コードギアス 教導のルルーシュ‐Archive Stories‐   作:ライト鯖

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Archive-010 蠢く影

 

ピンポーンと静かな、人気のない空間に響く。

 

「セリカちゃん。セリカちゃん」

 

扉の向こうから呼びかける声は、薄暗い部屋へと溶けていく。

 

「あれー?セリカちゃーん。どうしたんだろ、電話にも出ないし

…スペアキーどこだっけ」

 

やがて、ガチャリ、と鍵の外れる音に続き、暗い部屋へ光が差し込む。

 

「セリカちゃん…?まだ帰ってないのかな。

…こんなこと、今まで一度も無かったのに」

 

奥空アヤネは、主のいない、友人の部屋をキョロキョロと見渡しながら、そう漏らした。

 

「………まさか!」

 

何かに思い当たったように目を見張り、そのまま慌ただしくセリカの部屋を去るのだった。

 

「電話はしてみました?」

 

アヤネが緊急で呼び出したアビドス高校の面々。

夜更けにも関わらず、彼女達は直ぐ様アヤネの招集に応じ、集まっていた。

そして、ノノミがアヤネへと確認をした。

 

「…はい。でも、数時間前から電源が入ってないみたいで…」

「バイト先では定時に店を出たみたい。

その後、家に帰ってないってことかな」

 

シロコは、その足、ロードバイクを駆り、柴関ラーメンへ寄ってから学校へと来ていたのだ。

 

「こんな遅くまで帰らないなんてこと、これまで無かったですよね?」

「……まさか、ヘルメット団の連中?」

「ええ?!ヘルメット団がセリカちゃんを?!」

「とりあえず待とう。ホシノ先輩と先生が調べているから」

 

言いつつも、彼女は既に愛銃を手にしている。

野生の勘とでも言うのだろうか、直感的に彼女は事態を察しているようだった。

 

暫く沈黙の時が続き、やがて、対策委員会室の扉がガラリと開かれる。

 

「皆お待たせ〜」

 

ホシノが教室へと入り、ルルーシュはその後ろに続く。

 

「ホシノ先輩!先生!」

「少々時間がかかってしまったな。すまん」

 

シロコは、ホシノに目を向け、尋ねる。

 

「どうだった?先輩」

「先生が持ってる権限を使って連邦生徒会が管理するセントラルネットワークにアクセス出来た」

「セントラルネットワークに…先生、そんな権限までお持ちなのですね…」

 

感心するアヤネだったが、ホシノはうへ〜と苦笑いを見せる。

 

「勿論こっそりだけどね?バレたら始末書だよ〜」

「ええっ?!大丈夫なんですか?!先生」

「バレたら、だ。何も問題はない。証拠は消しておいたし、アクセス権自体はあるんだ。誤魔化しなど幾らでも効く。

最優先事項はセリカの安否だからな」

「先生…」

「連絡が途絶える前のセリカちゃんの端末の場所、ここだったよ〜」

 

ホシノが端末に表示された地図を皆に見せる。

 

「ここは…砂漠化が進んでいる市街地の端ですね?」

「住民もいないし、廃虚になったエリア…

治安が維持出来なくて、チンピラばかりが集まってる場所だね」

 

アヤネはその場所に心当りがあるようで、彼女の端末を操作しながら言う。

 

「このエリア…以前危険要素の分析をした際にカタカタヘルメット団の主力が集まっていると確認出来た場所です。

─ということは…やはり、カタカタヘルメット団の仕業…!」

「なるほどね〜帰宅途中のセリカちゃんを拉致して、自分達のアジトに連れ行ったってことかー」

「学校を襲うだけじゃ物足りなくて、人質を取って脅迫しようってことかな?」

「考えていても仕方ありません!急いでセリカちゃんを助けに行きましょう!」

 

ノノミが逸る気持ちを抑えられないとばかりに立ち上がって言う。

 

「うん、もちろん」

 

既に大半の準備を終えていたシロコも、頷き立ち上がった。

 

「よっしゃーそんじゃ、行ってみよ〜」

 

ホシノも緩そうな雰囲気に紛れているが、気迫をどこかに漂わせながら、スクリと立つ。

 

「良し。では出発、といきたいが、向かうは敵の本陣。

恐らく常駐の戦力もそれなりにあるだろう。

我々は私を入れても5人。不利な状況だ。

敵本陣をゆっくり下調べする時間もないからな」

 

だから、とルルーシュは端末を操作しながら続ける。

 

「到着までに各自、このファイルにあるフォーメーションを頭に入れてくれ。

指示を簡潔にしつつ、敵の動きを幾つかのパターンに分けて想定し、備える為のものだ」

「凄い…。今の短時間でこれを…?」

「セントラルネットワークに侵入するまでの間、暇だったのでな」

「暇って、先生何かめちゃくちゃ端末に打ち込んでなかった?」

「それがこれだ。侵入の方は特殊なシステムがあるのでな」

 

ルルーシュは"シッテムの箱"、つまり、アロナに、プログラムへの侵入の大半を頼っていた。

自らはその間に、戦闘に備えるためである。

そして、彼女達に送ったファイルが、その分の成果と言えるだろう。

 

「幾つかのパターンって…20くらいありませんか?」

「本当ならもう2倍は欲しいところだが、突貫だからな。

しっかり覚えてもらうぞ」

 

ルルーシュはそして、部屋を見渡す。

 

「5分後に出発する。全員準備を整えておけ。

連邦生徒会の装甲輸送車を拝借してきた。

あれで向かうぞ」

 

校庭を指さしたルルーシュ。

皆はその指先を見て、驚く。

 

「あんなに大型のをですか?!」

「戦闘車両の方が望ましかったんだが、さすがに即座に用意は出来なくてな。余っていたのを借りたんだ」

 

そうして、アビドス対策委員会は装甲車に乗り込み、カタカタヘルメット団の本拠へと走るのであった。

 

 

 

砂漠の真ん中をガタゴトと1台のトラックが砂丘に上下しながら駆けていく。

 

「う、うーん?…へ?!」

 

その地形特性上荒っぽくなってしまう運転によって目覚めた彼女は、ガバリ、と起き上がり、辺りを見渡す。

 

「こ、ここは!?私、拐われた?!」

 

しかし、目が慣れていないこともあり、暗闇からは視覚情報を得られることはなかった。

 

「あ、う…頭が…」

 

攻撃を受けた時のダメージか、頭痛に襲われる。

セリカはしかし、身体に伝わる揺れや、音から凡そ自分のいる場所について推測することが出来ていた。

 

「ここ…トラックの荷台?

…ヘルメット団め。私を何処へ連れて行くつもりなの…」

「暗い……。あ、でも、ここから少し光が漏れてる」

 

「外、見えるかな」と、小さな隙間を覗き込む。

 

「砂漠…線路。…線路?!」

「ま、まさかここ、アビドス郊外の砂漠?!」

 

そ、そんな、と彼女は顔を青くさせる。

 

「そ、そんな…ここからじゃどこにも連絡が取れない!

もし、脱出出来たとしても皆にどうやって知らせれば…」

 

どうしよう、と不安げにセリカはへたり込む。

 

「みんな、心配してるだろうな…

このまま、何処かに埋められちゃうのかな…

誰にも気付かれないように」

 

スルリと膝を立て蹲る。

 

「連絡も途絶えて…私も他の子達みたいに、街を去ったって思われるんだろうな…」

 

そのまま、膝に顔を埋める。

 

「裏切ったって思われるかな…

誤解されたまま、みんなに会えないまま死ぬなんて…そんなの…」

 

ヤダよ…。

その小さな呟きは、彼女の瞼を濡らしていたモノと共に暗がりへと落ち行く。

 

「う…うぐうっ…。うっ、うう…」

 

 

「シロコ!全弾撃ちつくせ!車体ではなく車輪付近を重点的にな!」

「ん…了解」

 

砂漠の真ん中に爆炎が上がる。

ドローンに積まれたミサイルがトラックの車輪を破壊し、走る地面を爆発によってかき上げたことによる衝撃で、横転する。

 

「ゲホッ…!ケホッ…ケホッ…」

 

砂煙と黒煙に包まれたセリカは、激しく咳き込んでいた。

 

「はあっはあっ…。な、何?!爆発?!トラックが爆発した?!」

 

煙を抜け、現状確認をした彼女は結局、自分を捕らえていた筈のトラックが惨めに横転し、大破している様を見、余計に混乱するはめとなった。

 

「砲弾にでもあたったの…?一体どこから…」

『セリカちゃん発見!生存確認しました!』

 

聞き覚えのある声に、セリカが声のした空を見上げると、カメラを搭載したドローンが頭上をホバリングをしていた。

 

「アヤネちゃん?!」

 

そして、数秒遅れてまだ砂煙が消えきっていない所に、影がバッと飛び出し、セリカの前に姿を見せた。

 

「こちらも確認した、半泣きのセリカ確認!」

「?!」

「なにいー?ウチの可愛いセリカちゃんが泣いてただと!そんなに寂しかったの?ママが悪かったわ、ごめんねー!」

 

駆け寄ってきたホシノにそう捲し立てられたセリカは、すっかり涙も引っ込み、先程までとは別の理由で顔を赤らめていた。

 

「う、うわああっ!?うるさい!泣いてなんかない!」

「嘘!この目でしっかり見た!」

「泣かないでください、セリカちゃん!私たちがその涙を拭いて差し上げますから!」

 

シロコが断言し、ノノミが続く。

 

「あーもうっ!違う!違うったら!黙れーっ!」

 

すっかり気勢を取り戻したセリカの下に、ルルーシュもやって来ていた。

 

「ケガはないか?少々乱暴な手段を取ってしまったからな。何処か痛む所なんかあれば…」

「あ、大丈夫。…って、せ、先生まで?!何で、どうやってここまで来たの?!」

「何で、か。簡単だ。

あの装甲車とシロコのドローンを利用してトラックへ突撃した形だな。

他にも状況に応じた12の攻略法を想定していたが、一番楽で速いパターンだったから良かったよ」

「そっ…そういう話を聞いてるんじゃないのよ!」

「ん?」

 

ルルーシュは訝しげに眉を顰めてから、漸く気付く。過去の過ちの記憶と共に。

 

"よく僕の前に顔を出せたね、という意味だ"

 

「あっ…。いや理由の方はなんてことはない。

君が生徒で、私が先生だからさ」

「本気で方法を聞いたと思ってたの?!」

 

本気で驚かれ、呆れられたルルーシュは気まずそうに目を逸らす。

 

「うへ、元気そうじゃーん?無事捕獲完了ー」

「良かった…セリカちゃん。私、セリカちゃんに何かあったんじゃないかって…」

「アヤネちゃん…」

 

アヤネのくぐもった声に、セリカは他のからかう者達へとは異なり、申し訳なさそうな顔をしていた。

 

「まだ油断は禁物。トラックは制圧したけど、まだここは敵陣のど真ん中だから」

「だね〜。人質を乗せた車両が破壊されたって知ったら、敵さん怒り狂って攻撃してくるよ〜」

「大した問題ではない。敵がわざわざ陣地から出てきてくれるというのならば、むしろ好都合だ」

 

アヤネは、ドローンの映像を通し、地平の辺りが突如として砂煙に包まれたのを確認していた。

 

『前方にカタカタヘルメット団の兵力、多数確認!…巨大な重火器も確認しました!

徐々に包囲網を構築しています!」 

 

アヤネの報告に、ホシノは不敵な笑みを浮かべて見せた。

 

「敵ながらあっぱれ…それじゃ、折角だし包囲網を突破してかえりますか」

 

余裕そうなホシノ。 

しかし、セリカはニコリともせず、警戒を強めていた。

 

「気を付けて。奴等、改造した戦車をもってるわよ

「知ってる。Flak41改良型」

「それじゃ、行こうか」

 

ホシノが音頭を取り、皆が銃を構え、戦闘準備をする。

 

「セリカ。皆の動きに合わせられるか?」

「多分…?どういうこと?」

「皆にはフォーメーションの型をここに来るまでに覚えて貰っていたんだ。まあ、安心してくれ。

こうした事態も想定したフォーメーションがあるんだ」

 

ルルーシュは襲い来るヘルメット団を見据え、指示を飛ばす。

 

「総員、フォーメーションE!」

 

ノノミがセリカに合わせ、ホシノとシロコが遊撃として前に出るスタイルへとセリカ以外が素早く動き、フォーメーションを知らないセリカを混乱させることなく、陣形を完成させたのだ。

 

「さて、まずはシロコ。敵の重火器が厄介だ。

ドローンを利用しつつ、敵重火器兵力を沈黙させるのだ。

…敵の伏兵に注意をしろ。衛星画像を見る限りだが、11時の方向に岩場があるだろ。

あれの裏にヘルメット団共がいるんだ」

「…了解」

「ホシノはシロコのカバーをしつつ前進。

敵に狙いを本陣であると誤認させる。

30メートル前進後、正面の敵3名を撃破。

その次は私について来てくれ」

 

ホシノは指示された通り一挙に数十メートルの距離を駆けて行き、目にも留まらぬ神速で3人の、ルルーシュに指定されたヘルメット団を打ち倒していった。

 

ルルーシュは装甲車を操り、ヘルメット団の集団を横切るようにして走り去る。

それにホシノが付いていき、座標を検討すれば一直線でホシノ達は、ヘルメット団の本拠地を直接狙っているのだと勘違いさせるような動きをしてみせる。

案の定、一部の団員達はルルーシュらの部隊の動きに気付き、不味い、と集団からさっさと飛び出していく。

 

だが、急激な陣形変更により、戦闘車両の砲、その射程内に味方の車両の姿が入るなどして、ヘルメット団側は思うようにうごけなくなってしまったのだ。

 

そして、愚かにもルルーシュの装甲車を追いかけてきたヘルメット団の車両含む集団は、一峰の高低差8mはあるだろう砂丘を軸にして、ぐるりと高速機動で回ってきたルルーシュによって側面を突かれる格好となった。

 

「良し。ホシノ!」

 

さらに付いてきていた歩兵達は、飛ぶようにして移動するホシノに、装甲車が突っ込んできたことによって生まれた混乱下では対応することができず、そのままじわじわと敗北に追い込まれるのだった。

 

シロコ達も、最初よりは戦力分散により減少したヘルメット団を相手取り、此方もルルーシュの託した策がはまったこともあり手玉に取っていた。

 

「ぐうっ…!」

「くそっ!」

 

「さあ、トドメだ!」

 

ルルーシュ達におびき寄せられた集団を殲滅した二人もシロコ達に再合流する。

そして、ルルーシュは装甲車に備えられた機関銃を用いて、敵の、部隊の隊長格へと照準を合わせていた。

 

「シロコ!セリカ!」

 

ルルーシュは呼びかけると同時、発射ボタンを押す。

 

隊長格は、突然の銃声に驚きながらも、、数発を身体に受けつつ、身を隠した。

 

「ふん。むしろ好都合だ」

 

シロコはドローンと共に残ったヘルメット団に飛びかかり、セリカへと目を向ける。

 

「あいつはセリカが…!」

「…分かった。……ありがと」

「ま、待て!黒見セリカ!降参す……」

 

隊長格はそのまま、セリカの怒りが籠められた強力な一撃を受け、意識と身体を沈めるのだった。

 

 

─アビドス高校。

 

「皆さんお疲れ様でした。

…セリカちゃん。本当にケガとかはない?」

 

学校へと戻った皆。

アヤネがそうセリカを気遣う。

 

「うん。私は大丈夫よ。見てよ。ピンピンして…」

 

気丈に振る舞うセリカだったが、ふらり、と小さく横に揺れたかと思うと、そのままバタリと床へ倒れてしまうのだった。

 

「セリカちゃん!」

「私が保健室に連れて行く」

 

シロコが駆け寄り、セリカを抱える。

 

「Flak41の対空砲を喰らったんだもん。あれだけ動けてたのがおかしいって。ゆっくり休ませてあげよー」

 

ホシノの言に、ルルーシュも同意する。

 

「そうだな。恐らく安心出来る環境に戻ってきたことで緊張が解けて力が抜けたのだろう」

「安心…そっか。そうだね。

…ここは、安心出来る所だから、か」

 

どこか嬉しそうに、愛おしそうにホシノはセリカが運ばれていった扉の先を見つめる。

 

「ああ。まあ、今までアドレナリンが出ていて平気に思っていたのだろうな」

「先生…」

 

ホシノの機微とはかけ離れた冷静な分析をするルルーシュのセリフに、ノノミが苦笑を浮かべた。

 

「ん?何だ?」

「いえ」

 

アハハと少し困ったように笑うアヤネ。

しかし、この若干間の抜けたやり取りによって、場の空気が弛緩し、彼女達全員の力が漸く少し、抜けた。

 

「でも、改めて本当に、大変な事になる所でした。先生がいなかったら…」

「うんうん。先生のおかげでセリカちゃんの居場所を逃さず追跡出来ました。やっぱり凄いです★」

「確かに、ただのストーカーじゃなかったってことだね」

「誰がストーカーだ」

 

「…それと、皆さんこれを見てください」

 

ホシノとルルーシュのやり取りの間に端末を操作していたアヤネが、端末を皆に見せる。

 

「戦闘中に回収した散らばった戦車の部品を確認した所、キヴォトスでは使用が禁じられている違法機種と判明しました」

「違法機種?そんなものをあんなチンピラがおいそれと手に入れられる訳がないな」

「はい。もう少し調べる必要はありますが…ヘルメット団は自分達では入手出来ない武器まで保有しているようです」

「この部品の流通ルートを分析すれば、ヘルメット団の裏にいる存在を探し出せますね!」

「はい。ただのチンピラがなぜここまで執拗に私達の学校を狙っているのかも、明らかになるかもしれません」

 

──ヘルメット団に武器を流す存在に、心当りは、ある。

アビドスの借金相手、カイザーグループ。

彼らには黒い噂が絶えない。…というより黒い噂しかない。

あんなチンピラ如きに軽々しく違法機種を横流しできるような、金と権力を有する、裏社会においても存在感のある大企業となれば、奴等の仕業である可能性は高いだろう。

 

だが、問題は、"何故"、が見えてこないことだ。

アビドスの借金、九億円は連中に取ってもバカにならない金額の筈。

廃校になってしまえば、それがご破産になりかねないというのに、何故狙う?

 

となると、やはり別の存在が?

いや…若しくは、借金以上に優先度の高い理由があるのか…。

まさか、借金はアビドスを縛り付けるための楔に過ぎず、他に何か、アビドスで手に入れたいものがある、とかか?

或いはアビドスそのものを手中にせんとしているのか。

──いずれにせよ、早急な調査が必要だな。

 

「分かった。私の方でも調べておくとするよ」

「ありがとうございます。よろしくお願いします。先生」

 

 

──某所。

 

周りのビルよりも一際高く聳え立つビルディング。

その最上フロアにて、報告書を受け取った彼は、一通り目を通してから呟いた。

 

「チンピラごときでは、あの程度が限界か。

主力戦車まで送り出したというのに、このザマとはな」

 

ふむ…。と彼は顎に手をやる。

そして、となると、と電話へと手を伸ばした。

 

「目には目を、生徒には生徒を…か。

専門家に依頼するとしよう」

 

数回のコールの後、若い女性の声がする。

 

「はい。どんなことでも解決します」

 

"便利屋68"です。

受話器の向こうの相手は、そう、確固たる自信を感じさせる声で、名乗るのだった。

 





第十話です。
次回更新日は変わらず未定ですが、早めに上げられるよう頑張ります。

次回もどうぞ、よろし国お願い致します。
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