Synduality Archive   作:アインスト

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Syndualityソロモード"アメイジア事故調査委員会"クリア記念に。

前置きはそこそこにほんへ、どぞ。


ep.0 "始まりの雨"

 

──キヴォトス、という学園都市がある。

そこは大小様々で数多くの学園が集まってできた都市。

その中で、消えてしまった学園のうちのひとつに"アメイジア探査専門学院"という学園がある。

 

ここキヴォトスでは、それはもうウン十年も前に"死の雨"と呼ばれる"ブルーシストレイン"が降っていたそうだ。

今となってはそのブルーシストとやらもほとんど自然に無毒化され、過去に流行った恐ろしい病のついでに危険性がどれほどあったのかと教科書や教育BDで教えられるだけだが。

 

だがそんなブルーシストレインに対抗するために全力で研究し、様々な成果をこの世に残していったのが───先述した、アメイジアと呼ばれる学園だったのだ。

 

ブルーシストレインが降りしきる外界や、人間にとって立ち入るのが難しい区域へと踏み込んで探査するために開発された"クレイドル"と呼ばれる二足歩行型汎用有人機。

 

そして、キヴォトスに住まう全ての人々にとって良き隣人となるべくして作られた人類双対思考型AI搭載ヒューマノイド──"メイガス"。

 

そんな華々しい成果を挙げてさあいよいよ、というところでアメイジア学院は崩壊したそうだ。

 

なぜ崩壊したのかは明らかになっていない。

風の噂ではとあるドリフター・・・クレイドルを駆る生徒と、そのお付きのメイガスが関わっているのではないか───と言われているそうだ。

 

そんなこんなでアメイジア学院崩壊の影響で、クレイドルやメイガスのデータが流出し、キヴォトスに浸透していった。

 

街中で見かける配達用クレイドルや建築作業用クレイドルなどが良い例だろうか。

そんなことが当たり前になってしまったこのキヴォトスで、俺──岩永カナタは、とあるメイガスと出会うことになるとは思ってもいなかったのだけど。

 

 

 

※※※※※※※※※※

 

 

 

「───とりあえずここの調査もこんなところか・・・カナタ!そっちはどうだ!」

「こっちも大体調査が終わりました、トキオさん!」

「了解、雨が降る前にとっととアビドスに帰るぞ!いくら郊外とはいえ"あいつら"が出ないとは限らねぇからな!」

 

 

アビドス。

それはほとんどが砂漠に覆われた土地。

先輩いわく"これでも一昔前はたくさんの生徒で賑わってた、らしいぜ"とのこと。

そんなアビドスの外れ・・・郊外で俺とトキオさんはある人からの依頼で調査に訪れていた。

 

 

「トキオさん、今のところ"エンダーズ警報"も出てないしまだ大丈夫じゃ?」

「バカ言え、これまで"クロノス"のエンダーズ警報がアテになったことあったか?」

「あー・・・ない、ですね。とりあえず急ぎます」

「おう。俺とムートンは先にキャリアに戻ってるから、お前も程々に調査切り上げて来いよー」

 

 

そう言って俺の先輩───白斑トキオさんは遺跡の前に停めたキャリアへと戻っていく。

自分もそろそろ切り上げて戻ろうとしたその時、ふと視線をずらすと───。

 

 

「───人?」

 

 

遺跡の窓際にある花畑のような場所の上で、何かが横たわっているのが見えた。

流石に気になって様子を見に行くとその正体が露わになる。

 

 

「これは・・・」

「メイガス、か」

「うわぁ!?と、トキオさん!?」

「そんなビビんなよカナタ。あんまり戻りが遅いから様子見に来てやったってのに」

「す、すいません・・・」

「───しっかし、随分綺麗に残ってんな。あまり見ないタイプのメイガスだぞ」

「・・・やっぱり、そう見えますよね」

 

 

目の前で横たわるメイガスを前に、どうするべきか思考を巡らせていたその時───異形が俺たちの目の前に飛び込んでくる。

 

 

「っ!?」

「にゃろう、やっぱり来やがったか・・・ムートン、索敵どうなってる!?」

『申し訳ございません坊っちゃん。索敵範囲ギリギリまで息を潜めていたようで探知に遅れが生じたようでございます』

「ちっ、まあ仕方ねえか・・・ムートン!クレイドルを寄越してくれ!」

『直ちに』

 

 

車輪のような円形のボディから、無数の腕が生えた異形がこちらを見据える。

あれこそが俺たちキヴォトスに住まう全ての人々にとっての天敵、"エンダーズ"。

大きなものから小さなものまで様々なタイプが存在するが・・・まず生身で勝てるような相手ではない。

とりわけ今のようなほぼ丸腰の状態では特に。

 

ついに痺れを切らしたのかこちらを始末しようと飛びかかるエンダーズ。

だが、そうはさせまいと一つの大きな影がエンダーズの上から踏みつけるようにして現れる。

 

 

『お待たせ致しました、坊っちゃん。こちらへ』

「上々だムートン!カナタ、お前はキャリアに戻ってろ!こいつらの相手は俺が・・・いや、"俺たち"がする!」

「わかりました・・・!」

 

 

そう言って現れた二足歩行型のロボット、"クレイドル"のボディに飛び移ってコックピットへと乗り込むトキオさん。

戻れと言われたが、どうもあの眠ったままのメイガスをそのままにしておけない気がした。

とにかく死に物狂いでそのメイガスを抱えて、遺跡の前に停めたキャリアへと逃げる。

 

 

「何やってんだカナタのやつ・・・まあいい、行くぞムートン!」

『承知。既に演算は済ませておりますぞ』

「最高だな、とりあえず片付けるっ!」

 

 

そうしてクレイドルの右手に持たされた武骨なライフルから大質量の弾丸がエンダーズに向かって吐き出される。

一発一発が重いのか、先程まで俺たちを取り囲んでいた小型のエンダーズはことごとく処理されていく。

そんな中やっとの思いでキャリアへと逃げ込んだ俺はすぐにキャリアのエンジンを起動。

 

 

「トキオさんっ!キャリア準備できました!」

『よっし!そのまま出せ!こっちも片付けながら追いつく!』

「わかりました、出しますっ!」

 

 

一気にペダルを踏み込み、アクセル全開で一目散に逃げるようにキャリアを発進させる。

ある程度遺跡から離れたところで、遺跡の中からトキオさんの乗っているクレイドル"ジョンガスメーカー"が飛び出してエンダーズに発砲しながらこちらへと近づいてくる。

 

 

「まずい、まだまだものすごい数が追ってきてますよ!?」

『そんなもんとっとと片付ければいい話だr(ガチンッ!)あらっ!?』

『坊っちゃん、オートガンランチャーの残弾がゼロでございます』

『なにぃ!?』

「ちょっ、どうするんですか!?またアビドス校舎にまでそのまま帰ったら今度こそブッ飛ばされますよ!?」

 

 

この時俺とトキオさんの脳裏に過ぎるのは小さな身体ながら圧倒的な力でねじ伏せていく桃髪のオッドアイの少女。

実を言えばこんな事態は初めてではない。

もしまた連れ帰って面倒ごとになれば・・・ああ、できれば想像したくない。

 

 

『うーむ、ユメならまだしもホシノからドヤされるのはな・・・仕方ねえ、ムートン!アレ使うぞ!』

『かしこまりました』

 

 

トキオさんがジョンガスメーカーのコックピットの中でそう溢しつつ、キャリア後部に積載していた横長の兵器をジョンガスメーカーの両手で保持。

そして一瞬の逡巡の後───。

 

 

『───整いました、坊っちゃん』

『ッシャア!てめぇらにはちと贅沢だろうが出血サービスだ、持ってけぇ!!』

 

保持した横長の兵器をアコーディオンのように扇型に展開、複数のブロックのハッチが開く。

その中にはギッシリとミサイルが満載されており、爆音と共に発射。

ミサイルの雨に見舞われたエンダーズたちは為す術なく消し炭にされていったのだった。

 

 

『イヤッホゥ!ザマァ見やがれ!』

『エンダーズ反応ゼロ、オールクリアにございます。お疲れ様でした、坊っちゃん』

「ハァ・・・とりあえずホシノ先輩から雷が落とされることはなさそうだ・・・」

『なんとかなったんだ、これくらいいいだろ?早速採れたてホヤホヤのAO結晶売りに行こうぜカナタ!』

「わかりましたよトキオさん、でも売上の半分は残してくださいよ?借金返済に充てるんですから」

『わかってるわかってる』

 

そんな軽口を通信越しに受けながら、アビドス校舎への帰路につく俺たちだった。

ただひとつ、気になることがあるとすれば───後部生活スペースにあるソファの上で今もなお眠り続けている正体不明のメイガス。

 

 

彼女はいったい、どうしてあんなところで休眠していたのだろう・・・?

 




設定練りながら書いてるので基本亀更新です。
とりあえずエデン条約編までは書きたいなぁと考えながらやっていきます。

こんな作品でよければ是非今後ともよろしくお願いします。
ではまた次回(´・ω・`)ノシ
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