通れないからだ。なのでトホホギスに空から運んでもらう必要があった。

 そして、運ばれた俺は事前に向かっていたウィスパーとゆきおんなと合流した。・・・その時、突如妖気の煙に巻かれ、街が灰色になった。

 

高成「なんだ、これ・・・?」

ウィスパー「なんだかとても良くないことが起こる気がします・・・!」

ゆきおんな「高成、アレ・・・!」

高成「アレ・・・!?」

 

 ゆきおんなが指をさした方を見ると・・・───化け物がいた。

 

「アッカァァァン!!」

 

高成「・・・なあ、あの化け物はなんだ?」

ウィスパー「あ、あれは赤鬼です・・・とても強力な妖怪で、子供が思う心配事が悪夢となったこの鬼時間を作り出した張本人です。今すぐ逃げましょう!」

高成「あ、ああ。今の実力でアレと戦うのはゴメンだ。」

 

 そして、逃げ回って小学校の校門らしい場所に辿り着いた。

 

高成「まずいな・・・このままだといつ見つかるか分からんぞ・・・!」

ウィスパー「というか、鬼時間って出口があるはずなんですが、どこにも見当たりませんでしたね・・・」

「おい。」

 

 謎の妖怪らしい少年が現れた。そしてその少年は謎の(ふすま)を出した。

 

「助かりたけりゃその(ふすま)に入るんだ。」

ウィスパー「こ、これは!鬼時間の出口です!何故あなたがこれを・・・!?」

ゆきおんな「ちょっとウィスパー、声大きすぎだよ。」

高成「・・・ありがとう。」

「よりによって赤鬼が(ふすま)を隠していたから俺が持ってきただけだ。次もこんなことがあるとは思わないことだ。」

高成「ああ。次にこんなことが起こってもどうにかできるようになるくらい強くなってみせるさ。」

「フッ、じゃあな高成。」

 

 ・・・何故あの妖怪が俺の名前を知ってるのかは気になるが、今はさっさと襖に入ろう。

 

高成「ふぅ、助かった。」

ゆきおんな「そうね・・・」

ウィスパー「もうクタクタですが、銭湯に向かいましょう。」

 

 だいぶ疲れたが、それでもやることはやらなきゃならないからな・・・

 

 

 銭湯さくらの湯に到着した。そして早速入る俺たち。

 

高成「失礼します。」

番台さん「あら?もう営業時間は終わりよ。お風呂に入りたかったらまた明日ね。」

高成「いえ、チョーシ堂の店主のお使いで探し物をしたいのですが・・・」

番台さん「あら!チョーシ堂のおじいさんの。ごめんなさいね。前から探してるんだけど中々見つからないの・・・わかったわ。貴方が調べてみて。それまで待ってあげるから。」

高成「分かりました。」

 

 ふぅ、なんとか許可は取れたな。

 

ウィスパー「これは、男湯のほうからとても強い妖気が・・・!」

高成「ああ。番台さん。ちょっと男湯の方を見ても大丈夫ですか?」

番台さん「いいわよ。」

高成「ありがとうございます。」

 

 そして、男湯のほうを見てみると、大きな豚のような妖怪がくつろいでいた。

 

「ひとっ風呂のぼせるのは最高だカッポン!」

ウィスパー「この妖怪はのぼせトンマンです!」

ゆきおんな「ねぇ、あの妖怪の履いてるのもしかして・・・」

高成「・・・嘘だろ。」

 

 のぼせトンマンが履いてるのは、チョーシ堂の店主さんの勝負下着こと褌であった。

 いやなんで他人の下着履いて風呂に入ってんだよこの妖怪。

 

のぼせトンマン「ごちゃごちゃうるせぇな。俺に何かようカッポン!」

高成「いや、その褌返してくれないか?」

のぼせトンマン「なに!?お前まさか追い剥ぎってやつか?」

高成「は?」

 

 ダメだこいつ、前に会ったネクラマテングたちとは別種で話が通じない・・・!

 

のぼせトンマン「子供だからって容赦しないカッポン!自分のものは自分で守るカッポーンッ!!」

 

 そして、襲いかかってきたところを・・・

 

高成「【疾風速激】!覇ァッ!!」

ゆきおんな「《ゆきんこシャーベット》!ヒュウウウウッ!!」

のぼせトンマン「うわああああ!?」

ウィスパー「ちょっとお二人とも!?」

 

 速攻で倒した。うん、俺たちが強くなったのもあるんだろうが・・・こいつ自身、ミツマタノヅチほど強くないから二人の開幕必殺技で余裕で倒せた。

 

のぼせトンマン「ひとっ風呂のぼせたいだけなのに酷いカッポーン・・・」

 

 そう言い、その妖怪は店主さんの勝負下着を置いて去っていった。

 

高成「妙に潔いな・・・」

ゆきおんな「他人の下着を置き引きしたところもあるけどね・・・」

ウィスパー「ちゃんと置いていくんですね・・・」

 

 そうして俺たちはなんとも言い難い顔でこう結論づけた。

 

『今度のぼせトンマンに会ったら、事情を説明して謝ろう・・・』

 

 そしてその後、さくらの湯の番台さんに感謝を述べてから、チョーシ堂に向かって、勝負下着と共に妖怪ウォッチの強化パーツをチョーシ堂の店主さんに渡し、妖怪ウォッチの強化してもらったのだった。




 読んでいただきありがとうございました。
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