ヒストリア、結婚してください   作:すしぴょ

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5話

ぴょ〜んぴょっん……ゆらっゆら〜……

 

金髪ツインテールがぴょんぴょんしてますぞ、ゆらゆらが止まりませぬ。

 

猫が猫じゃらしを追う、赤ちゃんがベッドメリーを追う、つまり自分がリアのツインテールを目で追うのは断じて不思議じゃない!

勘違いしないでよね、本能なんだからねっ//…求めてないとか言わないでください。

赤ちゃん猫になったんだろうな。

 

あぁ…逮捕されてぇ。あのツインテールに手錠される方法ねぇかな。

もう一度、お尻触ったら逮捕!してくれますか?そのツインテジョウで。

もちろん罰金(プレイ料金)は払います、払わせてください。プリズン送りでもツインテジョウを外さないコースありますか?

 

髪が気に入ったのかリアはずっと繋いでない方の手で愛おしそうに撫でている。

明日もこの髪型に結ってとお願いされた…

いいけどさぁ、同期に見られない?…いや、見せてあげたいこのツインテーンシ。

 

「リアはどんな髪型でも似合いそう…ショートカットとかもかわいいかもねぇ…可愛すぎて食べちゃいたい!」

 

変態おじさんすぎる、そろそろ自重しないと吊られる。

 

「んっ…バカバカバカ!!!…サクになら……うぅ…綺麗な青黒髪だからサクもどんなのでも似合います、けど私は長いのが好きです!私も食べたい!反撃以上!」

 

…はい?

 

食べたいの意味が違うような気がするがokです。

 

最近殴る時の効果音がポコポコからボコボコに変わってるような気がします、あと一年は現役サンドバックでいられますか?

 

それにしても長髪似合ってるのかなぁ?

長い髪はあまり好きではない。毛先を揃えるくらいしか時間がないので放置していたのだが…もう切りません。

 

「私と同じ結い方しかできなくてごめんねっ?」

 

「これ以外は嫌だ!リアが結ってくれた〜から〜♪」

 

おね〜ちゃ〜ん⤴︎のアクセサリー店でクローバーのついた髪留めをリアからプレゼントされその場で結ってもらった。

この髪型で固定しちゃいますね?クローバーのクロちゃんは肌身離しません。

 

「っ…サクと私はいつも一緒〜♪同じ髪型〜♪」

 

……攫いたい。

 

あの、カウンターやめてもらっていいですか?破壊力強いんで。

 

そろそろ日も落ち始め、帰らないといけない時間帯。

時を戻そう!

 

リアは楽しかったのかなと思い横を見ると、前を歩く親子3人を微笑ましそうに見ていた。

 

「いつか、なれたらいいね…なんてねぇ〜⤴︎」

 

返事が怖くて上擦ってモーター。

 

「うん!サクと一緒に歩くの!」

 

……攫います、おばちゃん罪を犯してしまい…

 

「サクちゃんにクリスタちゃん?」

 

はい。サクちゃんと、デート中のクリスタちゃんです…ってあなたは!

 

———

 

声をかけてくれたのは貴族マダム。

有名な貴婦人姉妹の二人を足してニで割った感じ…ん?元に戻ってね?

 

開拓地時代、このお方の土地を自分とリアは開墾していた、鍬持って地固めてましたよ毎日毎日。

開拓地時代は組の頭張ってましたわ!

自分から志願して開拓地に来たと噂が広がり、少女の横で嬉しそうに鍬を振っていたので奇人としてみられ避けられました、歩けばモーセの海割り状態でしたわ!

三ヶ月もすれば話しかけてくれるのはリアだけになりました。こちら視点、世界に二人だけいい思い出です!

 

開拓地に行くのにも一悶着あったなと思い出す。

開拓地行きが決まったリアについて行くと小さなおじさんと、たくさんのカーボーイ集団に泣き寝入り、地面の上でのたうち回った。

深夜だから黙れと親玉のカーボーイに殴られ、ついて行っていいからヒストリアと呼ぶなとだけ忠告された。

安心してください約束守ってますよ、小さなおじさんと親玉カーボーイさん。

 

「土地が余ってたでしょ?人手も足りないし、サクちゃんに言われた通りキャンプ場にしたのよ

そしたらね…」

 

何だと…この世界の貴族の間でキャンプ流行るのかよ。

言わなかったら今頃あの時以上のお金が…リアを笑顔にできたのだからもらいすぎじゃね?

ありがとうございます、前世の知識とマダムのお手伝いで髪留め買えました。

 

「私のかわいいサクちゃんとクリスタちゃんだから招待したいのよ?話も聞きたいし、一緒に行かない?」

 

もう腕を掴んでますよ?マダム。

お貴族様の誘いを断るのはあまりよろしくないが…

 

「そろそろ帰ろうと…」

 

「サク行こうよ、マダムにお世話になろっ?」

 

「いきましょうマダム!お荷物持ちますよ!」

 

 

—マダムはサクとヒストリアのカップリングを推していたのだ!

 

開拓地時代に手を繋いで帰って行く美形の二人を見た時に心撃ち抜かれた、以降は二人をくっつけようと奮起するやっかい貴族になっていたのだった。

 

———

 

おぉ〜来たねキャンプ場。もう、お泊まりデートだよねってこと。

 

「サクちゃん、これで遊んで?」

 

はい、サクちゃん遊びます。

訓練を毎日しているせいか体が休むのを許さない。

自分もリアも罪悪感を感じ始めたからで、マダムに言われたから遊ぶのではない。

…確認なんですけど何かの実験してます?

 

でもフリスビーらしきもので遊ぶの楽しい…

犬の気持ちになれる、ご主人様と遊ぶのは楽しいのだ!…ちょっと待て、危ない思考をしていた。

リアのペットになりたいんじゃない、夫になりたいのだ。

調子に乗りましたまずは恋人からですね。

 

「楽しかったね〜サクぅ?」

 

よしよしと撫でられる、この子は無自覚でやってるのか?とんでもなく悪い子じゃないか。

 

「ワン!」

 

「ワン?かわいいね〜サク〜!ご飯にしよっか?」

 

それを無意識にしてるのなら逮捕です。

 

それ以上に、なぜマダムは満足気なんですか?

 

———

 

夜空の下で好きな人と食べるキャンプ飯はどちらにとっても素敵な時間だった。

 

鍋の中でぐつぐつと湯立つたっぷりのチーズ、パンは訓練所のような石板ではない、野菜に関しても脱水症状がなくみずみずしい。

 

この世界でチーズフォンデュが食べられたのだ、貴族の恐ろしさを知るサクとヒストリアだった。

 

食事を終えしばらく休むとお風呂に行くヒストリアに無意識について行こうとするが、カプ厨に捕まりヒストリアとの進展を根掘り葉掘りを聞かれることになった。

 

一秒でも早くお風呂に行きたくて貧乏ゆすりしながら訓練所での出来事を話していると、お尻を触った話でマダムは激怒した。

貴族にするには下世話かと思ったが違う。

 

「クリスタちゃん以外のお尻を触った?サクちゃんこちらへ」

 

しばらくするとヒストリアが戻る。

 

そして…

 

ヒストリアは嫉妬する、マダムに締められているサクを見て。

 

マダムは満足する、サクを奪われ頬を膨らますクリスタを見て。

 

サクは興奮する、お風呂上がりのヒストリアを見て。

 

世界は循環しているのだ、ヒストリアだけ特してなくね?

 

マダムがホクホク顔で戻った後。

 

「サク来て?」

 

「なにかな?なにかな!?」

 

ヒストリアとマダムは手紙のやり取りをしていた、夜はここにサクと訪れようと計画していた。

 

だから夜締めると言ったのだ、つまり今から締め技が始まる。

お仕置きのつもりでやるヒストリアだが、可変式ドMの前にしては残念ながら効果がない。

 

抱き付くような絞技をしても二人は気がつかない。

香油により同じ匂いがすることに、それに脳を焼かれる訓練兵がいることはまたいつか。

 

「女の子に汗のことは聞かない!わかった?」

 

「わかったけどさぁ…」

 

「けど?なに…」

 

二人が結ばれた暁にはこんな未来が待っているのだろう。

 

サクは尻に敷かれるタイプなのだ。

 

———

 

満天の星、隣には恋した子が寝転んでいる。

 

思い出すのは幼い時、二人で見上げた夜空。

 

皆が寝静まるとヒストリアを迎えに行く、そして月明かりだけを頼りに逃げ出す。

 

夜が怖くて嫌いな少女に、夜空の美しさを教えてあげたかった。

空一面に広がる星に二人で適当な名前をつけた、本当に馬鹿みたいな名前。

本当に馬鹿だから星には詳しくない、二人だけが知る星があっても良いとくせぇことを考えているマセガキだった。

 

「好きなところ言うゲームでもしようか?罰ゲームは相手の願いを聞くことで」

 

「それ、サクに勝てないもん!」

 

「じゃあ、存在しない記憶ゲームにする?」

 

「それ、終わりいつも一緒じゃん!」

 

「まぁ小娘よ、揉まれなさい圧倒的な強者に…さっき締められた仕返しだ!」

 

「うぅ…手加減してね?」

 

手加減そんなものは知らん!願いはツインテジョウだ、いざ尋常に勝負!

 

でも、これ勝つのも結構くるものがあるんだよ……敗北の味はいつ知れますか?死ぬまでに味わえますかね。

 

1時間後—

 

「眉の形が……、綺麗な目が……」

 

やべ…途中から呪文のように唱えてた。

キッカーへの道を選んだせいか、エゴイストが過ぎる。

小娘にもターンをあげよう。おい、小娘って…横を見るとリアは静かに寝息を立てている。

 

焚き火が消えるまで寝れないので、焚き火音をasmr にチルだな。

 

すぅ…すぅ…ばちばちばちばちばちばちばち…

 

うるせぇな、この焚き火。寝息が聞こえないだろ!

 

それにしても…

 

「太陽さんは早寝ですね〜、もう沈んじゃいましたか?」

 

繋いでる手をそっと離し金糸の髪を、ツインテールを優しく撫でる。

リアは一度眠るとなかなか起きないので頬をつついたりできるのだ。

流石に無防備すぎる、もう少し女の子として気をつけないと悪い人ならもうね…うぅ頭痛が、横になろっと。

 

…てなわけで一人で延長線しますか!

 

「……………救ってくれたから好き」

 

「………照らしてくれたから大好き」

 

「夢をくれたから、生きたいと思わせてくれたから…」

 

「愛してる」

 

言葉がどんどん重くなる。

 

初めは道端に落ちてる汚れたドールくらいの感覚だった。

それは視界には入るが他のことを考えたり、少し時間が経つと忘れてしまう、また同じ場所を通り思い出すが忘れるの繰り返し。

視界には入る、気にもなるが拾おうとは思わない。

そしてある日を境になくなってしまう誰かの落とし物、忘れていたはずが同じ道を通るたびなぜかふと思い出す。

前世では手を近づけようともしないだろう、でも今世は忘れられないので声をかけてみた、手を取ってみた、消えてなくなる前に。

 

初めは言われるがまま、されるがまま、笑わない、話さない、思い通りに遊べる、都合のいい玩具くらいの感覚。

壊れてもタダで拾ったものだからいいとさえ思った、所詮自分もクソ野郎たちと同じ考え。

 

違うと気がついた時には遅かった。

 

その子はクソ野郎に笑顔を向けた、クソ野郎の名前を呼んでくれた。

 

気づいた時には遅かった。

 

クソ野郎なのに恋をしていた、救われていた。

ただの少女に、花のように笑う普通の女の子に。

 

「ごめんリア…なんにも返してあげられなくて」

 

前言われた言葉をそっくりそのまま返したい。

 

前世含め、人生で初めて自分を変えたいと思った。

 

初めて家族じゃない誰かを、世界一の幸せ者に他の誰でもないこの手でしたいと感じた。

 

「なんにもない、してあげれないなんてお願いだから言わないで…」

 

祖母を泣かせるような恩知らずに、ただの女の子を泣かせるようなクソ野郎にリアがさせてくれなかった。

 

「こんな可愛い寝顔して、知ってるのかなぁ?知らないんだろうな〜…どれだけ…」

 

隣にいてくれたのが他の誰かなら、その人を好きになってたくらいのチョロさはある。

 

でも隣にいてくれたのは君だから、運命だったと決めつける。

 

お前さえ産まなければ?産まれてくれてありがとうだ、自分と同じクソ野郎。

 

「リアがしてくれたことを知ってほしいのに…知られたくないなぁ、言う勇気ないなぁ…」

 

リアを苦しめてたあいつらと同類だったと知られるのが怖い、でも言わないとリアは自分になにもないと言う。

 

いつか言えるだろうか…

 

こんなのが隣にいるなんてずるいな。

 

でも譲れない、好きが溢れてくる。

 

今日一日一緒にいただけなのに昨日よりも好きになっている、これが死ぬまで続くのか…

 

リアが悪い子なら、自分は悪魔の子だな。

 

 

 




変わろうとするならokです!
雪山溶かしてきます。
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