ギルドの受付嬢ですが、残業が嫌なので定時に帰ろうと思います 作:can'tPayPay
今回はお風呂回ですね
第7ギルドへの帰還初日。業務終了後、アリナは苛立ちを隠せずにいました。
かつての同僚である受付嬢たちが、あろうことか「新人事務員のゼノスさん」に群がり、質問攻めにしていたからです。「好きなタイプは?」「アリナさんとどういう関係?」「王都の最新の流行りは?」……。
「……死ね。死ね死ね死ね! どいつもこいつも、私の獲物に気安く触れるんじゃないわよ!!」
結局、アリナはゼノスの腕を強引に掴み、同僚たちの声を無視して「強制退勤」を敢行しました。
湯気の中の「お仕置き」
自宅へ戻り、アリナは逃げるように風呂場へと向かいました。
後を追ってきたゼノスが、脱衣所で眼鏡を外す音が聞こえます。
「……アリナ。そんなに怒らなくても。僕は君以外の質問には、事務的に受け流していたはずだよ」
「うるさいわよ! あの女たちの目が、あんたのネクタイの結び目一つまで値踏みしてたのが気に入らないの!」
アリナは浴室から、熱いお湯と共に叫びました。
やがて、扉が静かに開き、湯気の中にゼノスの輪郭が現れます。
王都での激戦を経て、二人の間にはもはや「一緒に入浴する」という行為に躊躇いはありませんでした。
「……。……じゃあ、君の気が済むまで、僕を塗り潰すといい」
ゼノスが湯船に浸かり、背後からアリナを抱き寄せました。
濡れた肌が密着し、湯気のせいでいつもより高く感じる体温が、二人の理性を甘く溶かしていきます。
猛毒の甘え:処刑人の独白
「……ねえ、ゼノス。あんたは私の『共犯者』なんでしょ?」
アリナはゼノスの腕の中で体を反転させ、彼の首筋に顔を埋めました。
お湯の熱と、彼の胸板から伝わる鼓動。
「……そうだよ。君が世界の敵になれば、僕がその世界を消去し、君が血を流せば、僕がその痕跡を飲み干す。……それは王都でも、この街でも変わらない」
「……。……だったら、明日からあの女たちに見せつけてやりなさいよ。……あんたの視界には、私以外の女は塵(ゴミ)同然にしか映ってないってことをね」
アリナはゼノスの肩に、小さな歯型を残すように甘噛みしました。
それは彼女なりの、必死な「独占」の証。
「……ああ、了解したよ。……。……でも、アリナ。……僕の方も、少し限界なんだ。……君が他の冒険者と親しげに話すたびに、僕の『糸』が彼らの首を絞めたくて震えているんだよ」
ゼノスの手が、アリナの濡れた腰を力強く引き寄せます。
彼の瞳は、湯煙の中でも琥珀色の執着を隠そうとしませんでした。
境界のない熱
「……ふふ。……いいわよ。……今夜は、誰にも邪魔されない。……あんたのそのドロドロした執着、全部私にぶつけなさい」
アリナはゼノスの唇を、挑発するように奪いました。
広いとは言えない浴室。揺れる水面。
外の世界では、再び「聖女」と「事務員」を演じなければならないとしても、この湯気の中だけは、二人は互いの存在だけを貪り合う「ただの狂信者」でした。
「……愛してるわ、ゼノス。……あんたの全部、私の毒で腐らせてあげる」
「……ああ。……君になら、喜んで殺されよう。……。……さあ、仕事(愛撫)の続きを始めようか、アリナ」
夜の静寂に、水音と、互いの名前を呼ぶ掠れた声だけが溶けていく。
第7ギルドでの新しい生活は、以前よりもずっと濃厚で、そして狂おしい愛の予感に満ちていました。