ファーストを1ミリも知らない俺が介入したせいで、宇宙世紀の歴史がおかしくなったかも   作:フェルトファン

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プロローグ その日、俺は転生が嫌いになった

 

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“転生”ってどんなイメージだと思う?

 

 まぁ〜要するにあれだ、二次創作小説などでよく聞く言葉だ。大体のパターンは何らかの形で一度命を落とした人が神様から何かしらの能力を貰い、好きな漫画やアニメの世界へ送ってくれるという展開があるパターン。例えば死神の力を使うキャラ達の世界でチートを使って無双したり、呪いで戦うキャラに憑依して原作の物語を大きく変えたり、とあるヒーローが職業となった世界でヒロインをモテモテにしたい欲望など……ぶっちゃけ何でもアリって感じだ。

 

 まぁそんなの夢みたいな話なんだが、存在するとは思わなかった。まさか転生小説あるあるな展開が自分の身にも起きるだなんて、正直今でも信じられないがちょっと嬉しい気持ちもある。もしかしたら二次作のオリジナル主人公みたいに大活躍できるんじゃと、そう期待していた俺が馬鹿だった。

 

 転生された先は機動戦士ガンダムの世界なんだが、よりによって生まれ変わった場所は()()()()()()()()()()()である。

 

ふざけんなよクソが

 

 前世の記憶が蘇った俺は、サイド3の偽り空に向かって思わず暴言を吐き出した。ちなみに自分が転生者であることに気付いたのは、少し前のことだ。とある公園のベンチからバランスを崩して地面に頭をぶつけたおかげなのか、前世の最後の記憶である目の前にトラックが突っ込んでくると言う光景を思い出した。とりあえず今世の自分の状況を把握しようと思い、自身の頭の中にある今世の記憶から情報を探り始める。

 

 U.C.0064年生まれで、多分15歳くらいな日系人の少年である。

 

 イオリ・サカイ……どうやらそれが今の俺の名で、現在はランバ・ラルのところで世話になっているらしい。初めに言っておくが、俺自身ガンダムはそれなりに好きではある。

 

  前世ではSEEDや00などといったアナザー系やビルドシリーズなんかは結構観たことがあるけど、そもそも宇宙世紀シリーズはあんまり観たことがない。ただ前世でたまたまネットフ◯ックスでユニコーンを見た時、初めて面白いと感じた俺は思わず一気見してしまいそうになるくらい夢中だった。それから興味を持つようになった俺はZやZZ、更に逆襲のシャアなどと言った宇宙世紀シリーズも見始めるようになった。どれも良いストーリーだったし、あれから俺にとって宇宙世紀ムーブとなった。

 

 そんなこんなで結構ハマっていたが、結局ファーストだけは見れなかった。宇宙世紀シリーズの始まりの物語なんだが、漫画やゲームなどの外伝作品が多すぎて理解するのに複雑って当時のSNSでなんかそう書いてあった気がする。その時の俺は“まぁどうせ見なくてもネットで調べれば大丈夫だろ”と思っていたが、前世でガンダム好きな会社の同期にその事について話していたら…

 

『はぁ!?お前それはないだろ……確かに外伝とは色々あるけどさ、まずは一旦ファーストを観ろ!外伝作とかは後で確認すればいいから、とにかくファーストは絶対に見とけ!』

 

 ━━って何故かめっちゃ説教されてしまった。その言葉を聞いてよしじゃあ見てみるかと思った矢先、帰る途中で信号を無視したトラックに轢かれてこの有様である。

 

 ここまで説明すればなんとなくわかると思うが、俺は前世で()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。Zガンダムの世界に転生したらならまだしも、ここがファーストとなれば俺はファーストを見ていない事にめちゃくちゃ後悔している。ちなみにここがサイド3でジオンの本国であると知っているのは、頭の中に入っている今世の俺が身につけた知識のおかげだ。

 

「(ランバ・ラルってオッサン、ビルドファイターズに登場するラルさんに似ている気もするけど…..原作の登場人物なのか?それにさっきから放送っぽい音から聞こえてくるジオン・ずm……いや全然知らねーし、つーかこれ原作と関係あんのか?それはそうと今はどのあたりだ…って、俺そもそも原作見てねーから知らねーんだった。)」

 

 逆シャアやユニコーンでファーストの回想シーンがあったぽいけど、ちゃんと見てねーから覚えてないし。一応わかっているのは、一年戦争っという戦いが起きるだろうけど……つーか一年戦争ってなんだっけ?なんか思い浮かんでいた言葉がそれだったんだけど、いやマジで内容全然知らね〜って。まぁとりあえず分かっているのは、その一年戦争とららの戦いの最終局面で地球連邦が勝利するということくらいだ。つまり今の俺は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「うぁガチで最悪だ……どうしろっつーんだよ…

 

 落ち着いて状況を整理したいが、内心ではかなり混乱している。殺意マシマシなSEEDの世界よりはマシかもしれないが、それでもこれから何が起こるのかもまだ何も分かっていない。どうせファーストの世界に転生させるならせめてモビルスーツを操縦できるくらいのスキルをくれたって良いだろうと、俺を転生させた神様とやらに文句の一つか二つ言わねーとこっちの気が済まない。とはいえ、今は愚痴っている場合じゃない。

 

 問題なのはこれからどうするべきかだ。

 

「あ゛ぁ〜マジどうすっかな〜」

 

 いくら考えても答えは浮かばずさっきまで座っていたであろうベンチに寝転がろうとしたその時、ふと地面に置かれていた一冊の雑誌が目に入った。手に取るとタイトルには『今月の機械情報』と書かれており、ページをめくれば飛行機や戦車といった各種機械が並んでいる。今世の記憶を辿ってみるに、どうやら俺は大のメカニックで相当な機械いじり好きらしい……いや、カミーユ・ビダンかよ。

 

  気づけば、吸い込まれるようにページをめくっていた。そして、ある一ページに大きく掲載されていた作業用重機モビルワーカーの記事に思わず目を奪われる。なんか見た目は若干ザクっぽいし、というかこれプロトタイプみたいなもんじゃないか?そこまで深く考えるつもりはなかったはずなのに、脳裏にある言葉が浮かんでしまう。

 

「モビルスーツ………もう完成してんのか。」

 

 ぶっちゃけ原作の展開を変えるとか、物語で死亡したキャラを救うとか、そんな転生小説みたいなことができるかどうかは分からない。そもそも歴史を大きく改変するつもりもないし、とある有名な無敵の天パ*1や情けない赤い人*2に会いたいとも思っていない。

 

 ただ、俺は前世の頃からMSを操縦することに憧れていた。()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 もちろんジオン側の俺が乗れるのは無理があるだろうと分かっているけど、アニメで活躍するシーンを思い返せば操縦してみたい気持ちは今も忘れられない。まぁガンダム界じゃ強奪するのはあるある展開だし、なんとかなるっしょ。仮に強奪できなくても()()()()()()()()()()()()()()()()。色々と考えていたが、恐らく自身の思考が危険な方向に転がっていだろう。

 

「うっし!とりあえず……図書館だな。パソコンくらいは貸してくれるだろ」

 

 やりたいこと、考えたいことは山ほどある。だが今はこの時代で何がどう起きているのかを知らなければ始まらない。その為にはまず、この世界について徹底的に調べる必要がある。ぶっちゃけできればMSの操縦技術を手っ取り早く学べる方法なんかも見つかれば最高なんだけど……流石にそんな都合のいい話はないかも知れないが。

 

 

*1
※アムロ・レイ

*2
※シャア・アズナブル





時系列的に一年戦争前で、ORIGIN版ではミノフスキー博士亡命阻止作戦より前の出来事になります。

※ ちなみにこの時のオリ主人公君の頭のネジは、まだぶっ飛んでいません
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