Fate/stay night―Innocent 作:Saika
◆〈プロローグ2〉
漆黒の空間、何も感じず何も聞こえない…
ここはどこだろうか?俺ことアビス・エル・レディアはあのあと部屋に帰って寝たはずなんだが…
ふと、背中に光を感じた。
「――汝は、常世に英雄として認められし者」
声は今自分の目の前に輝いている光から発せられている。
「俺が英雄?」
「然り、汝は世界を変革せし者、英霊としての業を成した者」
「ああ…成程」
俺は自分の世界を異能と言う理不尽で縛りその基盤の上で人を弄んでいた神を殺し、その゛座″を壊し世界の根源の一部を自分の法則――覇道で染めた。
イノセント――それは俺が居る世界でSEED(シード)と呼ばれる怪物を退けることができた唯一つの力。
その位階は六つ有って左から順に『Teen(発現)、Exet(干渉)、Brodo(眷器)、Aewith(至高)、Eden(我界)、SEED(始点創成)』とある。
Teenは異能(イノセント)の発現、Exetは異能を使用し空間に干渉する、Brodoは自らの異能の意思を形として顕現させること、Aewithは自分の理想に特化した形態に自らを変化させる、Edenは魔術で言う固有結界に近い、ただ固有結界よりルールの縛りが強く完全に己の渇望の形を体に付与する。そしてSEEDは己の法則で世界を完全に染める。俺はこれで世界の一部――異能の力による理不尽と言う形、もとい世界から異能を消し去った。
そして今に至るわけだ。
「ゆえ汝は英霊の座に上り、聖なる杯を巡る争いに参加してもらうことになる」
「ん?聖なる杯?それは何だ?」
「聖なる杯、聖杯とも言われる。あらゆる願いを叶える万能の杯」
万能の杯…ね。まぁそんなのがあれば誰でもあらそうわな。
「で、あの世界での暮らしを捨てて俺にそこで戦えと?」
光はまたたき、
「然り、しかし戻る方法はある。勝ち残り聖杯にそれを願えば良い」
「あんたが戻すのは?」
光は無反応に「否、座に抱えられたものは我では戻せぬ」
つまりはその戦いに参加し勝ち残り、聖杯に元の世界への帰還を願えと…
「今現在、汝を召喚(よんでいる)しようとしている者がいる」
というと足元がすけ、どこかの市の上空が映し出され街の中の一軒が光っている。
「あれが?」
「然り、汝を呼びし主。マスターとなるもの」
「どうすればいい?」
俺がそう言うと恐らく少女であろう者の歌…いや詠唱が聞こえてきた――
『…告げる、汝の身は我が下に、我が運命は汝が剣に、聖杯のよるべに従い、この意この理に従うならば答えよ。』
思いがこちらに届きそうなほど震える声で謳われる詠唱――
『我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪となるもの。汝三大の言霊を纏いし七天、抑止の輪より来たれ――万象の守り手よ!』
俺の体を光が包始める、俺を呼ぶ意志が強く感じる。
「答えよ、英雄よ。そして勝ち取れ。さすれば見えるだろ――」
それと同時に目の前がま真っ白に染まり俺の視界を埋めていった。
◆
俺を包んでいた光が消えて目を開くとそこは見知らぬ何処かの地下だった。
そして目を驚かせて俺を見つめている女の子がいた。
ということは――
「召喚とはこうゆう事か、成程。では問おうあなたが私のマスターか?」
俺の問、一応聞いておかなければならない。これから共に戦うことになるんだから。
しかし、女の子はこちらを見つめたまま固まっている。
だからもう一度言う。
「…聞こえてるか?俺を呼び出しならあなたが俺のマスターなんだろ?」
女の子は口おとじて
「…ええ、私が貴方のマスター…よ。え…?」
言葉を発した彼女だがその体が急に横に倒れていく。
「う…やば、魔…りょ、くが」
と、つぶやいて彼女は完全に倒れ込んだ。
「おいおい、そんなんで大丈夫かマスター?」
と、声をかけるが彼女は完全に意識を失ってしまた様だ。
「ああ~どうするかな、この女の子?とりあいず部屋があるみたいだしそこに運ぶか…」
アビスはマスターである彼女を部屋に運んでいった。
界斗 魅音がアビスを召喚したそれと全く同時刻、ある家でセイバーのサーヴァントとが召喚されていた。
既にサーヴァントが六騎存在している中で全く同時にサーヴァントが召喚され本来七騎だけのはずのサーヴァントが八騎存在してしまっている事をまだ誰も知らない…
どうでしたでしょうか?次回から本作に入ります。ルートの指定はアニメ版か凛ルートを考えているんですが感想をいただけると幸いです。