NARUTO -紫電の人柱力   作:ぐちロイド

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第14話 紫狼の誘惑と「混浴」の危機

波の国での激闘を終え、一行は里への帰路につく前に、火の国境近くにある古びた温泉宿で一晩の休息を取ることになりました。

 

 

出雲「あ〜、戦いの後の温泉とお酒! これぞ忍の醍醐味よねぇ!」

 

宿に着くなり、出雲はすでに浴衣をはだけさせ、上機嫌で地酒の瓶を抱えていました。その隣では、猛獣たちを精神世界へ戻し、ようやく一息ついた連が茶を啜っています。

 

連「先生、飲みすぎです。明日は早朝に出発すると……」

 

出雲「固いこと言わないの! それより連、モモカちゃん。今日は特別よ。三人で『混浴』して、背中の流し合いっこしましょうか!」

 

出雲の爆弾発言に、連が飲んでいた茶を盛大に吹き出しました。

 

モモカ「な、ななな……何を言ってるんですか、先生!!」

モモカが顔を真っ赤にして立ち上がります。12歳になり、いよいよ発育が加速している彼女にとって、連と一緒に風呂に入るなど、心臓がいくつあっても足りない提案です。

 

出雲「いいじゃない、減るもんじゃなし。連も、私のこのLカップの……いたっ!?」

 

出雲の言葉が終わる前に、連の指先から「パチッ」と小さな紫電が飛び、出雲の酒瓶の蓋を弾き飛ばしました。

 

連「……先生、酔いすぎだ。モモカ、俺は外の空気を吸ってくる」

 

出雲「逃がさないわよ〜!」

 

出雲が連の首根っこを捕まえようとした瞬間、部屋の隅で大人しくしていた**九重**が「コン!」と鳴き、モモカの写輪眼と共鳴して出雲に「酒が無限に湧き出る泉」の幻術をかけました。

 

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出雲「あはは〜! お酒の池だ〜! 泳いじゃうわよ〜!」

 

幻術に嵌まり、畳の上で泳ぎ始めた出雲を放置して、連とモモカは夜風に当たるため縁側へと逃げ出しました。

 

連「……ったく、あの人は。……悪かったな、モモカ」

 

モモカ「いいわよ、いつものことでしょ。……でも、連」

 

モモカが月明かりの下で、少しだけ浴衣の襟元を整えながら連を見つめます。

 

モモカ「……本当に混浴だったら、どうしてた?」

 

連「……質問の意味がわからん。即座に逃げるだけだ」

 

連はそっぽを向きましたが、その耳の先は微かに赤くなっていました。腹の中ではバアルが『ククク、連よ。主も男なら、あの赤髪の娘の誘いに……』と茶化していますが、連は精神世界でバアルの口を雷で塞ぎました。

 

モモカ「ふふ、連らしいわね。……ほら、アローもティアラも呼び出してあげなさいよ。あの子たちも、戦いの後は連に甘えたいはずよ」

 

連が口寄せの印を結ぶと、庭園に小さな煙とともに、少しサイズを抑えたティアラとアローが現れました。

ティアラはすぐに連の膝に頭を乗せて甘え、アローは連の肩で眠たげに目を細めます。

 

連「……波の国では、色々あったな」

 

モモカ「ええ。……でも、私たちは生き残った。これからも、ずっと一緒よ」

 

モモカが連の隣に座り、その肩にそっと頭を預けました。

部屋の中から聞こえる出雲の「お酒ぇ〜!」という叫び声をBGMに、戦士たちの束の間の休息は、穏やかに過ぎていきました。

 

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深夜の温泉宿。客足も途絶え、静まり返った大浴場には、心地よい湯気と微かな硫黄の香りが漂っていました。

 

 

連「……よし。今なら誰もいないな」

 

連は周囲を警戒しつつ、小さな煙とともに**巨虎のティアラ**と**大鷹のアロー**を呼び出しました。狭い舟の上では戻ってもらいましたが、激戦を潜り抜けた二体の毛並みや羽は、返り血や泥で汚れていました。

 

ティアラ「グルルゥ……(連、ここ温かい)」

 

 

ティアラが広々とした洗い場に巨体を横たえ、うっとりと喉を鳴らします。一方、アローは湯気の中を数回旋回した後、連が用意した桶の縁に器用に止まりました。

 

連「大人しくしてろ。……アロー、お前からだ。羽の付け根に泥が詰まっている」

 

連は浴衣を腰まで脱ぎ、慣れた手つきでアローの羽を温湯で濡らしていきます。鋭い爪を持つ空の王者が、連の指先が羽を撫でるたびに「キィ……」と甘えたような声を上げ、気持ちよさそうに目を細めていました。

 

連「次はティアラだ。……お前は図体がデカいから、時間がかかるぞ」

 

連が巨大なブラシを手に取り、ティアラの剛毛を泡立てていきます。バアルの雷を纏うための強靭な毛並みは、洗うのも一苦労です。連は無表情ながらも、筋肉の強張りをほぐすように丁寧に、そして力強くブラッシングを続けました。

 

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ティアラ「(グルルゥ、そこ……もっと強く……)」

 

ティアラが満足げに腹を見せて転がると、その拍子に大量の湯水が跳ね、連は頭からびしょ濡れになりました。

 

連「……おい、ティアラ。調子に乗るな。……ん?」

 

ふと、女湯との仕切りにある壁の向こうから、聞き慣れた気配を感じて連は動きを止めました。

 

出雲「連〜、あの子たちの声が聞こえるわよ。私も手伝ってあげましょうか〜?」

 

壁越しに響く出雲の、少し鼻にかかった艶っぽい声。

 

連「……結構です、先生。もう終わります。あと、覗こうとしたらティアラに命じて壁を壊させます」

 

出雲「あら、怖い。……連ってば、本当にもふもふが好きねぇ」

 

出雲のからかうような笑い声を聞き流しながら、連はティアラの泡を丁寧に流し、大きなタオルでその巨体を包み込みました。

 

九重「コン!」

 

いつの間にか現れた**九重**が、連の濡れた髪に飛び乗り、吸水性の良い尾を巻き付けて水分を吸い取ってくれます。

 

連「……九重、助かる。よし、二人とも(二体とも)綺麗になったな。戻るぞ」

 

磨き上げられたアローの羽は月光を反射して銀色に輝き、ティアラの毛並みはベルベットのような光沢を取り戻していました。

戦場での殺伐とした空気とは無縁の、温かな湯気の中でのひととき。

 

連は満足げな猛獣たちの鼻先を一つずつ撫で、静かに脱衣所へと向かいました。その背中には、もう「道具」としての硬さはなく、信頼し合う仲間への確かな愛情が滲んでいました。

 

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