忘れ去られたい青年の幻想入り   作:ohagi57

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今回もかなりふざけてます。


冥界で君と戦おう

冥界に聳え立つ白玉楼。

現在、妖夢と一緒に天津が向かってきている事も知らず、ある座敷の中にある人達が集まっていた。

白玉楼の主『西行寺幽々子』。

守矢神社の祭神『八坂神奈子』。

幻想郷最古の妖怪にして幻想郷の守護者『八雲紫』。

月の頭脳『えーりん』もとい『八意永琳』。

封印された大魔法使い『聖白蓮』。

紅魔館の主『レミリア・スカーレット』。

地霊殿の主『古明地さとり』。

仙界に住まう者『豊聡耳神子』。

閻魔であり白と黒を判別する裁定者『四季映姫』。

 

幻想郷の各地域における主が白玉楼に集まっていた。

中身はこれからの幻想郷の方針…という訳ではなく。

 

「さて…暫くは皆集まれなかったけど、最近はどうだったかしら?」

 

簡単に言えば『女子会』のようなものだった。

近況報告や甘味を味わいつつの談話。

まさに女子会のようなもの。

メンツはとんでもないが。

 

「私は研究ばかりだったわ。あとは特にないけど姫様も鈴仙もてゐたちも普通よ」

「こちらは寺が忙しくて…」

「変わらずです。小町がサボるのもいつも通りですが」

「地霊殿も特に変わらずです。いつも通り家族と過ごしていますよ」

 

幽々子の質問に永琳、白蓮、映姫、さとりが答える。

全員、特に何事もなく普通に過ごせていることを確認したが…残り、答えていない紫、レミリア、神奈子は違った。

 

「私は彼の世話やサポートをしていたわ~」

「彼?」

「天津の事よね?」

 

紫の答えにレミリアが反応する。

 

「天津というのは?」

「最近幻想郷入りした外来人だ。中々に面白い童だぞ?」

「どのようなことを?」

「例をあげると、寺の掃除で箒に能力を与えて落ちていた落ち葉だけを吹き飛ばすとかか」

「???」

 

今度はさとりの質問に神奈子が答える。

天津を知らない幽々子を含めた4人は守矢神社で行われた宴会に参加出来なかった為、知らない。

故に神奈子の情報ではどういう奴なのか分からなかった。現時点で天津という存在は竜巻かなのかだと思われている。

 

「ふむ、その天津は今どこに?」

「今は人里よ。幻想郷に来て日も浅いし幻想郷を知る為に探索中」

「もしかしたら妖夢と会うかもね~」

 

なんて幽々子が反応したと同時に襖が開く。

 

「幽々子様、ただいま戻りました」

「おかえり~」

 

白玉楼の庭師、魂魄妖夢が帰ってきた。

すると、幽々子は妖夢にお願いした食べ物買い出しや甘味を持っていない事に気がつくと同時に

 

「天津さん、お饅頭たちはこちらに」

「分かった」

 

妖夢の影から巨体が現れる。

その巨体は超巨大な風呂敷を抱え、大量の荷物を持っているのに汗のひとつもかいていない。

 

「あら、天津君」

「ゆ、紫さん!?というかレミリアさんも神奈子様も…」

 

天津は会ったことのある顔に反応すると同時にこの場から流れ込んでくる威圧感に若干ビビっていた。

無理もない。この場には幻想郷の各地域の主達が集まっているのだから。

 

「宴会ぶりか、天津」

「そうですね、あれからは守矢神社に行っていませんし…」

「また来てくれ。それに早苗がお前を話を聞かせろと騒がしくてな」

「それなら私の方もお願いしたいわ。フランが天津と遊びたがってるの」

「わ、わかりました」

 

ここで天津は早苗が話を聞きたがっていることとフランが遊びたがっていることを把握すると同時に

 

「そういえば天津君、どうして妖夢ちゃんと?」

 

紫が天津に問いかける。

元々、妖夢と天津には何の縁も無い。

そして人里で会うのはいいが、この白玉楼についてくるのはそれ相応の理由が必要だ。

 

「あぁ…人里を探索していたら家の柱が倒れてきて柱を受け止めて妖夢さんを守った後、この量の風呂敷をひとりで持っていく所を手助けしたという感じです」

「あら、うちの妖夢を助けてくれたの?」

「助けたと言うより…通りかかったと言いますか」

「どちらにせよ、助かったわ。ありがとう天津君。それと私はこの白玉楼の主、西行寺幽々子よ。よろしくね」

「あ、はい…」

 

褒められて少し照れくさくなったのか、天津は少し顔をそむける。

 

「それはそうと…妖夢~」

「はい、お饅頭を買ってきました」

「わーい」

 

そういいながら妖夢はこの場にいる全員の目の前に饅頭を置いていき…幽々子の前には山盛りの饅頭が置かれた。

 

(…そんな量、食えるのか?)

 

と内心、天津は幽々子の前に置かれた饅頭の山を見てふと思ったが

 

「ご馳走様~」

「…!?…!?!?」

 

饅頭の山は一瞬のうちに消え失せ、幸せそうに何かを頬張っている幽々子の顔が天津の目に映った。

何がどうなっていると一人で困惑していると

 

「本当にすごい量食べますね、よくその体系を…」

「うん…ずるいわよね」

 

数名の主が大量に物を食べても太らない幽々子の体系を見て、呟く。

 

「あ、天津さんもよければ」

「え、いや…そこまでは」

「大丈夫です。もしもの為に買ってきていますから」

 

妖夢は風呂敷の中から饅頭を一つ取り出し、天津に手渡す。

天津は受け取り、饅頭を食べようとするが…妖夢に一つ問いかける。

 

「妖夢さん、饅頭の中のあんこって」

「勿論『つぶあん』ですよ」

「―――。」

 

その答えを聞いた天津の表情が…一気に変わる。

 

「…え?」

 

今の天津の表情をみた紫が素っ頓狂な声を出してしまう。

 

「どうしたの紫」

「え、いや…天津君?」

「…妖夢さん」

「はい、何ですか?」

「俺はアナタに問いたい。この幻想郷に…『こしあん』はありますか?」

「ありますが…私はつぶあんの方が食感があって…あ」

 

ここで妖夢も気が付き…楼観剣と白楼剣を抜刀する。

 

「えっ、ちょっと妖夢?」

 

唐突に刀を抜刀した妖夢に幽々子は驚き、その妖夢の行動にその場にいる全員が驚く。

妖夢はそう簡単に刀を抜くことはない。相対する敵がいる時や白玉楼への侵入者撃退、鍛錬の際以外で抜刀することはない。

…それなのに今、妖夢は剣を抜いた。

 

「…天津さん」

「そうですね、妖夢さん」

 

天津は指をポキポキと鳴らし、肩を軽く回してから

 

「超人的な身体を持ち、刀ですら切れぬ肉体へと成る」

 

と呟いてから両手を合せて天津は妖夢にお辞儀…いや『アイサツ』をする。

 

「ドーモ コンパクヨウム=サン アマツ…いえツブアン派スレイヤーです」

「…えぇ、私たちは相容れないようですね」

「ツブアン派殺すべし…!」

 

草木も眠る白玉楼の元。

荘厳なるヤシキは。

壮絶なイクサの開始地点と化す!

 

「こしあん派である俺につぶあんを渡すか…白玉楼のサムライめ!」

「粒あんだって美味しいでしょう!」

「イヤーッ!!」

「はぁぁっ!!」

 

拳と刀が正面からぶつかり合う。

ぶつかり合いながらも刀と拳の隙間から火花が散る。

 

「粒あん派に盾突くなんて…如何なる罪を招くのかすぐに知ることになりますよ!」

「おぉ…その言葉、外の世界と同様、オヌシは生粋のツブアン派と見受けられる!」

「天津さんの目的は何なんですか?」

「ツブアン派を殺す、勿論粒あん派である妖夢さんも倒す、ツブアン派を全て殺す!」

「何て戯言…まるで外の世界の粒あん派を全て殺してきたかのような」

「実際、そうだ」

「え」

「…俺の学校でこしあん、粒あんイクサが起きた。俺はこしあんの方が好きだった。だが…あの日に…!」

 

幻想郷に来る前の天津。

大学でささやかながらも幸せなひと時をこしあんの饅頭を味わっていた。

しかし、その幸福たる甘味の時間は惨劇のイクサへと化した。

目の前でこしあん派とつぶあん派のディベートが激化し殴り合いの喧嘩へと勃発。

その後、目の前でこしあんの饅頭の中に粒あんをねじ込まれ、その復讐の思いから…その場にいる粒あん派を全員叩き潰した。

ナムアミダブツ。

 

「粒あん派を…殺すべし」

「その目からよほどの復讐心を感じられます…!」

「好きだったこしあんの饅頭の中に粒あんを目の前でねじ込まれた。そんな禁忌の行為をする粒あん派を俺は許さない。当然…粒あん派である妖夢さんも倒す」

「くっ!」

 

拳と刀の鍔迫り合いをお互いに中断し、距離を取る。

 

「なるほど…相当強固な肉体と身体能力と見えます」

「殺すべし」

「…本腰を入れて戦わないといけないようですね!」

 

天津は妖夢の斬撃をブレイクダンスめいた動きで隙を消し、そのまま空中で身体をひねり攻撃を仕掛ける。

 

「イヤーッ!」

 

――ガキィン!!

 

天津の蹴りを白楼剣一本で受け止める魂魄妖夢。

 

「流石は…天津さん、重い一撃ですね…!」

 

またもや天津が仕掛ける。

強固な肉体で心臓を目掛けた右手チョップ突き。

再び始まる激烈なる攻防。

 

「くっ…!」

「攻めずらい…!」

 

この勝負、このランク同士のイクサにおいて相手の出方を伺う前哨戦に過ぎない。

和食で言えば、幽々子の元に出てくるスシの盛り合わせだ。

 

「天津さんの攻撃を疑いはしません…ですが!」

 

斬撃波。

とっさに天津は防御姿勢を取るが

 

「やぁぁっ!」

「アバーッ!?」

 

ウカツ。

天津は妖夢の斬撃を受けてしまう。

だがこの程度の傷は、実際浅い。

 

「後悔は死んでからすればいい、今は目の前にいる粒あん派を倒さねばならない!イヤーッ!!」

「はぁぁっ!!」

 

またもや始まる激烈なる攻防。

剣が足を、拳が短刀とぶつかり合う。

まさにタツジン。

 

「はぁっ…はぁっ…」

「はぁっ…ふぅっ!!」

「イヤーッ!!」

 

天津は妖夢の一太刀を古事記より伝わる伝説の奥義。

白刃取りで受け止める。

 

「ぐぬぬぬ…!!」

「ぬぅっ…!!」

「ちょ、ちょっと妖夢!?」

「幽々子様止めないでください!私は天津さんを斬らないといけないんです!」

「天津君もどうしたの!?」

「ツブアン派殺すべし…!」

 

もはや二人の声は届かず

 

「凄いわね」

「あぁ、流石天津だ」

「こ、これが人間なんですか…?」

「凄いわね。少し研究欲をそそられるわ」

 

天津を知るレミリアと神奈子は後方理解者かのように実力に納得しながら首を縦に振りつつ、他の者は人間である天津の人間離れした身体能力と強固な肉体に驚愕していた。

 

「別にいいじゃない!つぶあんでもこしあんでも!」

「え」

「は」

 

その幽々子の一言に妖夢と天津の手が止まる。

 

「…妖夢さん」

「えぇ、まさか幽々子様が…『どちらでもいい派』だったなんて」

「えっ、えぇっ!?」

 

ただの一言に妖夢と天津の矛先が幽々子に向く。

 

「どちらでもいい派…殺すべし」

「前にどんなものでもよく噛んで食べる事が大切と教えていただきました…だからこそ、斬らなければ…!」

「ちょ、ちょっと待って!?」

 

刀とチョップの指先がむけられ、おどおどする幽々子。

 

「イヤーッ!!」

「はぁぁっ!!」

「いやァァァ!!!?」

 

そんな幽々子に襲い掛かる二人。

しかし

 

「」

「う、うぅっ」

「びっくりしたわ…」

 

忘れてはいけないのは西行寺幽々子は白玉楼の主であり、過去に異変を起こしたほどの実力者である。

暴走しかけた妖夢は簡単に鎮圧されたのち、天津に関しては完全に伸び切って気絶している。

ナムアミダブツ。

キャラクターとの幕間のような話を作成するのはアリ?ナシ?気軽にお願いします。

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