NARUTO -紫電の人柱力   作:ぐちロイド

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第15話 砂の胎動と、異質のチャクラ

 

波の国任務から帰還し、木ノ葉の里は活気に満ちていました。しかし、その華やかさの裏で、里の空気はかつてないほど「重く」淀み始めていました。他里の忍たちが続々と集結する、**中忍選抜試験**の開幕です。

 

出雲から願書を受け取り、連とモモカがアカデミーの廊下を歩いていると、騒がしい声が聞こえてきました。ナルトたちが、砂隠れの里から来た下忍三姉弟——テマリ、カンクロウ、そして**我愛羅**と対峙していたのです。

 

モモカ「……連。あの子たち、ただの下忍じゃないわ」

 

モモカの瞳が瞬時に写輪眼へと変わり、砂の忍たちを凝視します。その隣で、連は足を止め、背筋に走る異常な「悪寒」に目を細めました。

 

連「ああ。……特に、あの背中に瓢箪を背負った少年だ」

 

連の視線の先には、隈取りのある冷酷な瞳をした少年、我愛羅が立っていました。

 

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バアル(『……ク、ククク。連よ……気をつけろ。あの小僧、中に「化け物」を飼っておるぞ。……それも、妾と同じか、それ以上に血生臭い奴をな』)

 

精神世界で、普段は傲岸不遜なバアルが、獲物を見つけた猛獣のように喉を鳴らしました。

連の腹部から、無意識のうちに薄紫色の火花が漏れ出し、周囲の空間がジリジリと震え始めます。

 

我愛羅「——!?」

 

我愛羅が、ゆっくりと首を連の方へ向けました。その瞳は、周囲のナルトやサスケを通り越し、真っ直ぐに連だけを射抜いています。

 

我愛羅「……お前の血……。砂の盾が、今までになく騒いでいる。殺し甲斐がありそうだ」

 

我愛羅の瓢箪から、意志を持つかのように砂が溢れ出し、連の足元まで這い寄ってきます。連の肩にいた**アロー**が威嚇の鳴き声を上げ、モモカの肩の**九重**も毛を逆立てて三巴の瞳を輝かせました。

 

連「……生憎だが、俺の肉は硬いぞ。噛み砕こうとすれば、お前の砂は雷でガラスに変わる」

 

連が冷徹に言い放つと、二人の間で火花と砂塵が激しく衝突するような、目に見えないプレッシャーが渦巻きました。

 

カンクロウ「よせ、我愛羅。ここは木ノ葉の里だ。……行くぞ」

 

カンクロウの制止により、我愛羅は殺意を収め、背を向けました。しかし、去り際の一瞥は、中忍試験が単なる試験ではなく、命を懸けた「殺し合い」になることを確信させるに十分なものでした。

 

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「モモカ……凄まじい殺気だったわね。連、大丈夫?」

 

モモカが心配そうに連の手を握ります。連の手は、恐怖ではなく、高ぶるチャクラによって微かに熱を帯びていました。

 

連「……ああ。バアルが言っていた。あいつの中には『一尾の守鶴』……尾獣がいる。……俺と同じ、化け物を宿した者だ」

 

連は、自分の腹部に手を当てました。

雷龍バアルと、一尾の守鶴。

木ノ葉と砂、それぞれの里が抱える「闇」が、中忍試験という舞台でついに激突しようとしていました。

 

連「面白い。……モモカ、ティアラとアロー、九重にも伝えておけ。次にあいつと会う時は、死ぬ気で来いとな」

 

連の瞳に、バアルと同じ紫の光が宿ります。

天才と呼ばれた少年たちの、真の力が試される狂乱の宴が、今まさに幕を開けようとしていました。

 

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中忍試験を目前に控えたある夜。連は出雲の隠れ家の奥座敷で深く瞑想に入っていました。

目的は、我愛羅という異質の存在に対抗するため、これまで「暴走」を恐れて制限していたバアルのチャクラを、より高純度で、かつ正確に引き出す許可を本人に取ること。

 

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意識が沈み込み、辿り着いたのは、絶え間なく紫の雷光が空を裂き、黒い雲が渦巻く精神世界でした。

 

バアル「……来たか、連」

 

地を震わせるような重低音とともに、雲の中から巨大な**雷龍バアル**が姿を現しました。十本の雷の尾が鞭のようにしなり、周囲の空間を焼き切っています。その瞳は、冷酷でありながら、自らの「器」を試すような愉悦に満ちていました。

 

バアル「主がここへ自ら足を運ぶとはな。……砂の小僧の中にいる『狸』に、怯えでもしたか?」

 

連「……怯えてなどいない。だが、今の出力ではあいつの砂を貫くには足りない。バアル、お前の力を、あと一段階解放させろ」

 

連が真っ直ぐに見上げると、バアルは大きく口を開けて笑いました。

 

バアル「ククク……図々しい小僧よ! 妾(わらわ)の力は借り物ではない。主が妾という暴風を御せると証明せねば、貸し与える道理はないわ!」

 

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バアルの咆哮とともに、精神世界の地面から無数の雷の槍が突き出しました。連は瞬時に**『迅雷身』**を発動させ、光速の移動でそれを回避しますが、バアルは巨大な前足を叩きつけます。

 

連「**紫電流・参ノ型——『雷天斬(らいてんざん)』!**」

 

連は精神体でありながら、具現化した刀に極限までチャクラを集中させ、龍の爪を真っ向から受け止めました。キィィィィィィン!! と耳を裂く衝撃音が響き、連の足元の地面が同心円状に砕け散ります。

 

連「ハァッ……! 認めろ、バアル! お前も、あいつの中の化け物に負けるのは癪だろう!」

 

バアル「……ほほう? 妾を煽るか、小僧!」

 

バアルの十本の尾が一斉に連を襲います。連は目を閉じ、外部の感覚を遮断。自分の中に流れる「龍の脈動」と、自らの「心臓の鼓動」を完全に同調させました。

 

連(……俺の体は、ただの器じゃない。お前という雷を導く『道』だ!)

 

連の全身から、これまでにないほど澄んだ、白銀に近い紫電が迸りました。それは破壊の衝動ではなく、連の意志によって完全に制御された「静かなる雷」でした。

 

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連の放った一撃が、バアルの鼻先を掠め、精神世界の黒雲を真っ二つに切り裂きました。

 

静寂が戻ります。

バアルは黄金色の瞳を細め、フンと鼻を鳴らして巨躯を丸めました。

 

バアル「……よかろう。主のその傲慢さ、嫌いではない。妾のチャクラの『芯』、少しだけ触れさせてやる。……ただし、主の器が耐え切れず壊れても、妾は知らぬぞ?」

 

バアルがその長い尾の一本を連の胸元にそっと触れさせると、凄まじい熱量と情報が連の脳内へ流れ込んできました。

 

連「……感謝する、バアル」

 

意識が現実へと浮上します。

目を開けた連の周囲では、小さな紫の龍の形をした電位が、主を守るように静かに舞っていました。

 

モモカ「——連? 終わったのね」

 

心配そうに覗き込んでいたモモカと、傍らで退屈そうに爪を研いでいたティアラ。

連は自分の掌を握り締め、微かに笑みを浮かべました。

 

連「ああ。……中忍試験、誰が来ようと関係ない。俺たちが、全てを薙ぎ払う」

 

その瞳には、バアルの威厳と、連の冷徹な意志が完璧に融合した「新しい光」が宿っていました。

 

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