Tail of Twin 作:グラコ口
ただし1章と2章の間に無理矢理ねじ込んでますので、細かい日付は矛盾してるかもしれません。
更にただでさえ無秩序なのがプロット無しで悪化してるので、ご承知いただきたく…。
「―――――リィリアって、普段何してるんだ?」
それは、ふとした疑問だった。
リィリアはめちゃくちゃ義務教育でも受けてそうな見た目をしているが、
これまではなんとなくなぁなぁでやってきたが、ドラグギルディ戦も終わり、即座に現れた補給部隊の隊長だとかいうタイガギルディもブルーが容赦なく撃滅した。そろそろ聞いてもいい頃合いではないだろうか。……決して、これまではツインテールで手一杯で忘れていたとかそういうわけではない。
「……今更ですか。葵さんのことですから、ツインテールで手一杯だったのですよね」
と、リィリアはまだ塗装がされていない腕輪とテイルリングにケーブルを繋ぎ、パソコンを弄りながらこちらを見向きもせずに当ててみせた。心でも読めるのだろうか、この見た目幼女は。
「というかリィリアって何歳なんだ?」
「それ、女の子に聞きますか?」
「いや、リィリアのこと何も知らないことに今更ながら気づいたから知りたいと思って」
今度は振り向いた。
いっそ清々しいくらいのジト目で、もし今その髪型がツインテールだったら俺も新しい何かに目覚めてしまっていたかもしれない。……が、テイルリングが故障中な上に二人して属性力が枯渇するというどうしようもない状態だからツインテールにはしないとかなんとか昨日の時点で言われている。なんか釈然としなかったが、したくないなら仕方がない。
そんなことを考えながらなかなか返事をしないリィリアの顔をガン見して待っていると、リィリアは何故か頬を少し赤くして視線を逸しつつ言った。
「………15歳、です。………この夏で(ぼそっ)」
「まだ夏じゃないだろ? ん、でもそれだと……中学三年か。義務教育じゃん」
思ったより歳は近かったというか一つ下か。学校に行ったほうがいいんじゃないだろうか。 そう思ってリィリアの足元から頭上までを見下ろしてみる。……うん、小さい。会長といい勝負ができるだろう。
「……………神宮寺さん、親しき仲にも礼儀あり、という言葉はご存知です?」
「とりあえず親しいと思ってくれてはいるんだな、普通に嬉しい」
なにせ、俺をツインテール馬鹿だと知っている親しい相手なんてものはほぼいなかった。わざわざ言うことでもないと思ったし……ツインテールばかり目で追う俺のことをロリコンだと思っていたヤツはいたが。
「まあでも、別に俺も身長は低い方だから気にしなくてもいいと思うけど」
「……葵さんは160センチ以上あるからいいじゃないですか」
リィリアもとりあえず怒りは収めてくれたようだが、今度は憂鬱そうに俺を見上げつつ言った。ひょっとしなくても地雷だったのかもしれない。とはいえ、背が高いリィリアというのもなかなか想像できないが。
「リィリアもそれはそれで可愛いからいいんじゃないか?」
「………っ、ツ、ツインテールが、ですよね?」
「そりゃそうだけど。でもリィリアはツインテールが凄い似合うし。つまり可愛いんじゃないだろうか」
「―――――…全く新しい可愛いの価値観なのです…っ!?」
なんか散々な言われような気がするが、俺としてはツインテールが似合うってのは最大級の賛辞なんだが。と、そこでリィリアが咳払いしつつ言った。
「こほん。とにかく話を戻しますが、わたしは向こうの世界で留学して飛び級したので義務教育のようなものは終えています。……更に言えば家庭教師もいたので、大学卒業レベルの学力はあると自負しているのです」
もちろん、テイルギア関連の技術はそれ以上ですが。と、リィリア渾身のドヤ顔である。ドヤ顔されても腹が立たないというのは、やっぱり可愛いということなのだろうか。正直これまでの人生でツインテールしか見てなかったのでよくわからないが。
それでもまぁ、小さい子が背伸びをしているみたいでちょっと和む。
「……な、なぜか微笑ましそうな顔をされました…ッ!?」
「いや、まぁ。でもせっかくだし、なんとか学校に通えたりしないのか? 異世界の超技術で戸籍とか偽装するとか」
さっきの言い方だと高校は通ったことないみたいだし。
やっぱり学校生活には勉強以外にも得るものがあると思うんだ。総二みたいな常識人な友人とか、津辺さんや会長みたいな凄いツインテールとか……。
後は……。と考えたところで「ホワイトたんはぁはぁ」とか血迷っていたクラスメイト顔が脳裏に浮かび、俺はそれ以上考えるのをやめた。
「………それは、まぁ。トゥアールさんならどうとでもできそうですけど」
「そうだ。それで最初に戻るけど、結局普段何してるんだ?」
忙しいなら仕方ないが、せっかくなら一緒に学校に行ってみたいような気もするし。
「……えっと、テイルリングからテイルブレスへの機能移転の準備もありますし、後は……その、本を読んだり…?」
「え、この家ってツインテール関連の本しかないぞ?」
彼を知り己を知れば、百戦危うからず。
昔の偉い戦略家?さんもそう言っているので、ツインテールが好きならばまずツインテールを知ることが重要。よってこの家にはツインテール関連の本しか無い。ツインテールのキャラが出るラノベとかも含み、それ以外は知り合いの本屋の店主と意気投合して貰ったものが大半だったりするが。
「―――――即座に言い切ったのです…っ!? というか私もツインテール属性があったくらいにはツインテールが好きなのですけど…?」
なるほどつまり、ツインテールの本を読んてくれているのか。それは嬉しい。
ここには俺の趣味が反映されたツインテールが多いから若干気恥ずかしいが。と言うと凄い微妙な顔をされた。
「……ぜ、ぜったいに気恥ずかしいポイントがおかしいと思います…っ」
「そりゃあ可愛い女の子? と同居してる方が問題だろうけど、一月前はアルティメギルだなんだで色々あったからなぁ……今じゃあもう慣れちゃったし」
「なんだか今疑問形でしたよねっ!? でしたよねっ!?」
「そういえば……ホワイトに変身してもツインテールが後ろの方だから触りにくい上に、背が低いから洗面台の鏡が――――そうだ。リィリア用に踏み台買いに行かないと」
ホワイトに変身してわかったが、この家で背が低いというのはなかなかに不便だ。
リィリアも歯磨きする時とか、ツインテールを整える時とか大変なんじゃなかろうか。
「ぅぅ~~…っ、なんだか凄い釈然としないというか凄い重大な単語が入っていたような気がしますけど、確かにあった方が便利です……」
「よし、んじゃあ出かけるか。リィリアも
「……なんだか今、ツインテールのニュアンスを感じたのですが。主に熱のこもり方が違うという意味で」
そりゃあそこだけ熱を入れて言ったからな。
「だからやらないって言ってるのですが」と間違えて渋柿でも食べたような顔をするリィリアに、俺は苦笑とともに軽く頭を下げた。
「いや、すまん。ちょっと事情があるんだよ。無理ならいいんだけど……ほら、じゃああれだ。こないだ俺から勝手に属性力を絞りとった分ってことで」
「……それは、はい。いいですけど……」
そんなこんなで、買い物に行くことが決まった。
――――――――――――――――――――――――――
「……もう。葵さんがツインテールを好きなのは知ってますけど……」
洗面所の鏡の前で背伸びをしつつ、白衣のポケットから髪留めのゴムを出そうとし―――間違えてバレッタを出してしまった。
「………」
かつて、トゥアールさんとのお揃いで貰った
さすがにこれを付けるほど図太くなれる気はしなくて、なんてことはない安物のリボンで手早く髪を結び、ツインテールを創る。
「それにしても、どうして急に……」
いくら世界トップクラスのツインテール馬鹿とはいえ、案外普段は常識人なことも多い葵さんである。わざわざ“貸し”の話を掘り返してまでツインテールを要求してくるのは少し意外だった。もしかして、何か理由でもあるのだろうか?
「……ただ、お買い物に行くだけですよね?」
と、そこでふと目を向けたバレッタから、なぜかトゥアールさんが語りかけてくるような気がした―――…。
『――――いいですか、リィリア! 貴女はそんなに可愛らしいんですから、「一緒に買い物に行かないか?」とか言われて付いて行ったりしちゃいけませんよ!? 買い物とはすなわちデートです! そんなに無防備だとそのままペロッと美味しくいただかれちゃいます! そう、ペロッっと! うぇへへへ』
……そういえば、何故かトゥアールさんからお買い物に誘われて頷いたら怒られましたんなんてこともありましたね…。……デート?
「……でーと?」
い、いえいえ。葵さんとのお買い物なら前にも一回行ってますし…? 寝間着を買った時に! あ、でもあの時はツインテールじゃなかったし……?
もしデートだとすれば、わざわざツインテールにしてほしいと言われたのも納得できてしまう。……一度、ツインテールとデートしてみたかったとかそういう理由で。
「……はぁ」
ため息と共に思い出すのは、つい先日のあの戦い。
かつてトゥアールさんに守ってもらったものも、好きだったものも、全部捨てるつもりだったあの戦い。だけど結局、わたしはまだここにいる。
トゥアールさんには怒られてしまったけど、それと同じくらいわたしがツインテールにできることを喜んでくれた。
だから、守ってもらったのだろう。あの人に。
わたしが大切に思っていたモノを、ぜんぶ。けど――――…。
『―――――好きだ……お前のツインテールが!』
「……ツインテール……かぁ」
なんだか胸がもやもやする。
ツインテールしか見てくれない――――…どうしてかそんな言葉が頭をよぎり、すぐにでもそれを解いてしまいたいような、そんな気がして。
それなのに、気がつけばいつも以上に入念にツインテールを準備している自分がいた。
(―――――…わたし、どうしちゃったのでしょう)
ぼんやり鏡を見つめても、ツインテールは返事をしない。
ただ、落ち込んでいるはずの心とは裏腹に、どうしてか足取りは少しだけ軽かった。
―――――――――――――――――――
「――――なぁ、やっぱり具合でも悪いのか?」
「……いえ、へーきです」
リィリアの様子がヘンだ。
家を出てからどこか上の空というか、ぼんやりしているというか。もう危なっかしすぎて手を引いて歩かないといけないレベルで(手を引いたら余計にぼんやりし始めたが)、本格的に心配になってきた。
……なにせ、放っておいたらツインテールを塀に擦ってしまいそうになるほどである。それは困る。ツインテールの戦士として、なんとしても見過ごすわけにはいかない。
しかしなんというか、ドラグギルディ戦でも若干思ったが意外と頑固なところもあるようなので帰ろうと言って素直に帰るとも思えない。
(ツインテールはいつもより調子良さそうなんだけどなぁ……)
やっぱりツインテールだけで人の機微を完全に知るのは俺にはまだできないらしい。
仕方ない、どこか適当な場所で休憩でも入れるか……と、思ったところでちょうど良さそうな喫茶店が。……『アドレシェンツァ』? なんか妙に洒落た名前だが、住宅街にある以上そんなにお高い店でもないだろう。
「よし、ちょっと喉が渇いたから休憩がてら喫茶店でも行こうぜ」
「……!? そ、そうですね! わ、わたしは全然おっけーなのですよ…?」
……なんか口調が乱れてるが、本当に大丈夫なのか? いや、こっちが素か。
気にはなりつつも、そのままリィリアの手を引いて店に入り――――。
――――あれ、なんか店に入った瞬間妙な空気が。
というかカウンターの前で女性マスターにくたびれたサラリーマン風の男の人が詰め寄っていた。
「すまないマスター……水と……新聞を……今日の新聞を見せてくれないか!」
「どうぞ……」
マスターが神妙な顔で差し出した新聞を、震える手で受け取る男性。
「……四月……二十四日……。よかった……
え、何事。どこから帰ってきたの?
というかむしろ現実に帰還ってこれてないんじゃね?
これは大人しく店から出るべきか。
そう思ってリィリアに声を掛けようとし――――そのリィリアがいなくなってる事に気づいた。
「――――…
――――なんか混じってる!?
そう言ってリィリアはそっと諭吉をカウンターに置いた。……諭吉!?
と、リィリアの顔を見た男性がその顔を驚きに染め、ぽつりと呟く。
「あ、貴女は……まさか、あの時の!?」
「……たぶん、人違いですよ?」
そう言って穏やかに微笑むリィリア。
その間にマスターは三人分のコーヒーを用意し、俺の方に微笑んでからそれをカウンターに並べる。
………一体、何がどうなってるんだ。
とりあえず飲んでもいいみたいなので、コーヒーを一口飲んで(普通に美味しかった)リィリアに小声で話しかけ。
「(……どういうことなんだ? 知り合いなのか?)」
「(いえ、恐らく何らかの原因で他の世界か別の時間に飛ばされてしまった方かと…。理論上は時間跳躍は起こせないはずなのですが、属性力の場合は絶対は有り得ないですし……最近、この世界にアルティメギルや私たちが来たのが原因かもしれません)」
―――――…この子信じちゃってるよ!? しかもその上で話についてきてる!?
そういえばハチャメチャ科学の申し子だったなぁ! ワープとか変身とか!
「(……つまり、知り合いじゃないのか)」
「(きっと、跳躍の衝撃で記憶が混乱してしまってるんです……とりあえず記憶を取り戻せるようにわたしたちも協力しましょう? マスターさんはお知り合いみたいですし)」
意味ありげな微笑みは、ただの同情と優しさの笑みだったらしい。
だがあえて言おう、あのマスターも別に知り合いじゃないんじゃないかなぁ…っ!
と、今度は凄まじく特盛りなカレーが三人前カウンターに並んだ。……ちょっと待て、たしかに元気は出そうかもしれないが、多すぎるだろ!?
「……ふふっ、久しぶりね。このカレーを3つも出すのは……」
そりゃぁこんな特盛りカレーならそうそう出さないだろうなぁ!
え、というかなに。リィリアは協力するって言ったけど、俺もコレに参加すんの…?
「……ああ、本当に……本当に久しぶりだ……いや、昨日ぶりだったんだっけな…っ!」
「………2日連続コレは、辛いだろ」
思わず素で呟いてしまった!?
が、セーフだったらしく男はニヒルな笑みと共に、俺にだけ聞こえるように呟いた。
「………全くだぜ。坊主、いい彼女を持ったな、お前は。……見失うなよ。」
何を!? 人生の道とかそういうものか…っ!?
あと、リィリアは彼女とかそういう関係じゃあない。
「………彼女というか、相棒なんですが……」
「――――…っ、そうか。そうだったか……この世界のこと、頼むぜ……」
……一瞬ドキッとしたが、違うよな? この人たち、ふざけてるだけだよな!?
けど、実際に世界のツインテールのためにレッドやリィリアたちと共に戦っている以上、適当な返事はできない―――…。
「――――俺にも、守りたい
「……ふっ、そうか。マスター、後はコレで頼む…―――俺は、行くよ。俺が俺で在るために」
と、男性はカウンターに諭吉(なんで諭吉が乱舞してるんだこの店)を置き、マスターはどこからともなく取り出したグラスを磨きながら粛々と語りだした。
「……ええ。だけど、もしまた時間に迷ったなら……いつでもここに来てちょうだい。昔も、今も、未来も……この店の
と、それに合わせてリィリアも厳粛な雰囲気で呟く。
「どうか、貴方の
で、俺に視線を向けてきた。
……俺も、何か言わないといけないのか!? 心なしかそのツインテールが催促してきているような気すらする。
しかもマスターは無言でグラスを磨き続け、男性も諭吉をカウンターに置いた姿勢のままスタンバっている。……どうしろと?
たっぷり数秒間の沈黙の後、俺はホワイトに変身してる時をイメージして心を殺すことにした。
「………また、
「ああ――――…また、逢おう」
男性はコートを颯爽と翻し、開いた店の扉から光の中に溶けるように消えていった――――なんかこう、俺の中の大切なものと一緒に。
と、そこで何故か店の中に見知った顔がいることに気づいてしまった。
「……よ、よう、葵……」
「………よう、総二。ぐ、偶然だな……」
アイエェェエエ!? クラスメイトぉぉぉっ!? クラスメイトナンデ!?
なんでいるの!? という恐らく顔に出まくっていていたのだろう俺の疑問には、総二が実に言いにくそうに答えてくれた。
「……その、な。実はこの店……俺の家なんだ」
で、これが俺の母さん……と遠い目でマスターを紹介する総二。でもってノリノリのマスター。
「あら、総ちゃんのクラスメイト!? ……ふふっ、いい
「……なんというか、えーと、楽しい店だな?」
「………なんか、すまん」
総二が常識人なのは、この反動なのかもしれない。
そんなことを思った俺だった。
――――――――――――――――――――――――――
その後わたしたちは、踏み台を買ったり消耗品を補充したりして、最終的に葵さんの案内で本屋さんに来ていました。……暇な時は本を読むって言ったの、聞いてくれていたのですね。
「……と、いうわけで読みたい本を買うといいと思うぞ」
「あ、ありがとうございます!」
我ながら、どうしても方向音痴だけは治らないですからね…。
1人で外に出る気にはどうしてもなれません。……転送装置を使う手はなくもないですが、あんまり使いたくない手ですし。
本屋の中を覗いてみると、さすがに属性力にあふれた世界なだけあって色々な漫画や小説があって、思わず目移りしてします。
「そういや、お金はあるのか?」
無いなら出すけど、と言う葵さんに、わたしは自信の篭った笑みを返します。
「――――こんな事もあろうかと、株で稼ぎました…!」
「なにしてんの!? ど、どうりでブルジョワジィなわけだよ……」
勝ちました(確信)。
地面に膝をつく勢いで落ち込む葵さんがなんだかとてもおかしくて、気分よく色々な本を見て――――いたら、いつの間にか葵さんが店主のお爺さんと仲良く話していて。
「……流石じゃ、葵坊…。素晴らしいツインテールの女子じゃ……ありがとうな、わしゃあ嬉しいぞ」
「いや、爺ちゃん。俺もいつも爺ちゃんには世話になってるからな」
(……そういえば、ツインテールの本を知り合いの本屋さんに貰ったって言ってましたね…)
同好の士。ツインテール馬鹿仲間。
つまり結局、意気投合した店主さんにツインテールを見せたくてわたしにツインテールにするように頼んだということだったのだろう。特に深い意味はなく。
(……はぁ)
なんとなく、寂しい。
やっぱり、デートじゃなかったんだなぁ。と思うと、言いようがなく悲しくなった。それはまぁ、どうでもいい扱いをされた女の子としては当然の反応でしょう。
けどそれと同時に、やっぱり葵さんはどうしようもないツインテール馬鹿で、だからああしてツインテールのために優しくなれて、強くなれて、戦えるのかな。とも思って。
だから、わたしは――――…。
「――――お爺さん、最近噂になっているテイルホワイトもツインテールですよね!」
「ちょっ、リィリア?!」
「ああ、そうじゃのぅ……できれば一目会ってみたいもんじゃが……」
「もしお店にきてくれたりしたら、すごく嬉しいですよね?」
「ほっほっほ、まぁ、有り得ないじゃろうがなぁ……恥ずかしがり屋さんみたいじゃしの」
だから、わたしはそっと、葵さんの背中を押してあげるのだ。
―――――出番ですよ、テイルホワイト――――と。
その日、とある街角の本屋さんにテイルホワイトが出没したとネットで話題になり、写真や動画が流出した。お爺さんにサインをねだられて恥ずかしそうに応じたテイルホワイトのサインはプレミア品として多くのマニアが求めたそうだが――――遂にそのお爺さんが手放すことはなかったという。
そしてテイルホワイトこと神宮寺 葵は後にこう語った。
「……リィリアは、怒らせちゃいけない。笑顔が怖い……」
あれは、テイルブルーとは別の意味でヤバい。
そうコメントした同氏にその後何が起こったのか、あるいは何も起こらなかったのか……知る者はいない。
2巻書けるか試さなきゃ……でもアニメ見なきゃ…。
ちなみにリクエストを頂いても筆者の妄想力・執筆力を超えた場合は書けないことが想定されます…。
なお、完結設定は2巻投稿の目処が立った場合に解除させて頂きます。
現状まだなんとも……。