「あんたの甥っ子、ダンジョン十階層でポンコツエルフ二号に惚れたぞ。そして自分が情けなくて泣いたのを見たヘスティアが金を借りに来たから保証人になってくれるよな? まあ、あんたも俺から借金してるんだけれどな、いい加減少しは返済しろ」
「待て待て待てっ!? 多過ぎる! 情報量が多過ぎる!?」
ど田舎の一軒家の中、農作業中に訪れた俺達兄妹を招き入れたザルドは隠居生活で勘が鈍ったのか話を聞くだけで大慌てだ。
ダンジョンでは即断即決が当たり前だろうに何やってんだ、このオッサン。
一応死人扱いとはいえ大罪人、体こそ鈍らせちゃいねえが髭生やして頭ツルッツルに剃って別人みてぇだ。目は……眼光鋭いのが穏やかになっちまってるな。腹は詰め物か?
「情報料が多いって、流石に本筋に関わる部分は請求しませんよ。リリ達を何だと思ってるんですか!」
「【銭ゲバ】とその妹。お前の方は【
「痴女みてぇな服装のロリ巨乳で処女拗らせ喪女女神がどんな風にベルに接しているかと、微妙に同性愛者疑惑のあるポンコツエルフ二号がどんな奴かの情報」
「凄く気になる情報っ!? ……でも、お高いんだろ?」
ソワソワドキドキしながら恐る恐る訪ねるザルドを見てると毒気が抜けたなって思うよ。いや、実際に厄災の猛毒を実際に食って冒されてたんだがな。
それを考えると隠居したのが羨ましく感じ、何処か面白かったので俺は笑みを向けて告げた。
「五十万」
「高ぇ!? ダンジョン潜れない俺に払える訳ねえだろ!?」
「そんなの言ったら複利で膨らんだ借金が遅延損害補償合わせて四億だぞ、四億」
「耳を揃えて返すか……それ相応の物で返して下さいね?」
「やべえ。この兄妹、ヘラ・ファミリアの女共とは別の方向でやべえぞ。三百万が七年で四億とか闇派閥もドン引きだろ……」
失敬な!? ほら、どうせ払えないなら情報寄越せ。残光の修行方法とかギルドに渡していないダンジョンの情報とかあんだろ?
それ次第で借金は減額してやるし、ヘスティアへの借金の利子も減らしてやるからよ。
「……一つ聞くが、零細新興ファミリアの主神に億単位の金を貸す対価は何だ?」
「金だけじゃどうしようもない仕事を頼むんだよ。必要だと他の神の承認を得てのって条件でな」
「それだけの覚悟か。……分かった。保証人になってやる」
そうか。じゃあサインの他に返済代わりの情報も頼む。折を見てロキ・ファミリアに売るからさ。
「ところで実際に人目を避けて侵入してたんだし、ダンジョンへの他の入り口について何か知ってるだろ? それとも魔法かスキルで出入りしてたか?」
こっちも聞いておかないとな。二千万減らしてやるから話せって。
「ああ、確かにこれじゃ“擬き”だな。放った後の速度と視認の難しさは良いが、その姿勢と脱力に必要な時間を考えたら本物には程遠い」
「見様見真似の見様見真似だからな。別の技術で補っちゃいるが課題が多い。せめて黄金で作った浮かぶ足場を安定させられりゃな」
俺が会得した残光擬きを本物の使い手に見て貰ったが、及第点にはギリギリ届かない。鋭さと切れ味と射程は合格でも溜め時間と姿勢の固定化で大幅に減点だ。
本物を見せて貰ったが、こりゃ本当に違うな。
「だが擬きが名前じゃダサいだろ。お前は侮られた方が得だとか言うんだろうが、中途半端な模倣に名前を付けられるのも嫌だし、俺が付けてやる。【
……仕方無いからその名前を使うか。タケミカヅチ様の名前って雷が関係してるらしいし、リスペクトだ。
「【永争せよ、不滅の雷兵】、カウルス・ヒルド」
上空へと打ち上げられた鏃状の雷弾が俺へと降り注ぐ。それに対抗すべく放ったのは黄金の剣。単純さなら向こうが上だが、相性で対応可能だ。
黄金は電気を良く通す。だから剣によって雷撃の軌道を無理矢理変えちまえば良い。俺が精密操作可能な数は向こうの最大弾数に劣るが、一度出した黄金は何度でも使用可能。
詠唱と詠唱の間に撃ち込み続ければ幾つかは向こうに届くんだ。まあ、その程度なら避けるのも撃ち落とすのも可能なんだけれどな。
だって実体と質量があるんだ。
「チッ!」
「おいおい、不機嫌だな、せんせー? あっ、もう先生って呼ばなくて良いんだったな。勝ったし」
「勝率一割未満でほざくな、愚物っ!!」
俺が指導を頼んだら始まったのがこの撃ち合い。当たり前にボッロボロに負け続け、一発当たるまでは先生とでも呼べって言われたから当てた今は名前で呼んでる。
なので単純な挑発をしつつ蛇に変えた黄金を足元に這わすも杖兼剣で振り払われた。今のはいけたと思ったんだけれど、見抜けないとでも思ったかって馬鹿にした顔しやがって。
この勝負は最初に一撃を与えた方の勝ち(直撃のみ)。精神力の差を考えればジリ貧だし、そもそも経験の差が出る。実際十回に一回勝てれば良い方なんだよ。
「【永伐せよ、不滅の雷将】、ヴァリアン・ヒルド!」
「やべっ!?」
放たれそうなのは矢じゃなくて砲撃。至近距離で食らえば第一級冒険者でも灼かれる。それを短文詠唱で放つとかどうなってるんだよっ!?
迫る雷砲に対して出したのは巨大な黄金の柱。地中深くに突き刺さって電流を逃しつつ俺は退避。前は飛び出た所を撃たれたんだよなあ……。
黄金の柱は雷撃で砕かれるも俺は宙に黄金の盾を展開しながら飛び出して続け様に放たれた雷の雨を相殺するが……。
「その魔法って大概デタラメだな……」
「金次第で願いを叶える魔法に詠唱を飛ばせるスキルに魔法を交換するスキルの持ち主が何を言う。デタラメは貴様だろう……」
「それはそう」
互いに魔法をぶつけ合いながら接近、剣と太刀で鍔迫り合う。体格のせいで向こうが上から押し込む形だがキツいな。
「そういや十八階層にダンジョンと外を繋ぐ通路への入り口があるってよ」
「……確かか?」
「二千万分の情報だよ」
会話の途中も魔法をぶつけ合い、互いに相手を弾くと同時に後ろに飛んで互いに撃ち漏らした一発を避ける。
「ランクアップしただけはあるな。私も早く次に行きたいのだが……」
「強いモンスターに魔石食わせて強化種にすれば良いじゃねえか。俺に差し向けたグリーンドラゴンみてぇに! テメェがやったみたいに! それか魔法無し縛りとか? 全裸でウダイオスに挑んだらある意味偉業だわ」
挑む寸前に強化種って伝えるとかどうなってるんだろうなっ!?
「このお馬鹿っ! お金借りるにしても相手を選びなさいよっ! 【銭ゲバ】なんて二つ名を第一級冒険者が持ってる時点で考えなさい! ちょっと契約書を……借りた時点で二割の利子付いてるし年利だって……ああ、もう!」
「だ、だって君にツケで頼んでも受けてくれない可能性だってあったし、確実にベル君の力になるにはこれしかなかったんだよ、ヘファイストスッ! それに年利は3%だって……」
「月利よ、月利っ! 月に3%掛かるのっ! 他にも色々書いてるっ! ああ、もう! 神会に出る予定だったけれど中止よ、中止! 依頼は受けてあげるけれど、その前に色々と叩き込まないといけないわ!」
「ひぇええええっ!?」
キリアのスキル
【
【
詠唱を短縮するスキル(有料)
魔法
選択肢内で願いを叶える(有料)稼いだ金を魔法内の口座に入金、七割が記録される。ランクアップで口座限度額上昇 稼いで三日以内のみ可能 魔法使用の対価の場合は入金不可【マネーイズパワー】
詠唱式 【金は天下の回り物、金の力は偉大なり。心身削って得た金で、我の願いを叶えよう】
投入した所有物の半値と同等の黄金を貯蔵、召喚し操作する【エル・ドラド】
詠唱式 【万民よ、金の前に頭を垂れて平伏せよ。この世に金に勝る物は無し。時も情も命さえも金の前には無価値なり。我が財を見よ。我が宝を讃えよ。開け、黄金郷の門】
消費金額十億 【スリーセブン・ジャックポットフィーバー】
発展系アビリティ
直感 E 対異常 F 魔導 G 剣術 H 精癒 i
武器
【肉削ぎ】小太刀 【骨断ち丸】太刀
・呪武具
・所有者を殺す事で使用権譲渡
・元の名前で呼ばないと鈍らになる
・血を吸う程に切れ味が上がる
・<??・??・??>を吸わせると一時的に性能大幅上昇
好物 牛肉
趣味 金製品集め
苦手 変態 所持金の減少