一般通過転生覚醒魔装師の魔法使い〜厄ネタの塊疑惑〜 作:苦悩
というわけで、こんなじょうたいでやるのははじめてなので、じっしつはつとうこうです。
「……は、ふう……。さて」
具体的なプランは……まあ、何とかなるの精神で行こう。
魔装の覚醒、魔法の覚醒。このふたつを主軸に立ち回るのはまあいいとして、具体的な案は……立て辛い事柄だから止む無し。
「見たいものは見れたし、次は……私の努力次第か」
これから先、始まるのは……大陸の勢力図が1色に染まるまでの、戦国の時代。グリニアが勝つのはほぼ確実だけど、私という存在が乱数に成りうる。
なら、極力密やかに動かないと。動くのは最低限、目の前で死にそうな子供がいても無視する。てか、無視しないといけない。
それが巡り巡って、どんな災厄になって私に襲いかかるかも分からないし。
「……あ、時間魔術、作れるかな……不安だ。最悪、最悪の最悪の場合は……」
一応理論はわかってるし、どうしても無理って時になったら使う手として覚えとこう。
流石にレイの名前を出して黒猫のマスターに接すれば、会えるよね……?
……兎も角、まずは魔装の覚醒を目指して頑張ろうじゃないですか。極力、人と関わらないように生きながら。
大丈夫、場所なら宛があるし、精神力と前に進む意思があれば覚醒は出来る。剣術だけで魔力しか持たないヒトが覚醒したって事例もあるし。……特殊体質の特殊事例だけど。
それに最悪、魔装を利用した強制覚醒って手段もできるし。……やったらなんか第3の目とか開いてそうな気配があるけど。
ま、何とかやっていこう。
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(あ、死ぬ)
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「っぷはぁ、はぁ、はぁ……くっそふざけんなよこの
はい。えー、何が起こったかですね?
単刀直入に言うと、えー、調子乗りました。
そう、好奇心に負けた感じです。
魔装の性質上、そして保有する知識の関係上、案外簡単に時間魔術の構築はできました。本日はそれを応用した空間魔術の試験をしてた感じですね。
で、空間魔術といえば転移。
この世界の転移は座標さえ計算出来れば理論上どこにでも行ける魔術でして、それで試しにやってみた訳ですよ。
この世界から弾かれた、所謂固有時間で構築された空間(的な概念)を利用する関係上、見掛けの効果に反して魔力消費はそこまででもありませんからね。
あ、これも簡単に説明しちゃいますね?少なくともこれで発動できてんだからこれでいいはずだし。
まず、時間魔術の真髄は魔力の振動数の操作です。
この世界が魔力の振動によって構築されている関係上、その振動を極端に遅くすれば時間は遅くなるのが道理です。
時間魔術は魔術陣でそれを意図的に起こす魔術、詰まりだいたい魔力操作で賄える範囲なんですよね。やってることは本当に魔力をあーでもないこーでもないやってるだけなんで。
あ、でも、流石に振動周期を変えることは出来ませんよ?それは完全に魔法魔力の領域なんで。……それが出来ちゃう位相魔法の使い手、ってモンがいるんだよなー、なんて思わず月を見ちゃったのはいい思い出。
で、その振動を極限まで遅くした時、世界はエネルギー節約のためにその時間を廃棄します。
要は辻褄合わせですね。その廃棄される時間軸、それを魔術的に維持し続ける、ってのが第一段階です。
ぶっちゃけこれがいちばん大変なので、かなり苦労した部分ですねぇ。だって失敗したら死ぬし。
ま、難しく考えなくてもいいんです。要は魔力という維持コストを払って廃棄されるものを維持してるってだけですからね。それで死にかけてたら苦労しないですが。
で、その廃棄された空間、これが大事なんですよ。
これ、厳密にはもうこの世界に属していないので、ちょちょちょっと魔術で整えてやればあら不思議、こちらの世界では不可能だった光速越えがいとも簡単にできちゃうんですよ。だって、時間が停止してる状況で少しでも動けばそれってもう光速以上な訳ですからね。
そんで、その殆ど停止した時間軸の中で移動魔術などを構築、発動すれば、一瞬で移動するって寸法ですね。
要はグリッチです。多分、便利だから修正されてないだけの不具合です。
座標をそこに指定すればインベントリー的にも使えるので、凄く助かってます。
で、なんの運命が働いたか、それを使って適当な座標に飛んだと思ったら、なんか目の前が死屍累々としてたわけなんですわ。
あっれー、おっかしいぞーって、冷や汗かきながらそーっと見回したっけぇ……。
居たんですわ。
『冥王』と、血を流してるアイリスと、イケメン聖騎士さんの御三方が。
今正にイケメン聖騎士さんが真っ黒い魔力に殺されて、出るにはかなり不味いタイミングってのはまあ丸わかりですよね。あれ、多分『封印』の聖騎士さんですから。
幸い、『冥王』も疲労困憊の状態だったので即
だって、考えても見てくださいよ?
後先を考えないで覚醒魔装師を殺したと思った瞬間に、恐らく転移と思わしき能力で出現した人物ですよ?
まあ、私だったら怪しくて即殺しに行きますよねHAHAHA。
なのであの瞬間死んだと思いました、まる
こうして生きてるのが何よりの幸運って感じですかね。
あの時焦って魔術陣を構築するんじゃなく、限りなく魔力を隠蔽して視界から外れるように逃げたのが上手くいった感じです。
『冥王』の方も警戒してくれて深追いして来なかったのがまた幸運。そこから離れたらすぐ転移して戻ってきました。
いやー、本当に死ぬかと思ったわ、やばいやばい。
そんで、したくもなかった『冥王』との初顔合わせを済ませちゃったのが本当にまずいです。
当初のプランで行くと、数百年単位で顔を合わせる予定なんてなかったんですよ。初顔合わせの時だって、一般市民に紛れる予定してましたし。
だってのに、今回の件で多分間違いなく顔は覚えられてしまいましたとさ。
……いや、ダメじゃん、どうしてくれんのさ……。
自分でもできないことは無いけど、それはそれとして絶対に出来るであろうタイミングでより効率化された術式を観察したかったんだけどなぁ……。
やると目立つし、予言されるし……。
え、何の話かって?
賢者の石って奴ですよ。あらゆる魔術を願っただけで発動させられる便利な石ですね。材料は人の魂です。
これ作るのに、質で言えば『王』レベルの魂が2つ必要なんですよ。分かります?個で世界に法則を刻むような強度の魂が2つですよ?脆弱な人の魂なんて、それこそ万単位で持ってこないと作れません。
何とも高上がりな物質です。
それを作る術式を間近で見る絶好のタイミングの為に、態々頑張ってきたのに……いや、リスクを覚悟で自分で作ればいいんですけどね?幸い、指名手配とかされてないのでやっても『冥王』に罪を擦り付けられるでしょう。犯行後の死体的に。
なお『冥王』からの恨みは買うものとする。
ま、なんやかんや言って、収穫はあったからプラマイプラスですね。
なんと言っても、魔法の根源、魔法魔力を近くで感じられたのがデカイ。
根源の波長が違うからこそ、こちらの世界に対して絶対の概念を押し付けてくる魔法。
それに対抗するために、あとは私の個人的な目標のために、いずれ至る必要がある境地。
前に見た時はただの基礎的な魔法だったけど、今回は魔法魔力。
かなり本質的な部分だからこそ、学ぶべき点はある。
意図せぬ接触ではありますが、勉強料として目を瞑っときますか。
これが後々響かなければいいんですけどね……。