NARUTO -紫電の人柱力   作:ぐちロイド

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第13話 大橋の死闘、そして雪の最期

 

 

建設途中の大橋は、濃霧と不気味な静寂に包まれていました。

第七班が白の「魔鏡氷晶」に閉じ込められ、絶望的な戦いを強いられる中、出雲班はタズナを護衛しつつ、その「瞬間」を待っていました。

 

モモカ「……連。ナルトとサスケのチャクラが乱れているわ。特にナルト……これは、嫌な予感がする」

モモカが写輪眼を輝かせ、氷の鏡の奥を凝視します。その肩で、九重も毛を逆立てて低く唸りました。

 

連「……ああ。バアルが騒いでいる。九尾の力が漏れ出しているな」

連が呟いた直後、氷の鏡を内側から粉砕する凄まじい「赤い咆哮」が響き渡りました。

 

サスケが自分を庇って倒れた(仮死状態)ことに激昂したナルト。その全身から溢れ出した禍々しい九尾のチャクラは、白の神速を上回り、圧倒的な力で彼を打ち破りました。

 

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一方、霧の向こうでは、カカシと再不斬の決着が始まろうとしていました。

 

カカシ「……再不斬、これで終わりだ。**口寄せ・追尾の術!**」

カカシが呼び出した忍犬たちが、霧の中に潜む再不斬を臭いで捕らえ、その動きを封じます。

 

再不斬「くっ……! 霧隠れの鬼神ともあろう者が、犬ごときに……!」

 

カカシ「お前の野望も、ここで潰える。……忍の戦いに、慈悲はない」

 

カカシの右手に、千の鳥の地鳴きのような雷鳴が宿りました。

 

カカシ「**雷切!!**」

 

青白い雷光が霧を切り裂き、再不斬の胸元を狙って一直線に突き進みます。

しかし、その刃が再不斬に届く直前——。

 

白「——させません」

 

ナルトに敗れ、ボロボロになりながらも、白は最期の力を振り絞って再不斬の前に立ちはだかりました。

 

グシャリ……。

 

カカシの「雷切」は、再不斬を庇った白の胸を深く貫きました。

 

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静寂が、大橋を支配しました。

 

再不斬「……あ、あぁ……。白……お前、なぜ……」

 

再不斬の瞳に、初めて動揺の色が走ります。

 

 

白「……再不斬さん……。僕は、あなたの……道具になれましたか……?」

白は口元から鮮血を零しながらも、満足げに微笑み、そのまま息絶えました。

 

その様子を、少し離れた場所から連は静かに見つめていました。

ティアラが悲しげに「グルゥ……」と鳴き、アローが空で静かに旋回します。

 

バアル(『ククク……見たか連よ。あれが人の「絆」という名の呪いだ。あのような美しい死を、主も望むか?』)

 

連「……黙れ、バアル。俺に、あんな顔はできない」

 

連は冷たく言い放ちましたが、その瞳には白の最期が焼き付いていました。主人のために盾となり、微笑んで死ぬ。それは、連がかつて「道具」として教え込まれた究極の形でありながら、今の彼にはあまりにも「眩しすぎる」光景だったのです。

 

モモカ「……連。あの子、幸せそうだったわね」

 

モモカがそっと連の手に触れました。その手は、少しだけ震えていました。

 

連「……ああ。だが、俺たちの戦いはまだ終わっていない」

 

連は空を見上げました。

白の死を悼むかのように、波の国には珍しい、白く清らかな雪が舞い始めていました。

 

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ガトーの卑劣な裏切りと、白の亡骸を足蹴にする所業。

「忍は道具だ」と言い切っていた再不斬の心は、ナルトの叫びによってついに決壊しました。

 

再不斬「小僧……それ以上は言うな。……白は、心も体も傷つくだけでなく……最後にお前の心まで求めた。……俺も、負けたよ」

 

包帯に隠された再不斬の目から、大粒の涙が零れ落ちます。

両腕を折られ、動かぬ体にムチを打ち、再不斬はクナイを口に咥えてガトー軍団へと突っ込みました。その姿は、まさに修羅。数多の刃を背に受けながらも、彼は元凶であるガトーを海へと叩き落とし、道連れにしました。

 

降りしきる雪の中、カカシの手によって白の隣へと横たえられた再不斬。

 

再不斬「……できるなら……お前と同じところへ……行きたいなあ……」

 

震える手で白の頬に触れようとし、そのまま鬼神は静かに瞳を閉じました。

白く、あまりに清らかな雪が、血に汚れた大橋を覆い隠していくようでした。

 

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数日後。

再不斬と白を、見晴らしの良い丘に葬った一行は、完成した大橋の上に立っていました。

タズナがこの橋を「ナルト大橋」と名付けるのを、ナルトは照れくさそうに、しかし誇らしげに見ています。

 

モモカ「……行くよ、連。みんな待ってるわよ」

 

モモカが、旅支度を整えて声をかけました。

 

連「ああ。……だが、その前に一つだけ」

 

連は橋の欄干に歩み寄り、静かに印を組みました。その背後では、ティアラが静かに座り込み、アローが欄干に止まって空を見つめています。

 

連「……バアル。あいつへの手向けだ。力を貸せ」

 

バアル(『ククク……よかろう。道具として生き、道具として散ったあの少年に、最強の光を見せてやれ』)

 

連の全身から、これまでにないほどの高密度の紫電が溢れ出しました。

それはもはや火花ではなく、物理的な圧迫感を持った雷の奔流。

 

連「**紫電流・極——『紫電龍(しでんりゅう)』!!**」

 

連が突き上げた右拳から、巨大な紫の龍が咆哮を上げながら天空へと昇り詰めました。

龍は波の国の曇天を突き破り、遥か高空で紫色の光となって弾けました。それは、まるで雪の空に咲いた一瞬の、しかし力強い華のようでした。

 

モモカ「……連。今の、白に届いたかしら」

 

モモカが連の隣に並び、消えゆく紫の光を見つめます。

 

連「届いたさ。……あいつも、あの再不斬って男もな」

 

出雲が酒瓶を傾け、空に向かって一口捧げました。

 

連は、自分の右手の震えを見つめました。白の生き様は、同じ「道具」としての教育を受けてきた連の心に、消えない楔を打ち込みました。

 

連「……俺は、誰の盾にもならない。俺自身が、全てを貫く雷(いかずち)になる」

 

その決意を胸に、連は一度だけ丘の上の墓標を振り返り、木ノ葉の里へと続く道を歩み始めました。

肩に乗るアローの重みと、隣を歩くモモカの体温。

孤独な「道具」であったはずの連の背中には、今はもう、独りではない者の影が強く、確かに伸びていました。

 

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**波の国編・完**

 

 

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