問 ハッピーエンドへ至るため何をする   作:ロベリア ヴァイオレット

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問3 人を形作る要因は何であるか ??「環境、ではないですか?」俺「…チッ」

??「まぁ一概にそれだけとは言えないと思いますが」

 

俺「あーそうかい、んで

  こんな話をするために

  俺を呼んだわけじゃねぇだろ」

 

俺は【問題定義録】を鞄にしまう

会っていきなり「一つ問を投げ掛けてはくれませんか?…いえ、ただの戯れですよ」

なんて言いやがったから、適当に選んでやったが

チッ…なんでバカ正直にリクエストに答えたんだか

 

俺「…んで、なんだよてめぇが話があるってんで

  こっちは来たんだ、下らない話だったら

  眉間に風穴あけるぞ」

 

??「怖いですね、多少の戯れも許さないと

   かれこれ三年の仲ですのに、手厳しいですね」

 

俺「黙れくそったれ、契約の末の三年だ

  本当なら1分1秒たりともてめぇとなんて

  居たくねぇよ」

 

俺は近くの椅子に座って足を組む

こいつのペースに乗せられると

ろくなことがないから

早いとこ用件を聞いてトンズラしたい、いやさせろ

 

俺「早く用件を言え

  余計なペラ回したら

  あるか分からない舌を引き抜くぞ」

 

そいつも、…少し残念そうにしながら椅子に座った

 

??「では端的に

   契約内容の変更ついてお話があります」

 

…三年前仕方なくこいつと結ぶ事になった契約

内容はシンプル

 

俺「なんでいまさら…

  …また小鳥遊を狙うつもりか?」

 

俺がこいつの研究に協力している間

小鳥遊ホシノへの接近および会話等の禁止

 

腰にしまってある拳銃をいつでも抜けるよう

手をホルスターにかける

 

??「クックック…本当ならばそのつもりでしたが」

 

そいつは一枚の紙を取り出す…

『契約書』だ…

 

??「今、貴方と…いえ今後を考えると

   貴方と敵対するのはデメリットが

   大きすぎると考えまして」

 

その紙は新しい『契約書』だった

 

??「しかし、それでは私の研究が進まない

   小鳥遊ホシノさん、

   [暁のホルス]の協力は不可欠」

 

俺はホルスターから愛銃 quid pro quo(等価交換) を取り出し

そいつに銃口を向ける

 

??「クックック…話を最後まで聞いてください

   言いましたよね、貴方と敵対するつもりはないと

   小鳥遊ホシノさんについて

   私は諦めましょう」

 

俺は銃口を向けたまま、話を続ける

 

俺「信じられねぇな

  あれだけ小鳥遊にお熱だったのに

  いまさら…何を言ってるんだ?」

 

??「貴方ですよ」

 

俺「…は?」

 

…そっちの趣味があるのか、キッショ

 

??「貴方の異能、神秘を保有しない

   貴方が使うことの出来る、奇跡に等しい

   …言え奇跡と言っても過言ではない、異能」

 

俺「…」

 

??「それについて研究を出来るのならば

   最高の神秘も諦めがつきます」

 

俺「今だって、週に2回

  おまえの研究に協力してるだろ

  これ以上なにを望むってんだ」

 

??「貴方の異能、他者にも使用できますね?」

 

俺「てめぇ…

 

俺は立ち上がって、そいつの額に銃口を押し付ける

 

俺「まさか…使えってのか?

  あぁ?寝言は寝て言え、クソやろう」

 

??「クックック…怖いですね…」

 

なにが面白いのか、そいつは笑いやがる

 

??「代償の方と言って訳ではありません

   恩恵の方だったら、どうですか?」

 

…ちっ

 

俺「小鳥遊を手に入れられないなら…

  小鳥遊と同等の神秘を保有する生徒を

  …自ら作りだすってか?」

 

??「ご名答」

 

俺「断る」

 

そいつは俺の回答を聞いても尚、笑みを崩さなかった

 

??「えぇ、えぇ、そうでしょう

   貴方は生徒が…

   いえ他者が被害を被ること

   それは貴方の信念を破ることになる」

 

俺「…なんなんだよ、てめぇ…

  何が言いたいんだッ…」

 

あぁ、嫌になる

こいつは俺のことをわかってる

だからそんな適当な提案をするわけがねぇ

どうしても身構えてしまう…

 

??「クックック…まぁまぁ

   今日は取りあえずの報告です」

 

そいつは椅子から立ち上がる

 

??「ではまた…すぐにお会いしそうですね?」

 


 

 

想う権利、祈る権利、願う権利は平等にある

 

 


 

??は立ち去った後、電話を取り出す

 

1コール 2コール 3コール…

 

…ピッ

 

「繋がりませんか

 まぁ彼女も忙しいのでしょう後でまた

 かけ直しましょう」

 

??は、電話をしまう

 

「…それにしても

 どうしようもないですね、彼は」

 

彼は絶対に他を害さない

例外としては悪はそれに含まれないみたいですがね

 

他を救うためなら、己の犠牲に出来るものは

なんでも犠牲にする

 

三年前…初めて彼の異能をみた時

あのビナーすら赤子のように捻る彼をみた時

奇跡…そんな言葉ですら生ぬるい

その代償は…

 

「クックック…『崇高』も彼の異能を使えば

 いとも容易く達成しそうですね」

 

代償の対象を生徒に指定すればの話ですがね…

まぁ、そんな犠牲を彼を許さないでしょうが

 

「…今は現状観察に徹しますか」

 

【代償と恩恵】の異能

代償ですら、概念や事象、因果の改変を可能とする

最凶の異能

 

「恐ろしいですね、本当に」

 

生徒一人の全てを犠牲にするだけで

恐らく、暁のホスルに匹敵する神秘を作り出せる筈

仮に十人犠牲にすれば…

 

「説得は骨が折れそうですが…

 クックック…彼が断れない提案をすれば

 良い話ですかね」

 

??はクソみたいな思考を巡らせながら

これからの研究に心を踊らせるのだった

 

 

回答 環境であり己に流れる血脈

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