Zenless Zone Zero The S.T.A.L.K.E.R Who Wandered In 作:路肩の石ころ
「ヘーリオスって学校もあるんでしょ?私もお父さんが働く所にする!そうすれば一緒に通えるし!」
子供の頃、どの学校に行きたいかと言う話で、私に言われた父が、真剣な顔でこう返したのは覚えている。
「ナタリア、学校ならヘーリオスよりも良い学校は沢山ある。あそこは駄目だ」
ヘーリオス研究所に勤め、周りからよくレベデフ博士と呼ばれていた父は、当時は何しているか知らなかったが凄い人なんだとずっと誇りに思っていた。
だからこそ、ヘーリオスに関わるなと言いたげな反応が帰ってきた事に困惑したものだ。
結局、普通の学校に通う事になってしまったが、それでも家族や友人に恵まれた、良い幼少期を過ごすことが出来たと思う。
あの日、旧都陥落が起きるまでは。
ミネルヴァ地区にあった私の家は、被害が直撃する位置に存在した。
友人は全員死んだ、母はエーテリアスから私を守る為に死んだ、ヘーリオスに勤めていた父はどうなったかすら分からない。
「だれか……たすけて……死にたくないよぉ……!」
死の迷宮に飲み込まれ、侵食かエーテリアスに殺されるか、或いは暴徒に襲われるか、どの結末にしろ、あの地獄ではありふれ過ぎた、救いを求める声は誰にも届くこと無く、私の名前は数え切れない犠牲者の一人として何処かに記録される筈だった。
「────“本派”の奴らか、それともヘーリオスが零号ホロウの暴走を引き起こしたのかどっちでもいい、我々はヘーリオスに介入しない」
『しかし、奴らが何をしたのか、現地に向かい確かめねば───』
「命令だ“ダークストーカー”。生存者の捜索を優先しろ、出来る限りこの地獄から救い出してやれ」
『了解です、“司教”殿』
そんな時、廃墟から現れた彼らが、本来死にゆく運命だった人々を助け出していった。
私もここに居ると、助けてほしいと声を上げたかったが、侵食で弱りきった子供の声が、喉から出てくる事はなかった。
「待って、“声”が聞こえた。この近くにいる」
「どこら辺なのお兄ちゃん?大体の場所がわかれば私の───」
だけど、声なき声を聞いた、後に家族となる“兄妹”が、私を見つけてくれた。
「いた!お兄ちゃん!生きてる人がいたよ!私達と同じくらいの子!」
「こっちは任せて、君は父さんを呼んできてくれ」
「わかった!パパ!こっちに─────」
子供だった私とそう歳が変わらない、しかし私よりずっと大人びた“彼”は、死にかけた私に手を差し伸べてくれた。
「もう大丈夫、傍に居るから、君の名前は?」
「な……ナタリア。ナタリア・レベデフ……」
「良い名だ、僕の名前は──────」
私を救ってくれたのは、神さまなんかじゃなく、特別な使命を持った人々だった。
夫との婚約によって私にも受け継がれた、あの“一族の名”は、彼らが居なければ名乗る意味がない。だからこそ、居なくなった彼らを取り戻すまでは、レベデフと言う私がただの一般人だった時の名前を使うと決めた。
だから、本当の、今の私の名前は───────
「この辺りの景色……思い出して来たぞ。皆!もうすぐZONEの最奥へ通じる裂け目がある、リマンスク・ホロウの最深部だ」
「うん、リヒターさんの言う通り、キャロットのルートも少し進めばそこで行き止まり、リマンスクの底であると指し示してる。レベデフまでもうすぐだ」
リヒターが周りを見渡し、かつて見た覚えがある事を口にする。アキラもこの先がリマンスクの最深部であるとキャロットを見て判断した。
(僕は一度もリマンスクに来たことも、観測データを拾っている訳でも無いのに、向こうが最深部だと分かるのは“コンパス”のお陰だろうか……このアーティファクトを持ってホロウに入ってから、この道が合ってるのか感覚的に分かる気がするな)
ホロウ内の正しいルートを示してくれるキャロットが低品質だったり、使用期限か過ぎていたり、はたまた観測データに異常があったりした場合、キャロットは正しいルートを示すどころか使用者を遭難させてしまう問題がある。
そして、キャロットが使用不可能になるリマンスクでは、観測データなど到底存在する筈が無いのに、今までアキラ達はキャロットのデータを下に、ある程度の調整は必要あれど迷う事なく道を進む事が出来たどころか、何処を進めば良いかキャロット無しでも“視える”感じがするのだ。
スキフから借り受けたZONEのアーティファクト「コンパス」───これの力のお陰である事は知っているが、これがあれば人類皆がかの“導き手”になれるのではないかと、アキラは漠然と考えていた。
「………この先だ、この門を越えた先にレベデフがいる」
スキフ達、オボルス小隊、デューティとフリーダムの混成部隊は集合住宅に挟まれた道路を進んでいる途中、道路を封鎖する大きな門に遭遇した。門は人の手で開けられないほど固く閉じられていたのだが────
「ビック・シード〜」
シードが門を指さすと、ビック・シードがその鋼鉄の拳あっさり粉砕する。
門が開通したと同時に、スキフとストライダー、オボルス小隊が先行して突入し、周囲に敵が居ない事を確認した。
「これは……なんて景色だ」
門を越えた先にあった、眼下に広がる光景にスキフは思わず目を奪われてしまう。
まず、門の先に続く急な坂道の先に広がる大きな広場───おそらくレベデフ率いるクリアスカイ部隊が敷いたであろう陣地があったが、ここから見えるだけでも死体や破壊された車両が多くある、壊滅した陣地だと言うのが分かる。
それは今はいい、スキフが目を奪われているのは広場の先にある物だ。
広場と途絶した宙に浮かぶ地面に建つ、昔のビルの様な建物。
無数のエーテル結晶が突き出た建物の中央には、ブラックホールの様な、ホロウやエーテリアスのコアにも似た黒い球体が、建物を歪めながら蠢いていた。
どうやらリマンスクの“霧”も彼処に吸い込まれている様だ。底なしの地面から黒い球体に吸収されているのが見える。
ZONEのアノマリーを見てきたスキフの経験を持ってしても、規模が大きすぎて神秘的にも見える光景だったが、スキフの驚きとは裏腹にアキラ達はそこまで目の前の光景を気にせず坂を下ろうとしていた。
ここにいるのは
彼らは零号ホロウのような非常に危険なホロウの深部には、こんな風な光景が広がっていると知っているし、実際に見たこと無くとも彼らはルーキーでは無いので、ホロウの中の景色に一々目を奪わる様な真似はしない。
この世界で殆どZONEの景色しか見ていないスキフと彼らでは、ある意味新鮮さは大きく違っているのである。
一方ストライダーはモノリスまで通じる道しか気にして居らず、リヒターはかつての嫌な記憶を思い出したかの様に顔を顰めるだけで、スキフみたいな反応はしていなかった。
(まぁ、俺もここがZONEだったら“そういう景色もある”って気にしたりはしないしな)
スキフがそんな事を思いながら、一行と共に広場へ向かう坂を下っている中、周囲を警戒するトリガーが口を開いた。
「私達以外の気配が感じ取れません。クリアスカイが壊滅した以上、彼らを排除したモノリサーが居る筈なのですが……」
「彼処が最深部でZONEの最奥に通じるルートがあるならば、モノリサーは全力で防ぎに来るはずだ。それが無いって事は共倒れになったか、待ち伏せをしているか……」
スキフの言葉に全員が気を引き締める。レベデフの死さえ確認出来れば、即ち讃頃会の計画が完全に潰えた事になるのでさっさとリマンスクを出た方が良いだろう。アキラやオボルス小隊、デューティとフリーダムの面々は元よりそのつもりである。
だがスキフとストライダーは違う。彼らはモノリスを破壊する為にZONEの最奥まで辿り着くつもりだ。問題はその事を何時伝えようかスキフは軽く悩んでいた。
(問題は“コンパス”をレベデフが持っていなかった場合だ、あれが無ければアキラ達はリマンスクから出られないし、俺もモノリサーのガウスガンに対する防御手段が無くなる)
普通のモノリサーならともかく、高火力のガウスガンにテレポート能力まで保有するモノリス・エリートがわんさかいるなら、アーティファクトが万全な状態で挑みたい。
どうかモノリサーとの戦闘で紛失しないでくれよ────そう願いつつ、広場へと向かう。
廃病院の前も酷い有様であったが、野戦陣地が敷かれた広場は更に酷い様相を呈していた。
ぱっと見るだけでも数十人の死体が折り重なり、広場全体なら百をゆうに超える死者が血の川を流して地を染めている。
おそらくクリアスカイに残された最後のTー64は、お供のBTRと共に広場の入口に陣取り、モノリサー相手にその火力を十分に発揮したのだろう。最終的には他の車両と一緒に火達磨となって中の乗員ごと沈黙しているが。
『シード、生体反応は感知出来るか?何が妙な物は無いか?』
「ちょっと待って………うん、反応無し。死体だけだね……後は何か
鬼火の指示でビック・シードのレーダーを起動するシードだが、目を凝らしてもレーダーに生きてる者を示す反応は何一つ無いように見えた。
それとは別に、広場にはミアズマが満たされているらしいが、ダークストーカーが使う武器を思えばホロウの中にミアズマが充満してもおかしくないだろう。
「………ん?反応が突然……やっぱりさっきのなし、1人生きてた。場所は……あれだね、あそこの大きな装甲車」
どうやら生存者がいたらしい。シードの言う場所、広場の奥側──奈落の手前──に無数の弾痕が刻まれたクリアスカイの装甲指揮車が駐車している。
スキフ達は警戒しながらクリアスカイとモノリサーの死体で埋め尽くされた広場を装甲指揮車を目指して進んだ。
「ここでもオブスキュラが破壊されてるわね、病院でも執拗にオブスキュラを破壊していたけれど、モノリサーは何故あれを狙ったのかしら……」
「開いてるのが幾つかあるけどそっちは破壊されていない。モノリサーの目的はサクリファイスを破壊する事でオブスキュラそのものでは無いのかも」
11号とアキラは広場に集められたクリアスカイのオブスキュラを眺めながら、お互いの意見を言い合う。
「っかしーな、裂け目は何処にあったんだっけ……?」
「ここに来るまでに幾つか裂け目は通って来たが、どれも近くまで来ないと見つからなかったぞ?ホロウの裂け目ってそう言うものじゃないのか」
「うーん……あれは広場の目立つ場所に、遠くからでも見えるくらい大きな裂け目が出来てた筈なんだけどなぁ」
リヒターの呟きに耳を傾けながら、スキフも広場を見渡すが裂け目の様な物は見つからない。そうしている内に特に何事も無く装甲指揮車に到着し、囲むように一行達は動いた。
スキフが代表して内部を確認し、デューティやフリーダムは周囲からモノリサーが襲って来ないか監視を、リヒターとストライダー、オボルス小隊はアキラを守りつつ双方を援護出来る位置に布陣した。
PTMピストルを抜いたスキフは指揮車両をぐるりと見回って外に罠が仕掛けられて無いか確認した後、横のハッチが開くか確かめる。
ハッチは閉じられていなかった。
「……よし、中に入るぞ」
スキフが後ろにいるアキラ達に振り向く。彼らは頷き、何時でも援護出来る様に武器を準備した。
ゆっくりとハッチを開く、外は弾痕だらけだが、流石に装甲車なだけあって内部まで貫通した様子は無い。ガウスガンの様な高火力武器は使われなかったらしい。
内部は指揮車両らしく様々な通信機器やモニターが備わっていた。おそらくレベデフはここからリマンスクのクリアスカイ部隊に指示を出していたのだろう。車内に踏み込むと、ぴちゃりと水っぽい物を踏んだ音がした。
血だ、車内の床いっぱいに広がる血溜まりが出来ている。
指揮車両と言う特殊な車両と、外の死体に見覚えのある顔が居なかった事から、この血溜まりの発生源は─────
「レベデフ……」
「ふ……ふふふ……ようやく来ましたね……“ストーカー”。見ての通り、待ちくたびれましたよ」
車内の端に、壁にもたれながら座り込んだ、胸と腹部が大量の血に染まったナタリア・レベデフの姿がそこにあった。その手前にはモノリサーがうつ伏せに倒れている、床の血は彼女とモノリサーの血が混じった物だろう。
マラカイトの地下鉄から変えてないスーツはボロボロ、その目に力は無く、片手で腹部を抑え、もう片方の手で弾切れとなった拳銃を握っていた。
傍にはスキフも見たこと無い緑の光を発光させるアーティファクトも落ちていた。
死にかけのレベデフにPTMを向けつつ、未知のアーティファクトに視線をやると、聞いてもいないのにレベデフがアーティファクトの説明を始める。
「……一回死にかけたんですよ。指揮車両の外にいた時、あのモノリスとか言う兵士の狙撃手にやられまして……ごほっ……!」
どうやらモノリサーの存在は知っていたらしい。咳き込みながら、まるで世間話をするかの様にレベデフは続けた。
「ここまで逃げてたんですが追撃されて……中に入り込まれ争った時、幾つか持ち込んでたアーティファクトが保管容器から落ちて……偶然近くに来たこれの力で心臓がまた動き出した様なんです……確か“ファイアフライ”とか言うアーティファクトでしたか」
知らないアーティファクトだが驚きは無い。
スキフもZONEで見つかる全てのアーティファクトを知っている訳では無いし、死人……と言うか死を免れない怪我を負った人間を回復させるアーティファクトが存在するのは、スキフが持つハート・オブ・チョルノービリが証明している。
これらのアーティファクトも偶然積んでいた訳では無く、もしもの時に備えてレベデフが部下に用意させた物だろう。
「まぁ……血を失い過ぎて、今にも死にそうなのは変わらないんですが」
「……モノリサーは、お前達を襲った連中は何処に消えた」
弾切れの拳銃とファイアフライをレベデフから引き離しながら、モノリサーの行方を聞いた。
「奴らは……部下もサクリファイスも全て殺戮し……私達がZONEの奥へと辿り着く為の“装置”を破壊しましたよ。何処に行ったかはわかりません……私も外の様子は見れてないですから」
憔悴した視線でスキフの隣に目をやるレベデフ。
視線を追って見ると、車内に厳重に固定されている「NAR」と描かれた謎の機材に銃弾が撃ち込まれて破壊されていた。
「NARから奪った、新型の“ポータル装置”……そのプロトタイプ。ホロウの不安定な裂け目を固定化し、行き来出来る様にする為の装置……裂け目が閉じている可能性を想定して、万が一の時は無理やり裂け目を開かせて行くつもりでしたが……」
「その装置が、モノリサーに破壊された」
「ええ、これでは何時裂け目が開くのか分かりません。“彼”から
(と言う事は……リマンスクからZONEの奥へと行くのは今現在不可能と言う事か?クソったれ……)
スキフたちが見た所、裂け目の様な物は見かけなかった。つまりモノリスの所まで行く予定がズレるという事態にスキフは心の中で毒づいた。
ただクリアスカイを全滅させたモノリサーはどうにも壊滅したか、撤退したかのどちらかだろう。レベデフは死にかけ、クリアスカイの軍隊は最早崩壊している。一先ず一番厄介な問題は片付いたか。
「スキフさん、大丈夫かい?」
目の前の死にかけたレベデフとモノリスの事をどうするかスキフが考えていると、ハッチから車内を覗き込んで来たアキラの呼ぶ声が聞こえた。
「アキラ?何で入って来たんだ」
「話し声が聞こえてね、レベデフが居るんだろう?少し……彼女と話したくて」
そう言って銃を構えて警戒しながら車内に入って来るアキラ。ここに来るまで武器の扱い方を簡単に教えたのもあって、その姿は少しは様になっていた。
死にかけるレベデフの姿を見たアキラは、スキフと一緒に銃口を向けながら隣に立つ。まさかアキラが居たとは思わず、レベデフは目を丸くしていた。
「ずいぶん弱々しくなったじゃないかレベデフ」
「貴方までリマンスクに来てるとは思いませんでしたよアキラさん……ふふ、妹さんは連れてこなかったんですかぁ?」
アキラは答えない、答えるつもりもない。
彼はレベデフを少し冷たい目付き──そして僅かな憐れみも──で見下ろしながら、質問を投げかけた。
「どうして僕を誘拐して、リンの身柄も狙ったんだ。お前達だけでリマンスクへ向かったんなら、讃煩会の……始まりの主の計画には、僕達は本当は必要無かったんじゃないのかい?」
アキラはずっと気になっていた、何故レベデフがモノリスを手に入れるのに、パエトーンを必要とするのか。その為に自分は誘拐され、兄を追っかけてきたリンは非常に危険な目に遭わされ、挙句に一度死の淵に立ったのだ。
かつて彼女がアキラに言った“モノリスを手に入れるのは家族の為”だとか、レベデフにしか分からない理由はあるだろうが、だからと言ってその行為を許す事は一切出来ないし、同情する気も無い。
どうせ彼女はここで死ぬ。だがその前にパエトーン兄妹がなぜ巻き込まれたのか知りたかった。
アキラを目をただ見つめ返しながら、レベデフは口を開いた。
「アキラさん、ZONEは……“私の家族”が生み出した物だと言った事は覚えてますか?」
「なんだって?」
「ああ、覚えてる。確かお前の夫と義妹がこの地にあった「タルタロス・ホロウ」を浄化して、それでZONEが生まれたと……それとスキフさん、色々あって説明するのを忘れてたよ……すまない」
「それは良いんだが……」
アキラがマラカイトで監禁されている時に、レベデフとの会話で彼女の家族──讃煩会の異端者“シン”のメンバーが、何かしらの方法でホロウを浄化し、その結果ZONEが誕生したと彼女から伝えられた。
とは言えスキフ達に助けられる前の話であり、その後も様々な騒動が重なってアキラ自身の頭から情報がスッポ抜けていたのである。
スキフは驚愕した風な反応をしたが、それはZONEが人の手によって生まれたと言う話にでは無い。讃煩会がZONEを生み出したと言う点に驚愕したのだ。
てっきり彼はチョルノービリの時の様に、この世界でモノリスを作り上げたX-ラボの科学者によってZONEが生まれたと想像していたのだ。
「マークワン……あの裏切り者のボンプ……彼の事は知っていますよね…?」
「ああ、列車で僕たちを助けた事に怒ったお前が撃ったボンプのことだろう?彼は自分の事を“ドクター”と名乗っていたけどね」
「そんな偽名使ってたんですか……あの子らしい」
何処か遠い目をしながら、レベデフは苦笑する。
「実は彼は、私の夫と義妹が“最後”に共にいたボンプでしてねぇ……ホロウがZONEに変わった瞬間をその目で見てるんですよ」
その言葉に思わずアキラとスキフは顔を見合わせた。
どうにも怪しく、スキフにもドクターはX-ラボで作られたボンプなのでは思っていたが、まさかZONE誕生の核心部分に居たとは思っても見なかったのである。
「彼が私の所へ来た時には、記憶データが破損していた事もあって根幹部分は分からなかったのですが……私の家族が、モノリスを利用してホロウをZONEに変貌させた時に、「H.D.Dシステム」を使ったらしいと分かりました」
やっぱり“それ”か───アキラは予想していた答えが返ってきた事に口を引き締めた。
H.D.Dシステム────旧都陥落の時、アキラとリンがヘーリオスから持ち出した演算装置。そしてここZONEに於いては、カローレ・アルナがX-ラボに設計図を渡し、それを元に作られたであろう、もう一つのヘーリオスの遺産。
ことこれに関してはスキフも無関係では無い。
この世界に来てから間もなく知り合ったアキラに、X-ラボについて調べるよう依頼された情報の1つだ。
「だから“本派”経由で、H.D.Dシステムに関する情報を調べてもらい、アキラさん……そしてあわよくばリンさんの身柄を必要とした訳です。貴方にX-ラボのH.D.Dシステムを動かして貰う為に……ね」
「僕を利用してZONEに何かしようとしたのかい?お前の家族がホロウをZONEに書き換えた時のように……でもそれは始まりの主の計画には含まれて居なかったんだろう?」
「始まりの主はモノリスの……“その先”の物を手に入れようとしています。ですがその過程で私の“望む物”が手にはいる保証は全くありませんでした……だから本来の計画に重ねる形で、独断で貴方を手中に収めようとしたんですよ。フフフ……」
その結果が
何故自分が巻き込まれたのか、その理由をレベデフの口から聞いたアキラはスキフに目を向ける。
もう十分だ───そう意味が込められた視線に、スキフは頷いて、PTMピストルの照準をレベデフの頭へ合わせた。
「終わりだレベデフ。モノリスみたいな碌でもない物を手に入れようとしたのが運の尽きだったな」
「………“イェヴン・マルティネンコ”、“ウクライナ”という国に生まれ、“第二次カリブ実験の被害者”……だそうですねぇ。“あの御方”が……貴方の事を……妙に気にかけていましたよ」
PTMの引き金を引く指が固まった。
「最早、クリアスカイがモノリスを掌握する事は不可能と悟った始まりの主は、最後の手段を私に命じました」
レベデフは血に沈んでいた片方の手を、見せつけるように掲げた。
その手には、謎めいた紋章が刻まれており────妖しい光を放っていた。
そしてレベデフのミアズマに染まった目は、スキフ唯一人だけを見据えている。
「私ともう1人、2人の“贄”を捧げ─────」
パンッ───と弾ける音がしたのと同時に、レベデフの頭が後方にガクリと動いた。
「撃てアキラァ!!!」
「えっ……!?あ…ああ!」
悪寒を感じたスキフはPTMピストルをレベデフの頭に叩き込みながら、アキラに手待ちの銃で撃つように叫ぶ。
言われるがまま、勢いでアキラも腰撃ちでレベデフの身体に、モノリサーから鹵獲した「カーロド」自動小銃を放った。
2人共、マガジンの中が空になるまで撃ちまくる。
何十発も撃たれ、レベデフの身体は跳ねるように、血飛沫を撒き散らしながら、血の海に沈んで言った。
「はぁ……はぁ……!」
「……すまん、大丈夫か?」
「へ……平気さ……」
マガジンが空になったカーロドを抱えたアキラは、初めて銃で人を撃った興奮で息を荒くしていた。
アウトローであるアキラではあるが荒事や人死にこそ慣れていても、自分の手で直接誰かを殺した事は“ほぼ”経験が無いに等しかった。
幸いにも、スキフの最初の1発でレベデフの頭が撃ち抜かれていた辺り、アキラは死体に追撃しただけであり、突然の銃撃と返り血の匂いで少し興奮しただけで精神的にはそこまで負担はない。
「リロードしておけ、嫌な予感がする。さっさとリマンスクから離れるぞ!」
「わ…分かった!あの、レベデフがさっき言った事は……」
「後にしろ!全員ここから離脱してからだ!」
さっきから嫌な予感が止まらないスキフは、アキラを連れて指揮車両から降りる。ハッチから出る前に、追撃の手榴弾を転がしておいた。
慌てた様子で降りてきた2人に、困惑した鬼火とオルペウスが反応した。
「激しい銃声が聞こえましたが、だ…大丈夫でありますか!?」
『プロキシ君!何かあったのか!?』
「鬼火隊長!今すぐスキフさんがリマンスクから脱出しろって……!」
アキラの言葉を聞いたストライダーが驚いた様にスキフへ詰め寄る。
「待ってくれスキフ!モノリスはどうする?!リヒターが裂け目が無いと言っているが、俺は……」
「悪いストライダー!モノリスはまた今度にしてくれ!今は─────」
早いとこ撤退するべきだと言おうとした瞬間、装甲指揮車が爆ぜ、ミアズマの爆風が広場に居た全員を飲み込んだ。
「はじ……まりの、あるじ……よ……」
今にも消えそうな命の灯火を揺らしながら、血の海に沈んだレベデフは蝶の羽ばたきにも劣る声を絞り出しながら、祈りの聖句を唱える。
「われらが、
彼女はギリギリ生きていた、全身に浴びせられかけた銃弾の威力は、懐に忍ばせたコンパスの力があれど死までの時間を延ばすには至らない。
だが最後の最後に、“主”によってレベデフに与えられた“加護”は、彼女が死ぬ前にやるべき事を成し遂げる時間を僅かに稼ぐ事が出来た。
「われ……は……
スキフが投げ入れた手榴弾が目の前に落ちてくる。これが起爆すれば全身がバラバラになってしまうだろう。
「この……身を、あなたの贄に……捧げ…ん………」
だが手榴弾が起爆する直前、彼女の手の甲にある紋章から溢れた光が、車内の全てを飲み込んだ。
「願わ、くば……モノ……リスを……わたしの、家族を、奪った、このZONEに……破滅を………!」
『───よくここまで辿り着いた、ナタリア・
『お前の
『後は任せよ。必ずや、“モノリス”からお前の家族を取り戻してやろう』
(─────な……にが)
指揮車を中心に広場を包み込んだ爆発は、スキフ達を吹き飛ばし、甚大な被害を与える程の威力であった。
耳鳴りと脳震盪によって意識が朦朧とするスキフは、レベデフへのトドメに投げ入れた手榴弾が誘爆を起こしたのではと思ったがそうではない。どう考えても、手榴弾1個で装甲車がこの規模の爆発を起こす事は不可能なのだから。
視界が揺れる中でスキフは周りを見渡す。
「リヒター……ストライダー……クソ……!」
リヒターにストライダー、オボルス小隊、デューティ、フリーダム。
爆発と共に広がった濃密なミアズマに侵された彼らは、うめき声を上げながら地面に倒れ伏していた。実力者揃いの彼らが動けないのは爆発以上にミアズマに侵食されたというのもあるだろう。
「スキフさん……無事だったのかい……?」
「アキラ……お前は動けるのか……?」
「何とか……ね、でも皆は……」
唯一、立ち上がる事が出来たのはスキフとアキラの2人だけだった。
スキフはまたもやマラカイトや廃病院でミアズマを浴びた時と同じ、顔の一部が赤黒く染まっており、アキラは目が───知能水晶体が大きく光り輝いている。
お互いがお互いの身体に起きている変化に気付きつつ、2人は立ち上がれず、苦しんでいる他の者達の救援を優先した。
「アキラ、身体が痛いだろうが、まずは俺達が持ってる回復キットと
「ああ、早くしないと手遅れになるかもしれない。スキフさんのを分けてくれ」
「もちろんだ、ほら受け取れ」
スキフが持っている回復キットや抗侵食除去薬の半分をアキラに投げ渡す。2人共爆発のダメージをかなり受けているが、その上ミアズマによって重傷を負っている他の者達を放って置くことは出来ない。
まずは近くにいるオボルス小隊に、傷を急速に治しエーテル侵食を消滅させるZONEが誇る薬を投与しようと動き出した時、ミアズマの霧に包まれた爆心地から“声”が響いた。
『世の残滓を捨て、 生と死を越え、 輝きと退廃、快楽と苦痛、 一切はやがて我へと帰る……』
『光と闇、現世と根源、全ての領域たる理知の球は終域へと至り、次代の圏の始まりによって、人の世を再創へと導かん……』
『さりとて、
それは、神秘的な気配を纏った女の声だった。
アキラはその異様な気配に覚えがあった。
かつてのラマニアンホロウでの戦いで、瞬光と照と共に立ち向かった、讃領会の一員であったサラの身体を利用して現れた「原初の悪夢」と似たような物。
だがこの声の主だろう“それ”は、「原初の悪夢」よりも輝かしく、より異質な存在である事を本能的に理解した。
脳裏に浮かんだ“それ”の名前を、確信が無いにも関わらず、アキラは思わず呟いた。
「まさか、始まりの主……!?」
「なんだと……!?本当に讃領会の神様って奴なのか!?」
スキフがアキラに聞き返そうとした瞬間、爆心地を包むミアズマの中から、無数の“白い腕”が此方へ向かって伸びてくる。
「なっ……白い腕!?」
「逃げろアキ───いや、
白い腕はアキラや倒れた者達に一切構う事なく、スキフだけに狙いを定めて、彼を捕らえようと腕を伸ばす。
咄嗟に構えたFT200Mで迫りくる白い腕を迎撃しようと試みるが、マガジンに込められた5.56x45mm弾数十発は白い腕を止めるにはあまりにも力不足だった。
ここまでスキフと共に来たFT200Mは、白い腕の一本が呆気なく握り潰し、スキフの腕を、足を、身体を、首を無数の白い腕が拘束し、広場の爆心地へと引きずり込もうとする。
「
「スキフさん!今助け────ぐぁ…!」
「アキラ!クソったれ!」
スキフを助けようとアキラが動くが、腕の一振りでボールこ様に弾き飛ばされ地面を転がっていく。幸いな事に“コンパス”のお陰で重傷を負うことはなかったが、腹に直撃した一撃によって少しの間動けなくなってしまう。
「この野郎よくも……!」
アキラがやられた事に怒るスキフだったが、幾ら藻掻こうが白い腕の拘束はびくともせず、必死の抵抗を嘲笑う様に爆心地のミアズマに向かってスキフを飲み込もうとする。
せめてPTMかナイフを抜ければ────スキフがそう思った矢先、突然彼の視界の下側からエーテルの光が溢れ出し、その光が、スキフを拘束していた白い腕の幾つかを引き裂いていった。
「あ…アーティファクト……!?」
光の出どころは、スキフの腰に身につけたアーティファクトコンテナ───その内、ハート・オブ・チョルノービリが収められたコンテナからだった。
まるでエーテルの光がスキフを白い腕から守る様に展開し、拘束を少しづつ緩めていく。
『──何処に消えたかと思えば、
だが、白い腕がハート・オブ・チョルノービリの入ったコンテナを引き千切り、そのままコンテナを焼き尽くし、その中身を曝け出した。
「は……?アーティファクトの姿が……変わった?」
コンテナから現れたZONEの至宝たるアーティファクトの姿にスキフは目を丸くする。青い球体の形状をしていた筈のハート・オブ・チョルノービリは、アキラの目の前でリンを蘇生させた時と同じような、小さなホロウの様な姿へと変えていたのだ。
『なるほど、抵抗するのか、お前は』
掴み取られたハート・オブ・チョルノービリが激しく抵抗する様にエーテルの光を放つが、それに構わず白い腕がアーティファクトを握り潰そうと力を込めた瞬間、腕ごとハート・オブ・チョルノービリが地面にぼとりと落ちる。
「壊すなよ、そいつは一点物なんだ……!」
拘束が緩んだ隙をついたスキフがナイフ──11号から借りたままの幅広の物──を抜き、ハート・オブ・チョルノービリを握り潰そうとする白い腕を叩き切ったのだ。
白い腕は消滅し、元の青い球体に戻ったZONEの至宝は地面を転がっていく。
「ああ、畜生────」
「スキフさん!駄目だ!」
そしてスキフは白い腕に引き摺られるまま、ミアズマの霧へと消えていく。意識を取り戻したアキラが駆け寄ろうとするが遅かった。
自分も爆心地のミアズマの霧に飛び込もうとするが、リマンスク・ホロウ全体が激しく揺れ始め、広場の地面が裂けて距離が離されていく。
「そんな……そんな……!スキフさんが……!」
揺れで何処かへ転がっていく前に、ハート・オブ・チョルノービリを拾い上げたアキラは、物理的に離れていく爆心地をただ眺める事しか出来ない。
それでも思考停止するよりか頭を振って、まずは倒れた者達の救助を行おうとした瞬間、リマンスク・ホロウの異変に気が付いてしまった。
「ホロウが……崩壊を始めている……!?」
暗闇に染まった空が、延々と続く闇が広がるホロウという空間が、リマンスク・ホロウの町々を倒壊させながら縮小して行く。
ホロウが崩壊する時、中に取り残された人間がどうなるかアキラは知っている。だからこそ焦りによって息が荒くなる。
この事態に対処する為にパエトーンとしての頭脳をフル回転させるが、残念ながら何一つ思いつかない。一番頼れそうなFairyはここに居ないしZONEに於いては連絡だって不可能だ。
今から逃げた所で最早手遅れだし、オボルス小隊を始めとした皆を置いていくつもりはない。
「ごめんよリン……どうやら、僕は帰れそうにないや」
思い浮かぶのは自分を助ける為にZONEに乗り込んで来てくれた、今も眠っているだろう最愛の妹の顔。項垂れるアキラは、悔しさのあまりハート・オブ・チョルノービリを全力で握り締める。
白い腕と比べ物にならないほど貧弱な力で握られたZONEの至宝は、アキラの声に応えるかの様に、ホロウが崩壊するより前に、エーテルの光でアキラの周囲を、倒れた者達を照らし始め─────
ミアズマに隠された装甲指揮車を中心に広がる爆心地から伸びてきた無数の白い腕に引きずり込まれたスキフは、重力すら失われた様なミアズマの空間の中で放り出された。
必死に両手足を動かして藻掻くも、くるくる無様に回るだけで体勢を立て直せない事に苛立ちが増していく。
「クソ、クソ、クソ…!なんだってんだ一体……!アキラは大丈夫なのか……!?」
『────
この世界では誰も知らない筈の、スキフの本名を呼ばれ、声のする方へ振り向こうとする。一瞬レベデフかと思ったが、全く違う女の声だ。
そう言えば、何故レベデフはスキフの名前を知っていた?しかも出身国や何故チョルノービリに赴いたのかまで、ここは異世界だと言うのに──────
『ああ……本当にイェヴン、お前なのだな』
アキラ曰く、この声の主は“始まりの主”らしい。讃領会の信仰する神様らしいが、なら異世界から来たスキフの事も把握出来るのか。
『沼地での“儀式”は成功していた……!お前は失われていなかった……!我がもとに
白い腕に引きずり込まれる前に聞いた声、始まりの主とやらの第一印象は神秘的かつ禍々しさも感じる声であった。“モノリス”から聞こえる声が女の物だったら、こんな感じだろうと思わせる声だ。
『やっと……やっとお前に逢えた……!』
だが今の声は何だ?スキフに対する声はまるで心から愛する存在に対する甘ったるいそれだ。下手に神秘的な気配もするから気味が悪い。
スキフの姿勢がゆっくりと正しい?位置に戻っていく。冷や汗を流しながら、武器を抜こうとしたが腕が動かない。エクソスケルトンを装備した身体がテレキネシスに縛られたかの様に、ピクリとも動けない。
視線が正面?を向くと、そこにはレベデフが───否、レベデフの身体を“模した”、ミアズマで造られた“ナニカ”が、感動で胸を両手で押さえた様な体勢でそこに居た。
『“ホロウの使者”、“始まりの結使”、“我らが解放者”、イェヴン・マルティネンコ』
“ナニカ”は、スキフの頬に優しく触れ、ハーフマスクを外した後、愛おしい者に語り掛けるように呟いた。
『ナタリアが失敗した以上、この方法しか残っていない。お前の“力”を貸してもらうぞ。案ずるな、全てが終われば、我とお前は、永遠に────』
「っ……!?」
“それ”はミアズマで覆われた“顔”をゆっくりと近づけ、スキフへと口づけし────その胸に抱いた、NAR社のポータル装置に入っていた“エーテルブライト”を破壊した瞬間、ミアズマが全てを包み込んだ。
『偽りの願望器を求め、立ち向かい、そして倒れていった全ての魂よ。今一度、モノリスへの道を指し示そう────さぁ、
─────ヤンター研究基地
ほんの少し寂れた様な雰囲気を醸し出す、ZONE有数の研究拠点の食堂で、基地の責任者でもあるサハロフ教授と基地の
「はぁ……あいつが作ってたヤンター特製ラーメンが懐かしくなる、あれを一度味わったらこんなインスタントなんかで満足出来ませんぜ教授」
「仕方ないさ、彼はZONEの探求よりも、ラーメンの探求に夢中になってしまった。厨房に立っていたのは趣味と研究を兼ねた行為だったからね、ここを去る時に僕たちが引き留める事は出来なかったさ」
「科学者とあろう者が科学を捨てて料理人ねぇ……」
「言わせてもらうが料理は立派な科学だよ技術主任」
「サハロフ教────あ゛いだぁ!」
そんな会話が2人の間で交わされる中、食堂に慌てた様子で科学者の1人が飛び込んできた。
勢い余ってテーブルに突っ込んですっ転ぶが、すぐに立ち上がって誰かを探し始めた。
「さ…サハロフ教授……ハァ……!至急……ゼイ……お伝えしたいことが……ゲホッゴホッ……!」
「どうしたんだね、そんなに慌てて。何があったか落ち着いて話しなさい」
「リマンスクに行った、クルグロフ達の身に何か起きたのかぁ?」
サハロフに言われた科学者は深呼吸をしながら息を整える。それを横目で見ながら主任技術者はカップラーメンのスープを飲み干そうとしていた。
「先程リマンスク・ホロウが跡形も無く消滅!それと同時にZONE全域にミアズマが出現!赤い森の先の“未探査地域”からゼンレス限界を突破した高エーテル反応を検知!つまりZONEの最奥で“大規模ホロウ災害”が観測されましたぁ!」
「────ぶっふぅ!?」
天変地異でも起きたかの様な前代未聞の報告にサハロフは驚愕に目を丸くし、主任技術者はサハロフの横顔に向かって盛大にスープを吹きこぼした。
ゼンゼロのストーリーは毎回クッソ面白いし新たな設定の開示とかあってずっと楽しいんだけど同時に新たな情報がこの小説の展開に支障が出ないかアプデごとにビビる毎日(未だに正体が掴めないあの御方とか)
まあ別作品同士の設定に何とかして理屈つけるのがクロスオーバーの醍醐味だしね!