NARUTO -紫電の人柱力   作:ぐちロイド

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第39話 鉄の国の惨劇、復讐者の背中

 

 

鉄の国。極寒の吹雪に守られた、中立にして難攻不落の要塞。その最深部で行われていた五影会談の静寂は、轟音と共に幕を閉じた。

 

連「……神を名乗るには、ここは少し寒すぎるな」

 

粉砕された天井から、雪と共に一人の少年が舞い降りた。漆黒の外套、不衛生なまでに青白い肌、そして何よりも——見る者の魂を凍りつかせる**『永遠の万華鏡写輪眼』**。連の隣には、自らの腕から無数の千本を引き出し、悦びに身を震わせる躯(ムクロ)が立っていた。

 

「暁……! 例の『紫電の連』か!」

 

侍たちが一斉に刀を抜くが、連は視線すら向けない。彼の紅い双眸は、壇上に並ぶ忍界の頂点——五影だけを捉えていた。

 

連「サスケはダンゾウを追った。残りの老害どもは、俺が引き受ける」

 

エー「小僧が、舐めるなよ!!」

 

真っ先に動いたのは、四代目雷影・エーだった。雷瞬身による、目にも留まらぬ一撃。並の上忍であれば反応すらできずに肉体を粉砕される神速の拳が、連の顔面に迫る。

 

だが、連は瞬き一つしなかった。

 

連「【比良坂】**」

 

空間が紙を折るように歪み、雷影の拳は連の身体を透過するように虚空を突いた。

 

エー「なっ……時空間忍術だと!?」

 

連「……ただの回避ではない。お前の『速度』の概念を、俺の視界が上回っているだけだ」

 

連の右眼が不気味に回転する。

 

連「**右眼・【紅蓮雷鳴】!!**」

 

エー「ぐおぉぉぉっ!?」

 

雷影の雷遁の衣が、連の放つ漆黒の雷によって「内側から」爆発した。超高電圧と凝縮された熱エネルギーの奔流。雷影は辛うじて後方に跳んで直撃を避けたが、その鋼のような腕からは、じわりと焦げた臭いと共に血が滲んでいた。

 

---

 

 

 

オオノキ「……えぇい、喧しいわい! **塵遁・原界剥離の術!!**」

 

三代目土影・オオノキが両手の間に光の立方体を形成する。万物を分子レベルで分解する、血継淘汰の極致。

放たれた光の奔流が、連の立っていた床を、空間ごと消し飛ばした。

 

オオノキ「やったか!?」

 

連「……どこを見ている。」

 

土影の背後、何もない空間から漆黒の火花が散り、連の姿が浮き上がった。

 

オオノキ「馬鹿な……塵遁の範囲から、一瞬で逃げただと!?」

 

連「逃げてはいない。……俺が空間を固定し、お前の術が届く『因果』を書き換えた。……躯、散らせ」

 

躯「あはっ! 了解、連! **口寄せ忍法・遍身武装——『血釘・連弾』!!**」

 

躯が指先から、連の漆黒の雷を纏った数千本の針を全方位に射出した。

 

メイ「 水遁・水陣壁!!溶遁・溶怪の術!!」

 

五代目水影・照美メイが吐き出した溶岩と水が、躯の針を飲み込もうとする。だが、連の写輪眼がそれを許さない。連は左眼を凝視し、躯の放った針の軌道を空間ごと「ワープ」させた。

 

エー「っ……!? 術を通り抜けてくるだと!?」

 

水影の肩に、帯電した針が深く突き刺さる。

 

メイ「あ……あぁ……っ!」

 

雷による麻痺と、躯の術式が運ぶ「痛みのチャクラ」が彼女を襲う。

 

躯「あはは! 水影様、いい声! もっと鳴いてよ、もっと!」

狂気に満ちた躯の笑い声が、神聖な会談場を地獄の阿鼻叫喚へと変えていく。

 

---

 

 

連「……もうよい。この場で塵となれ」

 

連は静かに両目を見開いた。

かつてない濃密なチャクラが噴き出し、紅緋色の巨大な骸骨、そして肉付けされた甲冑を纏う「完成体」に近いスサノオが顕現した。その巨大な圧力が、鉄の国の要塞そのものを内側から破壊していく。

 

我愛羅「これが……うちはの究極の力か……!」

 

風影・我愛羅が砂の盾を最大展開するが、連のスサノオが右手に握る**「紅蓮の雷槍」**の一振りで、砂の防壁はガラス状に溶け、粉々に砕け散った。

 

連「五影……。お前たちが守ろうとしている秩序など、俺の絶望の前では砂の城に過ぎない」

 

連のスサノオが、左手の**「比良坂の大弓」**を引き絞る。

つがえられたのは、右眼の「紅蓮雷鳴」を極限まで凝縮した、禍々しい紅い矢。

 

連「『紅蓮・神産巣日』。……さらばだ、旧時代の残党ども」

 

放たれた矢は、空間を無視して五影の目の前で爆発した。

ドォォォォォォォォォォォォン!!

 

鉄の国の塔が、上半分を失って消滅した。

凄まじい爆風と熱波。連はスサノオの翼を広げ、ゆっくりと宙に浮いた。

瓦礫の中から、満身創痍の雷影、土影、そして我愛羅が這い出してくる。彼らは忍界の頂点としての意地を見せ、致命傷は避けていた。しかし、その瞳に宿るのは、圧倒的な力への「恐怖」だった。

 

オオノキ「……何という、チャクラの質だ……。これはもう、忍の域を超えておる……」

 

オオノキが、震える手で腰を押さえながら呟く。

 

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躯「……トドメを刺す、連?」

 

躯が、血まみれの刀を口に含んで悦びに目を細めながら問う。

 

連「……いや。サスケの方が終わったようだ」

 

連の視線の先。逃走を図ったダンゾウを、サスケが仕留めようとしていた。

連は五影たちを一度だけ冷たく見下ろすと、スサノオを解除した。

 

連「五影よ。……命を拾ったと思え。……次に会う時は、第四次忍界大戦の戦場だ。……そこでお前たちの愛するすべてを、俺がこの手で焼き尽くしてやる」

 

連は背を向け、虚空へと歩き出した。

 

我愛羅「待て……! 連!!」

 

我愛羅の声が響くが、連は一度も振り返らなかった。

 

彼に宿る「永遠の万華鏡写輪眼」には、もはや和解の光も、慈悲の欠片も映っていない。

映っているのは、ただ一つ。

死んだモモカに捧げるための、世界の終焉という名の最高の供物だけだった。

 

連「行くぞ、躯。……サスケを回収し、次の舞台へ向かう」

 

躯「はーい! あはは、最高のパーティーだったね、連!」

 

雪の降りしきる鉄の国の廃墟に、二人の闇の足跡だけが残された。

五影会談の襲撃——それは、忍界が「暁連」という名の災厄を、真の意味で理解した最初の日となった。

 

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