コードギアス 教導のルルーシュ‐Archive Stories‐ 作:ライト鯖
「結局、廃部の危機は変わらず、ってことだよね…」
暗い顔で確認をするミドリとは対照的に、モモイは怒りを顕にしていた。
「でもこんなの詐欺だよ!謀略だよ!」
「…ごめん。私が部長会議参加出来ていなかったせいで…」
ユウカのいる間はロッカーに隠れていたユズも出てきており、青い顔でミドリらに謝罪した。
「ゆ、ユズちゃんのせいじゃないよ!こういう場合ってお姉ちゃんが代わりに参加することにしてたはずでしょ?!」
モモイはすいっと目をそらしつつ「仕方なかったの…」と言い訳する。
「だってその頃はアイテムドロップ率2倍キャンペーン中で…」
「やっぱりお姉ちゃんのせいじゃん!今すぐそのゲーム消して!」
ミドリは怒り、モモイからスマホを奪おうとするが、それを見ていたルルーシュは最早、呆れて怒りもわいていなかった。
ダメだな。これは。
これで賞なんて取れるわけもないだろう。
「はあ…。とにかく、もう出来ることは限られている」
ため息はもう隠すことも出来ず、深く息を吐いてから、ルルーシュはモモイらに言葉を向ける。
「…ミレニアムプライスで受賞出来るような凄いゲームを作ること…」
「ってことは、結局G.Bibleが必要なんじゃん!
またあの廃墟行くの?!やだあ〜!」
不満を顕にするモモイ。
「じゃあ自力で開発すれば良いだろう」
「そ、それは…!」
ルルーシュの呆れの混じったツッコミへ、モモイが反応に窮している横で、ユズはブツブツと何やら一人、思い詰めたような様子となっていた。
「…責任、取らないと…」
「ユズちゃん?」
ミドリがその様子に気が付き、ユズを窺うと同時、彼女は恐る恐るといった様子ながらも口を開いた。
「G.Bibleを探しにまた廃墟に行くなら、私も、一緒に行く」
「え!?え?!嘘!」
モモイとミドリはかなり驚いたようで、困惑と驚愕が二人の顔に踊っている。
「ユズちゃん、もう半年近く校舎の外に出てないのに…授業もインターネット受講だけだし…」
「元々は…私のせい…だから…」
ユズはそう絞り出し、思いを吐露する。
「それに…この部室はもう…わたしだけのものじゃない…一緒に、守りたいの…」
「ユズちゃん…」
「うん…!よし!やるしかない!行こう!」
「冒険ですね!アイテムを選択。"光の剣 スーパーノヴァ"を選択」
アリスから軽々に目を離すわけにも行かないし、廃墟に行くならば、また新たな発見もあるやもしれない。
そう納得することとしよう。
ルルーシュは、ユウカへの義理、アリスをよく観察する必要があるという責任以外にも理由はあると自らを納得させ、ゲーム開発部の"冒険"に付き合うのだった。
再び廃墟へ訪れたゲーム開発部。
しかし、前回とは違い、ユズ、アリスもおり、戦力的にはかなり余裕が生まれていた。
特に、アリスはやはり、光の剣の威力もあって、桁違いの戦力となっている。
「よし。敵のかなりの数が此方に引き付けられているな」
「アリスちゃん!」
アリスは呼びかける声に応え、光の剣を構える。
「今日の私の役割は、光属性広域アタッカー…」
"光よ!"アリスの"詠唱"に合わせ、発射されるレールガン。
プラズマの輝きは正に光の剣と呼ぶに相応しいものであり、射出された弾丸は、集まったロボット兵達を一網打尽とした。
「よし、成功!」
「アリスちゃんすごい!」
「もう扱いも随分慣れてきたな」
さすがというべきか、やはり実戦からの吸収が異様に早い。
まだ廃墟に来てから少ししか戦闘をこなしていないのに、充分過ぎるほどに"光の剣"を扱いこなしている。
全く、もしも敵対的だったらと思うとゾッとするな。
しかし、彼女は幸いにもゲームにハマった一人の少女となってくれた。
おかげで随分と楽に攻略を進められている。
「ま、まだ…!第二陣が接近中…!」
とは言っても、ロボット兵共は何処から湧いているのか、キリがない。
「ここで立て続けはちょっと…流石に不利だよ、撤退しよう!先生もいるし、安全第一に!」
ミドリが撤退を提案したが、モモイは頭を振る。
「ううん…ここで退く訳には行かない。突破しよう」
「ええっ?!」
「多分ここで退いても、状況は悪くなる一方。
今の戦闘音で、ロボットはこの後もどんどん集まり続けるはず」
ルルーシュもモモイに同意を示すように頷いていた。
「モモイの言う通りだ。ここで撤退してはむしろこちらがジリ貧となる。
行くならばG.Bibleの座標が示しているという向こうの工場まで、一気に突破するべきだ」
「で、でも、今来てる敵の数もかなり多いですよ?!」
「そうだな。──だからこそ、これは好機だ」
「え?」
「奴等を沈黙させることが出来れば、ほんの僅かな時間だが、殆ど敵の攻撃のない間に工場まで抜けられる」
少し待っていてくれ、と未だ不安そうなミドリとやる気満々なモモイらから僅かに距離を取り、小声で耳に取り付けているイヤホンに語りかける。
「アロナ」
『はい。何かお手伝いしましょうか?』
「周辺スクリーニングは出来るか?地下に下水管や地下空間のある位置が知りたい」
『ある程度なら可能ですよ!少しだけお待ちください!』
「頼む」
アリスの火力があれば選択肢は一気に広がるな。
後は敵をまた上手く引きつけるだけか。
ルルーシュがアリス達の方へ再び注意を戻すと、ミドリがでも、とモモイらに反論をしている所であった。
「先生は?私たちと違って攻撃を受けたら──」
生身で、ヘイローのないルルーシュにとっては確かに銃弾1発が致命となりかねない。
それを強く危惧しているのだろう。
「安心してください」
そんな不安そうなミドリに、アリスが自信を見せる。
「どれだけ危険な状況であっても、アリスが先生を守ります」
先生、とアリスはルルーシュに向き直る。
「アリスを信じて、私たちと一緒に来てくれますか?」
ルルーシュは一瞬の間を置いてから、フッと微笑し、「ああ」と頷いてみせた。
「勿論だとも」
彼の言葉に、アリスはパッと顔を明るくさせ、喜びを顕にした。
「パンパカパーン!先生が改めて仲間になりました!」
仲間、か。
全く、疑うのも馬鹿らしくなってくるな。
やはり、アリスの元の存在意義はともかく、今のアリスがピエロを演じているという線は無さそうだ。
「頼りにさせてもらうよ。アリス」
「はい!では、行きましょう!」
「わかった。私も覚悟を決めるよ。行こう!」
ロボット兵達の第二陣も、丁度、視界に収まる位置へと迫ってきていた──。
『先生。スクリーニング完了しました。今、画面に表示しますね』
「助かる。ありがとう」
シッテムの箱に表示された周辺の簡易的な3Dモデルは、ルルーシュの求めている情報は充分過ぎるほどに詰まっていた。
よし。これで条件はクリア。
「ミドリ、モモイは敵兵をポイントαまで引きつけろ。アリスは指示があるまで光の剣の発射準備を整えつつ待機。
ユズはモモイ、ミドリのカバーに回れ」
ルルーシュの指揮に従い、ゲーム開発部の皆は、其々に動き始める。
「うわああ?!めっちゃ多い!」
「驚いてる場合じゃないよお姉ちゃん!」
二人に気付いたロボット兵らが一斉に追いすがる。
様々の方向から二人を狙うロボット兵が集まってくる故に、全てを完全にコントロールすることは出来ない。
「ユズ。モモイの背後に迫っている敵兵を排除」
だからこそのユズである。
二人の死角を補い、ルルーシュの想定するポイントからズレている位置に陣取るロボット兵らを撃ち倒すのが彼女の役割だ。
敵がユズの存在に気付き、そちらを優先せんとする個体が現れと、モモイ、ミドリに指示を出し、背後から撃たせて挑発、注意を逸らさせる。
そうやって暫く戦闘を演じてからルルーシュは、ロボット兵の第二陣の大体が狙い通りの地点へと固まったことを確認すると、アリスへ指示を飛ばすのだった。
「アリス!地面に向けて、最大火力だ!」
「はい!…光よ!!」
脆くなった道路のど真ん中に光の剣は着弾し、その衝撃によって、着弾点から積み木が崩れるかのようにガラガラと音を立てて崩壊していく。
その真下は地下通路となっており、ロボット兵達は地下空間へと身を投げ出される、
そして大量の瓦礫に身を埋める個体や、損傷を負った個体が多く、大多数が沈黙することとなるのだった。
「よし!今の内だ!」
全員で一斉に駆け抜け、散発的なロボット兵らの攻撃をいなし、躱し、倒してついに目的地へとたどり着く。
「な、なんとか成功、かな…」
「潜入成功。ミッションをクリアしました」
息を整えたモモイは、ふふっと、調子に乗った声を上げる。
「私たちって実はものすごく強いんじゃない?
C&Cとか他の学校の戦闘集団と戦っても勝てちゃうかも?」
「C&Cは無理だと思うけど、確かに私も自分でもちょっとびっくり。
きっと、先生の指揮のおかげですね」
「アリスの光の剣のおかげだろう。
やはり広域制圧能力というのは利便性が高い。
応用が利くからな。
ところで、皆残弾数は大丈夫か?」
ルルーシュに言われ、皆、残弾を確認するが、一人を除き、まだ余裕はありそうだった。
「バッテリーがチカチカしています…。"マナ"が足りません、ということでしょうか?」
「そうかも…あと1回ぐらいしか持たなさそう…」
よりにもよってアリスの残弾がか…。
いや、そりゃそうか。ここに来るまでに何度かアリスの突破力に頼ってしまっていたしな…。
仕方がない。アリスを温存しつつ、モモイらでの攻略を次は考えねばならんだろう。
「では出来るだけ温存しつつ行こうか」
奥へと進もうとした所で、ルルーシュ達はキョロキョロと辺りを見回すアリスの様子に気が付き、足を止めた。
「アリス、どうしたの?」
「…分かりません。…ですが、何処か見慣れた景色です。…こちらの方にいかないといけません」
どこか、ぼんやりとした様相でアリスは一直線に、元々進もうとしていた方向の反対へと向かっていってしまう。
「えっ?」
「…追おう」
突然一体どうしたというんだ?
記憶が戻ったとか言うわけではなさそうだが…。
「アリスの記憶にはありませんが…まるで"セーブデータ"を持っているみたいです。
…この身体が、反応しています」
「何?身体が?……」
「はい。例えるなら、そう、チュートリアルや説明がなくても進められような、或いはまるで、何度もプレイしているゲームをしているような…」
「既視感…デジャヴのようなもの、か」
或いは──。
或いは、俺の頭の中にある未知でありながら既知の情報群、"
「…確かに元々アリスがいたとこと似てはいるけど」
モモイ、ミドリにユズも訝しんでいるようだった。
しかし、アリスはそんな周りの様子に目をくれることもなく、ゆっくりと歩を進める。
モモイはその先に、1台の機械のあることを発見した。
「あ、あそこ、コンピュータが1台…。あれ?」
モモイが首を傾けたのと殆ど同時に、ルルーシュもまた、そのテレビの不可解に気が付いていた。
「あのコンピュータ、電源がついてる…?」
アリスがそのコンピュータの前に立つと、ピピッという電子音が静寂に包まれた空間へと、響き渡った。
[Divi:Sion Systemへ、ようこそお越しくださいました。お探しの項目を入力してください]
液晶にはそんな文字列が浮き出ていた。
「アリス。これは?」
「ごめんない。これが何かは、やっぱり分からないです…」
「謝ることじゃないさ。…しかし、検索システムのような言い方だったな」
「ね。まさかの親切設計。G.Bibleについて聞いてみよっかな?」
相変わらず楽天的な反応を示すモモイに、ミドリが「いやいや!」とツッコミを入れた。
「さすがに怪しすぎじゃない?
って、それより、ようこそお越しくださいました、ってことはディヴィジョンシステムってのがこの工場の名前?」
「ふむ…。まあ余り不用意には──」
ルルーシュが言うよりも早く、アリスはキーボードへと手を伸ばしていた。
「キーボードを発見。G.Bibleと入力してみます」
すると、わずかの間もなく、液晶にその回答が映し出されたのその回答は──。
『★&&●!──…!』
意味不明な文字列であった。
「こ、壊れた?!アリス、何を入力したの?!」
「いえ、まだエンターは押していないはずなんが…」
困惑した様子のアリス。
しかし、文字列は再び誰の操作によるものでなく、映し出すメッセージを変更した。
"貴方はAL-1S"ですか?
アリスのやって来た直後に軌道し、アリスを恐らく誘ったのだろう。
その上、おそらくアリスの機体番号らしき名を知っている。
十中八九、アリスと起源を一にするものだろう。
それどころか、アリスの存在を認識しているということはセットとなる何らかのシステムなのではないか?
アリスは何が何か分かっていない様子であったが、モモイとミドリは気が付いていた。
AL-1Sという、アリスに付けられていた無機質な名前に。
「いえ、アリスはアリスで…」
キーボードを操作しようとするアリスを、ミドリが「待って!」と引き留めた。
「今はまだ入力しない方が…」
さすがはミドリだ。
今は触れない方が良い。イレギュラーが起きてしまっては不味いしな。
「アリ──」
一旦キーボードから離れるよう言おうとしたルルーシュだったが、直ぐに手遅れであったことを知る。
[音声が認識、資格が確認出来ました。
おかえりなさいませ。AL-1S]
「音声認識付きだと?!」
くそっ。インターフェースに似合わない機能をしている!
「えっと…AL-1Sっていうのは、アリスちゃんのことなの…?」
イマイチ事情を呑み込めていないユズに問われ、ミドリはあっ、と気付く。
「ごめん。そう言えばユズちゃんには言ってなかったかも」
アリスは何処か不安げに、「アリスの本当の名前…本当の私…」と呟き、黙考してから、機械に声を向けた。
「あなたはAL-1Sについて知っているのですか?」
しかし、液晶に返答が表示される事はなく、かなりの沈黙が続く。
「反応が遅い?」
「何か画面もぼんやりしてるけど、処理に詰まってるのかな?」
[そうで…@&★bz!…]
漸く返答があったかと思えばバグったように意味を成さない文字列が並んだ。
「何だ?どういう意味だ?」
[それは……]
またも、返答は表示されない。
かと思えば、今度はしかし、意味の通る文字列が、事態を急変させる。
[緊急事態発生。電力限界に達しました。
電源が落ちると同時に消失します。残り51秒]
「なっ?!」
「ええっ!だ、ダメ!せめてG.Bibleのことを教えてからにして!」
モモイが大慌てで叫んだ言葉に、システムが反応を示したようで、[貴方が求めているのはG.Bibleですか?【YES/NO】]と表示された。
「YES!」
驚くモモイに代わって、ミドリが急いで応えた。
[G.Bible…確認完了。コード:遊戯…人間、理解、リファレンス。ライブラリ登録ナンバー193..廃棄対象データ第一号。残り31秒]
くそっ。そうかここは廃工場。そもそもエネルギー供給のある事自体がおかしいんだ。
その上、これほどのシステム。莫大な電力を食っていてもおかしくはない。
しかし何故モモイらの問に答えた?アリス限定、というわけではないのか?
いや、今はそんなことより──。
「廃棄?!何で?!それはゲーム開発者たちの、いや、この世界の宝物なのに!」
憤るモモイ。
それを受けてか、システムは提案を表示した。
[G.Bibleが欲しいのであれば、提案します。データを転送する為の保存媒体を接続してください]
「え?G.Bibleの在処を知ってるの?」
[あなたたちも、知っています。今、目の前に]
「ど、どういうこと?!」
「つまり、君…といえば良いか。の中に保存されているんだな?」
[肯定。しかし、現在私は消失寸前。新しい保存媒体への移行を希望します]
「そ、そうは言っても急に保存媒体なんて…」
どういう事だ。このシステムにも意志があるのか?
俺としても、このシステムが消失するのに任せるよりはどうにか保存出来ればと思っていたが、自ら提案してくるとは…。
しかも、こちらからはシステム移行の話などしていない。
その上、G.Bibleの存在を示し、メリットを提示した上で、ある種の引き換えの状況を作り出している。かなりの知能がある証左じゃないか?
シッテムの箱に、と考えていたがこうなるとむしろ、シッテムの箱への移行を試すのは危険か?
どんな影響があるか分からん。
いや、しかし、他に記録媒体などどこに…。
背に腹は代えられ──。
「あ、ゲームガールズアドバンスSPのメモリーカードでも大丈夫?」
思考を巡らすルルーシュの横でモモイがメモリを取り出し尋ねた。
[…………………まあ、可能、ではあります]
貴重な数秒を逡巡に費やしたと思わしき間をおいてから、システムはそう答えた。
「な、なんだか凄く嫌がってる感じがするんだけど。気のせい?」
しかし行っている場合ではない、とお慌てで全員で準備を整え、ケーブルを接続した。
[転送開始。保存領域が不足。既存データを削除します。残り9秒]
「えっ?!嘘っ?!私のセーブデータ消してない?!ねえ?!」
[容量が不足しているため、確保します]
「だ、ダメ!お願いだからセーブデータは残して…!そこまで装備揃えるの凄く大変だっ──」
[残念。削除]
「ちょっとおおおお?!」
やはり、人格があるな?
どうなっているんだ。AL-1SとこのDivi:Sion System。二つは一体何の目的で、こんな場所で人格を持つ機械として作られというのだ。
Divi:Sion Systemは検索システムのように見えたが、本来は異なるシステムなのか?
アリスの傾向からして単なる検索システムに人格を載せているとは思いにくい…。
いや、今は考え過ぎても仕方がない。
結局の所、ここに来てからは、いつものごとくになりつつあるが、情報が相変わらず不足している。
もっと知る必要がある。
そういう意味では、モモイに感謝だな…。
「セーブデータの方は、復帰に協力ぐらいはするよ。モモイ」
「ううっ…私のプレイ時間がああ…」
「あれ。電源落ちちゃった…?」
ゲームガールズの機体は液晶を真っ暗にしており、一同を不安にさせる。
モモイに関しては、不安よりも、絶望に染まってはいるが──。
「あっ!画面が」
[転送完了]
その4文字が、ゲームガールズアドバンスの液晶に表示されていた。
[新しいデータを転送しました"G.Bible.exe"]
「これって…!」
「今すぐ開いて確認してみよう!」
モモイはセーブデータのことも抜け落ち、慌てた手付きでボタンを操作する。
「exe実行…!あれ?何かポップアップが──」
「ってパスワードが必要?!なにそれ!どうすれば良いのさ!」
「大丈夫。…普通のパスワードくらいならヴェリタスが解除できるはず!」
ミドリの言にユズもコクコクと何度か頷き同意を示した。
「確かに!そうすれば…!」
「これがあれば、本当に面白いゲームが、テイルズサガクロニクル2が…!」
「うん!作れるはず!よしっ!」
意気込むモモイは喜びも相まって、威勢よく声を上げる。
「待っててねミレニアムプライス!いや、キヴォトスゲーム大賞…!私たちの新作は今度こそ、キヴォトスのゲーム界に良い意味で衝撃を与えてやるんだから…!」
「お、お姉ちゃん!声大きすぎ!そんな大声で叫んだら──」
ミドリが慌ててモモイを制止したが、既に遅い。
ガチャガチャと金属の触れ合う音を立てて、複数のロボット兵が、モモイらのいる工事へと足を踏み入れてきていた。
「ここにいるって言ってるような…も…の…」
怒り狂った様子のロボット兵と出くわしてしまった一行。
「あちゃー…」
「お前なあ…」
ロボット兵は、言葉が通じないので当然ではあるが、問答無用とばかりにいきなり発砲を行ってくる。
「うわ!撃ってきた!」
「くそっ!逃げるぞ!皆!」
「勿論!折角G.Bible手に入れたのに、こんな所でやられてたまるかっての!」
目の前のロボット兵は4人で囲んで撃ち倒すが、既に何体もの増援が近付きつつあることは、足音からはっきりと理解出来ていた。
「アリスも、頼むぞ!エネルギーは節約すれば恐らく2回は使える!使い所は私の指示に従ってくれるか?」
「はい!お任せ下さい!先生の言う通りに"マナ"を節約して光属性広域アタッカーとして、皆をサポートします!」
「よし!行くぞ!」
5人は向かってくるロボット兵らをどうにか対処しながら工場から、そして、廃棄から、這々の体となりながらも、大きな負傷を誰一人負うことなく、撤退するのだった。
今回も読んで頂き、誠にありがとうございます。
次回更新日も相変わらず未定ですが、週一投稿を目標に頑張って行きたいです。
また次回もよろしくお願い致します。