なんでも一つ願いが叶うらしい(ただしその条件は鬼畜とする)   作:イーサン・W

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エタらせてはいけないのだ(戒め)


何気ない日常の一片

 

 

 久しぶりの休日。

 俺がゆっくりと身体を休める事が出来る日。

 

 そんな日にドンドンッと自分の宿部屋の扉が叩かれる。

 

「……………」

 

 居留守を使おうかと思い、黙って静かに佇む。

 音は立てない。

 ただ相手が早く居なくなってくれる事を願う。

 

「……………」

 

 ドンドンッ!!と扉を叩く力が強くなる。

 それでも俺は黙って佇むだけ。

 

 こんな所で俺の休みを邪魔される訳にはいかないのだ。

 さっさとお家に帰れ。

 

「─── a(エー)君貴方がそこに居るのは分かってるわ!早く出てきなさい!」

 

 先行、閃光、フラッシュ、furassyu、flash、ことアスナさんが扉の前で仁王立ちをして佇んでいる。

 

 何やら俺に用があるようだ。

 しょうがない、考えてやるよ(出るとは言ってない)

 

「……………」

 

 アスナの呼びかけをフルシカトして椅子に腰掛ける。

 

 本日は特にイベントのない普通の日。

 空は綺麗な一面の青が広がっている。

 

 今日は身体をゆっくり休めたいというのが俺の本音。

 今日は絶好の休み日和。

 久々の休息を邪魔をされたくないのだ。

 

 という訳でアスナさんは帰ってください。

 a(エー)君は熟睡中です。

 また別の日に会おう。

 

「いいわ。そっちがその気なら貴方のセクハラ発言やら私へのセクハラ行為。それら全てを団長に報告させてもらいます。更には情報屋に───」

「はっはっは!すいません!つい先程目覚めましてぇ?!」

「はあ、出るのが遅いのよ」

 

 アスナによる、いともたやすく行われるえげつない行為。

 俺は即座に扉の前に飛び出しアスナの前に平伏する。

 

 今のがリアルでなくて良かったな。

 リアルだったら俺が死んでるぞ(社会的に)

 

「───それで何用ですか?」

 

 こうなったらアスナに付き合うしかないので、仕方がなくアスナに何用かを尋ねる。

 俺のただでさえ少ない休息する時間が減るのは非常に不服だが、致し方なしというやつだろう。

 

 アスナがわざわざ俺の元を訪れたという事は何か問題があったのかもしれないしな。

 

「リズが居なくなっちゃったのよ。何か知らない?」

「リズ?───ああリズベットか」

「そう。昨日から急に連絡が付かないし、マップ追跡も出来ないのよ。貴方も偶にリズのお店を使うでしょ?本当に何か知らない?」

 

 アスナがリズベットを案じる裏で、俺はそういえばそんな時期だったな、とふと思う。

 

 この時期は確か、キリトが二刀流に使う為にエリュシデータと同等の剣を探し求めてマスターメイサーであるリズベットの武具店へと訪れていた筈だ。

 

 アスナが連絡が付かなくなったのはこれの所為だろう。

 

 理由はキリトとリズベットの間で少しハプニングが起こり、二人でダンジョンに素材を手に入れに行く事になる。

 その時にドラゴンに遭遇し、ドラゴンの巣穴に落下。

 自力で脱出をするのが不可能の為、そのまま夜が明けるまでイチャラブキャンプ、というのが原作の流れだった筈だ。

 

 今、武具店にリズベットが居らず連絡も付かないというのは、つまりそういう事なんだろう。

 

 念のためフレンド欄でキリトを見てみたが、案の定キリトも連絡は付かないしマップ追跡も不可。

 つまりはキリトはダンジョンの中に居る。

 

 やったねキリト君!

 これでハーレムメンバーに一人追加だ!

 

 因みにキリトとリズベットはドラゴンの手によって無事に無傷で脱出するので放置で平気だ。

 

「あー多分それなら心配要らないぞ。今頃、ブラッキー先生と一緒に楽しくやってる筈だから」

「それってキリト君の事?なんでキリト君がリズと一緒に……?」

「多分、剣の素材でも手に入れに行くんだろ」

「じゃあリズは無事なのね?よかったぁー………キリト君が一緒に居るならリズに危険が及ぶ事もないだろうし」

 

 アスナはリズベットがキリトと一緒に居る事を知り、とりあえず一安心をする。

 

 何が起こるのかわからないのがこのSAO。

 明日には友人が死んでるかもしれないし、自分が死んでいるかもしれない。

 

 そんな中、アスナは自身の友人と急に連絡が取れなくなり心配をしていたが、リズベットが無事でキリトと一緒に居るなら大丈夫だろうと判断した。

 

「はあ……少し安心したらお腹が空いちゃったわ───という訳でa(エー)君。ご飯でも食べに行かない?」

「あ、いいっス。俺は寝るんで。サイナラ」

 

 終わり! 閉廷! 以上! みんな解散!

 俺は即座に踵を返して自身の宿部屋の中に撤退を図る。

 

 リズベットが無事な事は確認出来た。

 それによりアスナも一安心。

 結果的に俺の仕事は終了。

 

 俺は自分のベッドに帰るんだぁァァ!!

 

 アスナさんはキリト君と勝手に飯に行ってどーぞ。

 

「しょうがないわね。したくはなかったんだけどa(エー)君の事を団長に報告するしか───」

「ッ先程のは冗談で勿論行かせてもらいます!」

「ふふ、あらそう?なら更に奢ってもらおうかしら?」

「勿論です!奢らせていただきます!」

 

 アスナによる、いともたやすく行われるえげつない行為Take2

 

 最近はこうしてずっとアスナに尻に敷かれてばかりだ。

 

 あ〜さよなら俺の休日〜。

 

 

 

 

 

 

 

 

「───ふふ、ご馳走様」

「ああ……俺の休日が………」

「何か言いたいことでも?」

「ナンデモナイデス」

 

 アスナに何故か買い物にも付き合わされ、事が終わった時には既に辺りは暗くなってしまっていた。

 

 俺の休みは無事に終了。

 俺のダラダラ計画は失敗に終わった。

 

 飯を食べ終わり店を出た俺とアスナは夜風に当たりながら街の路地を歩く。

 周りを見渡せば、夜でもまだ俺たち以外の人たちも活発に活動しているのが見え、夜の街の活気というの物を感じる。

 

 アスナの可憐さと美しい美貌に惹きつけられ、何人もの人がナンパをしているのを見るのは中々に新鮮だった。

 流石は閃光さん。美貌と地位を持っていらっしゃる。

 

 因みに俺は居ない物とされスルーされていた。

 俺に慈悲はないんだろうか?

 誰か一人ぐらいナンパしてくれてもよくてよ?

 

「なんか不思議だよな」

「急に何よ?」

「いやさ。アスナって最初俺の事めっちゃ敵視してたじゃん?なんかこうして一緒に飯を食べに行くような関係になるなんて思わなかったというか、なんというか………」

「そ、それは……何でかa(エー)君が気に食わなかったのよ」

「はは、そうっすか」

 

 改めて思い返すと長いようで短いような、そんな事をこのSAO内での日々を掘り返しながら思う。

 

 今の最前線だってもう60層だ。

 クリアまでの道のりはもう長くない。

 

 後数ヶ月。後数ヶ月で決着がつく。

 俺がラスボスと戦って負けて死ぬか、勝ってミッションをクリアして元の世界に帰るか。

 

 この世界との別れが近づいている。

 

 キリトやアスナ、エギルにクライン。

 このSAO内で関わってきた人たちと別れが近づいている。

 

 ミッションの条件がクリアされてるかは謎だが、やれる事はやっているつもりだ。

 無事にクリアされていると信じるしかない。

 

 俺はふとアスナを見る。

 こうして第一層から関わってきて一年とちょっと。

 

 俺なんかがアスナと関われたのは幸運だった。

 デスゲームに強制的に巻き込まれたのは不服だが、原作でのキリトやアスナらと少しでも関わりを持てたのは嬉しい事だった。

 

 俺は何とも言えないような感慨深さを感じる。

 悲しいような嬉しいような、そんな奇妙な気持ちになる。

 

「───あ、やめて」

「ん?何だ急に?」

 

 アスナが突如として手のひらを俺へと突き出し、やめろとジェスチャーをする。

 アスナの行動の意味がわからず俺はただキョトンとする。

 俺何か変なことしたか?

 

「……今までそういう顔をした人から何度か"結婚“を申し込まれたわ」

「は?」

 

 アスナの突然の物言いに思わず声が漏れる。

 俺がアスナに結婚を申し込む?ナイナイ。

 俺は負け戦には挑まないんだよ。

 

 因みに結婚とはSAO内にある結婚システムの事だ。

 恋人になりましょーねー的なシステムだと思えばいい。

 

「フッ、安心しておけ。俺がお前に結婚を申し込む事なんて百パーセントないから」

「なんかそれはそれでムカつくわね」

「よく考えればそうだろ?俺とアスナじゃあ、不釣り合いだし、何よりそんな()()()な事を俺はしたくないからな」

  

 俺はどっちにしろ最後にはこの世界から居なくなるつもりだ。

 ラスボスに殺されるか、クリアで居なくなるか。

 

 それなのに俺が結婚なんかしたら、相手に失礼だし、何よりその心を踏み躙る事になってしまう。

 急に恋人が綺麗サッパリ居なくなってしまうのだから。

 

 故に俺は誰かとそういった関係になるつもりはない。

 そんな無責任な事はしたくないのだ。

 

 まあ、俺には相手が居ないので関係ない話だがな。

 結婚とは程遠い存在なので然程気にする事でもない。

 

 これが非モテの強み。

 

 え、何?言ってて悲しくないかって?

 悲しいに決まってるだろ?

 

「───そう」

「ま、だから俺が誰かに結婚を申し込む事なんてないかな。これでアスナも安心だな」

 

 俺はバシバシとアスナの肩を叩き、街の広場までついたのでそのままゆっくり転移門まで歩いて行く。

 一緒に歩くのはここまで。

 この場所でお別れだ。

 

 もうすぐだからね!愛しのマイホーム♡

 

「─── a(エー)君はさ。ギルドに入ったりしないの?」

 

 アスナが別れの挨拶の前に最後の問いを投げかけてくる。

 その顔は真剣で何かを考えているようにも見える。

 

 まさか俺に惚れたか?(幻想)

 

「入るつもりはないな」

「あのキリト君も入ってるのに?」

「アイツはソロみたいなもんだろ」

「それでもよ」

 

 まあ確かにこの最前線でソロをやっているのは馬鹿なのかもしれないが、俺はギルドに縛られずにミッションの為に自由になっておきたいというのが本音。

 そして何より人と関わり過ぎない為にもギルドに入りたくないというのも、俺の本音だ。

 

 多くの人と関わったらそれだけ別れが辛くなるだろ?

 それに俺の気持ちが、元の世界に帰りたいという気持ちから傾いてしまうかもしれない。

 俺の心は硝子なのだ。(血潮は鉄ではない)

 

 だからギルドに俺は入るつもりははない。

 今まで通り一人で好き勝手やっていた方が気楽なのだ。

 

「ソロだと想定外の事態に対処出来ない事があるわ。いつでも緊急脱出出来るわけじゃないのよ」

「それでも俺はソロでいいかな。俺は自由がいいのさ」

 

 何事にも縛られない自由な男!という感じだ。

 因みに自由の翼を掲げている訳ではないぞ?

 

「私は、貴方に────いえ、なんでもないわ」

「…………?」

 

 アスナの不自然な間に少し違和感を持つ。

 だがアスナはすぐに切り替え、なんて事ないかのように、いつものように話だした。

 俺はそれを見て先程のは些細なことだと思い、思考から切り捨てる。

 

「もう時間も遅いし、ここで解散ね。今日は楽しかったわ。私の我儘に付き合ってくれてありがとう」

「なんだかんだ言って今日は楽しかったから別にいいよ」

「それじゃあ、またね」

「おう、またな」

 

 

 

 

 

 

 

▼▼

 

 

 

 

 

 

 どうしてだろうか。

 最近はずっとその人の事を目で追っている。

 

───好きなのかはわからない。

 

 ただその人と一緒に居るのは、最初は慣れなかったけど今では妙に居心地が良くて、いい話相手にもなってくれる。

 不思議と気持ちが軽くなるような、そんな人だった。

 

 変態で気持ち悪くて偶にセクハラ紛いな事をしてくる人。

 

 だけど裏で彼がただ一生懸命に人助けを毎日のようにしている事を私は知っている。

 毎日のように寝る間を惜しんでまでレベル上げをしている事も私は知っている。

 PKの被害を減らす為、一人で危ない事をしているのも私は知っている。

 

 本人が言うには善意ではなく偽善でやっているだけと言っていた。

 

 だけど彼は気付いていないようだが、彼は人を助けられたら毎回嬉しそうな表情を浮かべていた。逆も然りで彼は人を救えなかった時は毎回悔しそうな表情を浮かべていた。彼が救えなかった人に向けて謝罪をしている所を見たこともある。

 

 名前を忘れないように何度も黒鉄宮に赴き《生命の碑》を見ていたのだ。

 彼はその人たちに向けて何度か溢れるように謝罪をしていた。

 

 彼が悪いわけではないのに。彼のせいではないのに。

 

 私にはどうしてもそれが偽善には見えなかった。

 

 

 彼が何かに追われるように闘っている事も私は知っている。

 

 でも何に追われているのか、私は知らない。

 

 知りたいとは思ってはいる。

 助けになりたいとも思っている。

 

 だけど彼に聞いても躱されて決して教えてくれない。

 

 

 最近の彼は偶に一人でいる時、淡くて儚いような、そんな表情を浮かべている事が多い。

 

 放っておけば気付いたら居なくなってしまうような、私たちの前から居なくなってしまうような、そんな気持ちにさせる顔を浮かべている。

 

 だからそれが嫌で私はよく積極的に彼と関わっている。

 目の前から急に居なくなってしまわないように。

 

 だけどいざ近づこうとすると、彼はのらりくらりと躱して私たちから距離を取る。

 

 それがどうしてか私の胸辺りをキュッとして痛くさせる。

 

 

 彼は基本、一人で居ようとする。

 

 偶に人と関わったりもしているが、それはごく偶にだ。

 いや、ごく偶になってしまっていた。

 

 彼は敢えて一人で居る事が多くなっている。

 

 それはまるで自分が居なくなってしまうから距離を取り始めている、そんな勝手な妄想をしてしまうような行動だった。

 

 今日だってそうだ。

 

 彼は言った。

 自身が結婚をすることは無責任な事であると。

 

 それはまるで、この先に彼が居なくなってしまうかのような、そんな勝手な妄想に繋がるような言動だった。

 

 

 嫌だった。

 彼が居なくなってしまうのは。

 

 胸の奥辺りが凄くキュッとしてモヤモヤとする。

 

 

 彼は自分の事をあまり語りたがらない。

 彼は周りの人の事はよく知っているのに、私は彼の事を全くと言っていいほど知らない。

 

 団長から教えてもらったが彼は私を守る為に裏でクラディールという人を捕まえてくれたりもしていたらしい。

 

 彼は気恥ずかしいから言わないでくれと団長に言っており、私はそれを知らないで普段を過ごしていた。

 

 多分私が知らないだけで何度も私は彼に助けられているのだろう。

 

 また胸の奥がモヤモヤとして痛くなる。

 胸が重く、熱くなる。

 

 

 私は彼に何かをしてあげられただろうか?

 

 私は守られてばかりだ。

 

 なら彼を守るのは誰なのか?

 

 また胸がチクチクとして熱くなるのを感じる。

 

 

 苦しい。なんでこんなに苦しんだろうか。

 

 夜になると最近こんな事ばかり考えてしまう。

 

 わからない。わからない。

 

 彼と会う度に、彼と会って時間が経っていく度に、これは大きく肥大化していく。

 

 この気持ちが好意なのか。

 

 わからない。

 

 ただ彼を考えていると最近は苦しくなる。

 

 だけど彼が居なくなるのを考えると更に苦しくなる。

 

 私は、私はどうしたらいいんだろうか。

 

 その答えを私はまだ見つけることが出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜おまけ〜〜

 

 

 ヒースクリフと飯!

 

 

「───なんだこのラーメン。クソまずいんだが」

「それはごもっともだが、何せ私の立場が立場なのでね。隠れて会うとしたらこの店が適任なのだよ」

 

 男二人が怪しいラーメン屋に肩並べ、食を共にする。

 

 片や血盟騎士団団長ことヒースクリフ。

 またの名をカヤバーン。

 

 片やこのSAOに巻き込まれた可哀想なプレイヤー。

 俺ことa(エー)

 

 俺はヒースクリフの誘いで飯を共にしていた。

 

「それで考えてくれたかな我が血盟騎士団に入ることを」

「何度も言ってるがそのつもりはない」

「ウチにはアスナくんが居るぞ」

「だから何でそこで毎回アスナが出るんだよ」

 

 偽ラーメンを啜りながらヒースクリフの誘いを俺は断る。

 これで計5回目だ。

 ギルドの勧誘をコイツから受けるのは。

 

「ふむ。私の聞いた話によれば、アスナくんと仲が良いと聞いていたのだが眉唾物だったようだな」

「アスナとは程良く仲が良いだけだからな」

「アスナくんに護衛を付けるとしたら君が適任だと思ったんだがね」

「そんなもん廃止しちまえ」

 

 だから俺が未然に阻止したとはいえ、クラディールに付け込まれるんだよ。

 そんなポンポン重要な役を人に押し付けるな。

 

「しっかしこれラーメンちゃうやろ。味が変だ」

「まあ確かにこれはラーメンではないな」

 

 偽ラーメンを啜りながら改めて思う。

 味は美味くはないが食べられなくもない不味い何か。

 

 すまんがなんて表現したらいいのかわからん。

 

「ああー現実世界のラーメンが恋しー」

「ほう?なら私が良い店を紹介しようか?」

「ハハハハ、ワロス」

「私も元の世界のラーメンが恋しい物だよ」

 

 あっ、おい待てぃ(江戸っ子)

 

 おい、ヒースクリフゥー。

 テメェはちょくちょく現実に帰還して恋人の手料理食ってるだろぉ!!

 何堂々と嘘ついてんねん!

 

「そうだ、君に聞きたいことがあったんだ」

「あ?この偽ラーメンの分ぐらいなら答えてやるよ」

「フッ、それでいい」

 

 ヒースクリフが薄く笑いながら天を見つめている。

 ナルシストが。

 恋人の料理を喉に詰まらせて死ねばいいのに。

 

「───君はこの世界をどう見る?」

 

 心の中でヒースクリフをディスっていると、突然に哲学的な問いを投げかけられる。

 

「当然、それは仮想の世界だろっていう陳腐な回答は望んでないんだろ?」

「ああ、そうだ」

「そうすると、俺の回答は幻想だと思っていた世界かな」

 

 俺からしたらアニメだと思っていたSAOの世界に急に連れてこられた訳だからな。

 幻想だと思っていたらガチのリアルな世界だったわけだ。

 

「ほう、それは君にとってこの世界は幻想ではなかったという事かな?」

「偽ラーメンの分ぐらいしか答えないって言っただろ?もう答えねーよーだ」

「それは残念だ」

 

 ヒースクリフに変に勘ぐられそうになったので、俺は即座に話を切り捨てる。

 お前には余計なことは言わねーよーだ。

 

 もう互いの偽ラーメンもほぼ完食。

 そろそろお開きだ。

 

「んじゃ、俺は先に食い終わったんで帰るわ。金はお前が払えよ」

「なら最後にもう一つ聞いてくれ。これには別に答えなくてもいい」  

 

 席を立ち、店を出ようとする所をヒースクリフに待ったをかけられる。

 あくしろよ。

 

「───君はこの世界、クリア出来ると思うかい?」 

「さあ?人の思いはシステムすら超えるからな。どうなるかはそれ次第だろ」

「そうか………そうか」

 

 ヒースクリフが何やら納得したかのように頷いている。

 俺はやらかしたかもしれん。

 コイツに気付きを与えてしまった。

 

「んじゃ、俺は今度こそ帰るぞ」

「中々に有意義な時間だったよ。また今度食を共にしよう」

「ここのラーメン以外ならいいぞ」

 

 俺はコイツの誘いにはもう乗らないと心に決め、宿部屋に帰るのだった。

 





リアルで色々とあり、投稿が遅れてしまいました。
意欲を無理矢理引っ張り出して俺はやったぞ!

それはそうとして、私は気付いたらゆっくり脳を焼かれているようなヒロインが好きです。

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