底辺VTuberの俺と美少女売れっ子VTuberのてえてえはありますか?   作:詩乃宮

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第7章 うぃんたそと初コラボってありですか?③

「え?……ええ⁉」

 

 

 うぃんたその驚きの声が右耳から左耳に抜けていく。……ちなみにこの質問内容だが、大まかに事前打ち合わせはした。が、詳細には詰めていない。そっちの方がリアルな反応を届けられるという判断だ。無論、事前に不味いかな?と思ったところは打ち合わせはしてある。

 

 

『罰ゲーム?』

 

『罰ゲームでVTuber始めたってことぉ⁉』

 

『ちななんの罰ゲームなん?』

 

『秋城の成り立ちとか聞いてないんですけどw』

 

『↑アーカイブでも見てろカス』

 

 

「いやさ、バトマスやっている人たちなら分かるだろうけれど……非公認の大会形式にトリオっていうのがあってな」

 

 

 そこで俺が語りだすのは、非公認でのトリオという大会のルール。3人VS3人で、勝ち点を2個取ったチームの勝ち。極めてシンプルなルールだ、同点も起こらないし。

 

 

「そのトリオの大会で……予選6回戦、本戦3ラウンド……ああ、本戦だけ1ラウンド3回戦うんだが。つまりは、15回戦戦うんだよな。そんな戦いで俺は0-15チームは15-0……つまりは、勝利数ゼロで大会を優勝しまして」

 

 

『ド戦犯wwwwwww』

 

『同じチームになりたくねええwwww』

 

『そりゃチームメンバーおこですわwww』

 

『読めた、読めたぞ、この話ッ』

 

 

「大会が始まる前に決めてたんだよな。〝今日の戦犯はUtube配信を3か月行う〟って……正直まさか自分が戦犯するとは思ってなかったんだ……」

 

 

 なんとなく胃がキリキリとしてくる。それはきっと、その戦犯をした日をちゃんと思い出しているから。本当にその節はチームメンバーに申し訳ないことをしました。

 

 

「でもさ、配信活動ってやってみると楽しくてさ。俺の拙い動画も応援してくれる人がいてさ、参考になった!って言ってくれる人がいてさ……正直のめりこんだよな」

 

 

 思わず笑みが零れた。本当に本当の初配信の時なんて酷かった、挨拶しようとしてお辞儀しちゃってマイクに頭ぶつけたり、今でいうミュート芸をしたり。もう本当、呆れてしまうぐらいだった。

 

 

『なにかを作る醍醐味だよな』

 

『何事も楽しいから始まると続くからな』

 

『始まりは罰ゲームでも楽しければええんやで』

 

『なんでいい話風にしようとしてんの?』 

 

『そういうの求めてないから』

 

『まあでも、続けるの決めたのニキやから』

 

 

「ってこれがVになった理由……あまりいい話、ではない、よなあ?」

 

 

 そう頬をぽりぽりと掻いて目線を逸らす。すると、うぃんたそがどぱっとその瞳からちょっと大げさな涙を零した。

 

 

「秋城さんは視聴者に支えられて秋城さんに成っていったんだね……‼コメントでも言われてたけど、始まりはどうであれ、続けることを決めたのは秋城さんなんだから!胸張ってこ!」

 

 

 うぃんたそがいい感じに纏めてくれる。頼れる相棒みたいだ、なんて勝手に思いつつ俺はその綺麗に纏められた話がなんだかむず痒くてふざけてしまうのであった。

 

 

「せんせー!男故に張る胸がありません!」

 

「ねえ、知ってる?秋城さん胸囲っていう観点ならうぃんたそよりあるんだよ?秋城さんのお胸……」

 

「……さーせん」

 

 

 超低音のうぃんたそ……うん、うぃんたそ自体はド級の貧乳だもんね。仕方ないね。

 

 

『うぃんたその貧乳を舐めてはいけない』

 

『うぃんたその貧乳をprpr?』

 

『うぃんたそまな板だもんね……』

 

 

 V的には美味しいいじりを受けるうぃんたそ。だが、そのうぃんたそ自身は手にモザイクをかけてそれを視聴者に見せつけている。あ、これ、中指立ててますねえ。

 

 

「だぁれが貧乳じゃぁい!貧しくないもん、貧しくないから!ついでにあたしの乳を舐めたコメントは通報しておきましたー」

 

 

 ぷっくう、と頬を膨らませて両手にモザイクをかけるうぃんたそ。あ、中指が2本立ってる。

 

 

「さあ、次行くよ‼次‼……こほん。秋城さんの放送と言えば、対戦動画には必ず出てくるアキ健さん。そんなアキ健さんとの出会いのエピソードとかあればうぃんたそ聞きたいなあ」

 

「え、男と男の出会いのエピソードなんて聞いて楽しいか……?うぃんたそって腐ってたりする?」

 

 

 リアルの俺は思わずのことに口元を手で押さえて、うぃんたそから視線を逸らせば、チャットで届く怒りの絵文字。

 

 

「え、うぃんたそがなんだってえ?腐るとかうぃんたそよくわからなぁい、だって大天使だもん……でも、うぃんたそ知ってるよ、秋城さんは受けって言うんでしょ?」

 

 

 うぃんたその低音ボイス。遠回しなこれ以上この話題を広げるなというお達し。これやられてみると結構肝が冷えるのだ。これも、出演者にならなかったら分からない所感だ。そんなことを漠然と考えつつ言葉を返す。

 

 

「ははは、俺もよくわからなぁい。……っつーことで、アキ健との出会いねえ。いや、覚えてねーよ!って流すのも考えたけど……割とよく覚えてるもんだよな」

 

 

『覚えてるんかいw』

 

『男と男の熱いエピソード♂ウホッ』

 

『ンァ—————ッ‼』

 

『話してどうぞ』

 

 

 お、一気にコメント欄が汚くなったぞ。昔から思ってたがみんなこのネタ好きね。

 

 

「アキ健とは当時の地元のショップ大会で毎週のように当たってたんだよね。でも、その時は〝よろしくお願いします〟〝ありがとうございました〟以外の会話なんてカードテキストの確認しかしないような間柄でさ。……それがトリオのチーム組んで、悪ふざけするようになったのは……そうだな、そろそろ大会で当たった数が両手じゃ足りなくなってきた頃だったな……」

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