アカデミーの放課後。連のクラスの扉が、勢いよく開かれました。
モモカ「連、行くわよ。出雲先生から招集がかかったわ。今度は国境付近の野党集団の制圧任務だって」
赤髪を高く結い上げたモモカが、別クラスから迎えに現れました。6歳にして完成されたその凛々しい立ち姿に、教室内は「うちはの赤髪……!」「暁連と知り合いなのか?」と再び騒然となります。
連「了解した。……出雲先生は?」
出雲「もう先に行って飲んでるわ。『遅れたら晩御飯のツナマヨ抜き』だそうよ」
連「……急ごう」
二人は風のように教室を飛び出し、里の外で待つ出雲と合流。戦場では、出雲の紫電が敵を翻弄し、その隙を突いて連の「紫電流」とモモカの「紅蓮鳳仙火」が炸裂しました。連の雷が敵の動きを止め、モモカの炎が退路を断つ。二人の完璧な連携の前に、敵は一分と持たずに捕縛されました。
出雲「あはっ、あんたたち最高! おかげで私は一度も抜刀せずに酒が飲めたわ!」
出雲の豪快な笑い声を背に、二人は捕虜を引き連れて里へと帰還しました。
任務から数日後。出雲の「あんたたち、馴れ合いすぎてない? たまには本気で殺し合いなさいよ」という酒臭い一言で、二人の模擬戦が決定しました。
演習場の中央、対峙する連とモモカ。
モモカ「連、手加減は無用よ。私は、あなたの隣に立つ女。守られるだけの存在じゃないわ」
モモカの瞳が瞬時に三巴の写輪眼へと変貌します。その背後には、うずまき譲りの膨大なチャクラが陽炎のように揺らめいていました。
連「……わかっている。全力で行くぞ、モモカ」
連の腹部から、バアルの禍々しくも美しい紫電が溢れ出します。
連「紫電流・弐ノ型——『迅雷身』!」
連が雷光となって消失。しかし、モモカの写輪眼はその軌道を捉えていました。
モモカ「そこよ! 火遁・紅蓮鳳仙火!」
真っ赤な炎の弾丸が連を迎え撃ちます。連は空中で刀を抜き、雷の斬撃で炎を切り裂きますが、モモカはすでに懐に飛び込んでいました。
モモカ「甘いわ! うちは流・紅燕斬!」
大型クナイに炎を纏わせたモモカの重い一撃が、連の刀と衝突。火花と紫電が周囲の地面を抉り、爆風が演習場を包み込みます。
バアル(『ククク……あの娘、写輪眼で妾のチャクラの動きを読んでおる。連よ、出力を上げよ! 舐められておるぞ!』)
連「……言われなくても!」
連の速度がさらに加速し、場内には紫の閃光と紅い軌跡が複雑に交差します。
連の「速さ」と、モモカの「読みと火力」。
それはもはやアカデミー生の組手ではなく、上忍クラスの死闘に等しい光景でした。
モモカ「はぁ……はぁ……! さすがね、連……!」
連「君こそ……その目、本当に厄介だ」
最後の一撃が交わろうとしたその時、出雲が二人の間に割って入り、素手でそれぞれの武器を弾き飛ばしました。
出雲「はい、そこまで! これ以上やると家が壊れるわ。……合格よ、二人とも。最高の刺激だったわ!」
出雲に抱き寄せられ、無理やり密着させられる二人。連の頬にはモモカの熱い息がかかり、モモカの豊かな胸が連の腕に押し付けられます。
連「……モモカ、強くなったな」
モモカ「連に追いつきたいから。……でも、次は負けないわよ?」
夕焼けに染まる演習場で、二人はボロボロになりながらも、互いの実力を認め合い、静かに微笑みました。その様子を、出雲は満足げに酒を煽りながら見守り、バアルは精神世界で「ふん、つまらぬ」と毒づきながらも、どこか満足そうに目を閉じたのでした。
激しい模擬戦のあと、体中から湯気を立てている連とモモカ。そんな二人に向かって、出雲は上機嫌で財布(連が管理している生活費)を振りかざしました。
出雲「あー、いいもん見せてもらったわ! ご褒美よ! 私の行きつけの店で、朝までパーッと飲み明かしましょうか!」
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モモカ「**却下です。**」
モモカの冷ややかな声が、出雲のテンションを真っ向から切り裂きました。
出雲「なによモモカちゃん、固いこと言わないの。あそこの大将、私が言えば子供でも座敷に入れてくれるんだから……」
モモカ「そういう問題じゃありません! 育ち盛りの子供を酒の匂いと煙が充満した場所に連れて行くなんて、師匠以前に大人としてどうなんですか!」
モモカは腰に手を当て、開眼したままの写輪眼(三巴)で出雲を鋭く睨みつけました。その威圧感に、さしもの「紫狼」も「……うっ」と言葉を詰まらせます。
モモカ「連も、何か言ってやって! いつも先生を甘やかしすぎよ!」
連「……俺は、出雲先生が酒を飲んで寝てくれれば、家が静かになるからいいと思っていただけだ」
モモカ「それは解決になってないわよ! ほら、行くわよ。今日はあそこにするから!」
モモカが強引に連の手を引き、出雲の襟首を掴んで向かったのは、里で評判の「一楽ラーメン」でした。
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「へい、お待ち! 特製チャーシューメン三つだ!」
カウンターに並んだ三人。出雲は「ビールがないラーメンなんて……」とぶつぶつ溢していましたが、一口スープを啜ると「……染みるわね」と結局は満足げに箸を進め始めます。
連は、隣で幸せそうに麺を啜るモモカの横顔を盗み見ました。模擬戦の時の鋭さはどこへやら、今の彼女はただの可愛い少女です。
モモカ「連、チャーシュー食べる? 私、連が頑張ってるの見てたら、自分の分を分けてあげたくなっちゃった」
連「……いや、いい。君もしっかり食べろ。うずまきの生命力を維持するには栄養が必要だろう」
モモカ「ふふ、連ってば相変わらず理屈っぽいんだから。ほら、あーんして」
モモカが箸でチャーシューを連の口元に運ぶと、連は困惑して周囲を見渡しました。運悪く、隣の席には任務明けのナルトが座っており、目を見開いてこちらを凝視しています。
バアル(『連よ、観念せよ。あの赤髪の娘は、一度言い出したら聞かぬぞ。妾も腹が減った……代わりに食べてやるゆえ、早く口を開けい』)
連「……バアル、お前は食べられないだろう」
結局、連は赤面しながらもモモカの「あーん」を受け入れました。
出雲「ちょっと連! なによその顔、私との情事の時はもっとクールなくせに、モモカちゃんにはそんなに弱いの!?」
出雲がニヤニヤしながら横から茶々を入れます。
モモカ「情事なんて人聞きの悪い言い方はやめてください! 私、先生のそういうところ、本当に教育に悪いと思います!」
出雲「あはは! 怒った怒った!」
騒がしい女性二人。連は溜息をつきながらも、濃厚な豚骨スープの香りと、隣から伝わるモモカの体温に、不思議と心地よさを感じていました。
連「……たまには、こういうのも悪くないな」
モモカ「え、何か言った?」
モモカが小首をかしげて覗き込んできます。
連「……何でもない。明日も四時起きだ。早く食べて帰るぞ」
連はいつもの無表情を装い、温かいラーメンを一気に啜り込みました。
暁の紫電、紅蓮の炎。そしてそれを束ねる奔放な紫の狼。
木ノ葉の夜は、騒がしくも穏やかに更けていくのでした。
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