NARUTO -紫電の人柱力   作:ぐちロイド

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第12話 約束の召喚、一変する空気

波の国へ上陸し、タズナの案内で森の開けた場所へと差し掛かった頃。連は周囲の警戒を怠らず、しかし約束通りに印を結びました。

 

 

 

モモカ「ふぅ……やっと地面だ。連、約束通りあの子たちを出してあげて。さっきから精神世界の方で九重が暴れて、お腹が熱くてしょうがないわ」

 

モモカが額の汗を拭いながら催促すると、連も無言で頷きました。隣を歩いていたナルトやサクラ、そして前を行くカカシも、何が起きるのかと足を止めます。

 

連「わかっている。……来い、ティアラ、アロー、九重!」

 

連とモモカが同時に地を叩き、巨大な白煙が三つ、爆発するように上がりました。

 

ティアラ「ガァァァァッ!!」

 

アロー「(キィィィッ!)」

 

九重「(コンッ!)」

 

煙が晴れると同時に、待ちかねていた猛獣たちが一斉に連へと襲い(甘え)かかりました。

まず**巨虎のティアラ**が、巨体からは想像もつかない軽やかさで連を押し倒し、その広い胸板を「待たせすぎだ」と言わんばかりに力強く前足で押さえつけます。

 

連「ぐっ……ティアラ、重い……! 約束は守っただろう!」

 

上空からは**大鷹のアロー**が急降下し、連の腕に着地して、その鋭い嘴で連の額当てをコツコツと突いて愛情表現をします。さらに**狐の九重**は、モモカを無視して真っ先に連の背中に飛び乗り、首筋にふさふさの尾を巻き付けて勝ち誇ったように鳴きました。

 

モモカ「ちょっと! 九重、私のところに来なさいってば! ……もう、連ばっかりズルいわよ!」

 

モモカがヤキモチを焼きながら割って入ろうとしますが、三体のメス猛獣たちは連を囲んで離そうとしません。その光景は、もはや「忍の護衛任務」ではなく、どこかの王族の移動動物園のようでした。

 

---

 

 

 

カカシ「……はは、相変わらず賑やかだねぇ。でも連くん、今のうちに可愛がっておきなよ」

 

カカシののんびりとした声が、一瞬で鋭利な刃物のような冷たさを帯びました。

出雲も酒瓶を腰に下げ直し、愛刀の柄に手をかけます。

 

ティアラ「(グルルゥ……)」

 

連を舐めていたティアラが、突如として低い唸り声を上げ、毛を逆立てて霧の深い方向を睨みつけました。アローも羽を広げて威嚇の声を上げ、九重の瞳が三巴の写輪眼へと変わります。

 

カカシ「伏せろ!!」

 

カカシの叫びと同時に、霧の奥から巨大な「鉄の塊」が回転しながら飛来しました。

 

連「——ティアラ、アロー!」

 

連が即座に指示を飛ばすと、ティアラは連を庇うように前に飛び出し、その巨大な爪で飛来した「首斬り包丁」を横から弾き飛ばしました。キィィィン! と火花が散り、包丁は近くの木に深く突き刺さります。

 

その柄の上に、音もなく一人の男が立ちました。

 

再不斬「ほう……木ノ葉のガキが猛獣使いか。珍しいものを見せてもらったな」

 

霧の中から現れたのは、霧隠れの抜け忍、桃地再不斬。

連はティアラの背を撫でて落ち着かせながら、アローを上空へ、九重をモモカの元へと戻し、氷のように冷たい瞳で再不斬を見据えました。

 

連「約束通り、広い場所で出して正解だったな。……ここなら、存分に暴れさせてやれる」

 

バアル(『ククク……連よ、獲物だ。あの男の血は、妾の雷に耐えうるほどに濃いぞ!』)

 

腹の中のバアルが歓喜に震えます。連の全身から紫の電位が迸り、ティアラの咆哮が森を震わせました。

 

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再不斬の放つ「霧隠れの術」が周囲を真っ白に染め上げ、視界を奪います。

 

カカシ「……連、モモカ。手出しは無用だ。ここは僕がやる」

 

カカシが額当てを跳ね上げ、隠されていた左の**写輪眼**を露わにしました。その眼は霧を貫き、再不斬の水分身を次々と見切っていきます。

 

しかし、再不斬も歴戦の猛者でした。カカシがタズナを守るために一瞬生まれた隙を突き、再不斬は背後から強襲。カカシを水中に追い込み、**「水牢の術」**を完成させました。

 

カカシ「くっ……! しまった……!」

 

再不斬「ククク……捕らえたぞ、カカシ。これで終わりだ」

 

絶体絶命のピンチ。それを見ていた出雲が、刀の柄を鳴らしました。

 

出雲「連、モモカ。出番よ。第七班が全滅したら、酒の味が落ちるわ」

 

連「了解しました。……ティアラ、アロー!」

 

連が指示を飛ばそうとしたその時、ナルトが叫びました。

 

ナルト「待て! 連、手出ししねーでくれってばよ! カカシ先生は俺たちが助ける!」

 

ナルトの瞳には強い決意が宿っていました。彼はサスケに目配せし、巨大な「風魔手裏剣・影風車」を取り出します。サスケがそれを全力で再不斬へと投げ放ちました。

 

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再不斬は飛来する手裏剣を軽々と避けます。しかし、背後を通り抜けた手裏剣が、突如として変化を解き、**ナルト**へと戻りました。

 

ナルト「これで……終わりだぁぁ!!」

 

ナルトが放ったクナイが、水牢を維持する再不斬の腕を狙います。再不斬は反射的に手を離し、術が解けました。

 

カカシ「……よくやった、二人とも!」 

 

水牢から解放されたカカシが、瞬時に写輪眼で再不斬の「大瀑布の術」をコピーし、逆に再不斬を押し流しました。

 

満身創痍の再不斬に、カカシがクナイを突き立てようとしたその瞬間。

 

ヒュッ、ヒュッ!!

 

二本の千本が正確に再不斬の首を貫きました。

 

白「……そこまでです」

 

霧の中から、仮面を被った謎の少年——**白(ハク)**が現れました。

 

白「私は霧隠れの追い忍。その男……再不斬を、長年の罪により処刑しました」

 

死んだように動かない再不斬を抱え、白は静かに霧の中へと消えていきました。

 

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連「……終わったか」

連がティアラの背から降り、静かに刀を収めました。その様子を横目に、出雲が不敵に笑います。

 

出雲「ねぇカカシ。あの子、本当に『追い忍』だと思ってる?」

 

カカシ「……いや。あの千本、急所を外して仮死状態にさせただけだろう。……再不斬は、まだ生きている」

 

カカシの言葉に、ナルトたちが戦慄します。

その時、連の首筋に巻き付いていた**九重(ここのえ)**が、冷たい写輪眼を霧の方向へ向けました。

 

モモカ「連、あの仮面の少年……私の『狐の鼻』が言ってるわ。あの子、すごく悲しいチャクラの匂いがするって」

モモカが九重の言葉を通訳し、連の隣に立ちました。

 

連「……敵に同情は不要だ。次に出てきた時は、死を偽装する暇も与えない」

連の全身から、再び紫の火花が散りました。

 

バアル(『ククク……連よ、あの少年は面白いぞ。主に似た「道具」としての魂を持って居る……食いがいがありそうよな』)

 

バアルの不気味な笑い声が精神世界に響く中、連たちはタズナの家へと向かいました。一時的な撤退……それは、次に訪れる「本当の地獄」へのカウントダウンに過ぎませんでした。

 

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