私を天使と呼ばないで!?   作:BD

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うーん、非常に難しいですわたなれの二次創作は……


同じクラスのすごい人

 朝、なんとかして人の少ない時間に登校したい! と言うことで、無駄な抵抗ではあるものの、少し時間を遅らせてみた。

 

 ……まあ、もう結果は案の定なわけで。普通に人がたくさんいる。

 

 できるだけ目立たないように身を縮こませて下駄箱に向かうけど、私が近づくとザワザワし始めた。

 

 元からザワザワしてた、ただの思い込みだ! そう思いたいけれど、少し顔を上げれば逸らされる顔、四方八方から感じる視線がそれを許してくれないんだよ!

 

 彼の家康公は言いました。『鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス』

 

 ならばこそ私もそれにあやかり話しかけられるのを待つだけだよ。

 

 ほら、話しかけてきてくれてもいいんだよ? そんな気持ちを込めて静かに笑いかける。

 しかし誰一人として私に話しかけてくる人はいない。

 

 ……彼の秀吉公は言いました。『鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス』

 是非ともあやかりたい所ですが私は個人的に秀吉公があまり好きではないからあやかれません。

 

 決して話しかける勇気がないとかじゃないからね?

 

 

「せ、瀬名さん、お、おはよう!」

 

 教室に着くと、すでに学校に来ていた瀬名さんに挨拶をする。

 

「おはよう、はすみちゃん」

 

 笑顔で言葉を返してくれる瀬名さんに、ペコリと一礼だけしてそそくさと自分の席に着く。

 

 瀬名さんとお話ししてた人にも挨拶した方が良かったかな? 失礼なことしてないかな? もしかしたら無視されたりいじめられたり……そもそもほとんど話さないんだった。

 

 もし瀬名さんが一人だったら今日は天気がいいしうまいこと会話に進めたかもしれないけれど、お友達がいたなら仕方ないよね……うん、私は悪くないよ……!

 

 ほら、誰かが人を責めて、己を責めるなみたいなこと言ってたし……(逆)

 

 それはともかく、一人席に着いた所でやっぱりやることがない。毎日机に突っ伏して寝るのもどこか芸がない気がするので今日は何かしようかなと、スマホを開いて何かないか探す。

 

 琴さんに借りた本でも残ってれば良かったけど、ないものは仕方ないよね……

 

 広大なネットの海を一人泳いでいると、最近始めたゲームの実況動画を上げている人が出てきた。

 ちょうどいいな。

 

 ポケットからワイヤレスイヤホン取り出して、片耳だけつける。

 両耳つけないのかって? 誰かが話しかけてくれるかもしれないじゃん!

 鳴くまで待つとは言ったけど何もせずに待つのと、鳴いてもらえるように待つのは全くの別物だからね!

 

「あ! そのゲーム……!」

 

 どうやら片耳イヤホンが功を奏したらしい。両耳つけてノイキャンなんてしてたらきっと声も聞こえないからね!

 

 どうやら声をかけてきたのは甘織さんらしい。後ろから私のスマホの画面をのぞいてびっくりしている。

 

「あ、天音さんもゲームとかするんだね……! 私もそのゲーム良く――そ、そう! 気になってて!」

 

「……そう」

 

「あ、うん……」

 

 もしかしてこれ……チャンスなんじゃないかな? 甘織さんはこのゲームに興味がある。私の家にはこのゲームがあって尚且つ複数人でプレイできる。

 上手く言えば甘織さんがお友達になってくれるかもしれない……!

 

「そ、それじゃ――」

 

「――う、うち来る? そのゲームあるよ……」

 

 これは結構上手く誘えたんじゃないかな!?

 

「え、い、いいの?」

 

「うん、甘織さんとも仲良くなりたいから」

 

 笑顔で甘織さんにそう伝える。とりあえず笑顔を顔に張り付けておけば変な顔はされないからね! 

 

「それじゃあ、お邪魔します! いつなら都合いいですか!?」

 

「えっと……きょ、今日は仕事あるから明日ならどう……?」

 

「明日――仕事? 天音さんバイトしてたの?」

 

 しまった……! 学校では内緒にしてたのに……!

 

「……えっと、その……あの……バイト……って言えばいいのかな……」

 

 どうしよう、誤魔化す方法が思い浮かばない……!

 

「これ……!」

 

 仕方ない、白状しよう! 私はスマホの検索欄に『天音シオン』と打ち、甘織さんに画面を見せる。

 

「えっ……これ、天音さん!? 天音さんってモデ――」

 

「しーっ! な、内緒にしてるから……」

 

 ちゃんと口止めしてから言うべきだった、今のは私が悪いね……!

 

「ご、ごめん……でもなんで内緒に……?」

 

「いや、あの……えっとね……うちのクラス王塚さんがいるから……」

 

 事務所トップのカリスマモデルがいるクラスで、私が『実はモデルやってるんだ!』とか言えるわけないじゃん!?

 『あっ、ふ〜ん……』って言われて終わりだからね!

 ほら、甘織さんも「ああ……」って納得してるし!

 あ、席戻っちゃった……

 一言だけ挨拶されて、私はまた一人になる。

 

「おはよう、私がどうかしたのかい?」

 

 甘織さんに憐れまれて落ち込んでると(被害妄想)後ろから声がかけられた。

 モデルカミングアウトして一躍人気者になると言う私の計画を頓挫させた張本人、王塚さんだ。

 

「あ、その……」

 

 ほんとなら正面切って文句の一つでも言ってやるっ!

 

「王塚さんはすごいなあって話してました……」

 

 何を口走ってるんだよ私の口は……! ……まあね、この圧倒的オーラを前にしたらそりゃ媚び売るしかできないよね……

 

「はすみにそう言われるとなんだか面映いな、それにしてもはすみは何故モデル活動してることをひた隠しにしてるんだい?」

 

 後半の部分はちゃんと気を使って小声で言ってくれる。その辺の気遣いもできるあたりやっぱり完璧超人だよ……もし立場逆だったら多分大声で言っちゃうと思う。

 そもそも立場が逆とか考えるだけでも烏滸がましいけどね……

 

「とは言っても気がついてる人は何人もいるだろうし言った所で特に不利益にはならないと思うが……」

 

 そんな車検も通ってない口車には乗らないよ! もし仮に言ったら『あっ、ふ〜ん(笑)』『よく王塚真唯の居るクラスでそれ言えたね……(笑)』とか言われるに決まってるから……






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