NARUTO -紫電の人柱力   作:ぐちロイド

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第25話 紅蓮と紫電の断罪、冷徹なる観測者

 

 

モモカ「逃がさない……逃がすもんですか……!」

 

モモカの背後にそびえ立つ紅緋色のスサノオが、巨大な長弓をミシミシと引き絞ります。右眼の【紅蓮】によって形成された熱線の矢は、もはや太陽の欠片のように白熱していました。

 

モモカ「連、行くわよ! 私の【比良坂】が、貴方の『道』を作る!」

 

連「……了解だ。モモカ、合図を」

 

連は、万華鏡の圧に気圧されそうになるのをバアルのチャクラで強引に抑え込み、右手の『紫電・断』を極限まで伸長させました。

 

モモカ「**万華鏡写輪眼・空間固定!**」

 

モモカが左眼を見開くと、テツの周囲の空間がジグソーパズルのように固定され、身動きを封じました。

 

テツ「えっ、あ、ちょ、体が動かねえ! 筋肉(バルク)が空間に負けるのかよぉぉ!?」

 

連「終わりだ。**『紫電流・奥義——断罪・比良坂』!!**」

 

連が跳躍し、放たれた熱線の矢と重なるように突進します。熱線がテツのガードを焼き切り、その直後に連の紫電が、空間の捻じれを伝ってテツの急所に必中の軌道で突き刺さりました。

 

ズガァァァァァン!!

 

テツ「あべしぃぃぃぃっ!!」

爆辞と共に、テツの巨大な肉体が森の奥へと吹き飛び、沈黙しました。

 

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スサノオの光が霧散し、モモカが激しい眼の痛みで膝をついたその時。

森の影から、ぬらりと長い影が伸びました。

 

大蛇丸「……フフフ。素晴らしい、実に素晴らしいわね。絶望ではなく『羞恥』と『憤怒』で万華鏡を開眼させるとはね。君たちは私の想像を遥かに超えてくれるわ」

 

連「……大蛇丸!」

 

連が瞬時にモモカの前に立ち、未だ火花を散らす右手を構えます。

大蛇丸は、白煙を上げるクレーターの中で白目を剥いているテツの襟元を、蛇のような手で掴み上げました。

 

大蛇丸「テツ……。筋肉の耐久力だけは合格だけど、口の軽さは致命的ね。でも、彼のおかげで貴女の『真の価値』が分かったわ、モモカちゃん」

 

大蛇丸の金色の瞳が、モモカの疼く眼をなめるように見つめます。

 

大蛇丸「うちはの血を引かぬ連君の写輪眼。そして、前世の記憶と共に覚醒したモモカちゃんの万華鏡……。二人の『絆』が生み出すチャクラの共鳴。……ククク、やはり君たちは、私のコレクションの最高傑作になるべきだわ」

 

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モモカ「ふざけないで……! 連も、私の記憶も、貴方の道具じゃない!」

 

モモカが叫びますが、大蛇丸は余裕の笑みを崩しません。

 

大蛇丸「今はその眼を大事になさい。万華鏡は使えば使うほど光を失う『諸刃の剣』……。いずれ私を頼りたくなる時が来るわ。……さあ、テツ、帰って再教育(リビルド)よ」

 

大蛇丸の体が地面に溶けるように沈んでいきます。

 

連「待て、逃げるな!」

 

連が追撃しようと踏み出しますが、首筋の呪印が、モモカの万華鏡のチャクラに呼応するように激しく疼き、足が止まりました。

 

連「……っ、ガ……!!」

 

モモカ「連! 大丈夫!?」

 

二人が顔を上げた時には、大蛇丸とテツの気配は完全に消えていました。

静まり返った森の中で、モモカは震える手で連の腕を掴みました。秘密が暴かれ、禁忌の力が目覚めてしまった後の、重苦しい静寂。

 

モモカ「……連。……ごめんなさい」

 

連「……謝るな。あいつの言ったことが本当なら、俺が俺であるために、お前が必要だったんだろ」

 

連は、初めて見る自分の「過去」を知る少女の瞳を、静かに見つめ返しました。

 

 

 

 

 

 

テツとの死闘を終え、連とモモカがボロボロの体を引きずってナルトたちの気配がする場所へ辿り着いた時、そこには救いようのない絶望が広がっていました。

 

連「……ナルト!」

 

連が叫びますが、そこにサスケの姿はありません。ただ、終末の谷の激闘を物語る崩れた岩壁と、降りしきる雨の中、地面に伏して涙を流すナルトの姿があるだけでした。

 

ナルト「ダメだった……サスケを、連れ戻せなかった……」

 

ナルトを支えるシカマルの顔にも、かつてない苦渋の色が滲んでいます。サクラは呆然と立ち尽くし、ただ遠く大蛇丸の元へと消えた「かつての仲間」がいた方向を見つめていました。

 

連「……遅かったか」

 

連は拳を握り締めました。自分たちの「前世」の因縁に囚われている間に、この世界の運命は最悪の分岐点を選んでしまった。モモカは何も言えず、ただ開眼したばかりの万華鏡が疼くのを感じながら、雨に打たれる仲間たちの姿を、その紅い瞳に焼き付けていました。

 

---

 

 

 

里へ戻り、負傷者の治療が一段落した後。火影邸の一室に、連、モモカ、そして出雲とカカシが集まりました。部屋の空気は、葬儀の時とはまた異なる、冷たく鋭い緊張感に包まれています。

 

カカシ「……まさか、こんな短期間に万華鏡まで開眼させるとはね」

 

カカシが、額当てを上げた左目でモモカの瞳をじっと見つめました。モモカの瞳は今もなお、薄く八重桜の紋様を浮かべています。

 

出雲「モモカちゃん、よく聞きなさい。その眼は……強大な力を与える代わりに、使うたびに光を失う『失明へのカウントダウン』よ」

 

モモカ「失明……?」

 

モモカが息を呑みました。

 

出雲が酒瓶を置き、真剣な眼差しで続けます。

 

出雲「特にあんたの『アマノハバヤ』は、空間そのものに干渉する。その代償としてかかる視神経への負荷は、通常の写輪眼の比じゃない。……あの時、大蛇丸が笑っていたのは、あんたがいつか光を求めて、彼の『移植技術』を頼らざるを得なくなると確信したからよ」

 

 

 

連「……そんな。モモカが、光を失うなんて……」

 

連がモモカの前に一歩踏み出しました。

カカシは連の目を見て、静かに告げました。

 

カカシ「連、君も他人事じゃない。君の中に流れるモモカの血とバアルのチャクラが共鳴している以上、君の写輪眼も、モモカの視力とリンクして劣化する可能性がある」

 

二人は顔を見合わせました。血を分け合い、眼を開いた二人の絆は、今や「共倒れ」のリスクを孕んだ運命共同体となっていました。

 

モモカ「……いいわ。光を失うのが怖くて、仲間を守れない方がもっと怖い」

 

モモカは力強く言い放ちました。その肩では、九重が彼女の決意を支えるように、静かに、しかし力強く鳴きました。

 

モモカ「出雲先生、カカシ先生。この眼をどう使うか、自分たちで決めたい。……失明する前に、大蛇丸と、あの筋肉バカを叩き潰す力を身につける」

 

連の言葉に、出雲は小さく溜息をつきながらも、どこか満足げに口角を上げました。

 

出雲「……ま、そう言うと思ったわよ。だったら、明日からの修行はこれまでの百倍はキツくなるわよ。覚悟しなさい、バカ弟子たち」

 

里を去ったサスケ。開眼した呪われた眼。そして、明かされた転生者の宿命。

少年の紫電と少女の紅蓮は、失明という恐怖を抱えながらも、さらなる混沌の渦へと飛び込んでいくことになります。

 

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