ジェンティルドンナのにぃに概念 作:おっき!!!
今年の水着はジェンティルのハイレグとラモーヌ様のマイクロビキニ期待してるんですけどまだですか?
サポカでも実装されたら、間違いなく過去一チャリンチャリンしますよ?
こんな顧客みすみす逃せませんよね運営さん?
期待してますよニチャァ
感想誤字脱字報告いつもありがとうございます。
これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
購買で買った朝刊を手に、俺は早朝の学園内の廊下を歩いていた。
昨日のデビュー戦は圧巻の極み。我ながらそう思ってしまうほどの勝ち方をジェンティルはしたのだと、昨日は己の事のように嬉しく跳ね上がって喜んだ。
ジェンティルのご実家からもよくやったというお言葉を頂き、より精進せよと兜の緒を締められた。お父様に恥じない偉大な偉業を成し遂げよう。
しかし、いくら抱擁してしまったからと言って、式を何時にするか聞いてくるのは少々問題ではお母様。ジェンティルはまだまだこれから。俺もそんな気は
そう。問題の抱擁である。インタビューでは弄られ、理事長からは「今後の2人に期待!!しかしいくら幼なじみとはいえ節度を守れ!!今後発覚した場合謹慎!!」とありがたいお言葉を頂き、たずなさんからは仕事量が増えたと嫌味を柔らかい言葉でぽんぽん投げられた。ごめんなさい今度飲みに連れていきます……。
先生からも、「ウマ娘とよろしくやるような教育何ぞしとらんわ!!」と一喝され、今年の夏合宿強制参加となった。夏合宿で性根を鍛え直すとお怒りモード。観戦されてた先輩にも呆れたと溜め息を履かれてしまった。
本当にごめんなさい。桐生院直伝の鋼の意思が通じなかったよ……。
朝刊の表紙をチラッとみる。ウマ娘専属スポーツ紙の為、最近のレースや出走予定表やレースコラム、インタビュー記事なんかも掲載されているウマ娘のレースに関する情報が載った新聞である。
そんな新聞の表一面。デカデカとこう書かれている。
━━━━━激震!!新たな旋風の鍵は【愛】!?
見事に俺とジェンティルがハグしてる写真が表紙にされている。俺の表情はジェンティルの頭で遮られて見えないが、心做しか嬉しそうな表情を浮かべるジェンティルの顔しか分からない写真。
見出しも、「レコードタイムを出した新たな挑戦者、その強さの根本はトレーナーとのハグにあり?」と恥ずかしくなるような見出しで文書がつらつらと掲載されている。
いや確かにハグしたけど。それが強さの秘訣とは限らんでしょ。
静かにそう吐き捨てるが、世間的にはこんな面白いネタサラサラ逃すわけが無い。さっき連絡を見たのだが、朝から色々な出版社からジェンティルのご実家に取材許可を申し出てる所があるらしい。学園内にもそう言った話がひっきりなしにかかってきているんだとか。そりゃあたずなさんの仕事も増えるわけで、本当にごめんなさい。
勝ち方が凄かったのもそうだし、レコードタイムを出したのもそう。そして誰もが面白がるような現役トレーナーと現役ウマ娘の恋愛事情。話題にならないわけが無い。話題にしないわけが無い。
多分この世代で一番注目を集めるのはジェンティルとなるだろう。ヴィルシーナも俺の担当という事で注目を浴びるだろうが、間違いなく今年デビューするウマ娘達は、ジェンティルの事を要警戒するだろう。
ジェンティルの事だから意に返さないだろうが、彼女の性格的に自分や周りに厳しいところがある。今後の学園生活に支障を来さなければいいのだが。
老婆心になってついつい心配してしまうが、心配事は俺自身だって他人事には済ませられない。
新人トレーナーで担当するウマ娘がウマ娘だ。嫌でも世間からのマークはつけられる。これからは私生活も覗かれてしまう可能性だってあるのだ。下手な事をして、担当バ達に迷惑がかからないようにしなくてはならない。
まあ既にこんな新聞一面にデカデカと書かれてちゃ、時既に遅しとは思うが。
トレーナー室を解錠し、早速仕事に取り掛かる。と言っても、重要な仕事は主に担当バに関する書類や報告書、今後のスケジュールやトレーニングメニューの制作ぐらいなもので、それ以外だとたずなさんから送られてくる学園内の仕事をさばくぐらいだ。
今回たずなさんに多大なるご迷惑をかけてしまったことで、少しでも彼女の負担を減らすべく大量に仕事を貰ってきた。たずなさんの主な仕事は事務管理だが、学園全体の経費や必要物品の確保、施設の安全管理といった多岐に渡る。事務での仕事は俺達一介のトレーナーでは手を出せないので、それ以外の事ではお手伝いが出来る。
今回貰ってきたのは施設の設備点検と検査の立ち会い、それから消費機材の発注品のリストアップ。夏休みになると合宿をするトレーナー達が多い為、その人達が申請している必要物品の数量集計といったものだ。どれも後程たずなさんに確認してもらわなければならない為、早めに取り掛からなければならない。
施設の立ち会いは午後2時から。まだ午前中である。昼までには集計は終わらせられるだろう。俺は新聞を机の上に置き、早速仕事に取り掛かるのだった。
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ヴィルシーナは午前中の授業を終え、カフェテリアにて妹であるシュヴァルグランとヴィブロスと食事を取っていた。
3人は姉妹である為、周囲からは総じて
トレセン学園内で見ても、三姉妹で入学してくるのは珍しい。中央トレセン学園というのは、地方トレセン学園と比べて圧倒的にレベルが高い。北海道にある
地方トレセンでは主にダートレースが一般的である為、芝レースでは中央トレセンに分がある。しかしダートレースにおいては、集計的にみて勝利数割合を見れ6:4で若干地方に分があるのだが、中央主催のレースは主に土日祝に行われ、地方主催のレースは平日でも行われる為そもそもレース数が違うこともあってあまり参考にはならない。
中央トレセン学園は実力者が集う言ってしまえば狭き門修羅の戦場。そこに入れなかった者たちが地方トレセンに散っていく。全員が全員実力が
そんな世界に、姉妹で入学出来るのはかなり至難の技。三姉妹となればそれはもう凄いの一言。デビューをまだ控えている身ではあるものの、学園内において注目されないわけが無く、担当トレーナーと契約していないシュヴァルグランとヴィブロスは頻繁にスカウトの声を掛けられている。
しかし2人はヴィルシーナのトレーナーである
「最近ゆっくり食べられるようになったから、ちょっと安心だよ〜」
「……もう、ダメでしょヴィブロス。折角熱心に声をかけてくださってたんだから、あまりそういう言い方は関心しないわ」
「……そうだよ、ヴィブロス。他の子達からすれば贅沢な悩みだねって言われちゃうよ?」
それもあって、シュヴァルグランとヴィブロスに何度も契約を持ちかけようとしたトレーナー達が何時でもひっきりなしに来ていた為、こうして落ち着いて食事を3人で出来るようになったというのは、姉妹の交流を大切にする3人にとっては喜ばしい事ではある。
ヴィブロスがチャームポイントの猫口をキュッと尖らせ腕を組んでしみじみ思っている姿に強く言えない姉2人は、そういったヴィブロスの内情に同情する気持ちがあるからこそ強く諌められないのである。
「……ぶー、シュヴァちだってトレっち以外の人眼中に無いくせに〜」
「むっ、そういう事じゃなくて。トレーナーに声をかけて貰いたい子はいっぱい居るんだから、こういう公の場で話す事じゃ無いって事」
聞かれたらどうするんだよ、小声でシュヴァルグランがヴィブロスを注意する。
確かに他のウマ娘が居るカフェテリアで話すことでは無い。ヴィルシーナもそう感じていた。誰かの耳に届いて気分を害してしまっては、こちらとしても罪悪感でいっぱいになる。
ヴィルシーナは話題を変えるために2人に声を掛ける。
「そう言えば、トレーナーさんから教えてもらったのだけれど。今年は合宿を行うみたいだから、2人も是非声掛けてくれって言われてるの。どうする?参加する?」
「「えっ、合宿!?」」
夏合宿、トレセン学園では夏休みを利用して海に毎年合宿を行っている。参加は自由であるが、トレーナーチームに所属しているウマ娘達はトレーナー独自で合宿を行う事が多い為、専ら其方で合宿を行うことが多い。
シュヴァルグランとヴィブロスも、今年は合宿に参加しようとしていたところである。
「チーム組んで無いのに合宿主導しちゃうんだ……」
「やっぱりトレっち行動力凄いよね〜?」
「……んー、それがね。トレーナーさん主催じゃなくて、
「……先生、と言うとトレーナーさんが指南受けてたトレーナーさんの事?
「そうよ。……トレーナーさんも来年は自分達だけで行こうって言ってくれたから、今回は色々と勉強させてもらうって張り切ってたわ」
「じゃあ来年はチーム登録するんだね。……ぼ、僕も入れてもらいたいな」
「あ〜、私も私も〜っ。お姉ちゃんお願いしてくれな〜い?」
「もうっ。そう言うのは自分の口で言うものよ。自分の競技人生なんだから、他人任せにしちゃダメよ」
「……うぅっ、ごめんなさいお姉ちゃん」
「……ぼ、僕まで巻き添いに……」
末っ子であるヴィブロスは、典型的な末っ子属性。故にこういった事にはついつい甘えを見せてしまう。ヴィルシーナもそれをわかっているので、しっかり言う時には言うという姉としての厳格な意志を持ってヴィブロスと接している。時に甘やかして……、かなり甘やかしてしまうが、ヴィブロスがしっかりとした大人になれるように、ヴィルシーナは今からでも遅くないと教育のし直しを計画しているのだ。
当然、隣にいるシュヴァルグランも、ヴィルシーナの厳格な姉の前では等しく妹に映る。例えヴィブロスとは違っても、一緒に叱ってやるのが優しさであると、
2人にとって、もう少し手心を加えて欲しいと思う気持は分かるが、それはそれ。これはこれである。
「……まぁ、取り敢えず2人は参加ということでいいかしら?トレーナーさんに早めに連絡入れておくわ」
「……う、うん。よろしくお願いします」
「お願いしま〜す。ねっ、ねっ。これでトレっちともっと仲良くなれるかな?」
「……ん〜、どうなんだろう。合宿って参加する僕らも指導するトレーナーさん達も忙しいから、時間は限られるんじゃないかな?」
「……んん、確かにそうかもぉ……」
「……一応、スケジュール的には2週間の予定。毎週末はオフにして休日を設けてるって。そこで一緒に遊んでもらったいいんじゃないかしら?」
「えっ!?ほんとっ!?やったぁーっ」
「……あっ、ああっ。ヴィブロスあんまり騒がないでっ。ま、周りの人の目がっ」
食事の邪魔をするな。これ鉄則。
嬉しさのあまり喜びを隠しられないヴィブロスがはしゃぎ始めた為、周囲の目が一気に集まった。
ウマ娘は人とは違いよく食べる子が多い。しかし、ウマ娘達全員に一貫して言えることが食べる事が好きという事である。食事量は人それぞれだが、食事をとるという事に関しては、アスリート故にかなり拘りを持つ者もいる。
カフェテリアはそういった生徒の為に用意されたウマ娘専用の食堂だ。そこで騒ぎ食事の邪魔をする輩に、ウマ娘達は決して優しくなれないのである。
「じゃあさっ、じゃあさっ。新しい水着買わなきゃ!!」
「えっ?いえいえ、ヴィブロス?水着は学校指定のものがあるでしょ?態々買う必要なんて……」
「甘いっ、甘いよお姉ちゃん!!」
ヴィブロスは珍しく声を荒げた。周囲からの視線が厳しくなった。
戯言を抜かす姉に対し、妹たるヴィブロスは可愛い顔を顰めてむむむっと怒り顔。ヴィルシーナはそんな妹に何事と呆気に取られている。
「いい?お姉ちゃん。これはチャンスなんだよ」
「ちゃ、チャンス?な、何のチャンスなのかしら?」
「……トレっちの心。ここで掴まなきゃ、どこで掴むの?」
「えっ」
ヴィルシーナの胸がドキリと跳ねる。図星をつかれて驚いたのか、一瞬何を言われたのか分からなくなって驚いたのかどちらか。ヴィブロスには姉の表情を見てすぐに前者であると気がつく。
「お姉ちゃん。去年まではトレっちと二人っきりだったけど、今年は最大のライバル登場だよ?幼なじみだよ?ハグもするぐらい親密なんだよ?なのに、なのにお姉ちゃんはトレっちの事このまま放置しておくつもりなの?」
「……えっと、ヴィ、ヴィブロス?そうは言っても私達はまだトレーナーと生徒の立場よ?いくらトレセン学園が婚活会場だとか何とか揶揄されてるとは言え、トレーナーさんにそんな分別も付かない様な心の持ち主じゃない事ぐらい分かるでしょ?ここで焦っても、何も進展なんてないわよ」
「……ふーん。じゃあお姉ちゃんの代わりに私とシュヴァちで誘惑するから。お姉ちゃんはちゃんと見ててね?」
「え?ぼ、僕もかい?な、なんで僕まで……っ?」
「え〜?シュヴァちがトレっちの事気になってるってことぐらいわ〜か〜る〜よ〜?」
「……っ、そ、それは本当なのシュヴァル?」
「えっ、ねっ、姉さんまでそんなっ。……た、確かに優しいし頼れる人だとは思うけど、ね、姉さんが思ってる人なんだから、ぼ、僕がそんな気持ち抱いてちゃ姉さんに迷惑が……」
「否定はしないんだね〜?」
「え?!あ、ちがっ、あ、姉さんっ。これはその、ちちち、違うんだっ」
「……そ、そう。しゅ、シュヴァルもトレーナーさんの事……」
「姉さん話を聞いてっ。ヴィ、ヴィブロスっ、君が変なこと言うからなんて説明したらいいかわかんなくなってきたよっ」
「認めたら早いぞ〜?シュヴァち?」
ここに、ヴヴヴ三姉妹の絆にヒビが入る音が鳴り響いた。心做しか意気消沈したヴィルシーナに顔を真っ赤に染めてワタワタと言い訳ばかり吐き続けるシュヴァルグラン。そしてそれを楽しそうに見つめるヴィブロス。
先程まで和気あいあいとしていた三姉妹は、いつの間にかカオスな光景が広がることになってしまった。
「ほらほら〜、お姉ちゃんだってこのままじゃ駄目かもって思ってるでしょ?」
「……んんんー、そうは言っても」
「お姉ちゃんがトレーナーさんの事
「……けどね、ヴィブロス。私、トレーナーさんの事が好きなのか分からないのよ」
「え?どうして姉さん。ぼ、僕から見てもトレーナーさんの事想ってそうなのに」
「……うううっ、妹達が辛いわ……」
ヴィルシーナはふと
出会いは安国トレーナーのチームに所属していた時、見習いトレーナーの指導を受けろと紹介された時が始まりだった。当時のヴィルシーナは中等部、見習い卒業間近であった
そこから
未だ、ヴィルシーナが自分の思いをどう表現すればいいのかわかっていないのは、ヴィルシーナに迷いが存在しているのである。
無意識に支えてあげたいと思う奉仕の気持ちがあり、それが自分でも何故支えてあげなきゃいけないのか、理由が分からない。故に、この気持ちが本当に好きであるという気持ちなのか納得ができていないのである。
傍から見れば、絶対好きでしょと言える問題ではあるが、ヴィルシーナが頑なに認めないのは、こういった気持ちを抱くのが初めての事であるため、戸惑っている節もある。
思春期特有の、自分の気持ちに素直になれないお年頃なんて、そう簡単に片付けられればいいが、悩むのもまた人生経験。ヴィルシーナは簡単に結論付けたくないのだという強い気持ちを持っていた。
「……私はあくまでトレーナーさんの担当ってだけよ。トレーナーさんにとって、特別なのはジェンティルさんなんだから。彼女の為にトレーナーになったって、自分の人生を賭けられるだけの思いを持ってるって事でしょ?私とあの人じゃ同じ土俵に立てないわ」
「ぅー、お姉ちゃん諦めちゃうんだ」
「諦めちゃうって、私好きなのかも分かってないのよ?ジェンティルさんはトレーナーんの事をちゃんと想ってるって言葉にも出来るわけで、中途半端な気持ちを持ってる私がいたら、流石に迷惑でしょ?」
「……ん〜、好きだって認めたらいいと思うんだけどなぁ」
「ダメだよヴィブロス。姉さんには姉さんの気持ちがあるんだから、僕達の気持ちを押し付けちゃ迷惑だよ?ごめんね、姉さん。無神経だった」
「……いいえ、私の方こそ煮え切らなくてごめんなさい。こういう気持ちは、もっとちゃんと理解してからじゃないとダメって思うから」
「……うん。素敵だと思うよ、その気持ち」
ヴィルシーナの気持ちに、シュヴァルグランは一先ず納得した。
ヴィブロスが言った様に諦めている、とはきっと違うだろうとシュヴァルグランは理解出来た。ヴィルシーナの言葉には、諦めではなく、正しいかどうかを理解したいという思いが込められているからだ。自分の気持ちを理解してから向き合いたいという気持ちをシュヴァルグランはそう受け止める。ヴィブロスは恋に対して少し大袈裟な見方をしている為、きっとヴィルシーナの気持ちを理解する事は難しいかもしれないなと、シュヴァルグランはふと思った。
未だに納得出来ていない表情を浮かべるヴィブロスであるが、姉の思いを尊重しなければと渋々ながら気持ちを受け入れたようだ。
しかし、じゃあと言葉を繋げて満面な笑みを浮かべてヴィルシーナに顔を近付けた。
「今週末トレーニングお休みだよね?」
「え、ええ。そうね」
「合宿に必要なもの買わなきゃいけないよね?もう時間も無いし」
「そうね、夏休みはもうすぐそこだから」
「だから買いに行かなきゃいけないよね?今週末の休日には」
「……ええ。その日に買いに行きましょうか」
「じゃあトレっちも一緒に誘おうよ!!」
「ど、えっ、なんでっ?」
「お姉ちゃんの気持ちがわからないって言うのなら、分かるようにトレっちと接すればいいじゃん!!」
「……成程、確かに」
「いえいえ、どうしてよ?」
ヴィブロスの提案に、ヴィルシーナの頭の上にははてなマークが大量に浮かんだ。しかし、シュヴァルグランは納得したかのようにうんうんと頷いている。
「姉さん。きっと姉さんの気持ちは同じ目線でしか見てないから分からなくなってるんじゃない?珠には、違う視点からトレーナーさんのことを見てみるのも悪くないと思うよ?」
「……それが、お出かけするって事?」
「きっと、一緒に遊ぶってトレーナーと担当ウマ娘っていう立場じゃ見れない事もいっぱいあると思うんだ。親睦を深めるって訳じゃないけど、トレーナーさんとそういう事するのも今後の為だと僕は思うけど」
「そうそうっ。お姉ちゃんだってトレーナーさんと休日一緒に過ごしたいでしょ?トレっちっていつもジェンティルさんの所かお仕事してるかだから、トレーナーさんの気分転換の一環だって言って誘っちゃおうよ」
「……なる、ほど?気分転換……、そうよね、デビュー出来て少し肩の力も抜けたわけで、口実的には合宿に必要なものを買いに行くという事にできる。そう、これはただの買い物。浮ついた気持ちで無くとも、ただの買い物だから気にする必要は無い」
「……ど、どれだけ姉さんは認めたくないんだい?」
「……認めたくない訳じゃなく、変に考えないようにしてるだけよ」
「……頑なだなぁ、お姉ちゃん」
「……今日のシュヴァルとヴィブロスはお姉ちゃんの事をよく後ろから突っつくのね。お姉ちゃん悲しいわ……」
「うっ、ご、ごめんよ姉さん。でも僕達は姉さんに我慢して欲しくないから言ってるだけであって……」
「……分かってるわ。2人が私の事を想って言ってくれてること。私が偏屈になってるってわかってるけど。……でもそうね、2人の言う通り、買い物に誘ってみようかしら」
「そうそうその意気だよお姉ちゃん!!ジェンティルさんに負けてられないぞ!!」
「頑張れ、姉さんっ」
ヴィルシーナの気持ちに2人は笑みを浮かべる。
思い詰めていた表情が少し和らいだ気がした。きっと、ヴィルシーナの気持ちも少なからず
3人は早速当日の段取りを組み始める。目標はヴィルシーナの気持ちを少しでもはっきりさせること。買い物は二の次である。熱中し始める妹2人を横目に、ヴィルシーナは心の中で少しドキドキしている自分を感じとっていた。
そっと胸に手を置いて落ち着かせようとしたが、なんだかこの気持ちだけには正直でいたいなと思い、そのドキドキを感じながら、二人の会話に混ざる。
この気持ちが、
「取り敢えず水着を買いに行くのは必須だよね。お姉ちゃんのプロポーションを全面に出さなきゃ!!」
「わ、私は学園指定のスク水でいいわよ!」
「……ぼ、僕も流石に恥ずかしいんだけどな……」
「ええっ!?海といったら水着でしょ!?お姉ちゃんもシュヴァちも使い方を分かってない!!」
「何の使い方よ!?」
「チャンスは掴むの!時間は使うの!合宿の時間を使ってトレっちに意識してもらう為に自分の事をアピールしなくちゃ!!」
「合宿はトレーニング目的だって忘れて無いわよね?」
トレーニングに使用するスク水を忘れて買った水着だけしか当日持ってこないヴィブロスを容易に想像してしまい、ヴィルシーナとシュヴァルグランは頭を抱えるのだった。
理事長や先生である安国トレーナーに、ウマ娘との距離感を節度を持って守れと注意喚起された
そして週末。買い物と称したお出かけの当日。ヴィルシーナにとって、最も気の抜けない一日となってしまった。
「宜しくお願いいたします、ヴィルシーナさん?」
「……ええ、こちらこそ、ジェンティルさん」
当日
普段から浮かべる余裕のある笑みに更に深みが増したような表情を浮かべるジェンティルに対し、ヴィルシーナも負けじと力強い笑みを浮かべるのだった。
「……トレっち、どうしてジェンティルさんまで?」
「元々ジェンティルと買い物するつもりだったからね。ついでに親睦も深めた方がいいんじゃないかって思って」
「……絶対、嫌な予感がする……」
ヴィブロスとシュヴァルグランの神妙な表情に首を傾げる
休日なのに休まらない一日が幕を開けるのだった。
本当にクソボケだな何やってんだ
シュヴァルグランとヴィブロスの気持ちがそう強く思うのだった。
別にジェンティルのウエディングドレスでも構わないんですよね。ええ。
私が挙式するだけなんで、ええ。
問題無いですよね?ええ。