NARUTO -紫電の人柱力   作:ぐちロイド

44 / 54
第44話 新生・三竦みと「紫電の盾」

 

 

第四次忍界大戦、その絶望の極地。十尾という天災を前に、忍連合軍が壊滅の危機に瀕していたその時、戦場を二つの巨大なチャクラが貫いた。

 

連「遅くなったな、ナルト」

 

砂塵の向こうから現れたのは、復讐の旅を終えたうちはサスケ。そしてその隣で、漆黒の雷を纏いながら、かつての「暁」の外套を脱ぎ捨てた連。

 

サクラ「サスケ君……! それに、連くん……!?」 

 

サクラの叫びが響く。周囲の忍たちが、かつてのSランク犯罪者たちの登場に色めき立ち、武器を構え直す。しかし、サスケはそれらを一瞥もせず、壇上に立つかのように宣言した。

 

サスケ「……いろいろあったが、俺が決めた。俺が火影になる」

 

キバ「はぁぁ!? お前、自分が何言ってるか分かってんのか!」

 

キバが吠え、シカマルが絶句する。だが、その言葉の裏にある

「過去を焼き払い、自らが悪名をも背負って変革を担う」というサスケなりの決意を、ナルトだけは感じ取っていた。

 

ナルト「……ヘッ、火影になるのは俺だ。……行くぜ、サスケ、サクラちゃん!」

 

サクラ「……ええ、行くわよ!」

 

かつての第七班が、数年の時を経て再び並び立つ。その一歩後ろで、連は冷徹な視線を戦場へと向けていた。

 

出雲「連くん……あんた、今までどこで何を……!」

 

負傷者の治療にあたっていた不知火出雲が、震える声で連を呼ぶ。連は一度だけ彼女を振り返り、万華鏡の瞳に宿る「反省」と「決意」を見せた。

 

連「……出雲先生。説教なら、この戦いが終わった後にいくらでも聞く。今は……俺に、この眼を使わせてくれ。あんたたちを守るために」

 

連の言葉に、出雲は目を見開いた後、力強く頷いた。

 

出雲「……ええ。死んだら承知しないわよ、バカ弟子!」

 

---

 

 

 

十尾が産み落とした巨大な分裂体の群れが、津波のように連合軍へ押し寄せる。それに対し、次代を担う四人の忍が、同時に印を結んだ。

 

「**口寄せの術!!**」

 

ドォォォォォン!! という四つの爆煙が戦場を覆う。

煙が晴れた時、そこにはかつての「伝説の三忍」を凌駕する光景が広がっていた。

 

ナルトの足元には、巨大な朱色の蝦蟇・**ガマ吉**。

サスケの下には、漆黒の巨蛇・**アオダ**。

サクラの側には、巨大な癒しの蛞蝓・**カツユ**。

 

そして連の前には、白銀の巨虎・**ティアラ**と、三尾を揺らめかせる妖狐・**九重**が並び立ち、上空からは大鷲・**アロー**が金色の瞳で戦場を俯瞰していた。

 

 

ナルト「行くぞ、ガマ吉! ひとっ飛びだ!」

 

ガマ吉「応よ、ナルト!」

 

 

ガマ吉が超跳躍を見せ、十尾の本体へと肉薄する。空中からナルトの風遁螺旋手裏剣が放たれ、分裂体を一掃する。

 

 

サスケ「アオダ、道を切り開け」

 

アオダ「御意、サスケ様」

 

 

アオダは巨体に似合わぬ敏捷さで、うねるように敵陣を突破。サスケはその頭上から「加具土命」の黒炎を放ち、一切の障害を焼き尽くしていく。

 

サクラ「カツユ様、皆さんをお願い!」

 

カツユ「承知いたしました、サクラ様」

 

 

カツユが戦場全体へ無数に分裂し、連合軍の忍一人一人に付着。サクラの「百豪」のチャクラを媒介に、広範囲の遠隔治療が開始された。

 

そして、連。

 

連「アロー、上空から敵の配置を俺の視界へ送れ。ティアラ、九重、俺の左右は任せたぞ」

 

連はアローと視界を共有し、戦場全体の動静を「永遠の万華鏡」で完全に把握。ティアラが剛腕で分裂体を粉砕し、九重が連の「紅蓮雷鳴」を纏った炎の尾で敵を消滅させる。連自身も、最短距離で敵の急所を漆黒の雷で貫き、戦線を押し上げていく。

 

その四人の連携は、まさに「新時代の三竦み」プラス一。絶望に沈んでいた連合軍から、歓声が上がった。

 

 

一方、十尾の本体側では、穢土転生された歴代火影たちが「神」と呼ぶに相応しい戦いを見せていた。

 

 

柱間「**木遁・明神門!!**」

 

 

初代・柱間が巨大な鳥居を次々と落下させ、十尾の動きを力ずくで封じ込める。さらに「木人の術」を繰り出し、十尾の咆哮を受け流しながら格闘戦を演じる。そのスケールは、もはや忍の常識を超えていた。

 

扉間「四代目、やるぞ」

 

ミナト「はい、二代目様!」

 

 

ミナトと扉間、二人の神速使いによる「飛雷神」の連携。十尾が放つ「尾獣玉」に対し、二人は瞬時に座標を交換し、攻撃を海側へと転送して連合軍を守る。ナルトたちの攻撃が届かない死角へは、彼らが瞬時に移動してサポートに回る。

 

ヒルゼン「……私も、老体とは言っていられんな」

 

 

三代・ヒルゼンが如意金棒を振り回し、火・水・土・風・雷の五大性質変化を同時に発動。十尾の広範囲にわたる攻撃を、そのすべてを相殺する術で完璧に防いでみせた。

 

「火影たちが道を創ってくれた! 今だ、畳み掛けろ!!」

 

 

連合軍の士気は最高潮に達し、十尾を封印寸前まで追い詰めたかに見えた。

 

---

 

しかし、その高揚感は、一人の男の「執念」によって無残に打ち砕かれた。

 

十尾の頭上に立つ、うちはオビト。

彼はカカシとの異空間での死闘を経て、致命傷を負いながらも、最後に残された禁術を発動した。

 

オビト「……ぐ、ぁ……。……これが、俺の求めた……真実の、世界だ」

 

オビトが十尾を自らの中へと取り込んでいく。その体躯が膨張し、皮膚が剥がれ落ち、代わりに神々しくも禍々しい「白き衣」を纏った姿へと変貌していく。

 

サクラ「……そんな、十尾を……自分の中に入れたっていうの……!?」

 

 

サクラの声が震える。

 

オビトが目を開けた瞬間、戦場の重力が変わった。

彼がただ手を振るだけで、柱間の明神門が紙細工のように砕け散り、二代目の飛雷神の術式さえも「無効化」される。

 

オビト「……無駄だ。今の俺は、忍の祖。十尾の人柱力となった」

 

オビトの背後に浮かぶ、黒い球体——**求道玉(ぐどうだま)**。

それが変幻自在に形を変え、ミナトの腕を掠めた瞬間、穢土転生の再生能力が停止した。

 

ミナト「再生しない……!? 攻撃そのものが術を消滅させているのか!」

 

戦場は、一瞬にして「神の領域」へと突入した。

今までの理(ことわり)が一切通用しない、絶対的な絶望。

ナルト、サスケ、そして連。三人の少年たちは、目の前の「神」に対し、再び武器を構え直す。

 

連「……サスケ。……ナルト。……ここからが本当の『地獄』だ」

 

 

連の右眼、モモカから受け継いだ眼が、かつてない激しさで脈動する。

 

サスケ「……ああ。だが、俺たちの瞳には、まだその先が視えているはずだ」

 

 

サスケがスサノオを具現化させ、ナルトが九喇嘛モードを全開にする。

 

十尾の人柱力、うちはオビト。

彼が創り出そうとする「月の眼計画」という虚構の平和を阻止するため、そして失われたすべてを肯定するために、かつての仲間、そしてかつての敵たちは、真の最終決戦へとその身を投じていった。

 

---

 

 

 

オビトが放つ求道玉が、連合軍の陣地を消滅させようと飛来する。

 

 

サクラ「させないわ!!」

 

 

カツユの粘液で身を守りつつ、サクラが大地を砕き、岩壁を作って爆風を逸らす。

 

九重「(『主よ……。あの男、もはや人間ではありませぬ。……我らも全力で行きますぞ』)」

 

 

九重の意志が連に流れ込む。

連はスサノオを完成体へと昇華させ、その鎧を漆黒の雷でコーティングした。

 

連「……ナルト、サスケ! 俺が空間を固定する。……一瞬だけ、奴の防御に隙を作る!」

 

「比良坂」の能力で、連はオビトの背後の空間を無理やりこじ開けた。

その隙間から、ナルトの螺旋手裏剣とサスケの加具土命が、同時にオビトへと叩き込まれる。

 

大爆発。

しかし、煙の中から現れたオビトは、傷一つ負っていなかった。

 

 

オビト「……言ったはずだ。今の俺は、この世界の法そのものだと」

 

絶望が戦場を支配する。だが、連の瞳だけは、まだ光を失っていなかった。

モモカなら、こんな時でも笑って「前を向きなさい」と言ったはずだ。

出雲なら、死ぬ気で守れと言ったはずだ。

 

連「……終わらせる。……俺たちが、お前の偽物の世界を壊してやる」

 

連の「永遠の万華鏡」が、オビトの「心の隙間」を見据えた。

神にも勝る力を持つ男の、たった一つの、しかし致命的な「孤独」という名の弱点を。

 

戦場は、再び光と闇が交錯する嵐の中へと飲み込まれていく。

忍連合軍、歴代火影、そして新生第七班。

彼らの想いが、十尾の人柱力という「神」に届くのか。

運命の歯車は、今、最強の熱量を帯びて回転し始めた。

 

---

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。