原作ミリしらTS少女は推しといたい   作:ゴンザレス渡辺

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1話

冷たいコンクリートの床の上、白銀のロングヘアの少女が静かに寝息を立てる

その格好は災害にでも遭ったかと思わせるほどボロボロで、

またそれを着ている少女もひどく痩せこけてしまっている。

「んん………何処……ココ……」

 


 

話をしよう

あれは今から約…………どんくらい前だ?

まぁいい

うちにとってはつい昨日(体感)のことだが、君たちにとっては多分明日の出来事だろう(適当)

 

集めていたラノベの最新巻を買いに行きつけの本屋に行っていた時のことだ

目的の本を籠に入れ、レジに足を向けた時

ふと今月の新刊コーナーに目を向けた瞬間

目を奪われたよね、表紙に映るビジュ1万点のうちの癖に刺さりまくりな美少女に

第一巻ってこともあって、即刻レジに通したよね

これがラノベにかける金がえげつない事になる原因だとかなんとか

あの時の感覚は今でも憶えているとも、物理的に目を奪われたと言っても過言じゃないね…

 

 

話を戻しまして、購入したその日の深夜自宅のベッドの上で件の本を読んでいて

いつの間にか寝落ち、そして今ここ

王道っちゃ王道な異世界転移だな、せめてチート能力が欲しかったなぁ

………これからどうしよう、ここ何処かわからないし、おまけにお腹空いたし…

「………一体なにが、起こって……」

ん?ちょっと待って、今なんか他の人ような声が気がする……しかも女性の

うん、俺は男だからありえないし、……でも俺以外誰も居ないし…

わかった!幽霊だな。ここら辺で死んだ女性の霊がいてって奴で(現実逃避)

 

《そして数分の時間が経ち》

 

ふぅ……そろそろ現実を見ないといけないのかな……

見ないといけないのかな……この…シュレディンガーのt◯t◯を……

 

 

 

 

 

やっぱり…ない……こんな形での相棒との今生の別れは嫌だよー

つまり…今…俺……女になってるってことか……

こんなことになるならもっと恋愛とかしておいた方が良かったのかな……

それに、あの本最後まで読めてないし…タイミング悪すぎるぞ神!

教えはどうなっているんだ!教えは!

 

 

少女が1人いるのかわからない存在に憤慨してると、背の高い白衣を羽織った男が

同じ空間に現れた。

「……んえ……誰……」

「……目覚めたようだね、体の調子はどうかな?」

「………お腹空いた……」

「そうでしょう、そうでしょう。食事の準備ができてるのでついてきてください」

 

うわぁ、胡散臭過ぎだろこの………おっさん?お兄さん?

まぁぱっと見そんぐらいの見た目のメガネ男

でもここにいても何も始まんないし、ついていくしかないか

 

それからしばらく男の背中を追っていると、男が立ち止まり呪文か何か唱えると

暗闇の中に微かな灯りが差し込み、扉が開く。

扉の先には変わらずコンクリートでできており、先の見えない一本道が続いていた。

 

 

状況が好転する気が全くしない道、出たわね

あれ、これ逃げないといけないやつじゃね……

今になって冷や汗が頬を伝う

一歩、後退り男から距離を取ろうとしたその時、

「え……なにこれ、動けない……なにが起こっているの……」

一歩後退した次の歩を踏み出せなかった。

心理的にではなく、まるで足が自身の脳信号を受け付けなくったかのように動かない。

 

「……さぁ、行きましょう」

男が振り向かず扉の先へと進む。

男の歩きに合わせてなのか、動かなかった足が勝手に前へと進む

 

「な…何で…」

数歩先の男は答えない。

沈黙のまま、ただ進むだけ

コツコツと革靴の足音のみが響く静寂を初めて破ったのは男でも少女でもなく、

暗闇の先からの叫び声だった

 

グアアアアアアアァァ‼︎

 

暗闇を進んでいくと人型をした怪物や、薄汚い服装で痩せこけた男性など、

理性を失ったものが大半なこの空間を

少女はただただ体を小さくし、過ぎ去るのまで耐える事しかできなかった

 

永遠に感じるほど長い時間前に進まされると男が再び立ち止まる。

「さぁ、着きましたよ。どうぞ楽しんできてくださいね」

男の声が弾んでいるような気がした。

一体この先になにが待っているのか。自分がこれからどうなるのか。

そんな不安を他所に、目の前に聳える扉は口を開く。

 

薄暗いコンクリートの通路を抜けた先には、

実験室を彷彿させる一面真っ白の部屋が広がっていた

部屋の中心には拘束椅子が設置されている。

足は相も変わらず歩を進め、椅子の前まで進んだところで停止した。

 

「次の被検体が来たようじゃな。」

部屋の反対方向からメガネの男と同じく白衣を羽織った老父が歩いてくる

その後ろには無数のアームを持ったロボットが後をついてきていた。

「早速じゃが始めようかの」

老父がそういうと後ろのロボットが少女へを椅子へと運び、拘束する。

 

「やめて!…離して!」

「騒ぐんじゃない。手元が狂うじゃろうが」

老父がそう言い、誰かに指示を出すとロボットが顔までも固定し、身動き一つ取れなくなる。

「それじゃ、大人しくするんじゃぞ」

老父は注射器を手に取りうちの首に刺す。

 

「……イッt……ウグッ…」

頭が割れそうッ、キツイッ

「ふむ、耐久力は上々と。それじゃ、次の薬品を持ってこい」

なんか言ってるけど、頭の痛みがキツ過ぎて全く頭に入ってこない

今なんか二の腕になんかされたような気がするけど、目先の痛みにしか気が向かないんだが

気持ち悪りぃ、眩暈と吐き気までしてきたよー

あぁ、せめて読みかけのラノベ読破しときたかったなぁ……

 

 


 

 

「………気を失ったか。でもまぁ及第点だろう」

「それだけあれば十分ですよ。彼女連れていきますね」

「早く行け。ワシは自室に戻る」

「ハイハイ、それじゃ」

それ以降2人は言葉を交わす事なく帰っていく。

そんな中、暗い通路を歩く老父に向けられる獣のような視線に混じり、

怒りを孕ませた瞳があった。

 

 


 

 

「……ぃ……痛い…寂しい………」

んむ、何処だココ。こんな短時間で似たような場所に2回も連れてこられることってないでしょ。

それになんか言ってるけど誰?

「あの……大丈夫?」

 

 

目線の先には腰まで伸びたシアン色の髪を持った少女が

膝を折りたたんで蹲っていた。

かけられた声に反応することなく、ただ同じ言葉を繰り返しているだけだった。

 

 

………どうしてだろう…この子のことは全く知らないけど…今は側に居ないといけない気がする

そして彼女に近づこうと前に踏み出す

「……イッt⁉︎… また頭痛が……」

転生系がいくら二番煎じが多いって言っても、コレはないでしょ!

あぁ、……もう………痛いの…やだな

 

 


 

 

「……さい……てる………起きなさい」

「……んえ?」

「あ、やっと起きました」

あれ、メガネ男……寝ちゃってた……また白い部屋……

「君には彼女と契約をしてもらう」

 

そう言って指差した先には、目隠しをされたシアン色のロングヘアをした少女が

手錠をされた状態で連れてこられていた。

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