「おはよう魔理沙、賽銭箱はあっちよ」
「今はお金持ってないぜ」
「じゃあ帰りなさい」
「何でだよ!?」
霊夢さんと魔理沙さん…?であってるのか。
多分、白黒の如何にも魔女って雰囲気を出しているこの人が魔理沙さんと言うのだろう。
「んで、霊夢。コイツは誰だ?」
「昨日、幻想郷入りした奴よ」
「えっと、初めまして天津です」
「…」
「…?」
一応の自己紹介をしたんだが…魔理沙さんからの反応がない。
どうしたんだ?と思っていると
「で、デカ…」
「何でみんなまずは俺の身長に触れるんですか?」
「それくらい天津がデカいからよ。普通、そこまで大きい人ってそうそういないから」
確かに魔理沙さんも霊夢さんと同じ、もしくは少し大きいくらいの身長だ。
…まぁそれよりも大きいのが俺だが。
もしかしてこの幻想郷の住民って平均的に小さいのか?
「とにかく…私は霧雨魔理沙だ、よろしくな天津」
「よろしくお願いします」
魔理沙さんと握手をする。
霊夢さんとは違い、魔理沙さんは結構元気な感じだ。
いかにも男勝りって感じがする。
「手もデカいな」
…もうツッコまないぞ。
「それで霊夢。今日は何をする?」
「今日も何もしたくないわ~…」
魔理沙さんの問いに対して霊夢さんは畳の上でぐでぇーっと寝っ転がり、溶ける。
動きたくないって言うのがもう滅茶苦茶に伝わってくる。
「えー…」
「いつもこんな感じなんですか?」
「いつもこんなもんだぜ?むしろ動いているときの方が稀だ」
「えぇ…?」
これが巫女の姿か、これが。
…とりあえず、代わりに俺が神社の掃除をするか。霊夢さんがまだ良いって言った理由は魔理沙さんが来るからと踏んだからだろう。
実際にそこら中に葉っぱが散ったし。
そう思い俺は箒を握り、神社の葉っぱをはき始めた。
「天津の方が働き者だな」
「いやまぁ…ここに住まわせて貰ってますし、出来る限りは俺がやろうかなって」
「いい子だな、何処かの誰かと違って」
「は、はぁ…」
お賽銭箱の横に魔理沙さんが座り、俺にそう言ってきた。
「そういえば天津はこれからやることあるのか?」
「さっき霊夢さんに話しましたけど、現状は殆どなしです」
「ま、そうなるよな」
「…でも」
「?」
「俺からしたらこんな暇だらけの日も悪くないなって思うんです」
サッサッと箒ではきながら魔理沙さんに話した。
…ずっと同じ日々を繰り返し、逸脱した瞬間、矯正され、理不尽な罰を与えられる。
そんな日々に比べたらこんな暇だらけの日々の方が何百倍もマシだ。
「ふーん?変わってるな」
「まぁ外来人でしたし」
「そんなに嫌だったのか?外の世界が」
「嫌でしたね、もう二度と戻りたくないです」
「お、おう…」
「…逆に聞きますが、魔理沙さんのこれからの予定は?」
「紅魔館の図書館に行って本を借りて来るぜ」
また出てきたな紅魔館。
吸血鬼にメイドに悪魔、更には大図書館…もう驚かんぞ。
「アンタは借りるって言って一生返さないじゃない」
「一生借りてるだけだぜ!」
「…それって借りパクって言うんじゃ?」
「あーあー聞こえないぜ!」
と、とんでもねぇなこの人。
ほぼやってることが盗人じゃないか?
「なら天津も来るか?」
「えぇっ!?」
「挨拶ついでにこの魔理沙様が幻想郷を案内してやろう」
魔理沙さんはそう言って胸を張る。
それは助かる。うん、助かるのだが…何か借りパクの片棒を担がされそうな感じがする。
「なら私も行くわ」
「霊夢さん…?」
すると霊夢さんは重い腰を上げるように、立ち上がった。
「流石に魔理沙だけに天津を預けるのは怖いわ」
「私を何だと思ってるんだ!?」
…現状、俺から魔理沙さんの印象は魔女で借りパクする人しかないが。
そんな人に人を預けるのは流石にリスキーすぎる。
俺にも出来ない。
「まぉ、とりあえず…早速飛んでいくか!」
「そうね」
「ちょっと待ってください?」
「なんだぜ?」
「…俺は飛べませんよ?」
「何で?」
「いや、逆に何で!?」
何でこの世界の住民は『飛べることが当たり前ですけど?』みたいな反応をしてくるんだよ!?
無理だわ!人類の夢だぞ!?自分の力でふわふわ浮くのって!
…って二人に言っても伝わらないだろうな。
「じゃあ私か霊夢のどっちかが天津を運ぶか?」
「私には無理よ。流石に天津の巨体は運べないわ」
「私もだぜ。絶対に箒が折れる」
「「「…」」」」
―――
そんな訳で、俺と霊夢さんと魔理沙さんで紅魔館へ行く事になったが…。
「全く…天津は遅いわね」
「そうだなぁ」
「飛べるのが羨ましいよぉォ!」
俺の上を飛ぶ紅白巫女と白黒魔女。
もちろん、俺は徒歩だ。
1回試しに運べるか試したが、二人で俺を持ち上げることは無理だったし、箒が悲鳴を上げた。
「身体がデカイのも考え物だな、というか俺も何とかして飛べねぇのか…!?」
「大変そうね」
「大変ですよォ!」
霊夢さんが下に降りてきて、俺の様子を伺う。
浮きながら聞いてくるのは俺を煽っているのか…?
「というか、よく疲れないな」
「そんな歩いてましたっけ」
「まぁ結構歩いてるぜ?」
そんなに歩いているのか。
でも全く疲労を感じてない、足の痛みもだ。
…何か身体に変化が起きてるのか?
「そういえばルーミアとチルノと会わなかったわね」
「多分、寺子屋じゃないか?前にチルノが『宿題がー』って言ってたのを聞いたぜ」
「寺子屋…」
寺子屋って確か江戸時代とかの学校だよな。
となると幻想郷は幼い子もいるのか?
「天津、そっちにも学校はあるの?」
「ありますよ。おおよそ22歳まではほぼ確実に学校で勉強することになりますし」
「20年も勉強するのか!?」
「めんどいわね」
「まぁ…うん、そうですね」
めっちゃストレートに言うじゃん。
なんて話していると…。
「お、おぉ…?」
森をぬけて、湖を抜けると…禍々しい雰囲気を醸し出す大きな赤い城が見えてきた。
想像以上にデカイな…ここに住んでいる人がいるって、もう貴族とかそういう類じゃないか?
てか、人じゃねぇな吸血鬼か。
「じゃあ早速」
「待てい!」
紅魔館の城壁を越えて入ろうとした魔理沙さんを一旦止める。
「天津?なんで止めるんだぜ?」
「いや不法侵入では!?」
「常識に囚われちゃいけないんだぜ!」
「そこはモラルだろうがぁ!!」
「先に行ってるわよ」
「私を置いていくなぁぁぁぁぁぁ!!」
そう言って、霊夢さんと魔理沙さんは紅魔館の城壁を越えて中に入っていった。
…俺はどうすればいいんだ?
流石にこの高さの城壁を越えるのは無理だ。
身体能力云々は多少自信あるが、これは無理。
あとよじ登るのも有りそうだが、壁自体が綺麗で凹みすらない。
マジで正面突撃しかないな。
「はぁ…」
ため息をつきつつ、紅魔館の周囲をぐるっと回るとするか。
なんて歩いていると
「ここからなら入れるが門番がいるな…うん、門番が居るな」
「Zzz…」
「…寝てる門番ってそれはそれでどうなんだ?」
いかにも中国拳法使いますよって感じの女性が…寝てる。
うん、寝てるんだよな。
今のうちに中に入ろうかなって思ったけど、何というか気が引ける。
流石に起こすか。
「すみません、起きてください」
寝ている門番の肩を譲り、起こす。
「んん…んん?」
どうやら目が覚めたみたいだ。
「あ、おはようございます」
「おはようございます…って貴方は誰ですか!?」
勢いよく後ろに下がり構える中国拳法を使いそうな女性。
「初めまして、天津って言います。昨日、幻想郷入りしました」
「あぁ…ご丁寧にどうも」
「貴方は?」
「紅美鈴と言います。それで貴方は何故ここに?」
「今はちょっと諸事情で博麗神社に住まわせてもらっており、それで魔理沙さんが紅魔館の大図書館に向かうと言い始めたので」
「ちゅ、忠告ですか?」
「いえ、もう入ってます」
「え?」
「え?」
「もう入ってるんですか!?」
「は、はい。先程この城壁の上を通って行きまし」
と俺が話していたら
――サクッ。
「え」
「あ」
紅美鈴さんの頭部に何かが刺さり、額から血が垂れ始めた。
「あはは…寝てたのがバレましたね」
「バレましたねじゃないですよ!?ひ、額から血が!」
「大丈夫です、もう慣れてますので」
額から血を流すのに慣れてるってもう怖いよ。
幻想郷…恐るべし。
「それで…霊夢さんと魔理沙さんが中に入っていったので俺も入ってもよろしいですか?」
「あ、どうぞ」
「いや止めるべきですよね!?」
「というより、二人を外に出せれば何でもいいんじゃないかって…」
「え、えぇ…」
何故かよく分からないが、紅魔館の門をくぐることが出来た。
とにかく大図書館ってところに向かうか。
扉を開けてさっそく中に入る。
「扉がいっぱいある…」
恐らくここがエントランスホールなのだろう。うん、物凄く広い。
行ったことはないが結構高めのホテルとかこれくらいの大きさな気がする。
んで…大図書館って何処だよ!?
構造もわからないし、外から見ても結構な大きさの紅魔館の中で大図書館って場所を探すのにどれだけの時間がかかるのか…!
「どうすりゃいいんだよ…」
一旦、勘で進んでいこう。
「綺麗だな…」
出来る限り物音を立てないように歩いているが…外からでも中からでも思ったがとても綺麗だ。
なんというか掃除が行き届いているというかなんというか。
こんな屋敷を綺麗に維持するって相当な技量とか、労力が無いと無理な気がする。
「む?」
なんて歩いていると、地下に向かう階段のようなものを見つけた。
…この階段の先からすっげぇ禍々しいオーラを感じる。
「行く…か」
進む道を考えるべきかもしれないが、もしかしたら地下に件の大図書館がある可能性もある。
進もう。例え、禍々しい雰囲気を感じ取れているとしても。
キャラクターとの幕間のような話を作成するのはアリ?ナシ?気軽にお願いします。
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アリ
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ナシ