聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~ 作:XX(旧山川海のすけ)
まあ、警察に突き出すなんて大きく出たけどさ。
具体的にやることは「素行調査」で。
問題の人物が、経歴としてストーカーをやりかねない人間なのか。
もしくは、今現在ストーカーをやってんじゃないのかとか。
それなんだよね。
……属性としては浮気調査とあまり変わらんのよな。
だから依頼人はウチに来たんだろうけど。
「何とか解決してあげたいよね」
問題の人物の、
市子にそう言われる。
まぁ、そうだよな。
依頼の内容が探偵小説っぽいのがテンション上がるけど。
人としても解決はしてあげたい気はする。
前に市子はこんなことを言ってた。
「男性は究極、危険に対して自分の力で立ち向かう選択肢を取れるけど。女はそうはいかないの」
……まぁ、そりゃそうだよな。
想像力がある、性格の良い賢い女性ほどそう思うだろうさ。
だからまあ、今回みたいに男が違法行為を辞さない姿勢を見せてきたら、その恐怖は凄まじいだろうね。
実質的に生殺与奪の権を握られてるようなもんだし。
「この種田って男、女性にモテない男ってわけじゃないみたいだよ」
俺が種田に張り付いて生活スタイルを調べている間。
市子は経歴を調べてくれていて。
俺たちは事務所でその情報を総合する。
俺は応接セットに鎮座して、ローテーブルに置いた書類を読んでいた。
「高校のときに彼女が居たみたいだし、大学時代も同様で」
ローテーブルの書類……
市子の調べてくれた情報の報告書に、俺が目を通していると
「ただ、高校のときの彼女は計2人で、大学に上がったらまた変わってるみたいね」
そう、補足説明してくれる。
……なるほどね。
「最初の彼女と別れたのは?」
「頭が悪い女はウザいって」
……なるほど。
そのときの経験で、色々束縛するようになったのかもな。
付き合うとなると、その人間の交友関係とも向き合わないといけないわけだし。
「大学の彼女については、卒業後に向こうからフラれてるわ。……だいぶ復縁しようと頑張ってたみたいだけど。結婚を視野に入れたら性格的に無理があると今更気づいたとか言われたみたいで」
市子は俺の分と自分の分のインスタントコーヒーを淹れながら
「これ以上付きまとうと警察に駆け込むと言われ、引き下がったみたい」
かなり重要な情報の説明。
んん、決定的に歪んだのはそこら辺に事情がありそうだなぁ。
「御幸君は?」
俺の前にブラックコーヒーの入った白いマグカップを置き、彼女
俺は
「ここ数日、依頼人の家に嫌がらせをしに行ってる様子は無かった。けど……」
種田、普段はクレカで生活費を払ってるんだよな。
なのに……
「ゴミの中に、銀行ATMの明細書を見つけた。引き出しのやつ」
……こういうところ、俺は持ってるのかもしれん。
「えっと、チョー運がいいね。いくら下ろしてたの?」
「50万」
コーヒーを口にしながら。
50万といえば、ATMで下ろせる限度額だ。
クレカ払いを常態化している男が、それだけの金額を下ろすなんて……
……支払いか?