何の関係も共通点もない2人のチート化対決第11弾です。
共に人間では無い存在の王だね。でも共通点はありません。
アセルス:不思議なカリスマ性を感じさせる彼女。アインズの様な魔王キャラに対し、挑むのでは無く正面から対峙という構図が出来るのは彼女しかいないと思い対決。上手く書けているかなぁ?後、オリジナル妖魔の君、出しました。
個人的にサガフロンティアが好きなので、そっちが中心です。
アインズ:いきなり他作品のネタバレですが、リムルの前世の心は、前の世界で蘇り、半分夢オチの様な形で終わりました。リムル何人も殺しておいて、それは許されないだろ・・・。
アインズの殺害記録はリムルを遙かに上回る(多分・・・。)ので、彼は絶対に元の現実には帰れません。そういう結末許しません。いきなり個人的意見述べましたが。アインズ自身そう思っている様ですが。
私にとってアインズは悪です。かなり独自解釈入れました。ご了承下さい。オーバーロードファンの方、気に入らなければ戻るボタンを。・・・そして、かなり多い文字数に。2人の戦闘書いていたら、楽しくなったので。出来れば読んで下さい。

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・本件は創作作品キャラクターの二次創作作品であり、本編キャラとは全く関係ありません。
・本件では、二次創作者の「キャラクター元設定を生かした上で、二次創作者が想像できる上で魅せられる戦闘範囲で最強のキャラクターに変えて」戦わせる話です。ただし全能同士の戦いはつまらないと二次創作者は思っております。
・本件は『あえて何の関連性もない相手と戦わせる』というコンセプトです。海外のYoutube番組にデスバトルというものがあり、似たキャラクターを死ぬまで戦わせるというのがあるので、あえて似ないキャラを選択します。
・キャラクターは死にます。死んでも生き返ります。受け入れられない方は戻るボタンを。
・基本的には魔人ブウレベルの攻撃性不死性にするつもりです。受け入れられない方は戻るボタンを。
・キャラの姿を変えます。二次創作者が考える最強の姿に。変えない場合もあります。
・ストーリーを入れます。感情を入れます。そうしないと面白くないから。
・基本的には「何だか知らないけどこの相手と戦わなければいけない」という本能で戦いを進めます。戦いを拒むキャラクターも。人質は取りません。
・戦闘ルールはありません。どちらかが死ぬまで。降参するまでです。
・能力設定入れます。中二病的表現あります。受け入れられない方は戻るボタンを。


無限舞闘シリーズ #11アセルスVSアインズ・ウール・ゴウン

リージョン界と呼ばれる世界がある。

この世界は、惑星の様な球体の形をしていない。混沌・・・海やプールの中から日の光を見上げる様な空間の中で、平均的に1国サイズの空間=リージョンが泡に包まれて点在している世界。

よって、文明は様々である。未来都市があれば、ファンタジーの様な国がある。現代的な世界もある。

よって、種族は様々である。最も人数が多いヒューマン。長寿で絶大な力を持つ妖魔。機械の総称メカ。他の怪物の能力を取り込める共通点がある怪物群の総称モンスター。の4種類。その他形容し難い存在もいるが。

アセルスは、そのリージョン界での物語における主人公の1人。一応女性。一応というのは、妖魔に男女の違いはあまり無く、同性愛が珍しくないから。

彼女は、17歳までヒューマン、人間だった。異空間から出現した馬車に轢き殺されるまで。その直後、馬車に乗っていた妖魔の王の1人、『魅惑の君』オルロワージュに血を与えられ、『半妖』となる。彼女の物語は中盤まで逃亡劇。終盤は・・・分かれる。人に戻るか、完全に妖魔となるか、世界で唯一の半妖のままか。

この話では、彼女は半妖の道を選んだ運命で進める。原作ゲームとはかなり異なるが。

 

アセルスはオルロワージュを消滅させた。これはゲーム上、多対一のラスボス戦だが、実際はアセルスとオルロワージュの1対1の決闘だった。それほど、妖魔の君とそれ以外の存在の力の差は歴然としている。

ゲームで中ボスとして登場するオルロワージュに仕える幹部であり上級妖魔セアト。オルロワージュにとっては、触れる必要無く軽く念じるだけで、広間の壁のあちこちに叩き付け、甚振れる相手である。妖魔の君と上級妖魔では、その位圧倒的差がある。

決闘から約2年後、アセルスは、オルロワージュに代わり、彼のリージョン、ファシナトゥールを統治している。

アセルスは「全ては『父』の思惑通りか・・・。」と思っている。第二の父といえるオルロワージュは、世界に、不老不死に、己自身に嫌気が差して、自分に後を継がせて永遠の眠りについたのだと。

笑える。自分はオルロワージュに「私は自分自身も、他者の賛否も、全て受け入れて、自由に生きる。」と啖呵を切っておきながら、このリージョンに縛られた。そう時々愚痴を言っては、アセルスの妻、父の元寵姫、白薔薇姫と性交を重ねている。白薔薇姫に慰めてもらわなければ、自我を保てないから。

 

性交後、アセルスは裸のまま、ベッドから出て、衣服を纏う。ひとりでに衣服は彼女の引き締まった肉体に纏っていく。赤色のドレス。両肩を出して。大人の手でちょうど掴める大きさの乳房を布で巻き付けるような胸元。腹部分は右半分の生地が無い。彼女のくびれたウエスト、鍛えた腹筋が目立つ。下半身のスカートは布を巻くように、こちらは左脚が見えて、健康的な長い脚が分かる。その脚から、薔薇の蔓が巻き付いてきた。植物と機械と肉と魔力が縦4色になった蔓。これは臀部にパンツのように巻き付いて、胴体では間隔を開けて螺旋のように巻き付いて、長い両腕には袖代わりに隙間無く巻き付いて、彼女の衣服の一部となる。胸の中心に4色の心臓位の大きさの薔薇が咲いた。

この薔薇は、アセルスが作り出した。私は父の様にはならない。だが私には父に与えられた、父を超える絶大なる力がある。この力はリージョンの4種族の為に使おう。何故なら、私はいずれの種族でも無いから。己の存在意義確立の為に、彼らに寄り添いたいから。その証。

クォーターニティ(四位一体)。アセルスは自分の衣装を、能力を、武器を、その呼び名で総称している。

 

ファシナトゥール統治開始後、アセルスは、ファシナトゥールを全ての種族が行き来、居住出来るよう解放した。下級妖魔?上級妖魔?人間如き?下衆な機械?動物?・・・下らない。私は全てを受け入れる。

父の寵姫を全員自由にした。望む者は人間に戻して。

ファシナトゥールは薄暗い夕方のようなリージョン。では、太陽を作ろう。数日かけて、魔力で太陽を作った。ファシナトゥールは、日本の半分位の面積の空間。当然太陽も近距離で遙かに小さいサイズに縮小しているが、疑似太陽を作れる程の力をアセルスは有している。

次は産業だ。

農業を。土地が何も育てない。私の魔力で何でも育つ土地を。

工業を。鉱物・燃料が取れない。空間が電波等を通さない。私の魔力で作り替える。

住居を、街を。魔力で地形改変後、建設。

学校・商業施設・娯楽その他のインフラの仕組みエトセトラエトセトラ・・・。

アセルスは疲れ始めた。当然だ。半妖として目覚めて、まだ3年。生きてきた年月でいうと20歳。何の帝王学も受けていないで、この年齢で統治は王として若過ぎる。というか、彼女のやっている事は、厳密には統治では無い。ほぼ神の御業だ。

助けてくれる幹部達はいる。妻である白薔薇姫。他、イルドゥン、零姫、メサルティム、ゾズマ。白薔薇姫以外アセルスと共にオルロワージュとの決戦に参戦した妖魔達。政治・経済等は、全て彼らに委任している。アセルスは、知識・知略等頭脳面では只の凡庸な女性だ。上記5名はそれらを含めたアセルスの弱さを全て承知の上で従い、支えている。

 

イルドゥンは政務を。元々アセルスの鬼教官の様な指導者だった彼。政務を預かる種族全員にこう言い続けている。

「我々は公僕だ。意味は分かるな?民の奴隷だ。1年間、一時も休む事は許されん。全力を尽くして平均。暮らしに不具合を感じている民が1人でもいれば全員の罪だ。少しでも不平不満があるなら去れ。」

当初辞めた者多数。アセルスも「厳しすぎだ。」と言ったが、「王が政務に携わる者を甘やかすな。お前も働けよ。王なのだから。」と逆に言い負かした。アセルスが王になっても、2人の立場は変わらない。

だが、公務に携わる者は多くなっていった。イルドゥンが最も働いているから。何故、彼は自らを厳しく律するのか?決戦時、彼の友人でありオルロワージュの幹部ラスタバンが国の改革を謳いながら、実は独裁を目指していた事が判明し、イルドゥンが殺害したから。その十字架があるから、彼は真の改革を目指す。

 

司法は零姫が。元々ドゥヴァンという占いのリージョンにいた彼女。いきなり犯罪予知という反則を躊躇無く使った。犯行場所にあらかじめ妖魔を配置し確保。

司法担当の相棒に、彼女を匿った最上位モンスター麒麟を起用。犯罪者は、彼のリージョンに送られる。子供の夢の国のようなリージョン。つまり、子供からやり直せと。なお、零姫と麒麟に知能知識の面で敵う者はリージョン界全体でも少ない。「安心するが良い。そなたに合わせた更生をわらわが授けてやろう。」ある意味悪魔の囁きで零姫は言っている。

ちなみに犯罪に関係無い司法関係は麒麟に一任している。興味無いから。

 

経済は白薔薇姫が。まず特産品を作るべきと考えた。思いついたのは魔道具の輸出。天才職人がいる。彼をなだめすかして職人指導させ、誰でも作れる大量製品化に成功。効力は大分劣るが。高級であればあるほど効力が高い品を。以前、それら高い能力がある魔道具は魂と引き換えだった。それよりは多くの人が求めてくれるだろう。

また、アセルスは軍隊を廃止した。それ故、手持ち無沙汰な部隊の下級妖魔達がいる。彼らを各リージョンへ派遣。救難救助、犯罪者の確保等で活躍させる。礼金はいりません。その代わり、我々のリージョン・ファシナトゥールの宣伝を。居住・観光、いつでもお待ちしておりますよ。

また、医療を経済の中心の1つとした。逃亡の旅で知り合った闇医者の妖魔ヌカサーン。彼は暇だ。ここに移住させ大病院の院長にした。ヌカサーンは天才医師であり、病気を知りたい変人だ。嬉々として病院というブラック労働に勤しんでいる。ヌカサーンの医療知識・技術に憧れ、勤務する種族が増加した。彼らにもヌカサーンは指導している。当然患者希望者激増。白薔薇姫は妖魔の得意技である転移を利用して、他リージョンから患者を移送するサービスを追加した。よって医療はかなりの稼ぎになっている。

・・・医療費を払えない境遇の者には無料で診察治療しているのは、他のリージョンに漏らさない様にしている。

 

教育はメサルティムが。倫理道徳中心の教育を。何故か?多種族国家だから。価値観を広く受け入れる様に教育すべきだから。

全種族が平等に生きていける国を。その為に、メサルティムは『自分は人間が苦手である。理由は臭いが嫌い。でも、人間と共に生活します。愛する様にします。そうしないと生きていけないから。』と公言している。好き嫌い全てさらけ出せ。その方が心から繋がれる。というのが彼女の教育方針。間違っているかもしれない。だから常に考え続ける。それも彼女の教育方針。

得意分野が分からない?では共に考えて見つけましょう。それも彼女の教育方針。自分は下級妖魔だから知っている。自分より遙かに優れた存在がいる事を。でも、今は対等に話せる。1つでも優れた部分があれば、万能の上級妖魔と接しても恐れる事はない。彼女は言い続けている。

特に重要なのは、学校通学者に年齢制限が無い事。何回でも復学可という事。何歳から学んでも遅くありません。分からなくなったら戻ってきて下さい。共にやり直しましょう。あなたが誰に対しても誇れる刃を手にするまで。

 

娯楽等その他はゾズマが。・・・アセルスは、娯楽等その他全般をゾズマがやりたがった事を少し危険視した。希代の変態だ。麻薬とか平気で売るんじゃないかと。

ゾズマは、アセルスの意図を汲み取って、麻薬等危険な嗜好品の禁止、国内で売買している武器兵器に所有者以外使用不可にする呪いを導入し、また自衛・冒険以外の目的での使用不可にする呪いを導入した。変態だが、能力は、ずば抜けて良いのだ。

妖魔はすべからく容姿が良いよね。アイドル等にして各リージョンへ派遣。やはり収益に。

妖魔は芸術センスも高いよ。様々な芸術作品を各街に展示。また輸出。

様々な娯楽製品の輸入。遊園地等娯楽施設の設立。ゾズマはオルロワージュに次ぐ実力の持ち主。その位の建設設営作業は、僕の魔力で容易さ。

その他商業施設もゾズマが。美味しい料理、素敵な衣服、素敵な玩具、どんどん取り入れよう。楽しくなくちゃ生きている意味が無い。

「国民を堕落させる気か?」産業も携わっているイルドゥンと口論が絶えないが。

陰鬱極まりなかったファシナトゥールが2~3年で活気づいた。国民の数は急上昇していく。

 

だが、ファシナトゥールの根本であるインフラの多くは、上記の通りアセルスの魔力で保っている。彼らの魔力ではアセルスの足しにならない。本当は、何も生めない育てられない国ファシナトゥール。もし自分が死んだらどうなるか・・・。

アセルスは逃亡の旅で出会った人々に手紙を書いた。ほとんど遺書の様な内容だった。

もし自分が死んだ場合、各開発と維持を求めると。人口太陽、土地改造、エネルギー開発、その他の開発および維持の依頼。全て「自分が死んだら、現状にある根本が崩れるから。」が含まれる。

手紙配付後、白薔薇姫が手紙を読み、泣き崩れた。自分が何の役にも立たないから愛しい主が遺書を書くのだと。アセルスには白薔薇姫を抱きしめる事しか出来なかった。

 

・・・そして、妖魔の世界は残酷である。妖魔、特に『妖魔の君』と呼ばれる最上級妖魔は、互いに干渉しない。だが、勝手に『妖魔の君』を呼称する存在を許さない。選定が必要である。時の君という例外がいる。だが、その妖魔の呼称は『他称』であり、本来は名無しの妖魔だ。砦レベルとはいえリージョンを自ら作り出せる実力の持ち主だが、妖魔の君の地位を脅かさなければ、どうでもいい。

アセルスが選定の必要あり、と判断されたのは、『1人で』オルロワージュを殺したからだ。単独での妖魔の君撃破。古い妖魔の君ですら聞いた事が無い異常事態だ。故に議論する集会を、ほとんどの妖魔の君がいつ以来か忘れている年月を経て開かれる。結論は、アセルスの抹殺以外ほぼ無いのだが。

赴くのはアセルス1人。ファシナトゥールの国民ほぼ全てが反対し、引き留めようとした。オルロワージュの地獄の様な統治・・・というかオルロワージュは統治すらせず自国および気まぐれで侵攻したリージョンから強奪搾取していただけだが・・・、その反動でアセルスの支持率はMAXである。

しかし、アセルスは国民に微笑み返して、凜々しく転移した。

自らの呼び名とした『半妖の君』アセルスとして、己という存在を他の妖魔の君に知らしめる為に。

 

 

アインズ・ウール・ゴウンをはじめとしたナザリック地下大墳墓というダンジョンのNPC。

これらは後にアインズを名乗るアバター以外、全て単なるプログラムだった。意思すらなかった。

アインズは、鈴木悟という仮想空間ゲームが出来るレベルの近未来世界に住む人間が、その才能・努力・財力を全てつぎ込んだ最高傑作アバター。しかし、ゲームはサービス終了。最後まで仮想空間にいた鈴木悟は、そのままアバターの身体を得る。スケルトンの魔法詠唱者(マジックキャスター)として。そして、単なる意思の無い存在だった部下達も、意思ある生命として動き出した。

それだけなら良い。ゲームの世界のままでいれば。だが、別の中世ファンタジー世界レベルの星に、ダンジョンごと転移した。

最初は様子見だった。しかし、守護者と呼ばれる最高幹部の1人シャルティアが偶然存在した洗脳アイテムにより反逆。倒す=殺害、して復活させなければ、元に戻せなかった。

この星には脅威がある。それ故、誰からも敵対させない様にしなければ。ここから、アインズの蹂躙が始まる。

そう、蹂躙。この星に住む知的存在達から見れば、魔王軍の様なものが突如として出現し、蹂躙している事に他ならない。現状、アインズ達が出会った存在は、実力者含め全て、本気になれば皆殺しに出来る。

 

アインズ・ウール・ゴウンは、本来ゲームにおける41人の人間のギルド名。チーム名。

だが、鈴木悟だけ残された。

『彼ならば』自らのギルドのメンバーが作り出したキャラクターを大事にするだろう。

『彼ならば』他に転移しているギルドのメンバーがいないか探すだろう。

 

ここからは全て、この書き手の考察でしか無いのだが。

 

鈴木悟は、既に、確実に死んでいる。

アインズ・ウール・ゴウンの名を新たに名乗る骸骨の魔導王は、鈴木悟の記憶しかない別人である。

そうでなければ、作中での殺戮・生体実験等非人道的行為を行えない。鈴木悟という善良であろう人間の精神が耐えられない。

現状アインズは、鈴木悟の知性に基づき、統治を行っている様に見える。

なお、鈴木悟は自分を凡庸と思っているが、実は能力が高い。ゲームだった頃でも実務等を一手に引き受けていた。ある程度、実務能力があり、有能な部下がいれば、統治は容易い。大まかな方針を決め、後は部下に委任すれば良いのだから。

だが、作中でアインズは、鈴木悟以上の知性を見せている。陽動、相手国の敵味方に分かれる自作自演等、鈴木悟が未経験であろう事を容易く行っている。

すなわちアインズは鈴木悟では無い。

組織の運営。鈴木悟は慎重派だ。慎重にナザリック地下大墳墓という組織を動かそう。

しかし、短期間でアインズ・ウール・ゴウン魔導国を建国した。

鈴木悟なら、国家建設は絶対しない。只でさえ、ナザリック地下大墳墓の運営時点でビクビクしていた人間の精神が、大規模な多種族国家運営を望む筈が無い。

・・・もう鈴木悟は、アインズの僅かな良心である。それ以外は消えている。

 

なお、アインズ・ウール・ゴウン魔導国は、本書き手から言えば、間違いなくユートピアの1つだ。理由は、衣食住が保証され、危険な仕事は意思なきアンデットが行う。自分はただ飼われていれば良い。都市の風景であれば良い。ブラック企業なんて無い。成功者による差別も貧しくなる自由を強制される事も無い。いつ殺されるか分からない事を除けば、現実世界より遙かにマシだ。

・・・そう、いきなり殺される可能性が常にある事に、精神が耐えられればね・・・。

 

何故国家建国を望んだか?知識・情報が欲しいから。

現状、自分達が敵わない存在が確実にいる。

自分達を生きる魔族等に変え、この星に転移させた存在が。

その存在は、確実に友好的存在ではない。自分達を勝手に作り替え、鈴木悟を殺害した張本人。目的は不明。『この星で好き勝手して構いませんよ。』それだとしたら、尚凶悪である。自分達の生体実験は、情報が欲しいから。上記理由で呼び寄せたのなら、それは目的理由に値しない。目的も理由も無く、殺戮を誘導する存在。自分達よりも邪悪だ。

その存在に勝つ為に、アインズが望む事は何か?最優先は自分の能力拡大だ。だから知識・情報が欲しい。それらを集め束ねて、新たな強大な力を身につける。

なお、兵力拡大は保険だ。信用できないから。守護者の能力拡大ですら保険だ。彼らの忠誠は絶対では無いから。

この物語で、コメディタッチで書かれる守護者に対する自らの権威誇示。

実は、これは失敗したら、本当に反逆の可能性があるのである。何故なら、ナザリックのNPCのほぼ全員が、本質が『悪』だから。悪とは利己的である。忠誠心も己の心を満たす為。そう全ては、己が中心なのだ・・・。かといってガルガンチュアの様な意思があるか分からない守護者ばかりでは、自分に負担が増す。

そして、ほぼ全員が実力至上主義である。現状、アインズを絶対的実力者と思っている。本心は分からないが。もし守護者より能力が劣ると思われたら?反逆する。

自分が不得手な守護者はいる。上記の、洗脳され反逆したシャルティア。種族属性で自分の天敵。それは守護者含め全てのNPC達に知られている。だから単独で撃破した。自分の実力をNPC達に知らしめる為に。

だが同じ手は二度と通用しない。シャルティアが再び反逆したら、自分は殺される可能性が高い。守護者同士ぶつける?もし共に反逆したらどうするんだ。

最も反逆の可能性が高い存在がいる。外様で引き入れた元リ・エスティーゼ王国王女ルナー。自分の感情だけで自国を壊滅状態に誘引し、アインズに売り渡した。その功績故殺せないが、いつか反逆する。守護者も同じ考えを持っているらしいのが幸いだ。そして、この星にはこんな頭の回るゲスがいるのだ。全く油断できない。

他に信用できないのは武人系キャラ。コキュートスやセバス等。彼らの仁義が自分への忠誠心より勝ったら、反逆する。

テキストで自分を愛していると書いて、その通りになったアルベド。彼女のヤンデレ気質は自分がよく知っている。彼女の場合、失望させたら反逆というより、己の理想に背いた罪で殺しに来る。

誰1人信用できない。誰1人にも自分の本心を打ち明けられない。いざとなったら、頼れるのは自分だけ。・・・なんて地獄だろうか。

だからアインズは自分の部屋に籠もる時間を大事にする。精神が保てないから。

むしろ、人の心を捨てたら?鈴木悟を捨てたら楽になるだろう。

だが、その先は破滅だ。間違いなく守護者を何人も殺害する。そしてナザリック内が衰退し、共倒れか、自分達が見下していたこの星の種族達が待っていましたとばかりに殺しに来る。・・・中途半端な良心すら捨てられないのか。

・・・どうして、こんな存在になってしまったんだろうな・・・。

 

 

アセルスは、妖魔の君が集会をする為だけに作られたリージョンに転移した。

最初に出会ったのは、唯一既知の妖魔の君『指輪の君』ヴァジュイール。黒を基調とした派手な服を着た長身の男。

超古代文明が作り出した指輪を求める者達に試練を課している。退屈しのぎ、それだけの為に。

「あなたも、私の死を望むのかな?」

アセルスは単刀直入に聞いた。

「望むと言ったら?」

「戦うよ。妖魔の君全員と。私は死ぬだろう。1人でも多く道連れに出来れば良い。1人でも多くの妖魔の君に恐れを抱かせれば良い。そうすれば、ファシナトゥールは妖魔の君が恐れて干渉しなくなる。私の力の残滓が残っている可能性があるからね。

・・・その為だけに来た。」

「蛮勇極まりない。本当にオルロワージュが血を与えただけでこうなるのか?

・・・私は戦わないよ。君の死も望まない。

君は変革者だ。この停滞しきった妖魔の世界を変える可能性だと確信した。

だが、君と共に戦う事も出来ない。私も自分のリージョンを守護する責務があるからね。」

「その気持ちだけで十分ありがたいよ。」

そして、2人は装飾煌びやかな宮殿に入った。

 

アセルスは、全方位を妖魔の君が鎮座している空間の真ん中に立たされた。

胸糞悪い。・・・堂々と闘技場が存在するリージョンがあるが、そこで見世物として殺された闘士は、こんな気分だったんだろうな。そう思った。

周囲を一瞥する。

ほとんどの妖魔の君が、父、オルロワージュと同じ目をしている。現在に、未来に、何の希望も抱いていない濁りきった目。・・・いや、私が殺されるのを期待しているんだろう。僅かでも退屈しのぎになるから。愚かな。

・・・アセルスは『威圧』した。

妖魔の君、総数約300人。半分以上が苦悶の表情を浮かべた。ちなみにリージョン4種族の一般人レベルが受ければ即死。冒険者の中レベルでも様々な状態異常を引き起こす。

たったこれだけで影響が出るのか。底が知れるよ。

妖魔の君達の報復。上記ヴァジュイール他数名を除き、本気の殺意を一斉に返された。上級妖魔でも即死レベル。

・・・アセルスには一切効果無し。父との決闘は、ここまで自分を引き上げた。・・・感謝したくもないが。

 

「はいはい。やめやめ。」

殺気が一斉に止まった。

・・・いつの間にか、アセルスの前に外見12歳位の子供が立っていた。金髪と白髪が交ざった髪の短い少年。派手な布を幾重にも纏い、スノードロップ、クロユリ、ベラドンナの花が衣服に咲いては消えていく。

これらの花言葉は、全て死と呪いだ。それだけでこの存在が、自分がどういう者かを表している。

「いやはや、みんな気が短くて困るねぇ。殺気なんか出して。無意味なのに。・・・こんな風にすればいいのにね。」

「!!!・・・・・か・・・・・。」

アセルスは倒れそうになるのを必死で堪えた。

自分の胸を押さえる。心臓の動悸が治まらない。

「はぁっ!はぁっ!はぁっ!・・・。」

・・・アセルスは、親しい存在全てのありとあらゆる苦痛に満ちた惨殺光景を1人100年分一気に見せられた。幻でしか無いのに、仲間の悲鳴と苦悶の声が脳から離れない。

妖魔の君達の嘲笑が聞こえ・・・、すぐに苦しむ声に変わった。目の前の少年が見もせずに、嘲笑した妖魔の君全員の首を絞めている。

「・・・品位を落とす様な真似するなよ。本当に妖魔は格が下がった。

『半妖の君』アセルス殿。歓迎しよう。僕の名は『アンニミューズ』。唯一『妖魔の君』を肩書きとして称する事が出来る存在だ。」

「・・・要はリーダーって事だね・・・。ふふ・・・。やはりリーダーも腐りきっていたという訳か。・・・がはっ!」

アセルスの全身を長剣で1億回貫かれ、同じく1億回胸をブチ抜かれ心臓を握り潰されるク痛を味わった。・・・その時間は、本当は一瞬で。アセルスにとっては途方もない時間を体感させられた。

・・・アセルスは仁王立ちしたまま何も言わない。アンニミューズを睨んでいる。

「流石だねぇ。妖魔の君でも消滅するレベルの苦痛だよ?やはり君は素晴らしい。」

「・・・で、私に何を求める。死か?」

「君ほどの逸材、勿体無くて殺したくない。・・・かといって放置すれば妖魔の沽券に関わる。そこで、君にある存在の討伐を頼みたい。その達成を持って、妖魔の君の1人としての地位確立を認めよう。」

空中に映像が現れた。派手な装飾をしたスケルトン。

「この存在は、リージョン界とは別世界にいる。名をアインズ・ウール・ゴウン。肩書きは魔導王。僕の予知でね?このリージョン界にいつか侵攻してくる可能性がある事を知った。排除しなければならないね。」

アセルスの脳内に、アインズ・ウール・ゴウンの『真の実力を除く』全ての情報が入ってきた。彼が治める国も、兵力も、守護者と呼ばれる部下達の強さ、彼らの正体等情報全て。

「何故真の実力を隠す?テストなのかな?それとも、あなた以上の存在だからかな?」

再び一瞬で、今度は全身をチェーンソーで1億回串刺しと撫で切り。1億回内臓握りつぶしと全摘出を味わったアセルス。

「ぐは・・・。」

「被虐性癖があるのかな?君は。疑問反論の余地は一切認められない。期限は今日含めて4日間。その間に達成できなければ、あるいは君が死亡消滅した場合、先ほど見た君の大切な存在の惨殺が現実のものとなる。・・・ちなみに件のアインズは情報通り国主だ。君も国力総動員で戦いを仕掛ける事を認めるよ。他に暗殺でも好きな手段を使えばいい。」

「・・・わかった。では準備の為、もう帰還しても良いかな?」

「どうぞ。また会う事を楽しみにしているよ。・・・次に会った時『獲物』でない事を祈るね。」

アセルスは速攻で転移して消えた。

 

白薔薇姫は、アセルス転移を察知して急行し、現れたアセルスが倒れるのを予知して彼女を抱きしめた。

「ありがとう白薔薇・・・。でも、休んでいる時間すら無いんだ・・・。みんなを広間に集めてくれないか?1時間後。・・・すまない。少し休ませてくれ・・・。」

白薔薇姫は影を使って招集をかけ、同時にアセルスの介抱をした。あらゆる回復術を使い。ずっと抱きしめたまま。

 

1時間後、円卓に白薔薇姫、イルドゥン、零姫、メサルティム、ゾズマが揃った。

玉座を廃止して、円卓にしたのはアセルスだ。気取っていたなと自虐する。

今の状況になって、円卓も、自分のしてきた事も、すべて茶番だったのかと自嘲したくなる。だって・・・。

「みんなに伝えたアインズ討伐について話し合いたい。ドゥヴァンから来た運命占い師にも確認したが、情報は全て真実だ。そして私の結論。・・・私は、アインズ・ウール・ゴウンに確実に負ける。」

そう言い切った。

「根拠を聞かせろ。お前は悲観主義者だからな。」

イルドゥンが言った。タメ口である。

「根拠の1つ。兵力数。我々に軍隊は無い。まぁ、私が廃止したんだが。

2つ目。幹部総戦力。アインズ達の方が数倍ある。

最後、アインズの真の実力。私より上の可能性が高い。・・・これは勘だけど。」

「やはり悲観主義ではないか。話にならん。」

「僕なら、4日後襲撃として3日間なら、100万体はモンスターを招集出来るよ。黒竜10万体は呼べるかな?

相手が広範囲即死魔法を持っているなら、デュラハンとかメインで。奴らは他にも耐性高い。そして耐性の無い攻撃すら盾で無効化出来る。それが我らの世界のデュラハンの強みだね。そして、黒竜はほぼ全ての状態異常耐性が高い。物量で制覇するのがベストだと思うけどね。」

円卓に脚を乗せてふんぞり返って、ゾズマが言った。イルドゥンより遙かに無礼な態度。アセルスは咎めないが、イルドゥンと零姫が何度注意しても態度を改めないので、もう注意もしない。そして、こういう態度を取る実力はある。黒竜は1体でも熟練パーティ5人を全滅させる可能性があるモンスター。リージョン界でモンスター最強として必ず名が挙がる存在。それを10万。デュラハンも黒竜に次ぐ上位モンスター。それを100万体。

アセルスの次点に位置する実力の、ゾズマだからこそ出来る行為だ。

「アインズがどれだけ魔力が、魔術があるのか不明だ。魔法系統も違うと思う。我々の世界では、即死と消滅は同定義だが、あちらが違えば、消滅魔法で消される恐れがある。

それに、出来ないよ・・・。私の為にモンスターの命を散らす事は出来ない。昔は能力向上の為、討伐していたのにね。国民にモンスターが加わり、どうしても感情移入してしまう・・・。弱い君主だね、私は。」

「自分を卑下なさらないで下さい、アセルス様。あなたのその心で、モンスター等他種族や私達下級妖魔がどれだけ救われたか。」

下級妖魔の人魚、メサルティムが言った。彼女は、その姿で水陸共に活動できる。

「そうだね。失言だったよ。そんな君だからこそ、僕達は君を支えている。・・・そして絶対に死なせたくない。

アンニミューズが仕掛けてくる事は予想していたよ。でも、君が遠からず対決する相手だ。だから情報無しで行かせた。あれに比べれば、件のアインズは人格者だよ。調略方法は、いくらでもある。でも討伐かぁ・・・。」

反省の弁をゾズマは言った。ふんぞり返った姿勢のまま。

白薔薇姫は、メイドのように席にいる者に紅茶を入れたり、お菓子を出したり、せわしなく動いている。今、微笑みながらゾズマの紅茶を入れ替えている。・・・主に進言をしなかった、このマゲ野郎を殺したいと思いながら。

白薔薇姫は上級妖魔であり、アセルスの妻である女性。当初、アセルスの教育係を命じられた。先生と生徒的な感情が、恋愛感情に変わったのは彼女が先だった。オルロワージュは、力は絶大だが、所謂大きな子供だ。それに対して、アセルスはあまりに力の弱い存在。当初は。それでも過酷な運命に対抗している。何故?運命には抗えないのに。でも彼女なら・・・。白薔薇姫は、弱き勇気に惚れた。彼女を守り切る。しかし、死ぬ事は出来ない。

約3年前、オルロワージュが作った異空間、闇の迷宮にアセルスと白薔薇姫は囚われた。そこでは代表者が最も大切にしている者を置き去りにしないと出られない。白薔薇姫は迷宮に残った。

約2ヶ月後、オルロワージュが消滅し、彼女は解放された。精神が植物状態になって。それを自分の魔力等を駆使して元に戻したのがアセルスだ。ファシナトゥールの改造より遙かに難易度が高く、アセルスを心の底から苦しませた作業だった。自分はそれを知っている。だから死ぬ訳にはいかない。

アインズ討伐の話を聞いた時、白薔薇姫が最初に考えたのが、自爆だった。アインズの星もろとも。自分1人が犠牲になれば良い簡単な作業。かつてリージョンを破壊する超巨大兵器があった。そのデータはある。それを元にすれば惑星破壊爆弾なんて、機械が不得手な妖魔でも、簡単に魔力で似た物を創造できる。後は遺書を書き、「馬鹿な女が勝手に自爆した。」とリージョン界にばら撒けば良い・・・。

・・・即座に否定した。アセルスが悲しむから。

白薔薇姫は、最も優しい上級妖魔として知れ渡っている。事実である。なお、その心の奥底は、アセルスの為の自己犠牲精神の塊だ。それを知られない為、妖魔の君レベルの心理障壁を張り巡らせている。もし、この会議で結論が出なければ、自爆決行。もし戦いで、アセルスがアインズに殺されれば、即報復で自爆決行。白薔薇姫とは、そういう女性である。

「しかし相変わらず七面倒くさいのう、アセルス。思い詰めている奴もおるし、最年長者たるわらわが策を授けよう。」

零姫である。見た目年齢1桁の少女。オルロワージュの魔の手から逃れる為に転生を繰り返した、オルロワージュ最初の寵姫。

・・・この場にいるのが最もあり得ないのが、彼女である。

彼女が、アセルスと同行したのはオルロワージュとの決戦直前。理由は、アセルス轢殺は、オルロワージュが零姫を探していた為、起きた事故だから。また、白薔薇姫との別離で悲しむ彼女に同情心が沸き、同行した。オルロワージュ消滅以降のエンディングでは、彼女はほぼ登場しない。

アセルスの3つのエンディング。1つにしか登場しない彼女の心理はこうであろうか?

人間エンド。唯一登場。・・・そうか、弱く儚い人の一生とはこのようなものか・・・。

半妖エンド。冒険?散々オルロワージュから逃げてきたわらわが、旅に同行しろと?

妖魔エンド。論外。オルロワージュ以下の存在になった女など価値無し。死ね。

だが、この話はある意味第5のルートだ。第4はリメイク版のヒューズの物語の1つ。そこではオルロワージュは封印されただけで死んでいない。第4のルートでも、エンディングで零姫はアセルスと行動を共にしていない。何でクソ男の封印を共に管理しなければならないのか。

第5のルート。オルロワージュは死んだ。そして、アセルスはクソ男がしなかったファシナトゥール統治をし始めた。頭の巡りの悪い小娘なのに。しょうがない、力を貸してやるか。ついでに。という心理が働いて、この場にいる設定である。

イルドゥン、ゾズマ、零姫が、アセルスと行動を共にする理由は、弱さと強さが同居した矛盾極まる存在だから。何故だろう、凄く惹かれるんだ。

理由は似ているが、白薔薇姫と上記3人のアセルスに対する感情は異なる。

それは、敬意でも愛情でも忠誠でも友情でも崇拝でも興味でも庇護欲でも無い。形容し難い感情だ。人間でも、この感情は説明が難しいだろう。

そして零姫の策が、アセルス達のアインズ対策『等』として決定した。アセルスが反対した箇所もあったが、無理矢理押し通した。今後この話が終わるまで、全て零姫の計画通りである。・・・アインズ達へのある情報の開示を除いて。

・・・弱さと強さが同居した矛盾極まる存在は、アインズもそう見える。

だが、違うんだよ。あなたの行く道は、このままではオルロワージュだよ。

だから我々はあなたと戦うんだ。あなたの行く道には破滅しかないから。

 

 

アインズ・ウール・ゴウン魔導国に、初めて異世界からの宣戦布告が来た。

総大将は『半妖の君』を名乗る人間では無い存在、アセルスという女性。

交戦理由。種族間の軋轢によりやむを得ず。なお、あなた達の情報、我らの種族の上位存在に見破られていますよ。忠告として。

全軍わずか8名。アセルス除く全員の名前、白薔薇姫、イルドゥン、ゾズマ、零姫、メサルティム、時の君、麒麟。

しかも、『アセルスの真の能力』以外の、全員の能力等情報、進軍開始時間まで詳細に記して。理由は、こちらはあなた達の情報を知っている。対等である事が礼儀だから。

 

・・・外様を除く部下。守護者をはじめとしたナザリック地下大墳墓時点でのNPCのほとんどは、一気に怒りが臨界点に達した。ここまで舐められたのは初めてだ。全員嬲り殺しにし、情報を引き出せるだけ引き出し、死体は晒し者にしてくれる。

 

アインズは、様々な思考を巡らしている。

何故自分達の情報が、ここまでバレた?奴らのバックには確実に自分達より上位存在がいる。・・・自分の真の能力がバレていないのは助かった。部下にも話してないからな。勝算は?不明だ。未知の存在だから。だが、異世界から来るという事は、大規模かつ長距離の高度な空間転移が使えるという事。というか、奴らも言っているし。

高度な空間転移は、こちらの手段に無い。転移遅延や次元封鎖はもちろん仕掛ける。だが、空間転移上位の相手に通じるか?通じないと考えるべきだ。

そう、問題は空間魔法だ。それを使われると陣形配置全てが無意味になる。受けに回るしかないじゃないか・・・。

 

アインズは、命令を下す。

軍事力最大配置。ただし、それに関わるコキュートス・デミウルゴスは、自分の身辺にいる事。入れ替わりにガルガンチュアを外様軍隊に加える。

階層守護者は、自分の身辺に配置。セバスも含む。それ以外の守護者は、城内各所に配置。罠系魔法国内全域に配置。配下全員の能力値を魔法で限界まで底上げ。・・・これが出来る限度だろうな。後はアドリブだ。

そして、アセルスが伝えた交戦定刻が来た。

次の瞬間には、アインズ・ウール・ゴウン魔導国全域が時間停止。アインズおよび身辺の守護者を除く、全ての存在が停止した。

アインズおよび身辺の守護者は、バラバラに亜空間へ強制転移された。

 

 

アルベドは、花々が咲き誇る庭園にいた。

そして激怒した。偉大なる至高の御方と離れさせるとは卑劣な・・・。

「ようこそ、アルベド様。」

白薔薇姫だった。

次の瞬間には、アルベドは斬りかかっていたが、白薔薇姫は転移していた。

「逃げるのですか?臆病者。我らが魔導国に攻め入るという愚行を犯して・・・。逃げる事が出来ると思っているのか・・・。ああ!」

「はい、逃げ続けます。私からは攻撃は一切いたしません。我々で戦うのはアセルス様のみ。

これは、その決着までの時間稼ぎ。そして我々の使命は・・・あなた達守護者への説得です。」

「説得?笑えもしない・・・。アインズ様は完全殲滅を決定された。我々はそれに従うのみ。」

「違います。アインズ様は迷っているのですよ。・・・何故なら、あなた達守護者が、彼の弱さを、心を見せられない最大の鎖だから。」

アルベドは先ほどより早く斬りかかる。白薔薇姫空間転移で回避。

「侮辱するのもいい加減にしろよお前・・・。」

「侮辱ではありません。真実です。まぁ、ゆっくり話しますよ。逃げ続けながら。」

 

ちなみに、デミウルゴスはゾズマが相手をする。賢き守護者である曲者デミウルゴスには、同じく一筋縄ではいかないゾズマしか相手に出来ない。

シャルティアは零姫が相手をする。最強戦力の1つで精神的に不安定なシャルティアは、力があり狡知に長ける零姫なら相手が可能。

コキュートスはメサルティムが相手をする。メサルティムは、アセルス幹部最弱だ。だが勇敢である。コキュートスの武人としての甘さに付け入る組み合わせだ。

セバスはイルドゥンが相手をする。セバスは武人であり冷酷さもある二面性を持つ。オールラウンダーなイルドゥンなら相手に出来ると思う。

アウラ、マーレ、ヴィクティムは麒麟が相手をする。アウラ達は子供の様な優しさと、子供らしい残酷さを持つ。ヴィクティムだけが人間的良心を最も持つ存在だ。長年多くの虐待された子供を助け続け、空間操作能力が最も長けた麒麟なら説得と時間稼ぎが出来ると期待して。

時の君だけ異空間にはおらず、アインズ・ウール・ゴウン魔導国全域の監視。

そして、白薔薇姫の様に、アセルス以外の者達の戦略は『守護者の説得』である。

それ故、アルベドと白薔薇姫のやりとりだけを記し、後は割愛する。

 

アインズは扉だけ無数にある異空間にいた。

「初めまして。アインズさん。」

アインズの目の前に、緑のショートヘアの女性がいた。アインズ即座に様々な状態異常魔法発動。全て無効。

「すまないね。私はあらゆる状態異常を無効化できる。それはあなたも同じじゃないかな?」

「そうだとも。仮にも魔導王を名乗る者が、状態異常になっては笑い話だ。そして、魔導王とはこんな事が出来る。」

超位魔法:天上の剣がアセルスに降りかかった。

アインズは呪文を唱えていない。完全無詠唱。かつ、どのような魔法でも使用制限無し。かつ、魔力無限。これが、アインズの真の実力の1つ。

アセルスは傷を負った・・・、かと思ったら、アセルスの足下に曼荼羅のような模様が現れ一瞬で再生した。

「これは克己という全回復する心術の1つ。私の真の実力の1つを教えるとね?私は、私の世界の全ての技・術を使える。ちなみに私も完全無詠唱だよ。」

次の瞬間には、アインズの周囲4箇所、十字架のような配置でアセルスの分身が剣を振り下ろし、天上からアインズを縦一文字に斬り、十字架の桃色のオーラが発生した。全て過去形。

「・・・これは結果だけ発生させたのかな?」

「似たようなものだね。タイムリープという時術であなたの行動を数十秒終了させた。その間にロザリオインペールという対不死者に効果がある剣技で攻撃した。

・・・やっぱり属性効果もゼロにしているんだね。」

「属性弱点など、足枷にしかならないからな。」

ちなみに、アインズは僅かに動揺している。装備アイテムである時間対策の魔法の指輪が効果無しだから。

「・・・では、属性が無いのに、属性の本能に縛られないのに、何故虐殺や生体実験を繰り返している?元人間なのに。人の心があるのに。」

「・・・なるほど。精神的揺さぶりという事か。」

「違うよ・・・。この陰鬱な空間『闇の迷宮』を作ったのはね?私を人間から妖魔に変えた妖魔の王だった。私は半妖という存在。常に人間と妖魔の狭間で心が揺れ動いている不安定な存在。そして、妖魔の王を超える力を得た。

すると、未来の可能性が見えたんだ。私が完全に妖魔になった未来。邪悪なる支配者。虐殺者。残酷な征服者。私を変えた妖魔の王を遙かに下回る外道。愛しい人を簡単に見捨て、親友の人生を滅茶苦茶にした。

心を無くすとはこういう事だよ。・・・あなたは、あったかもしれない未来の私になろうとしている。」

「フフフフフ。ハハハハハハハハハハ!!!!!」

「・・・。」

「いやはや。まるで人間が正しい心を持っているかの言い分じゃないか、アセルス殿?

全力で否定する。

私にも元の人間の心というか、記憶がある。鈴木悟という社会の下っ端で働いていた弱者だ。

彼の世界には、かつて独裁者がいた。独裁者という言葉を出せば、誰もがその名前が最初に出る程の邪悪で、歴史に残り続ける人物。その独裁者は、ある人種を劣等人種と見なし皆殺しにしようとした。その人種が滅ぶ前に、自らが滅んだがね。

その人種は、商業的能力に長けていた。世界各地で、商売を成功させ、経済に大きな影響を与える人種。その人種は虐殺から生き延びた後も、こう非難され続けているよ。「世界を裏から牛耳っている黒幕」とね。

事実かどうかは不明だ。だが、虐殺を受けて100年以上が経過した世界でも言われ続けている。そして、その人種を非難している人間達に、こう質問する。「お前達の非難は、かの独裁者と同じじゃないか。」と。その人間達は確実にこう返すのだ。「あんな人間とは違う。我々は正しい。」と。

これが人間の正体だよ!いや、知的生命全ての正体と言うべきかな?私は、このような存在になって何種族かと接触した。その種族全てに存在するのが、自らの方が優れているという優生意識だ。差別意識だ!他者を踏み台にしてなんとも思わない邪悪さだ!!

1種族で出会った数の総合計の中から、その意識を持っている個体数を算出すると、およそ8割の個体に、この思想が根底にある。それが全種族全て同じなんだよ!

すなわち、人間とは、知的生命とは、『悪』だ。

・・・だから、私は『飼う』んだよ。全種族を。悪を。愚かな事をさせない為に。

私も悪だよ?悪だとも。だが己を省みる事が出来る。己を省みる事なく正義面している愚者が、世界にどれだけいる事やら。だから私は愚者を、悪を導くのだ。悪の理想郷を造ってね。」

「・・・そして、あなたを止める人はいなかったんだよね。あなたの守護者という配下。ほとんどが『己を省みる事なく正義面している愚者』だよ・・・。だから、あなたは守護者にも心を閉ざすんだ。絶大なる力を持ちながら、あなたは世界でひとりぼっち。

・・・悲しいよ・・・。」

「同情も拒否する。アセルス殿、貴殿は数少ない心の奥底から善の存在だろう。

だが、いかなる不条理な理由があろうとも、我が国に刃を向けた。それ故、全力で滅ぼす。

私がこの決定を覆す事は無い。そして問答も終わりだよ?」

「残念だね。」

アインズが、第九位階魔法:核爆発を発動させた。これは、現実の核爆発程の威力は無い魔法だった。だが、現実の核爆発と同じ爆発が発生した。

 

アインズの真の実力を列挙すると、①自分への状態異常全て無効。②自分の種族属性、有益なものを除き無効。③元ゲーム『ユグドラシル』の全魔法・全スキル・全装備アイテムが使える。完全無詠唱。④魔法・スキル・装備アイテム威力等の大幅な拡大。⑤魔力無限。⑥身体能力の天文学的増加。⑦+αである。

 

アセルスの真の実力を列挙すると、①自分への状態異常全て無効。②自分の種族属性、有益なものを除き無効。③元ゲーム『サガフロンティア』の全技・全術・全装備が使える。完全無詠唱。④1回の行動につき同時7回行動が可能。⑤自らの魔力等の大規模増大化&術・技・装備の威力等の大幅な拡大。⑥身体能力の天文学的増加。⑦妖魔化する事で、1人で元ゲーム『サガフロンティア』の最大連携が可能。なお、全ての技を連携に繋ぐ事が可能。である。

 

 

アルベドは防御最強である。だが、攻撃となると心許ない。強力な攻撃技も無い。

そして、白薔薇姫は攻撃を一切しない。ただの時間稼ぎ。アルベドにとって最も不利な状況だ。カウンター迎撃が出来ず、悪戯に時間を消耗する。主アインズの守護が出来ない。腹立たしいこの女。澄ました顔しやがってこの女。嬲り殺しは止めだ。即殺に切り替える。・・・もう切り替えてはいるが。

形状変化する武器:真なる無(ギンヌンガガプ)で攻撃。光の剣で弾かれる。

「これは光の剣という術。その名の通り、光の剣を装備できる。そして、光の剣は自動でディフレクト・・・、あなた方の世界でパリィとほぼ同じ直接攻撃、物理攻撃相殺が可能。

私は、剣は不得手です。ですが、この魔法であなたの直接攻撃は封殺できます。」

「お前らが出した情報で知っているよ。得意ぶんなよ?女・・・。」

アルベドは、アイテムボックスから『雨と風を発生させるマジックアイテム』を取り出し、放出。

自分が攻撃手段に乏しい事は知っている・・・。対策してないとでも思ったか?

暴風雨発生。・・・白薔薇姫の目の前に鏡のようなものが発生し防いでいる。

「硝子の盾という術です。遠距離攻撃相殺。近距離攻撃では破片が刃となって相手を襲います。ですが、私はあなたを攻撃するつもりは一切無いので、近距離攻撃の場合消して光の剣で防御します。」

「それも知ってんだよ・・・。うるせぇなぁ・・・。クソアマ・・・。」

「では、クソアマが少しお話をいたします。

『残酷で、他者に苦痛と絶望を与える事を悦びとし、暴虐を行うためには手段を選ばない非道で狡猾な精神を持ってしまった。彼女の本性が無制限に解き放たれた時、ナザリックの外で生きる者たちは、地上の暴君と呼ばれた女王や女帝たちの暴虐は所詮人間のやることでしかなかったと知ることになるだろう。』・・・。

これで一部。長い設定ですね。この他にも残酷な設定がずらずらと。アルベドさん、あなたの設定です。

で、あなたは実は、この設定をした産みの親の人間すら憎んでいると。」

「当然でしょう?私達を見捨てたのだから。人間の分際で。」

「・・・アインズ様も元人間ですよ?」

無言でアルベドが斬り続け、白薔薇姫がディフレクトし続ける。

「お前、至高の御方を愚弄するのか?アインズ様を侮辱するのか?テメェよぉ!」

「失礼いたしました。・・・アインズ様は人間です。元では無く。」

アルベドの攻撃が加速した。

「殺す・・・。殺す。殺す!殺す!!殺す殺す殺す!!!!!」

「怒るのなら聞きなさい。アインズ様を愛しているなら聞きなさい。

・・・あなた、アインズ様の趣味をご存じですか?1人部屋で何をされているかご存じですか?・・・というか、何故1人で室内に籠もられているのでしょう?家族同然の守護者がいるのに。」

「1人になる時間は大事でしょう?プライベートの時間は大事。まさかそんな事も知らないの?」

「アセルス様のプライベート時間は、ほぼ私と共におります。ガールズトーク、愚痴の言い合い、セックス。セックスの割合が多いですね。」

「・・・・・・・・・・・は?」

「もちろん、お1人になる時間も多いですよ。大抵は漫画を読んでいらっしゃいますね。少女漫画。『あぁ、こんな素敵な王子様に出会って、素敵な恋をしてみたかったなぁ。』と。」

「キメぇんだよ!このガチレズ共が!」

アルベドは、というかアインズおよび守護者達は、このプライベート情報も伝えられていた。侮辱としか考えていなかった。まさか、本気だったとは・・・。狂っているのかこいつらは・・・。

ちなみに、これが零姫の計画に含まれていない情報の開示である。プライドの高い零姫とイルドゥンは、プライベート情報を開示していない。ゾズマは、嬉々として開示した。その変態性は、アセルス達もドン引きした程である。

上記話をしている時も攻防は続いている。下記も同じく。

「あとですね。母親が活躍する漫画も読まれています。母親にも憧れていらしたので。

・・・本当は小説とかも読んでいただきたいんですけどね。だから、頭が良くならない・・・。

という様な、我が主の紹介の1つ。

さぁ、アルベドさんも主の紹介をしていただけませんか?至高の御方、自慢の主なのでしょう?さぁさぁ!」

「黙れよ変態共。・・・お前さ。今、自分の主の事『頭が良くない』って言ったよな?・・・言いましたよねぇ!自分の主を馬鹿にするとか忠誠心が無さ過ぎるんじゃないですか?哀れですね。」

「その言葉、そっくりお返しいたします。あなた方の忠誠心は少ないですよ。何故なら、あなた方は、主の凡庸な側面を受け止める度量が、あまりにも無いから。」

「はぁぁぁぁぁ??????」

「かつて、部下の意見を聞き入れる目安箱をアインズ様は設置なされました。その中に『ユニフォームを作ろう』という意見があったのを覚えていらっしゃいますか?あなたは、その意見を出した者を探しだし徹底的な罰を下すべしと言いました。

・・・その意見がアインズ様のものだとしたら?」

「・・・あり得ない・・・。あんな下らない事を書く訳が・・・。」

「私は、そうは思いません。我々も、というかアセルス様も『それ良いね。』と言われていました。反対する者もいましたが。

その意見がアインズ様であっても、あなた方の誰かであっても、大切な意見として尊重すべきなんですよ。どんな馬鹿馬鹿しい意見でも尊重すべきなんですよ。

それが組織を運営する重役の度量です。アルベドさん、もっと広い心を持って下さい。

それを、守護者たる存在が、ほぼ誰も持ち合わせていないから、アインズ様は気の休まる時も無いんですよ?

どんなに優れた存在でも、愚痴は言いたいんですよ?悪口不満言いたいんですよ?下らない事言いたいんですよ?それを、あなた方に伝えられないなら、なんて孤独で可哀想な方なんでしょうね。アインズ様という至高の御方は。」

「だまれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」

「黙りません。アセルス様の戦いが終わるまで、続けさせていただきます。・・・出来れば、あなた方の心を少しでも広げられるまで。」

 

 

アインズの攻撃。

第十位階魔法:最終戦争・悪発動。

悪魔が多数出現した。その数約100万体。

 

アセルスは、1体が黒竜レベルと推測。7回同時攻撃を開始。今回は全て『サガフロンティア』ラスボスの最強攻撃技である。

①七支刀。剣を召喚し、剣からプロトンビームを放ち広範囲攻撃。

②天罰。地面にレーザー放出。この空間に地面は無いので、ある程度の空間に。広範囲の足下から雷撃が無数に立ち上る。

③ジャッジメントX。多数のUFOを召喚し、上空へ飛ばし、広範囲にミサイル爆撃を仕掛ける。

④カーネイジ。無数のレーザーを跳弾させた後、指定した相手に直撃させる。この技は、敵味方共にターン終了後の発動であり、同時攻撃にならない為、『隙が生じた相手を特定し即攻撃。』に変更してある。

⑤レヴォリューション9。9つのモンスターの霊を憑依。防御強化し、その後、霊達を円形の陣に並べた巨大エネルギー体を放出。この技も同時攻撃にならない為、いつでも放出可能に変更している。

⑥三人の寵姫。3つの巨大肖像画を召喚。肖像画から寵姫の霊が出現し、相手の周囲を高速で駆け回りながら棘のようなエネルギーを広範囲にばら撒く。・・・オルロワージュの技である為、使用したくなかったが。

⑦バスターランチャー。巨大レーザービーム砲召喚。直線上に放出。最も攻撃範囲が狭い代わりに威力が最も高い。防御力無視(アインズには無効にされるが)。

これら全てを、『同時に放つ攻撃と全く相殺させる事無く』アインズを含む悪魔に同時攻撃。悪魔は全て消滅。アインズもダメージを負った。

 

次、アインズ。

第十位階魔法:沙羅双樹の慈悲発動。この魔法は①体力微量に回復。②即死耐性。③死亡しても復活。であるが、改造。①即あらゆるダメージ等全回復。②死亡しても復活。③何か他の魔法・スキルも使える。に変更してある。よってスキル:次元断切発動。次元断切も文字通り『次元ごと相手を切断』に変更してある。

アセルスは袈裟斬りに真っ二つになった。

 

その状態で、アセルス行動。

①克己。自身全回復。

②空術:ヴォーテクス。アセルスとアインズの術や魔法全て打ち消す。アインズの『死亡しても復活』を消した。

③タイムリープ。アインズの行動を数十秒終了させる。そうでないとアインズは直接攻撃を喰らってくれないだろう。

④~⑦体技:DSC4回連続。DSCとは、スライディング→バベルクランブル→パワーボム→ジャイアントスイング→スイングDDTを連続で繋げる技。この技は、最後まで繋げられれば他の技と比較して7倍以上の攻撃力を誇る。ただし途中で繋げられず終わるという弱点がある。アセルスは、この5連撃を『必ず最後まで成功させる&投げられない相手も投げる』に変更している。このDSCを4回。

流石のアインズもかなりのダメージを受けた。

 

次、アインズ。

超位魔法:星に願いを発動。この魔法は『望んだ願いの実現』。アインズはアセルスと同じく1回で7回行動を願った。星に願いを、を差し引いて、後6回行動が可能。

①第六位階魔法:大治癒。自身全回復。

②スキル:The goal of all life is death(あらゆる生ある者の目指すところは死である)。相手の背後に十二の時を示す時計が浮かび上がる。このスキルは、本来即死魔法補助で、相手が即死無効化能力を持っていても即死させる事ができる筈だが・・・。ちなみに現在のアインズにとって時計は飾りであり、即死魔法付与&即効果発動に変更してある。

③スキル:五大明王撃。不動明王が相手の回避力を下げ、降三世明王が手に持った槍で貫き、大威徳明王が巨大な棍棒で叩きのめし、軍荼利明王が手に持った蛇を巻きつかせ金縛り効果を維持し、金剛夜叉明王が雷撃を纏った金剛杵で複数回殴りつける。

④スキル:大災厄。呪詛の破壊エネルギーを広範囲に放つ。

⑤超位魔法:黙示録の蝗害。1つの国を崩壊させる超位魔法。

⑥第十位階魔法:内部爆散。相手を粉々にする。

アセルスに大ダメージが入った。その後、粉々に。だが、アセルスは首だけになっても生きていた。The goal of all life is deathはやはり通用しなかった。

 

次、アセルスの行動。

①克己。自身全回復。

②タイムリープ。アインズの行動を数十秒終了させる。念の為。

③陰術:シャドウサーバント。自らの行動をトレースする影の分身を作り出す。本来は1体だが、アセルスは7体の分身出現可能。この術の効果が消える可能性がある為、ヴォーテクスは使わない。

④秘術:塔。相手の背後に塔の幻を作り出し、巨大な落雷を相手に与える。全ての魔力使用の代わりに、与えるダメージは全ての技、術を遙かに上回る。シャドウサーバントも使用するので、8回連続。なお、シャドウサーバントの威力は自らのトレースなので同じダメージを8回連続で与えられる。

⑤アイテム:結界石使用。術、技で使用する力の完全回復。

⑥DSC。8回連続。

⑦塔。8回連続。

アインズは完全に消滅した。だが、アインズのアイテムボックスにあるアイテム『巻物(スクロール)』に記した魔法:真なる蘇生により復活した。

 

アインズは、かなり焦っている。こちらが後手で強化魔法を使用しても、打ち消される。アセルス交戦前に使用した強化魔法も打ち消されている。先天的能力で勝負するしかない。

それに、相手もほぼ不死じゃないか。そして、1回で7回攻撃がこれほど厄介とは・・・。だが、時間魔法がこちらに通用するなら、相手にも通用する筈。次はそれを絡めた攻撃を。

アインズ、超位魔法:星に願いを発動。今度は20回行動を願う。叶うか・・・。叶った。19回同時行動可能。

①スキル:魔法無効化の応用で、アセルスのシャドウサーバントを打ち消す。

②第九位階魔法:時間停滞。アセルスを停止。

③スキル:死せる勇者の魂。自らの分身を召喚。シャドウサーバントと違い、別行動が可能だが、高位の攻撃以外アセルスに通用するとは思えない。よって同じ行動をさせる。以降この回で記載した数字は倍となる。

④超位魔法:黒き豊穣への貢。これは即死の補助魔法で、本来即死させた相手を生贄に、黒い仔山羊を召喚する。それを、即死プラス黒い仔山羊召喚魔法に改造した。即死はアセルスに効かないが、召喚する黒い仔山羊は高位のモンスター。それ自体でもダメージを与えられる筈。前は5体が限界だったが、100体召喚できた。躊躇無く攻撃。

⑤天上の剣。

⑥黙示録の蝗害。

⑦超位魔法:天軍降臨。高位の天使召喚。以前は6体が限度だったが、200体召喚できた。強さは最終戦争・悪の悪魔を遙かに上回る。召喚即攻撃。

⑧超位魔法:魔軍逬発。高位の悪魔召喚。強さは天軍降臨の天使と同等。やはり200体。召喚即攻撃。

⑨次元断切。

⑩五大明王撃。

⑪大災厄。

⑫核爆発。

⑬スキル:金星の豪雨。酸の大雨を降り注ぐ。

⑭スキル:太陽の爆発。標的を中心に炎が吹き荒れる。炎の剣が必要だが無視。

⑮スキル:土星の大流星。無数の流星を落とす。

⑯超位魔法:失墜する天空。超高熱源体によって生じた絶熱で相手を攻撃。

⑰アイテム・魔封じの水晶。アセルスの魔法全てを封じる。効果があればの話だが。

⑱内部爆散。

⑲超位魔法:世界を騙す幻術。ありとあらゆる系統の魔法の使用可能が以前の効力だったが、相手の未知の技全て使用可能に変更している。今までのアセルスの攻撃を全て模倣した。

アセルスは消滅し、この闇の迷宮自体も攻撃力に耐えられず、消滅した。

 

アインズは、元のアインズ・ウール・ゴウン魔導国城内にいた。

部屋に黒髪と白髪が交じった達観した雰囲気の筋骨逞しい男がいた。アセルスの情報だと時の君という男だ。お前達の総大将アセルスが消滅した事を伝えてやろうかと思ったが、とてもそんな気がしない。アセルスを倒した気がしないのだ。

「アセルスを倒した気がしない・・・と考えているようだな。」

・・・これは心を読まれた訳ではない。思考予想だ。・・・ここまで追い詰められているのか。ダメージは回復しているから身体面は問題ない。精神的な疲弊故にアセルスより格下に考えを読まれているのだ。精神的疲弊は、捉え所の無いモノだ。そんなモノを回復させる魔法なんて存在する訳が無い。

・・・光の柱が立ち上り、アセルスが復活した。ダメージ魔力等全回復して。

「リヴァイヴァという復活の術だ。知り合いに私より強い術士がいてね。彼にアイテムに加工して貰った。よって魔法打ち消しに関係無く使用できる。」

「私もアイテムに魔法を込めて持っているから、人の事は言えないよ・・・。」

・・・時の君が殺気を出した。アインズ無意識に反応。その隙にアセルスがヴォーテクス発動。アインズの星に願いを、による19回攻撃を消し去った。

・・・こんな簡単なフェイントに引っかかったのか。アインズは、自分は本当に疲れているなと思った。

「アインズさん、疲れているね。というか、あなた最初から疲れているよ。」

「そうだな、疲れているよ・・・。よって、次の攻撃で滅ぼすよ。全力でね。」

「私も本気を出そう。そして、同じく次の攻撃が最後の攻撃だ。」

アセルスの空間転移により、アセルス・アインズ両名が転送された。

 

 

そこは、日中の穏やかな一軒家。

「ここは、私の生まれ故郷シュライクの、私の家だよ。・・・私は、半妖になって十数年眠りについていたから、もうここには帰れない・・・。もちろん私が作り出した異空間。本物ではない。でも、闇の迷宮より空間強度は丈夫だよ。

これから繰り出す攻撃は、あなたの星を軽く消し去るからね。」

「助かるよ。私も自らの星を躊躇して、この形態変化は出来なかった。同じく星を滅ぼすから。・・・それと、元の世界に帰れないのは、私も同じだ。」

「寂しいね。」

「ああ。」

アインズは、神器級装備を全て一時的に放棄した。理由は、もうそんな物が不要な程、この形態の自分の力は強大だから。今のアインズは、裸のスケルトンである。

・・・形態変化が始まった。背中から6枚の骨の翼が生えた。何カ所かに肉や骨がついている。アインズの本来の人形態のスケルトンの身体にも、各箇所に肉や皮がついた。アインズの空洞の目に眼球がついた。スケルトンというよりゾンビともいえる。

「この状態を『FC2TB(エフシーツーティービー)』と名付けた。「揺籠から墓場まで」(From cradle to the grave)の略だよ。

私は、全ての知的生命をその生から死まで見守るんだ。何故なら知的生命の本質は悪だから。

悪を導くのは、悪しかいないだろう?」

「・・・私には、その姿は生への憧れにしか見えないよ・・・。ちなみに、私も自分が正しいなんて言えない。こんな力を内面に宿しているからね。」

アセルス妖魔化。髪が緑から青緑になった。髪の長さはやや長くなり毛先が荒々しく伸びている。ここまでなら元のゲームと同じだが、アセルスが身に巻いている薔薇の蔓の棘が激しく伸びている。ただしアセルスの身体には傷一つ無い。蔓も薔薇の華も叫び声を上げながら、蠢いている。

「これが、私の100%の能力開放状態『クォーターニティ(四位一体)』の真の姿。この状態は1時間しか維持できない。そして、この状態では1度に41連携を繰り出す事が出来る。連携は、私の世界のパーティ基本戦術で、繋がらない技もあるのだが『私は1人で全ての技を繋ぐ事が出来る』。」

「・・・ご説明ありがとう。『私の能力を制限時間1時間10分。および1度に43連携可能、1人で全ての技を繋ぐ事が出来る、に設定できた。』

私のこの形態は、不死者の現世定着維持時間、要するに寿命だ、それを消耗する。それ故、この形態の真の能力を、『相手の最高能力を僅かに上回る』事にした。この形態を使う存在なんて滅多にお目にかからない筈だからね。だから、言質を取る必要があった。もちろん真偽を魔法で確かめるのも必要だが・・・、貴殿を信じるよ、アセルス殿。」

「ありがとう『本当は優しい王になりたかった魔王様』。これが、あなたの道を破滅からそらす最後の攻撃だ。」

アセルスは、剣を召喚し、両手で自らの足下中央に突き立てた。

「最大連携には、まずこの構えが必要なんだ。この剣の名前は『金獅子の剣』。私が数回言葉を交わしただけの親友の形見。そして、私が滅ぼした妖魔の王を愛した女性の形見でもある。・・・どんな邪悪な存在でも誰にも必要とされない事はあり得ない事の証明。

私の戒めだよ。

そして、開始する。この連携攻撃の名は『剣(けん)』。」

41連携攻撃と、それを凌ぐ攻防が始まった。

 

 

『サガフロンティア』において、連携とは相手に攻撃がヒットし、次に仲間の攻撃がヒットする事で成立するが、アセルスは『ヒット、ガード、無効問わず連携に出来る』。それを同じ条件にしたアインズも同様。よって、通常の攻防と何ら変わらない状況が発生する。ただし、これからの一連の攻撃は、妖魔の君ですら視認出来ない速度で行われる。・・・核爆発直撃しても大してダメージを負っていない2人の攻防なので当然とは言えるが。

 

①アセルス、刀:月下美人を召喚し攻撃。剣技:乱れ雪月花発動。風雪即意付け→月影の太刀→三花仙の剣技三連撃。この技はリマスター版で追加された特殊モンスター、パープルシャドウが1つの技として使用した為、同じく1つの技として使用できた。

アインズ、装備:純白の盾召喚で全て防いだ。

アインズ攻撃。戦鎌:カロンの導き召喚。死者の炎、不死者忌避、不死者創造、病気、不死に眠り、邪視、死面、栄光の手、といった8つの即死を8時間の内2回使用できるが、『全部即使用』に改造してある。更に特別製アンデッドスパルティアトを24時間で30体召喚できる。それを『即30体召喚』に改造。アセルスに即死は効かないが、アンデッドスパルティアトで羽交い締めにするつもりだった。

そして、『サガフロンティアでは武器切り替えは攻撃にカウントしない』。またアセルスは『武器を召喚し装備可能』。よってカロンの導き効果は連携にカウントされない。その為これがアインズの1撃目。第十位階魔法:神炎。巨大なる炎。

アセルスはモンスター技:ファイアーバリア、フリーズバリア、サンダーバリアを展開。これは装備技なので攻撃にカウントされず『アセルスはいつでも出現解除可能』。アンデッドスパルティアトを消滅させたが、神炎は喰らった。・・・だが、同じくモンスター装備技:光合成で回復。

「傷を回復させたが、それは装備技かな?」

「そうだよ。ここは昼だからこの技、光合成が使えるんだ。逆の技もあるけど、それは他の回復技の効果を激減させるから、今は使わない。そして残念な事に、どちらも全回復技では無い。」

「その馬鹿正直さは直した方がいいぞ。対策されるから。」

 

②アインズの方が早かった。超位魔法:天地改変発動。フィールドの効果変更魔法。シュライクは夜になった。

アセルス、ヒーロー技:真アル・フェニックス発動。巨大な不死鳥のオーラを纏って突撃。アインズにダメージを与える。

 

③アインズの方が早い。強化魔法:魔法三重化発動。1度に3回魔法使用可能。

アセルス、魔術:ヴァーミリオンサンズ発動。超巨大なルビーを出現させ、粉々にし、それと共に相手を巻き上げる術。アインズにダメージ。

「これは選択ミスだぞ?アセルス殿。魔法三重化を消すべきだった。これで私は後120回連続で魔法が使える。」

「どうかな?対抗できる自信がある。」

 

④アセルスの方が早い。剣:幻魔召喚。攻撃は、陽術:超風。広範囲に灼熱の炎をまき散らしダメージを与える。

アインズ。魔法その1.大治癒。自身全回復。その2.失墜する天空。アセルスに大ダメージ。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。相手を闇のオーラで包み切り刻む。

幻魔相破は、幻魔での攻撃および回避不能かつ本来直接攻撃のみ発動だが、幻魔を装備しているだけで魔法等直接技では無い攻撃にも発動に変更。

アインズ、魔法その3.第十位階魔法:超酸の霧発動。相手を酸性の強烈な蒸気で包む。アセルスの全身が焼けただれている。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

アセルスは事前にモンスター装備技:死の属性を装備しており、回復。

「まぁ、これでやられっぱなしという事は無い訳だ。」

「成程ね・・・。」

 

⑤アインズの方が早い。魔法その1.大治癒。自身全回復。その2.時間停滞。アセルスを停止。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

その3.第十位階魔法:現断を発動し、アセルスを斬撃。血飛沫を上げるアセルス。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。死の属性で回復。

「その武器と回復技は、時間停止しても発動するのか。・・・厄介だな。」

アセルスの反応は無い。時間停止している為。

 

⑥アインズの一方的な攻撃。装備:素戔鳴(スサノオ)召喚。これは3メートルある巨大な刀。攻撃力が極めて高いが攻撃速度は遅い。だが、アセルスは止まっている為、攻撃。

幻魔を破壊しつつ、アセルスを深々と斬った。

アセルスは死の属性で回復・・・したが、全回復はしていない。

 

⑦アセルスはまだ停止している。魔法その1.黒き豊穣への貢。黒い仔山羊100体召喚。魔法その2.天軍降臨。高位の天使200体召喚。魔法その3.魔軍逬発。高位の悪魔200体召喚。一気に攻撃。アセルスはかなりのダメージを受けたが・・・。回復している。

 

⑧「・・・時間停止も効果が消えたみたいだね。」

「貴殿を殺すには、一気に確実に消滅させるしかない訳か・・・。」

「そうだよ。」

「しかし、こちらには黒い仔山羊、天使、悪魔、計500体がある。連携中貴殿は7回攻撃が出来ない。どうする?」

「こうする。」

アセルスの方が早い。剣:幻魔召喚。攻撃は・・・何もしない。

アインズは訝しんだが、攻撃。魔法1.核爆発。同時に、黒い仔山羊、天使、悪魔総攻撃。

アセルス、剣技:喪神無想発動。相手攻撃を喰らう前に5体に分身し相手を攻撃する完全カウンター剣技。アセルスは、この技も魔法等直接技では無い技にも発動できるよう改造。黒い仔山羊、天使、悪魔に対し1体5人。計2500人に分身し切り刻んで消滅させた。そして、アインズの核爆発を喰らう前に、分身体5体が斬りかかったが、純白の盾で防がれた。

「この技は盾で防げない筈なんだけどな。」

「こっちも色々改造しているのさ。」

魔法2と3は使えなかった。喪神無想でカウンターされるから。

アセルス、死の属性で回復。

 

⑨アセルスの方が早い。術:保護のルーン発動。この術は姿を隠す術だが、『次元をずらして攻撃対象から逃れる』術に改造してある。

アインズ、スキル:魔法無効化でアセルスの保護のルーンを打ち消す。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

「これでじわじわ私のライフを削る気かな?」

「そんな姑息な事はしないよ。」

「それと盾を回避されるのだが?」

「分身の攻撃じゃないからね。避けて攻撃くらい出来る。」

魔法無効化は、魔法ではなくスキルなので、3回連続が出来ない。

アセルス、死の属性で回復。

 

⑩アインズの方が早い。魔法その1.大治癒。自身全回復。

魔法その2.第九位階魔法:朱の新星発動。相手を紅蓮の炎で包む。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

魔法その3.第九位階魔法:万雷の撃滅発動。強烈な雷撃を見舞う。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

アセルス、克己。自身全回復。死の属性は解除してある。

「やっぱり選択ミスだったかな・・・。」

「容赦はしないよ。」

 

⑪アセルスの方が早い。タイムリープ発動。アインズは、自分と同じく3連携後に活動再開するだろうと予測。・・・自分は3連続魔法なんて出来ないので、今は何も出来ないが。

 

⑫アセルス、魔術:サイキックプリズン発動。この術は相手の術を反射し相手魔法の約10分の1のダメージを与える術だが、『回復術以外全ての術をそっくりそのまま返す術』に変更してある。

 

⑬アセルス、シャドウサーバント発動。7体の分身出現。

 

⑭アインズ、タイムリープ解除。

だが、アセルスの方が早かった。アセルス、メカ技:スターライトシャワー発動。空高く舞い上がり広範囲にレーザー放出。7体のシャドウサーバントも追随。アインズにかなりのダメージを与えた。

アインズ魔法その1.大治癒。自身全回復。魔法その2.天上の剣発動。・・・自身にダメージが来た。

「反魔法を張り巡らせていたか。」

アインズ魔法その3.大治癒。自身全回復。

 

⑮アインズの方が早い。スキル:魔法無効化で、サイキックプリズン解除。だが、自身の魔法三重化も消さざるを得なかった。

「してやられたな。」

「いくら私でも、同じ手は使わせないよ。」

アセルス、モンスター技:磁気嵐発動。2つの黒い竜巻が広範囲を駆け巡る。シャドウサーバントも追随するので、8回同じ攻撃をアインズは喰らった。かなりのダメージだった。

 

⑯アインズの方が早い。沙羅双樹の慈悲発動。1.即あらゆるダメージ等全回復。2.死亡しても復活。3.何か他の魔法・スキルも使える。アインズは、第十位階魔法:要塞創造で巨大な空中城を創りあげ防御する。

アセルス、剣:流星刀を召喚。この剣の能力である技:ミリオンダラー発動。無数の流星を降り注がせた。シャドウサーバントも追随するので、8回同じ攻撃。空中城を破壊。

「策を仕込むつもりだったんだがな。」

「させないよ。」

 

⑰アセルスの方が早い。剣:幻魔召喚。攻撃は、モンスター技;ムーンスクレイバー発動。相手周辺を三日月の形に超高速移動し、その後にそのラインに沿って斬撃が来る。シャドウサーバントも追随するので、8回同じ攻撃。アインズ盾で防げず、ダメージを負う。

アインズ、大治癒。自身全回復。

 

⑱アインズの方が早い。魔法:世界を騙す幻術発動。シャドウサーバントを模倣し使用。7体の分身を作成。

アセルス、モンスター技:メイルシュトローム発動。大洪水のようなエネルギーを放出し、広範囲にダメージを与える。8回同じ攻撃。

・・・アインズ、シャドウサーバント1体で無効化。

「なんと!広範囲攻撃も1体で無効化できるのか!ハハハ!便利な魔法だな!」

「ミスしたね・・・。」

 

⑲アインズの方が早い。魔法:星に願いを発動。シャドウサーバントに異なる行動が出来るよう願う。叶った。

アセルス、モンスター技、タイガーランページ発動。光り輝く拳の乱打。8回同じ攻撃。

アインズ、シャドウサーバント1体で無効化。

「いや、こんな効果無い筈なんだけどな。シャドウサーバント1体で広範囲攻撃も複数回直接攻撃も防げるなんてさ。」

「我々のレベルが想像以上に高いという事さ。さて、異なる攻撃が出来る分、私の方が有利かもしれないね。」

「それはどうかな?」

 

⑳アセルスの方が早い。メカ技:コスミックレイブ発動。光の弾になって飛行しながら相手に何度も体当たりをする。8回同じ攻撃。

アインズ、シャドウサーバント1体で無効化。

アインズ。5回異なる行動が可能。

1.スキル:魔法無効化でアセルスのシャドウサーバントを打ち消す。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

アインズ、シャドウサーバント1体で無効化・・・しない。わざと喰らった。

「分身が異なる行動出来るというのは、こういう事さ。全て攻撃に全回しさせて貰う。」

「・・・へぇ・・・。」

2.アインズ、強化魔法:魔法三重化発動。1度に3回魔法使用可能。

「これで、9回連続魔法可能だ。一気に滅ぼす!」

「・・・。」

3.アインズ、魔法その1.黙示録の蝗害。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

魔法その2.天上の剣。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

魔法その3.失墜する天空。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

4.アインズ、魔法その1.天上の剣。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

魔法その2.黙示録の蝗害。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

魔法その3.失墜する天空。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

5.アインズ、魔法その1.黒き豊穣への貢。黒い仔山羊100体召喚。即攻撃。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

魔法その2.天軍降臨。高位の天使200体召喚。即攻撃。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

魔法その3.魔軍逬発。高位の悪魔200体召喚。即攻撃。

アセルス、カウンター技幻魔相破発動。

・・・アセルス、事前に死の属性を発動していたため、回復。・・・本当にギリギリだった。

「はぁ・・・。はぁ・・・。はぁ・・・。」

「正直、詰みだよ。アセルス殿。予測していると思うが、次に私は時間停滞を使用し、その幻魔という剣を破壊しつつ斬撃。そして、超位魔法連発と、召喚した眷属で総攻撃だ。

君は、先ほど全回復状態で、9回超位魔法で重傷だった。

今度は、斬撃と9回超位魔法と眷属総攻撃・・・確実に君は死ぬ。復活アイテムも探して消滅させる。まぁ君の方が早く動けたら、分からないがね?・・・私は慢心しない。」

「そうか・・・。」

 

㉑・・・アセルスの方が早かった。

「オーヴァドライブ。」

時間が停止した。正確には無限大の行動速度を得て自分だけが動ける時間を生み出す時術。

「・・・慢心しているよ。アインズさん。この術も伝えた筈なんだけどな。この術はね?『必ず相手より先手で発動できる術』なんだ。聞こえてないと思うけど。

・・・悪いけど、私の方が全力で滅ぼさせて貰うよ。復活アイテムも破壊する。」

オーヴァドライブにより、アセルスは更に7回同時攻撃が可能である。

1.シャドウサーバント発動。分身7体召喚。

2.ラスボス最強技:バスターランチャー。巨大レーザーでアインズ攻撃。8回同じ攻撃。オーヴァドライブの状態では、魔力がゼロ扱いになる為、魔力の量に比例する塔の威力は激減する。その為、最も威力が高い攻撃の1つで、かつ眷属を巻き込めるバスターランチャーを使用した。

3.バスターランチャー。今度は眷属に対して。シャドウサーバントは同じ攻撃をするが、対象が死ねば、矛先を別の敵に向ける。アインズの眷属は全滅した。

4.バスターランチャー。8回同じ攻撃。途中でアインズ消滅。だが沙羅双樹の慈悲で復活。

復活はもう無い。バスターランチャー継続。

5.バスターランチャー。8回同じ攻撃。

6.バスターランチャー。8回同じ攻撃。

・・・次でアインズは滅ぶ。アセルスは、確信があった。

7.バスター・・・。

 

 

オーヴァドライブが解除された。

アインズも気が付いた。ある守護者が転移されてきた事を。

「ヴィクティム!?」

「おはよう。アインズさん。」

アセルスは、妖魔化を解除していた。ただし、結界石を使って自身の状態は全て回復している。

「・・・何故だ。君が勝っていた筈だぞ・・・。」

「あなたの真の実力や姿を、その子に見せたかったから。・・・あなたが現状、心から話せる存在はその子だよ。」

「・・・ハハハ・・・。私にもヴィクティムが何を言っているのか分からないんだよ・・・。

馬鹿にしているのか小娘!私にはペットの様な存在が似合いだと!」

「その子がペットじゃない事は、あなたが一番知っている筈だよ。」

・・・アセルスの周りに、ファシナトゥールからの侵攻者7名が全員転移してきた。

「降参する、アインズさん。」

「何だと?」

「私が、あなたにしてあげられる事は、終わったからね。」

「今度は敵に塩を送るのか!舐めるのも大概にしろ!」

「どうするかのう、アセルス。やっぱこやつ、手遅れだと思うんじゃけど。」

「私は、そうは思わない。アインズさんが、そんな存在なら、この子は命を犠牲にする覚悟なんて持たない。オルロワージュを愛し続けていた金獅子姫の様にね。・・・父も救えていた筈なんだよ・・・。あんな空しさを何度も味わいたくない。」

「アセルス様・・・。初めまして、アインズ様。私は、アセルスの妻、白薔薇と申します。

ここは退かせて下さい。私達には戦うべき存在が、他にいますので。

アインズの目の前に死体が置かれた。アセルス達8名の死体。

「これは、クローンです。アセルス様の故郷で、愚かな科学の研究をしていた施設があります。そのデータを元に魔力で作成しました。私達の首が必要でしょう。これで手打ちという事にしていただけませんか?」

アインズは元の姿に戻った。

「・・・分かった。見逃すよ。私も疲れた。精神的にな。」

「私もだよ、アインズさん。」

「君は大丈夫なのか?恐らく君をけしかけた存在は即座に攻撃してくる筈。」

「その手も打ってあるから心配ないよ。・・・叶うならば、今度は友好的な関係になりたいな。あなた達が変わらなければ、私達は永遠にあなた達を避け続けるけど。」

「そう、なりたいな・・・。なりたいよ・・・。」

ヴィクティムが、アインズにすり寄ってきた。アインズは何もしなかった。したくなかった。

そしてアセルス達は消え、アインズはアインズ・ウール・ゴウン魔導国に戻った。

 

空間転移の中、時の君により、アセルスと白薔薇姫だけ、オーヴァドライブの中にいた。ゆっくり休む為に。

「君は大丈夫なのか?白薔薇・・・。私の血を飲んだのに。」

「大丈夫ですよ、アセルス様の力を克服できる、使いこなせる自信はありました。それは、我々全て。」

アセルスが零姫の計画で、最も反対した所。それは白薔薇姫他7名全員に「アセルスの血を飲ませて同等の存在とする」事だった。下手をしたら命の危機になる。7名とも相当苦しんだが、何とか克服した。

・・・そうでなければ、アインズの守護者達に対抗できなかった。連続して空間転移?行える筈が無い。説得の為逃げ続ける事なんて出来る筈が無い。戦いながら説得が出来るほど低レベルな相手では無い。何より、アインズがアセルスより圧倒的に力が上回っていた場合、助けに行けない。7名はアセルスの戦いを見ながら戦っていたのだ。・・・説得が通じたかは知らないが。

守護者達も、白薔薇姫達の強さは知っていた。それでも戦った。それが彼らの存在意義だから。

そして、転移後すぐにアンニミューズとの戦いは始まる。策は講じてあるが。

それまで、アセルスは眠る。白薔薇姫に抱かれながら。

 

 

 

あとがき

補足設定

アセルス:能力名・クォーターニティ(四位一体)。

能力説明

①自分への状態異常全て無効。

②自分の種族属性、有益なものを除き無効。

③元ゲーム『サガフロンティア』の全技・全術・全装備が使える。

④1回の行動につき同時7回行動が可能。

⑤自らの魔力等の大規模増大化&術・技・装備の威力等の大幅な拡大。完全無詠唱。

⑥身体能力の天文学的増加。

⑦妖魔化する事で、1人で元ゲーム『サガフロンティア』の最大連携が可能。現在最大連携可能数は41連携である。なお、全ての技を連携に繋ぐ事が可能。

付随能力:外見、服装等の変化。

弱点:JP(術ポイント)、WP(技ポイント)は、有限である。元ゲームより遙かに高い数値だが。また、アイテムは最大限携帯している。

補足:通常形態で上記①~⑥まで、全て行える。

 

アインズ・ウール・ゴウン:能力名・FC2TB(エフシーツーティービー)。「揺籠から墓場まで」(From cradle to the grave)の略。

能力説明

①自分への状態異常全て無効。

②自分の種族属性、有益なものを除き無効。

③元ゲーム『ユグドラシル』の全魔法・全スキル・全装備アイテムが使える。完全無詠唱。

④魔法・スキル・装備アイテム威力等の大幅な拡大。

⑤魔力無限。

⑥身体能力の天文学的増加。

⑦相手の言質を取る、または相手の心を読む事で、相手の最高能力を僅かに上回る事が出来る。

付随能力:外見、服装等の変化。

弱点:⑦を使用すると、不死者の現世定着維持時間(寿命)を消耗する(相手との元の戦力差が高ければ高いほど、寿命は減る)。なお、アイテムは最大限携帯している。

補足:通常形態で上記①~⑥まで、全て行える。

 

 

 

アンニミューズは、アセルスがオーヴァドライブを使用した瞬間に、ファシナトゥールへ転移を開始した。この存在にとって、結末はどうでも良かった。どの道、ファシナトゥールを滅ぼす事は決定していたのだから。その後、アセルスかアインズ、生き残った方を皆殺し。

この『妖魔の君』は、上級妖魔がほぼしない能力向上を行っている。その為、この地位まで辿り着いた。妖魔の君としては異例の存在なのだ。ただし、本性は他の妖魔の君よりも遙かに下回る外道だが。

アインズがリージョン界へ侵攻する可能性は嘘である。ただ、その魔法・スキル等が欲しかった。それだけである。

そして、ファシナトゥール到着後、すぐ虐殺・・・。

 

全く見覚えの無い場所に来た。あり得ない。何だこれは。

「これが、妖魔の君の『妖魔の君』か。こんな簡単に簡易リージョンに引っかかるとは。つまらん。」

「君は・・・、最強の魔術師ブルー様か。」

サガフロンティアの主人公の1人、ブルーだった。正確に言えば、ブルーとルージュ両方の人格が混ざった存在である。

それだけではない。

サガフロンティアでプレイヤーが操作するキャラクター全てが集まっている。アセルスの危機を救う為に。

「・・・あはははは!もしかして、全員集合ってお約束の奴なのかな?馬鹿らしい。カスがいくら集まろうと僕には」

「私の大切な仲間達を侮辱させない。」

アセルス達が到着した。アセルスは既に妖魔化している。

「君が来たって事は、アインズに勝ったのかな?」

「降参したよ。彼を倒しても、私が空しくなるだけ。」

「へー・・・。どうでもいいや。」

アンニミューズは、この場にいる全員にアセルスに以前見せた以上の惨殺イメージを見せようとした。

アセルス達8名は自力で拒絶した。他の者達は、ブルーがガードした。

「・・・気に入らない。」

アンニミューズは、リージョン1つを簡単に消し飛ばすエネルギーを充填し・・・。

ブルーの印術、停滞のルーンで停止させられた。

「馬鹿な・・・。僕にこんな下等術が通用する訳・・・。」

停滞のルーン内でも、アンニミューズは活動できていた。

「術士によって術の威力は天と地の差がある。そんな事も知らんのか。アセルス、早速異世界とやらの魔法を見せて貰おう。」

「いいよ、連携で片づける。」

ユグドラシルの魔法・スキル初の連携が披露された。

『天地黒き天上失墜黙示録爆散断切願いを』

①超位魔法:天地改変によりフィールド変化。アンニミューズはブラックホール入口にいた。なお、停滞のルーンはこの時点で解除された。

②超位魔法:黒き豊穣への貢により召喚された複数体の黒い仔山羊により、アンニミューズは拘束され、ブラックホールに押し込まれていく。

③超位魔法:天上の剣が降り注いだ。黒い仔山羊に影響は無い。アンニミューズはもうほぼブラックホールに入っている。

④超位魔法:失墜する天空がアンニミューズを焼き尽くした。

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

アンニミューズが苦悶の声をあげているが無視し、続行。

⑤超位魔法:黙示録の蝗害により、1国どころか、星を破壊するダメージをアンニミューズに与えた。連携により威力が跳ね上がっている為。

⑥第十位階魔法:内部爆散により、アンニミューズはバラバラに砕けた。

⑦スキル:次元断切により、アンニミューズは更に次元ごと細分化。そのままブラックホールの奥へ消えた。

⑧超位魔法:星に願いを、により、願いが叶えられた。それは、『白薔薇姫が作成した惑星破壊爆弾をアンニミューズの側で永遠に爆発させ続ける』事。

アンニミューズは、この連携でも消滅しない。死なない。死ねない。永遠にブラックホールの中で、惑星破壊爆弾爆発のダメージ苦痛を味わい続ける事になった。

「なるほど、これが異世界の魔法等か。参考になる。」

「本も時の君が入手したから、ブルーにあげるよ。」

ユグドラシルの攻略本等である。

「確かに。これで、今回の協力の対価は得られた。感謝する。」

「感謝って、あなたも変わったね。ルージュの影響かな?」

「そうだ。俺達は1つだからな。」

 

 

 

アインズ・ウール・ゴウン魔導国では、アセルス達8名の亡骸が凄惨な姿で磔にして晒された。麒麟はバラバラに切断されて。

皆美形である。特にアセルスは妖魔の君の力の影響で悲劇性を感じさせる美しい死に顔をしており、その顔は国内だけで無く、各地へと配布され、全種族の人々は内心「何で、こんな美しい女性が、惨すぎる死に方をしなければならないのか・・・。残虐の極みだ・・・。」と思い、ほとんどの知的存在が、魔導国に反抗する意思が全く無くなってしまった。

 

アインズは、今回の戦いで自分だけで未知の存在と戦う事は不可能と断定し、ナザリックのNPCを自分に近い水準まで格上げした。今までと全く次元の違う強さを手に入れた事で、NPCのアインズへの崇拝はますます上昇した。

 

アインズは、『1人で』部屋に籠もる事はあまり無くなった。ヴィクティムを呼んで、愚痴や、つまらない戯言を言っていた。

だが、ヴィクティムはナザリックの秘密兵器とも呼ばれる『何か』を監視している守護者。代わりに誰かが監視する為、当然呼び寄せている回数はバレる。・・・多すぎる。

他の守護者達は嫉妬した。だから、悔しいが、あの敵共の言い分を少し参考にしてやろう。アインズ様の気を引く為に。

 

「という事で、会議の議題として、本っ当に、やりたくありませんが、アインズ・ウール・ゴウン魔導国のユニフォームの作成について、これから議論したいと思います。」

アルベドが苦々しく言った。

(・・・そんなに嫌なのか、ユニフォーム。)

アインズは思った。

「事前に、各国からユニフォームらしき物を十数点採取してきました。こちらです。これらの参考点として・・・。」

デミウルゴスはかなりの資料を用意していた。

(こいつ、まさか乗り気なのか?意外だ・・・。)

「私ニ似合ウノダロウカ・・・。似合イタイ・・・。可愛イ物ガ・・・。」

体格の大きいコキュートスが切なそうに言った。

(マジですか!・・・いや、コキュートスは、そういう面もあった気が・・・。)

「わたしは、これとこれとこれとこれとこれとこれとこれを足して3で割った物がフリフリして可愛いと思うでありんす。」

「ダサ。つーか、7を3で割れないし。やっぱ、お前馬鹿なんだね。」

「何だとテメェェェェェ!!!!殺すぞ!」

シャルティアとアウラが言い争って、マーレがオロオロしている。

「私は、このような物が良いと思い試作して参りました!すんばらしい!」

パンドラズ・アクターが出したユニフォームを皆一目見て・・・無視した。ダサ過ぎるから。

(そういえば、アセルス達はパンドラズ・アクターを対象に加えていなかった。配置の関係もあるかもしれないが・・・奴らにも軽んじられているのか、こいつは。自分の製作NPCなのに。)

アインズは悲しくなった。

セバスは黙っている。・・・どこか微笑んでいる様にも見える。このNPCは、アインズにも未だに掴めない所がある。

しかし、こうして見ると・・・。自分が権威誇示とかしていたのが多少馬鹿らしかったのかな、と思ってくる。もっと心を開けば良かったのだ。最初から。

 

しかし・・・。

これも、束の間の夢なのかもしれないと思う事もある。

ナザリックのNPCは全員凄まじく強化した。だが、支配領土拡大は比例して行えるかと言えば行えない。

人間が、知的生命が、まだ信じられないのだ。

魔導国最大の反逆可能性を持った存在、ルナーをはじめとした外様のほとんどは、当然のごとく強化していない。

奴らの忠誠心は更に下がっただろう。かといって、力を与えたら?即反逆。力とはそういうものである。

この星の調査も、デミウルゴスの能力向上により、飛躍的に進んだ。だが、全てでは無い。未知の存在が怖いのだ。未知が。知的生命の底知れない心理が怖いのだ。

そして、我々をこの星に招き入れた存在が怖いのだ。それと相対する可能性は一気に近づいた。その時、守護者達は本当に自分の味方になってくれるのだろうか?

・・・アセルスは、我々を調べた超越者を倒したのだろうか?

倒しただろうな。彼女は自分と比べて強いから。

自分と彼女の、何が違うのだろう?未だに分からない。力も互角。同じレベルの転移能力も手に入れた筈・・・。でも、リージョン界とやらは、何処にあるか知覚できない。アセルスが隠しているのかもしれない。何故なら自分は悪だから。

でも、変われないんだよ・・・。これはカルマ値も、種族属性も、関係無い。人間が、知的生命が、根源的に憎いのだ。それは鈴木悟の本当の心なのかもしれない。アインズというキャラクターに縛られているせいなのかもしれない。だとしたら、悩んでいる自分は、アインズでも鈴木悟でも無いのか?自分は何なんだ?

・・・こういう考えも、やがて止めるだろう。そして自分は残虐非道な行為をし続けるのだ。

それが、アインズ・ウール・ゴウンの逃れられないサガだから。

 

 

アセルスが書いた遺書のような手紙によって、様々な人間が動いてくれた。

リージョン界を支配する最大勢力トリニティに与する天才科学者で、元人間のメカ・レオナルドは人工太陽等、様々なエネルギー・インフラの根本を科学的に支える開発を始めた。完成するのは数百年後だという。大丈夫だ、それまで自分が生きれば良い。

開発資本は、いつの間にかトリニティの中枢にいるリュートが出している。リュートによって強権組織として恐れられたトリニティが変わり始めた噂を聞く。

いつか一緒に戦ったエミリアも、子供が出来たそうだ。・・・羨ましい。

自分が半妖の為、関わる事がほぼ無かったメカ・T260Gと、モンスター・クーンが何故か時々ファシナトゥールに遊びに来る。・・・そう言えば、アンニミューズとの戦いで、何故あんなにも多くの人が来たのか?見知らぬ人もいたのに。凄く嬉しくて・・・涙が出てくる。

ブルーは、アインズ等の魔法を完全にマスターし、さらなる術を開発しているらしい。ちなみに、アセルスが知っているのはブルーに吸収された双子ルージュの方で、ブルーは名前しか知らなかった。当初冷酷な男だと思ったが、会う度に少しずつ変わっている。みんな変わり始めている。

ヒューズは、たまに電話が来る。やはりお姉さん扱いされる。正直嫌だ。

そして、一番関わりの深い弟のような存在、レッド。もう君付けしない。大人になっているから。彼はまたヒーローになったらしい。そうだね、彼がサラリーマンとかになっている姿を私は想像できない。

 

・・・という様な事を、親友で定期的に会うジーナに話している。

みんなに支えられるのは、嬉しいんだ。でも・・・。

自分は、燃料タンクの様な存在だ。国を治めるなんて何も分からない。覚えられなくて、イルドゥンに怒られてばかりだ。

・・・そして、数百年後には完全に不要になる。

その前に・・・大勢の人達が寿命で亡くなってしまう。

 

みんな変わっていっているのに、変わらない私。

逆に、もしかしたら、いつか見た未来のような私に、アインズのような私になってしまうかもしれない。それほど私の心は不安定で・・・。

 

段々と残されていく私。新しく知り合いを得る自信も勇気も無い。

私は失う事に、出会う事に、耐えられるのだろうか。怖いよ・・・。

「大丈夫ですよ、アセルス様。」

ジーナは抱きしめながら言ってくれた。

「私はあなたの悲劇的な運命を知っています。それを乗り越えたあなたを憶え続けます。

私は家族に、知人に語り継いでいきますよ。あなたという太陽の様な存在を。

だから、あなたは多くの存在を引き寄せるのですよ。太陽だから。断じて燃料タンクではありません。あなたそのものが、世界にとって永遠に必要です。

あなたは、妖魔として悠久の時を生きながら、人として一瞬たりとも衰える事無く輝き続け、メカの様に正しくて、モンスターの様に未知の可能性で溢れています。

半妖はたった1人?同じ存在なんて1人もいませんよ?種族の差は些細な差。それを広く染み渡らせているのは、他ならぬあなた。

あなたの功績は素晴らしく、いつかこの世界であらゆる種族が平等になるでしょう。他ならぬあなたによって。

・・・もし、それでも寂しい時は、お仲間といても寂しい時は、私および私の子孫に会いに来て下さい。必ずあなたを支え続けます、永遠に。」

私はジーナに、ありがとうとか、何かを伝えたいんだけど、言葉が出なくて。

そう、言葉に出来ないものがある。イルドゥンやゾズマや零姫様に「何で私の側にいてくれるの?」と聞いたら、「わからない。」と言われた様に。

今では、その気持ちが分かる気がする。

そう、言葉でも表現できないものがあるんだ。心の中にあるのに理解できないものがあるんだ。でも、それは、決して悪しきものや闇なんかでは無い。

アインズ・ウール・ゴウン。あなたに、そういう表現できないものが出てきたら、その時あなたは、悪から解放されるんだと思うよ。それは途方もない長い年月がかかるかもしれないけれど。あなたの罪はそれほど深いけれど。それを償える年月が不死であるあなたにはあって。

私も不死だから、いつかあなたに出会えると思うんだ。その時にあなたが、悪から解放されていたら、私はとても嬉しいな。

 

そして、私はジーナと他愛ない話をして、針の城へと帰る。転移を使わず徒歩で。

だって私には足があるのだから。歩いて行かないと勿体無いよ。

一歩一歩踏みしめる感覚、これがとても愛おしくて、私は生きているって気持ちになるんだ。


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