NARUTO -紫電の人柱力   作:ぐちロイド

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第17話 死の森の邂逅、そして蛇の影

 

 

中忍試験第二試験「死の森」。

連とモモカは順調に巻物を集め、出口を目指していました。しかし、その森の奥深くで、尋常ではないチャクラのうねりが、森全体を恐怖で支配していました。

 

モモカ「……連。このチャクラ……まさか」

 

モモカの写輪眼が、戦慄に揺れます。その傍らで、連の肩のアローが毛を逆立て、九重も連の首筋にきつく巻き付いて震えていました。

 

連「……ああ。この殺気……間違いねぇ。ティアラ、出るぞ」

 

連が口寄せの印を結ぶと、地面を揺らして**巨虎のティアラ**が現れました。しかし、ティアラは森の奥から漂う禍々しい気配に、初めて怯えを見せました。

 

ティアラ「グルゥ……(連……あれは……)」

 

ティアラは普段の威厳を失い、体を低くして唸りながら、連の足元に体を擦り寄せます。その反応に、連は眉をひそめました。バアルの雷を宿すティアラが、これほど怯える存在など、初めてでした。

 

バアル「(『連よ……あの男は「人」ではない。まさか……木ノ葉の里に、奴が忍び込んでおったとはな……』)」

 

バアルの声も、どこか緊迫していました。

 

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木々の奥から、ゆっくりと一人の男が姿を現しました。

長く伸びた首、蛇のように冷たい瞳。その腕には、サスケに刻みつけられたばかりの禍々しい**呪印**が、脈打つように蠢いています。

 

大蛇丸「……フフフ。面白いものが見れた。尾獣を宿す獣人、そして写輪眼の末裔。そして、その猛獣たちを従える少年……。君が『暁連』だね。まさか、こんな場所で君たちと出会うとは、運がいい」

 

大蛇丸が舌なめずりをすると、森中の小動物が恐怖で息を潜めます。

その威圧感は、ティアラですら動けなくするほどでした。

 

連「ティアラ、心配するな。俺がいる。……モモカ、後ろに下がれ」

 

連は怯えるティアラの首筋を優しく撫で、そのまま右手にチャクラを集中させました。

キィィィィィィン!!

 

連「**紫電流・奥義——『千鳥(紫電)』!!**」

 

紫電の輝きが闇を切り裂き、連は一直線に大蛇丸へと突進しました。

一点突破の最強の雷は、大蛇丸の首元を正確に狙います。

 

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しかし、大蛇丸はそれを鼻で笑いました。

「フフフ……面白い技だね。だが、まだまだ甘いよ」

 

大蛇丸の首が不自然なほど伸び、連の「千鳥(紫電)」をかわしました。そのまま大蛇丸は連の背後に回り込み、その牙のような首筋を狙って、力を込めて噛みつきます。

 

連「——ガッ!?」

 

連の背筋に、焼けるような激痛が走りました。

 

大蛇丸「フフフ……これで君も、私の一員だ」

 

大蛇丸が舌なめずりをしながら嘲笑うと、連の首筋には、サスケと同じ**「三つ巴の呪印」**が刻まれていました。禍々しいチャクラが体内を駆け巡り、連は膝から崩れ落ちます。

 

モモカ「連! 大丈夫!?」

モモカが駆け寄ろうとしますが、大蛇丸が放つ無数の蛇に阻まれました。

 

大蛇丸「心配ない。今は眠りなさい。君も、いずれ私の下へ来るだろう……。その雷、実に素晴らしい」

 

大蛇丸は満足げに笑い、連の背後から静かに姿を消しました。

森の奥から、サスケの絶望的なチャクラの乱れが伝わってきます。

 

連の意識は朦朧とし、その瞳には紫の雷光と、大蛇丸の蛇のような冷たい眼差しが焼き付いていました。

 

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大蛇丸が去った後、連は洞窟の奥で泥のような眠りに落ちていました。首筋に刻まれた呪印はどす黒く脈打ち、連の体を高熱が蝕みます。

 

モモカ「連、しっかりして……! お願い、目を開けて!」

 

モモカは必死でした。濡らした布で連の額を拭い、九重を周囲の警戒に当たらせます。ティアラもまた、主人を守るように入り口で身を低くし、悲しげな瞳で連を見つめていました。

数時間が経過し、ようやく連の荒い呼吸が収まったかと思ったその時。

 

連「……あ、……ああ……力が、溢れてくる……」

 

連がゆっくりと上体を起こしました。しかし、その瞳はいつもの冷徹な輝きではなく、赤黒い呪印の文様が顔の半分を覆い、狂気じみた光を宿していました。

 

バアル(『ククク……連よ、この感覚はどうだ? 大蛇丸の呪印が、妾(わらわ)のチャクラを無理やり引きずり出しおるわ!』)

 

バアルの声もまた、増幅された暴力的なチャクラに酔っているようでした。

 

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モモカ「連? 顔色が……待って、行かないで!」

 

モモカの制止を振り切り、連はふらりと洞窟の外へ出ました。ちょうどそこへ、運悪く連たちの巻物を狙って現れた他里の受験生三人組が立ちふさがります。

 

モブ2「へへっ、ようやく見つけたぜ。弱ってるみたいだな、木ノ葉のガキ……」

 

連「……邪魔だ。」

 

連の言葉とともに、大気そのものが震えるほどの重圧が放たれました。

 

連「**紫電流・極——『千鳥・灰燼(かいじん)』!!**」

 

印を結ぶことすらなく、連の全身から黒ずんだ紫の雷が爆発的に噴き上がります。

ドォォォォン!!

一瞬でした。連が踏み込んだ衝撃だけで地面はクレーター状に陥没し、三人組は悲鳴を上げる暇もなく、黒焦げの塊となって吹き飛ばされました。

 

連「あはは……! 見ろバアル、これだ……。この力なら、全てを壊せる……!」

 

連は狂ったように笑い、次々と現れる敵を、あるいはただの岩や木々を、圧倒的な暴力で破壊していきます。ティアラもその禍々しいチャクラに同調し、野生の本能を剥き出しにして森を蹂躙しました。

 

モモカ「ダメよ連! それは貴方の力じゃない!」

 

モモカが叫び、背後から連を強く抱きしめました。

 

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モモカの温もりに触れた瞬間、連の頭の中に鋭い亀裂が走りました。

 

連「……っ、ガアァァァァッ!!」

 

ハイになっていた気分が、一気に底知れぬ絶望と激痛へと反転します。

呪印が強制的に引き出したチャクラは、連の経絡系(けいらくけい)をズタズタに焼き切ろうとしていました。全身の毛穴から血が滲み出し、連は激しく吐血して地面に突っ伏しました。

 

連「ハァッ……ハァッ……! 体が……燃える……!」

 

バアル(『……ぬ、うぅ……連よ……やはりこの『毒』は早すぎたか……。妾のチャクラが……内側から主を食い破ろうとしておる……』)

 

バアルの焦ったような声が遠のいていきます。

強力すぎる力には、それ相応の、あるいはそれ以上の代償がある。

連の肌に浮き出ていた黒い紋様がゆっくりと首筋へ引きいていきますが、残されたのは、指一本動かせないほどの疲弊と、内臓を素手で掴まれているような凄まじい副作用の痛みでした。

 

モモカ「連! しっかりして! 九重、幻術で痛みを和らげてあげて!」

 

モモカに抱き抱えられながら、連は朦朧とする意識の中で、自分の右手を眺めました。

先ほどまで感じていた万能感は消え、ただ泥のような重苦しさだけが残っています。

 

連「……俺は……何を……」

 

死の森に、連の弱々しい声と、彼を案じるモモカの泣き声だけが響いていました。

呪印という呪いと、最強の雷龍。その共存が、連という「器」を崩壊させようとしていました。

 

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