NARUTO -紫電の人柱力   作:ぐちロイド

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第16話 爆弾薬と乙女の鉄拳 蒼き雷の継承

 

 

中忍試験当日。試験会場であるアカデミーの門前で、出雲は相変わらずの調子で怪しげな瓶を振り回していました。

 

出雲「さあ連! これを飲めばチャクラは三倍、やる気は百倍! 私の特製『超絶元気ハツラツ・龍の涙薬』よ!」

 

連「……先生、それ、色が毒々しすぎます。それにさっきから瓶の中で何かが動いています」

 

連が本気で嫌そうな顔をして一歩下がると、隣で同じく願書を手にしていたモモカが、般若のような形相で出雲の腕を掴みました。

 

モモカ「先生……! 連はさっきバアルとの対話を終えて、最高のコンディションなんです。そんな成分不明の怪しい薬で、連の繊細なチャクラバランスを壊す気ですか!?」

 

出雲「あら、これは失礼ね。これでも一応、医療忍術の心得がある私が調合したんだから……」

 

モモカ「ダメなものはダメです! その薬、今すぐ捨ててください!」

 

モモカの背後に**九重**が現れ、写輪眼の威圧感とともに尻尾で出雲の酒瓶をひっくり返そうとします。

 

出雲「あはは! 若いわねぇモモカちゃん、嫉妬? 嫉妬なのね!?」

 

モモカ「嫉妬じゃありません、管理です!」

 

師弟(+狐)の熾烈な揉み合いを横目に、連は溜息をつき、近くの木の下で文庫本を読んでいたカカシの方へと歩み寄りました。

 

---

 

 

 

連「……カカシ先生。少し、いいですか」

 

カカシは本から目を上げ、連の全身から漏れ出る「制御された高純度の紫電」を見て、微かに眉を上げました。

 

カカシ「……バアルと折り合いがついたみたいだね。で、僕に何か用かな?」

 

連「俺の『紫電流』は、広範囲への攻撃や身体能力の向上には長けていますが、一点突破の貫通力において、まだ理想に届きません。……先生のあの技を、教えてください」

 

カカシは少しの間沈黙した後、本を閉じました。

 

カカシ「……**『千鳥』**。あれは暗殺の技だ。凄まじい肉体活性と移動速度を伴うため、常人では敵のカウンターに対応できない。……だが、君なら話は別か」

 

カカシが立ち上がり、右手にチャクラを集中させます。

キィィィィィィン!!

千の鳥が鳴くような、鋭く、高く、そして禍々しいほどの雷鳴が辺りに響き渡りました。

 

カカシ「一点にチャクラを凝縮し、肉体そのものを刃に変える。……連、君の『紫電』をこの術に組み込めば、それは千鳥を超えた『別の何か』になるだろう。……やってごらん」

 

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連はカカシのチャクラの練り方を凝視し、バアルから引き出したばかりの、より濃密なチャクラを右手に集めました。

 

バアル「(『……連よ、惜しむな。妾のチャクラを極限まで圧縮し、一点の針に変えろ』)」

 

バアルの声に合わせ、連の右手に紫の火花が凝縮されていきます。

バチバチという荒々しい音から、次第にキィィィィィンという「超高周波の鳴き声」へと変化していきました。

 

連「……**紫電流——『千鳥(紫電)』**」

 

連が近くの巨石に向かって踏み込むと、紫の閃光が空間を切り裂きました。

ズガァァァァン!!

音もなく石を貫通した連の手からは、鋭い紫の雷の刃が伸び、背後の地面までをも深く抉り取っていました。

 

カカシ「……一回で形にするとはね。……合格だ」

カカシは驚きを隠すように、再び本を開きました。

 

モモカ「連! 凄いわ、今の!」

 

出雲とのバトルを終えたモモカが駆け寄ってきます。連の右手からは、まだ紫の残雷がチリチリと音を立てていました。

 

連「……一点突破の牙。これで、あの砂の盾も貫ける」

 

連は静かに拳を握りました。

一点を貫く最強の矛『千鳥』。そして彼を守る猛獣たち。

死角を失った暁連の前に、ついに中忍試験の第一会場の扉が開かれました。

 

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中忍試験第一試験。広大な教室に張り詰めるのは、単なる試験の緊張感ではなく「バレずに情報を盗め」という裏の指令に対する、忍たちの殺気でした。

 

試験官イビキが厳烈に宣言します。

 

イビキ「これより第一試験を開始する! ……始め!」

 

一斉にカリカリと鉛筆の音が響く中、連は問題を一瞥し、すぐに思考を切り替えました。

(到底、下忍に解けるレベルじゃない。……ならば、予定通りに行くぞ)

 

連は机の下で、ごく僅かに指先を組みました。昨日カカシから教わった「千鳥」。その本質である高周波のチャクラを、攻撃ではなく**「微弱な電磁波」**として空間に放ちます。

 

連「(アロー、頼むぞ)」

 

上空、試験会場の屋根裏の隙間。そこには、口寄せを解かずに待機させていた**大鷹のアロー**がいました。連が放った微弱な電磁波は、アローの脳内に直接「位置情報」として届きます。

 

アローはその鋭い鷹の目で、試験会場に紛れ込んでいる「正解を知るサクラ」や「中忍の仕込み」の筆致を、天井の隙間から正確に捉えました。アローが見た視覚情報は、電磁波の波長を通じて連の脳内へ逆流し、他人の解答がまるで自分の記憶であるかのように浮かび上がります。

 

連(……見えた。北西三十度、三列目の男。九問目まで完答。……写すぞ)

 

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連の斜め後ろでは、モモカが冷静に動いていました。

 

モモカ「……九重、準備はいい?」

 

九重(「コン!」)

 

モモカの肩で不可視の霊体に近い状態で潜んでいた**狐の九重**が、音もなく床を這い、斜め前の受験生の影へと潜り込みました。

九重の能力は「五感の共有」。九重が受験生の肩越しに解答を覗き込めば、その視覚はモモカの脳内に直結します。

 

さらに、モモカは前髪の隙間から、片目だけ**写輪眼**を起動させました。

 

モモカ(……筆の運び、インクの跳ね。私の眼からは逃げられないわ)

 

モモカは九重の視覚で「文字」を確認し、写輪眼の動体視力で「他人の手の動き」を完全模写します。連が電磁波で広範囲をサーチするのに対し、モモカは特定の正解者を確実に「狩る」スタイルでした。

 

時折、巡回する試験官がモモカの側を通りますが、九重が微弱な幻術で「ただ真剣に悩んでいる少女」の残像を見せ、視線を逸らさせます。

 

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試験開始から三十分。

連とモモカの答案用紙は、すでに完璧な正解で埋め尽くされていました。

 

バアル(『ククク……連よ。千の鳥を鳴かせる術を、カンニングの電波塔に使うとはな。カカシも草葉の陰で泣いておるぞ』)

 

連「……まだ生きてる、黙っていろバアル」

 

連は精神世界でバアルの軽口をいなしつつ、そっとモモカに視線を送りました。モモカもまた、余裕の笑みを浮かべて小さく頷きます。

 

モブ2「……おい、あそこの二人……」

 

モブ1「一歩も動いてないのに、筆が止まらねぇ……。何を使ってやがる……」

 

周囲の忍たちが焦燥に駆られる中、連はアローに撤退の合図を送り、静かに鉛筆を置きました。

猛獣たちとの絆は、戦場だけでなく、こうした「静かなる戦場」でも彼らを最強のチームへと変えていました。

 

イビキ「試験終了! 筆を置け!」

 

イビキの声が響いた時、連とモモカの準備は、精神的にも戦術的にも完全に整っていました。次は、血と暴力が支配する「死の森」です。

 

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